「孫向文」の記事一覧(2 / 5ページ)

中国「G20」パニック! 過剰な検問とインフラ断絶で、杭州市民は軟禁状態!?

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 9月4日、僕の生まれ故郷である中国浙江省・杭州市でG20(20カ国・地域首脳会議)が開催されます。G20は世界各国の首脳陣が集結する重要な会議で、本来開催されることは当該都市にとって名誉ですが、杭州市に住む僕の友人たち、そして普段は政府を支持する僕の両親すら、反対意見を唱えています。<br />
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アスリートは“国家の道具”にすぎない? リオ五輪における、中国のプロパガンダ活動

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 8月5日(日本時間6日)、ブラジル・リオデジャネイロ五輪が開幕しました。現地では連日、世界中のアスリートたちが熱戦を繰り広げていますが、中国政府は五輪を「神聖なスポーツの祭典」ではなく「国威発揚の場」として捉えています。</p>

<p> 世界中の人々が視聴する五輪は、中国にとって自国をアピールするための絶好の機会です。そのため、政府は莫大な予算を投じてアスリートを育成し、大選手団を五輪に送り込みます。そのかいあって、中国選手団は世界第2位のメダル獲得数(8月15日現在)と好成績を残しているのですが、彼らはしょせん「国家の道具」にすぎません。</p>

中国・河北省大洪水は人災だった? 政府の言論統制強化の裏で見殺しにされる人民たち

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 7月26日、中国政府は、国内のインターネットサイトの表現に関する基準を変更することを発表しました。その結果、100件以上の機関サイトが「不適切な箇所がある」と判断され、現在、政治や経済に関する報道は、実質的に政府が検閲したものしか配信できない状態です。</p>

<p> 政府による規制は当然、民間が運営するサイトにも適用されます。今年上半期には、計1,475件のサイトが「基準に反している」という名目で閉鎖され、1万件以上のサイトが特定の報道箇所を削除されています。「新浪」「鳳凰網」「捜狐」「網易」といった、中国の大手ニュースサイトは現在、機関サイトと同じく、自発的にニュースを取材・報道することを禁止されています。</p>

「お前のモノは俺のモノ?」南シナ海問題で中国の“ジャイアニズム”が止まらない!

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 7月12日、南シナ海の領有権を訴える中国に対し、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は中国の主張は認められないという判決を下しました。しかし、中国側はこの判決を不服とし、問題を提起したフィリピンや裁判に関わったとされる日本を非難し、その状況を受け、アメリカが抗議声明を発表するという一触即発の状態になっています。</p>

参院選前に考えたい、中国の“民主化弾圧”と英EU離脱に見る「選挙制度」の表裏

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 6月17日、中国広東省にある「烏坎村」の林祖恋村長が地元の治安当局に拘束されました。この事態を受け、村民たちは連日抗議デモを繰り広げています。</p>

<p> 烏坎村は2011年、土地利用をめぐり村民と村指導部が激しく対立し、治安当局に拘束された村民代表が死亡する事件が発生。村民の抗議活動が激化したことにより、選挙で村長を選ぶことが認可されたのです。普通選挙権という中国の自治体としては異例の措置が取られた烏坎村は、「中国民主化の先駆け」として国内外から注目されました。選挙の結果選ばれたのが、現職の林祖恋村長です。</p>

「欧米メディアの圧力に屈するな!」中国人漫画家が日本の難民政策を支持するワケ

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 6月12日、アメリカ・フロリダ州オーランドのナイトクラブ内で男が突如銃を乱射し、死者49名、負傷者53名の大惨事を引き起こしました。射殺された容疑者はイスラム教徒のアフガニスタン系移民であり、以前からIS(イスラム国)を支持するような言動を行っていたそうです。</p>

環境汚染、食品不正、言論弾圧……“中国化”した香港の10年後はこうなる? 風刺映画『十年』が大ヒットのワケ

YouTube『Film Ten Years』より

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 先日、『十年』という香港アカデミー賞最優秀作品に輝いた映画を鑑賞する機会をいただきました。この映画は、「中国共産党の影響が強まった2025年の香港」をテーマにした5人の監督によるオムニバス作品で、昨年12月17日に封切られた当初は単館上映だったのですが、口コミで評判が瞬く間に広がり、香港内では『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』を超える大ヒットを記録しました。

『十年』の作中では、環境汚染、食品不正、言論弾圧など、香港が中共政府による影響を受けているさまが描かれており、高齢女性が香港政府に抗議するために灯油を飲んで、焼身自殺するなど、中国のチベット支配に対するメタファーも盛り込まれているため、僕は鑑賞時に強い衝撃を受けました。

 この作品で描かれた5つのエピソードの中で特に印象に残ったのは、第1話と第5話でした。まず第1話は、2人の香港マフィアの構成員を主人公としたもので、フィルム・ノワール(1940~50年代に製作されたアメリカのギャング映画)を意識してか、モノクロ作品となっています。物語のあらすじは、中共政府と癒着した架空の政党「金民党」が、中共政府が推進する「国家安全法」を制定するためにマフィアを利用するというものです。金民党という政党名は、中国の拝金体質を揶揄しているのでしょう。

 物語のクライマックス、金民党の議員が演説を行う最中、2人の構成員が乱入し、議員に向けて発砲するのですが、自作自演で、結果的に金民党の支持率は上昇し、国家安全法制が制定されます。この事件は「外国勢力の仕業」だと見せかけられるのですが、これは現実の香港の反中デモ「雨傘革命」に対する中共政府の見解と同じものです。物語では、主人公のひとりが東南アジア系の青年と設定されていました。

 第5話は、鶏卵の卸売業を営む男の物語です。作中の香港では中国産の卵を販売することが義務付けられているのですが、男は不衛生で品質が悪い卵を売ることを嫌い、香港産の卵のみを売り続けます。しかし、政府の圧力により香港の養鶏業は次第に追い詰められ、次々と台湾に移転しているというのが物語の設定です。

 男の息子は「少年軍」という政府組織に所属しており、彼が父親の行為を摘発するか否かが物語の主題となっているのですが、この組織は文化大革命時の「紅衛兵」(中共政府により思想統制された市民の総称)がモデルとなっています。物語中、少年軍に所属する子どもたちは毎日放課後に洗脳教育を受けており、街中をパトロールして政府に対する違法行為を摘発します。これは文革時の中共政府による思想統制を、ほぼそのまま再現したものです。さらに、少年軍の任務は彼らの保護者にも口外しないという作中設定があるのですが、これは中共政府に反発したと見なした人物は、たとえ親兄弟でも容赦なく粛清した紅衛兵たちの思想を風刺したものです。

 物語中、少年軍メンバーたちは毎日書店に立ち寄り、あらゆる出版物を検閲します。そして少しでも反政府的な箇所があると判断されたものは、ただちに彼らが通学する学校に報告されます。書店には漫画『進撃の巨人』のポスターが貼ってあるのですが、これは物語中の香港では、「巨人(中共政府)に抵抗する人間(香港人)」という意味で、同作品が検閲の対象になっているということを隠喩しているのかもしれません。物語の最後、男の息子が「バカじゃないの? 『ドラえもん』まで規制するなんて」と皮肉めいたセリフを吐きます。これは「すべての創作物が監視、規制された世界」を表現しているのでしょう。

『十年』で描かれた香港は地獄のような悲惨な世界ですが、映画内の描写のほとんどが、中国国内では現在進行形で行われていることばかりです。今後の中共政府の影響を不安視する香港人は多く、その点が、この映画の大ヒットにつながったのです。

 現行の体制が中国本土で続く限り、映画の世界が現実化することは十分にあり得ます。『十年』の第1話では、香港の議会政治がまだ継続している設定でしたが、近い将来、中共政府が香港の政治体制を廃止し、「香港自治区地方政府」として完全に支配下に置く可能性すらあるでしょう。つまり、現実の未来は、映画よりひどいものになるかもしれません。「アジアの中心」ともいわれる香港を「中国化」させないためにも、僕は一刻も早い中共政府の退陣を望みます。 

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●そん・こうぶん
中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。
https://twitter.com/sun_koubun>
 

「敵にトドメを刺さないのはなぜ?」中国人が違和感を覚える、日本アニメのヒーロー像

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 以前より、中国国内では日本の漫画やアニメ作品が人気を博しており、いわゆる「オタク」や「コスプレイヤー」は大勢存在します。しかし、彼らの多くが、日本の作品のとある傾向に対して疑問を抱いています。</p>

<p> 4月28日、中国のメディアサイト「騰訊網」は、「どうして日本アニメの主人公は、敵に対してあまりに優しいのか?」というテーマの記事を掲載しました。記事内では、日本の作品のヒーローが多くの苦しみを味わったにもかかわらず、敵の命を奪わない例をいくつか紹介し、「ときどき日本のヒーローたちの気持ちが理解できない」「ヒーローの優しさや勝者のバイタリティーを強調するためだ」「暴力や殺害を好まない、今の時代の特色だ」という中国のファンの考察が紹介されていました。</p>

大手メディアのオスプレイ批判は的外れ? 災害救助に適したスペックは評価すべき!

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 4月18日、熊本県を中心とする一連の地震災害を受け、在日米海兵隊は救援物資輸送用として垂直離着陸輸送機MV22「オスプレイ」を派遣しました。沖縄県普天間基地から出発した4機のオスプレイは、熊本県内の陸上自衛隊高遊原分屯地に到着し、水や食料、簡易トイレなどを被災者に届けたそうです。</p>

左派・リベラル層の政権批判に利用されてるだけ? 「保育園不足・待機児童問題」の違和感とは

<p> こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。</p>

<p> 4月12日、千葉県市川市内で開園予定だった私立保育園が、園児の声が騒音になるという近隣住民の苦情を受け、開園を取りやめになっていたことが発覚しました。全国的に見ると、市民側の苦情で保育園の開園が遅れるといった例は過去にもあったようですが、実際に中止となった例は今回が初めてだそうです。</p>

<p> 保育園が建設される予定だった土地は住宅街の真ん中に位置しており、騒音が周囲に響きやすい場所であるそうです。さらに周辺は狭い道路が入り組んでおり、通園時に危険が伴うという意見もあったようです。しかし、僕はこのような事実を踏まえた上で、あえて今回の事例に異議を唱えます。</p>

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