「客の良心を信じたのがバカだった……」中国レストランが奇抜な開店記念サービス実施も、大赤字!
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中国南西部の貴州省の省都・貴陽市で10月初め、一軒のレストランがオープンした。開店記念として、オープンから1週間、料金は客が自分で自由に決められるというサービスを行った。大損する可能性もあったが、レストランのオーナーは「たとえ儲けは出なくても、さすがに原価以上の料金は払ってくれるだろう」と、人民たちの善意に期待したわけである。
国慶節の連休中ということもあり、開店初日から店は大にぎわい。最初の客が定価のほぼ半額を出してくれたので幸先良しと喜んでいたが、それも束の間だった。
ある客は800元(約1万2,000円)以上も食べたのに、会計で払ったのはたったの50元(750円)と、1割にも満たない金額だったとか、600元(約9,000円)以上分食べたのに、支払ったのは30数元(約500円)という客も出てきた。100~200元(約1,500~3,000円)分食べて、支払ったのは10~20元(約150~300円)といった客も少なくなかったという。中には、料理1皿に1元(約15円)しか出さなかったという、とんでもない客も。
何度も来る客もいて、近くにあるレストランの社長などは、1回目は友人を連れて来店。400元(約6,000円)分食べて88元(約1,300円)だけ支払い、翌日には店の従業員10数人を連れて来店し、1,400元(約2万1,000円)分も頼んで、支払ったのは200元(約3,000円)ちょっとだった。もうこうなると、嫌がらせとしか思えない。
結局、1週間のサービス期間中、かかった原価が11万元(約165万円)だったのに対し、売り上げは1万元ちょっと(約15万円)。約150万円の大赤字となった。店のオーナーはこれに対し「せめて原価分くらいは払うのが普通でしょう。でも、みんなタダ飯としか思っていなかった」とため息をつくばかり。
サービス期間以降も客が店に来てくれれば、宣伝費と考えることもできるが、そこは現金な人民たち、サービスが終わった翌日に地元紙の記者が取材に訪れたところ、開店休業状態で、店員たちはスマホをいじって遊んでいたという。
人民相手に性善説など通用しないことを、身をもって立証する結果となった。
(文=佐久間賢三)