「映画館でゴミを持ち帰らないのは未開な国民性の表れ」!? ポイ捨てをめぐり、韓国のネットが大荒れ
中国人観光客が捨てた、済州島のゴミ
韓国のインターネットコミュニティーで今、ひとつの論争が起きている。
そのテーマは「「映画館でゴミを持ち帰らないのは、未開な国民性の表れだ」というもの。これについて韓国ネット民の間では、「清掃員が回収するんだから、出しゃばるな」「チケット代に清掃費が含まれている」「お前らは、部屋にゴミをポイ捨てするのか?」「ゴミを道路に捨てるのと同じ、非常識な行為」などといった、賛否両論の意見が飛び交っている。
モラルをめぐるネット民の対立は一進一退の様相を見せているが、どうやらゴミ問題が深刻なのは、映画館だけではないようだ。
10月9日、汝矣島(ヨイド)の漢江(ハンガン)市民公園で花火大会が開かれ、100万人が集まる盛り上がりを見せた。しかし、当日の盛り上がりとは裏腹に、翌日の光景は悲惨だった。公園の周囲には飲み残しのビールやジュース、中身が残ったカップラーメンなどのゴミが散乱。トイレでは、便器内に食べ残しを捨てた人も多く、マスクなしには入れないほどの異臭騒動となった。
結局、清掃作業には、従来の30人を大幅に上回る80人が動員され、12時間以上が費やされた。清掃員たちが回収したゴミの量は、毎週末に回収する10トンの3倍にもなったという。
この花火大会は毎年、ゴミ問題が運営側を悩ませていた。そのため今回は、運営側やボランティアの多くがSNSや街頭での指導を通じてゴミの持ち帰りを訴えたのだが、結果はこのありさまだったという。
そんな韓国人のゴミ問題をさらにややこしくしているのが、中国人観光客によるゴミの不法投棄だ。特に、重大な被害を受けているのは済州島(チェジュド)だ。海に囲まれた美しい景観を持つ済州島だが、中国人観光客の増加に伴って、済州島の至るところで、ゴミの急増が深刻な問題となっている。
その結果、観光地として知られる城山日出峯(ソンサンイルチュルボン)などでは、不法投棄対策として中国人観光客専用の通路を作るなど、これ以上の景観の破壊を食い止めようと対策が取られている。近年、済州島の観光産業は回復傾向にあるが、ゴミが散乱するような状況が続けば、観光地としての価値は下がる一方だ。
ゴミ問題に頭を悩ませている韓国だが、「映画館のゴミに関する討論」が盛り上がるところに“民度”が表れているようだ。