「映画」の記事一覧(21 / 42ページ)

捕鯨船エセックス号を巨大な“怪物”が襲う! 名作小説の元になった実話を映画化『白鯨との闘い』

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(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED.

 今週取り上げる最新映画は、故・森田芳光監督ゆかりのキャスト・スタッフが豪華に集う人情コメディーと、小説『白鯨』のモデルになった19世紀の実話を最新の視覚効果と3D映像で蘇らせた海洋活劇。新人監督による心温まる娯楽作と、ハリウッドの名匠がタブーに挑む衝撃作という点でも、好対照の2作品だ(いずれも1月16日公開)。

『の・ようなもの のようなもの』は、森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』(1981)の35年後を描くオリジナル作品。落語家一門の出船亭で修行中の志ん田(しんでん)は、師匠から以前在籍していた志ん魚(しんとと)を探すよう命じられる。あちこち訪ね歩いてようやく見つけた志ん魚は、落語とは無縁の中年男になっていた。なんとか復帰させたい師匠の指示により、志ん田は志ん魚と共同生活を始めることになる。

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井上監督が語る『あまちゃん』とトンネルの向う側 音楽ロードムービー『LIVE!LOVE!SING!』が劇場公開

<p> 2013年に放映されたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』からは能年玲奈、橋本愛、福士蒼汰、有村架純ら新世代のスターたちが次々と飛び出していった。そしてドラマ、歌、笑いといったエンターテイメントが社会に大きな影響を与えることを改めて実証してみせた。東日本大震災と福島第一原発事故によって、長らく自粛モードにあった日本社会に明るさをもたらしたメモリアルな作品だった。その『あまちゃん』をチーフ演出として世に送り出したのが、井上剛ディレクター。阪神淡路大震災を扱った『その街のこども 劇場版』(11)も高い評価を受けている。監督第2作となる『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』は『あまちゃん』の舞台となった東北地方、そして『その街のこども』の舞台・神戸を繋ぐ音楽ロードムービーだ。『あまちゃん』のヒロイン・天野アキの運命にも大きく関わった3.11のその後を井上ディレクターはどう描いたのか? 『あまちゃん』ブームを振り返りつつ、本作を通して震災後の社会について語ってもらった。<br />
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2つの冤罪事件の命運を分けたのは何だったのか? 司法が犯した重大犯罪を暴く『ふたりの死刑囚』

<p> 半世紀近くにわたって冤罪と闘い続けた2人の死刑囚がいる。ひとりは再審の扉が開かれて拘置所を出ることを果たしたが、もうひとりは再審を却下され無念の獄中死を遂げた。日本の裁判システムの中でなぜ冤罪は起きたのか。そして、2人の死刑囚の運命を分けたものは何だったのか。独自路線を突き進む東海テレビのドキュメンタリー『ふたりの死刑囚』は昭和36年(1961)に起きた「名張毒ぶどう酒事件」、昭和41年(1966)に起きた「袴田事件」という2つの冤罪事件を追い、司法界が抱える問題点をくっきりと明るみにしている。<br />
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“それ”はジワジワと近づいてくる……ファン必見の新感覚ホラー『イット・フォローズ』

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(c)2014 It Will Follow. Inc./配給: ポニーキャニオン

 今週取り上げる最新映画は、青春映画の名手・行定勲監督が大胆な仕掛けで観客を驚かせる衝撃作と、斬新な設定で恐怖がジワジワ募る米国製ホラー。いずれもジャンルをクロスオーバーさせて味わいを深めた、創意工夫が光る2作品だ。

『ピンクとグレー』(1月9日公開)は、アイドルグループNEWSの加藤シゲアキが発表した小説を、『GO』(2001年)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04年)の行定勲監督が映画化した青春サスペンスドラマ。人気俳優の蓮吾が、自宅で首を吊った姿で見つかる。第一発見者は、幼い頃からの親友で無名俳優の大貴。遺書に導かれ、蓮吾の伝記を発表して一躍時の人となるが、親友の死で得た名声に苦しむ大貴は、次第に自分を見失っていく。

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世間の常識よ、直下型ブレーンバスターをくらえ!! 障害者プロレス四半世紀の激闘を刻む『DOGLEGS』

<p> 心の中の万里の長城がドミノ倒しのように音を立てて崩れ落ちていく。天願大介監督のドキュメンタリー映画『無敵のハンディキャップ』(93)にはそのくらいの衝撃を受けた。身障者たちがリングに上がり、障害を抱えた肉体を武器に激突する姿は、観る者の固定観念を粉々にしてしまうパワーがあった。身障者同士の闘いだけで充分刺激的なのに、さらに強烈なのが障害者プロレスのエース・サンボ慎太郎と健常者であるアンチテーゼ北島とのガチンコバトルだった。障害者プロレス「ドッグレッグス」を立ち上げた北島と慎太郎は無二の親友だが、リング上で北島は容赦なく慎太郎をボコボコにした。全身キズだらけになりながらも慎太郎は北島に食らいついた。勝ち負けを超えた感動がそのリングにはあった。だが、『無敵のハンディキャップ』の上映が終わっても彼らの闘いはまだ終わっていなかったのだ。ニュージーランド出身の映像作家、ヒース・カズンズ監督のデビュー作となる『DOGLEGS』は慎太郎たちのその後の激闘の歴史を追い、また障害者レスラーと障害者プロレスに新しい時代が訪れていることを告げている。<br />
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2016年のスタートを飾る名作がめじろ押し! トム・ハンクス『ブリッジ・オブ・スパイ』ほか

<p> 今週の当コーナーは特別編として、「オススメの2016年年明け公開映画」を取り上げたい。映画館に居ながらにして、時間と空間を超える旅や冒険を体験できる必見の3作品だ。</p>

<p> 『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016年1月8日公開)は、スティーブン・スピルバーグ監督3年ぶりの新作で、米ソ冷戦時代の実話に基づくサスペンスドラマ。ニューヨークで保険法を専門とする弁護士ジェームズ(トム・ハンクス)は、FBIに逮捕されたソ連スパイ・ルドルフの弁護を引き受ける。正義の原則を貫き、死刑確実だったルドルフに懲役30年の判決をもたらす。これがきっかけとなり、ジェームズは5年後、米ソがそれぞれ捕らえたスパイの交換を実現するための交渉役として、東ベルリンへ派遣される。</p>

ヤクザのいない清潔な街は本当に居心地いいのか? 東海テレビのドキュメンタリー『ヤクザと憲法』

<p> ヤクザには人権は認められないのか。日本国憲法にはすべての日本国民は基本的人権と平等が守られることが明示されているが、ヤクザには適用されないのか。2004年から2011年にかけて暴力団排除条例(暴排条例)が全国で施行され、ヤクザたちの生活は追い詰められている。暴排条例は社会から暴力団を締め出すことを目的としたもので、一般市民が暴力団と関わることも規制している。だが、そのために暴力団の構成員は銀行口座をつくれず、小学校に通う子どもの給食費を振り込むこともできない。子どもが通う幼稚園の行事に参加できないだけでなく、子どもまで幼稚園からの退園を余儀なくされた。そんな笑えない事態が生じている。ヤクザを排除してクリーンになった街は、本当に住み心地がよいのか。『男はつらいよ』でテキヤ稼業をしていた寅さんが転職を迫られる世の中は歓迎すべきものなのか。東海テレビ製作のドキュメンタリー『ヤクザと憲法』は、ヤクザたちの日常生活を通して日本国憲法の在り方を見直そうという野心的な作品となっている。</p>

実在した“神の一手”天才チェスプレイヤーを、トビー・マグワイアが好演!『完全なるチェックメイト』

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(C)2014 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Photo Credit: Tony Rivetti Jr.

 今週取り上げる最新映画は、米ソ冷戦下で代理戦争として世界が注目したチェス対決と、1世紀前のアルメニア人大虐殺をそれぞれ描くドラマ2作品。主人公の生き様を通じて知られざる歴史の裏側を照らし出す、名監督たちの手腕を堪能できる力作だ。

 『完全なるチェックメイト』(公開中)は、トビー・マグワイア主演で天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの半生を描く伝記ドラマ。ニューヨークで幼少時代からチェスの才能を開花させたボビーは、15歳で史上最年少のグランドマスターに。何度も引退と復帰を繰り返したり、突飛な言動で周囲を振り回すボビーだったが、20代後半に国際大会で勝利を重ね、ソ連が誇る世界王者ボリス・スパスキーへの挑戦権を獲得。時は米ソ冷戦期の1972年、全24局の「世紀の対決」は、両国の威信をかけた代理戦争の様相を帯び、世界中にテレビ中継される。だがボビーは、極限のプレッシャー下で始まった第1局を凡ミスで落とし、第2局をボイコットして、2連敗と追い込まれる。

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静脈注射によるトリップ演技があまりにヤバい! 乞食美少女の純愛ドラマ『神様なんかくそくらえ』

<p> クリスマスケーキも神の祝福もいらない。家族や家がなくてもヘッチャラ。『神様なんかくそくらえ』(原題:HEAVEN KNOWS WHAT)のヒロインを演じたアニエル・ホームズは、タフでワイルドな女の子だ。住所不定の彼女はNYのストリートで生きてきた。職業は物乞い。街ゆく人たちに「小銭をちょうだい」とおねだりし、後は廃品や盗品をうまく活用してサバイブしてきた。顔立ちは整っているが、指先はひどく汚い。世間の常識や法律に縛られない、野生動物のような危うい魅力の持ち主だ。そんな彼女の傷だらけの恋愛青春ストーリーが本作では描かれる。少女コミック原作の毒気のない実写映画で賑わう日本映画とはまるで毛色が違う。<br />
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一瞬で人生が変わる!? 往年の名作のオマージュが光る、大人のおとぎ話『マイ・ファニー・レディ』

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(C)STTN Captial,LLC 2015

 今週取り上げる最新映画は、一風変わった愛が巻き起こす騒動を描く「大人のおとぎ話」ともいうべき2作品。片や往年のハリウッド恋愛喜劇を想起させるウェルメイドの娯楽作、片や幸福と不幸のはざまを独特のユーモアで描く新感覚の邦画と、対照的な2本でもある(いずれも、12月19日公開)。

『マイ・ファニー・レディ』は、『ペーパームーン』(1974年)の名匠ピーター・ボグダノビッチ監督による群像コメディ。演出家のアーノルド(オーウェン・ウィルソン)は舞台公演を控えたある夜、初対面のコールガール・イジー(イモージェン・プーツ)をデートに連れ出し、今の仕事を辞めることを条件に3万ドルをプレゼントする。女優になる夢を取り戻したイジーが新作舞台のオーディションに行くと、そこにはアーノルドと、彼の妻で主演女優のデルタ(キャスリン・ハーン)がいた。アーノルドの困惑に反し、イジーが役を得たことで、思わぬ騒動が繰り広げられる。

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