「12プレミア」の記事一覧(13 / 15ページ)

「私、脱ぐよ」篠原涼子がフジテレビの新ドラマでアノ年下俳優との官能シーンを提案

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フジテレビ『オトナ女子』HPより。

 ドラマの不振が続くフジテレビが、今期もっとも期待を寄せているのが、10月15日にスタートする篠原涼子主演の『オトナ女子』(フジテレビ系)だ。

 篠原が演じる恋愛アプリの開発会社に勤め、仕事をバリバリこなすOLと同い年の40歳の親友3人が、それぞれダメな男に振り回され、時に傷つけ、励まし合いながら幸せをつかもうと奮闘する物語。男性キャストは谷原章介、江口洋介の名が明かされているが、フジにはまだ発表していない目玉俳優がいるという。ドラマ関係者が声を潜めて言う。

「斎藤工ですよ。夫の市村正親が66歳と高齢なせいか、篠原が直々に若い俳優を望み、斎藤を指名したそうです」

 しかも、当初はコミカルな演出の予定だったが、斎藤の出演が決まったことで、篠原みずからがセクシー方向への転換を希望したというのだ。前出のドラマ関係者がこう続ける。

「台本にはキスシーンやベッドシーンもなかったのですが、篠原が『私、脱ぐよ』と言い出したんです。情事の後、鳥の鳴き声で目が覚めるといったベタな演出だったのが、上半身裸のまま斎藤の胸元に口を這わせたり、ディープキスをしたりと、斎藤の出世作となった『昼顔』(フジテレビ系)を彷彿とさせる官能シーンが追加されることになりました。斎藤は篠原の“ペット”のような役どころで、彼女はヤリたくなると斎藤の上に乗って始める。私生活でのセックスレスのストレスをドラマで発散させたいのかもしれませんね」

 篠原の“熱艶”が今から楽しみだ。

藤原紀香、市川海老蔵夫妻もハマった! Dr.コパ、ユミリー出現でブームを呼んだ”風水建築”の功罪

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――風水の専門知識を持つ建築士に向けて、来春にも「風水建築士」なる資格の認定が開始されるという。風水といえば、Dr.コパこと小林祥晃氏や、ユミリーこと直居由美里氏など、“占い師”的イメージが強いが、その歴史を紐解けば、はなから“怪しいモノ”として扱われてきたわけではない。その変貌の理由とは?

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『風水住宅図鑑―風水で住宅をみるための基礎知識』(太玄社)

 今年は、徳川家康の没後400年だ。葦が生い茂る湿地帯を、風水に基づいて世界一の大都市・江戸につくり変えた家康は、このたびの新国立競技場をめぐるゴタゴタをどんな思いで眺めているのだろうか──。

 そんな戯言を、国土交通省で国道建設を采配する技官のA氏はこう一蹴する。

「江戸時代とは違って、現代の公共事業では、風水を取り入れるなんてはなからあり得ませんよ(笑)。事業の必要性以外にも、地元選出国会議員などの利益代表、反対する住民、予算や環境の問題など、調整事項が山積みなんですから、そこに“迷信”の入り込む余地はない」

 A氏の言う通り、 “迷信”“占い”という位置づけに落ち着きつつある風水だが、しかし、古代から近世にかけては、「学問」のひとつとして扱われてきた側面もある。西洋における占星術が天文学と近しい関係にあったように、風水もまた、地理学や環境学と密接な関係にあったのだ。

 そもそも「風水」とは、その解釈には諸説あるものの、古代中国において、都市や建物などの位置の吉凶を決定するために用いられてきたもので、“気の流れを物の位置で制御する”という思想を指す。風水研究で知られる東京都立大学名誉教授の渡邊欣雄氏は、2000年に『アジア遊学』(勉誠出版)に寄せた論考の中で、かつての風水が「地理」と同意語であり、地形の測量などの科学と密接に関係していたことを説いている。

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安藤美姫、古閑美保、田中理恵……”美人”が通用しなくなるテレビの世界で、「美人アスリート」は何をすべきか?

――女性向けメディアを中心に活躍するエッセイスト・高山真が、サイゾーの特集記事を斬る。男とは、女とは、そしてメディアとは? 超刺激的カルチャー論。

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サイゾー 2015年10月号 

 サイゾー10月号の『美人アスリートの「第二の人生」胸算用』を読んでみてつくづく思ったのは、「男と女の見方はこうも違い、こうも同じである」ということでした。現役アスリートであれ元アスリートであれ、ほとんどの女たちはアスリートが「美人である」ことに、重きを置いていません。美人アスリートを「美人である」という理由で好きになる一般人の女はまずいない。アスリート以上にキレイさを問題にされそうな女子アナ界ですら、「美人である」という理由で女子アナを好きになる一般人女性はほぼいないのですから。

 しかし、逆もまた真なり。「イケメン○○」という形容詞で世に出てくる男たちも多くなったとはいえ、その男たちを「顔」で評価する一般人の男たちがほとんどいないのと、ある意味では同じであるといえるでしょう。

 芸能界やテレビの世界で、男と女の一番の違いといえば、「同性に向けて『美』を発信する仕事」が確立されているのは女の世界だけ、ということ。サイゾーにも「美人アスリートは、テレビでは女優やモデルあたりと美人度を競うことになる」と書いてありました。イベントごとで予算を動かすのはだいたいオヤジなので、「スポーツ系のイベントにも美人が必要だよな」というオヤジ目線から「美人アスリート」に仕事が行くのは容易に想像がつきます。しかしテレビの世界を視聴率という数字で評価しているのは一般人です。それも現在では女性視聴者のほうが多いのでは、というのが、「スポンサーについている企業がどんな商品を売りたくてCMを流しているか」をざっと見渡したうえでの、あたくしの実感です。

 ただでさえ芸能界なんて供給過剰ぎみなので、「長くいようと思えば思うほど、先々苦しくなる」のは、木っ端コラムニストのあたくしが言うまでもないことです。アスリートから芸能界に転身した女たち、それも、今回サイゾーで取り上げられた美人アスリートの方で、「松野明美のような生き残り方をしたい」と思っている人は間違いなく皆無でしょう。そして、芸能やプロスポーツの世界では、女たちは遅かれ早かれ必ず、異性よりも同性の支持を欲しがるものです。だとすれば、結局必要になるのは、「顔以外の何か」という至極当たり前のものになります。アスリートならわかるはず、「基本」を持っている人間が一番強いのよ。

「顔以外の何か」とは、何か。美人女優や美人モデルが何をどう努力しても手に入らないものは、何か。それは、自分がやってきたスポーツを語ることに関して、女優やモデルよりはもちろん、他の選手たちよりも頭ひとつ、2つ抜きん出ていること。結局は「基本中の基本」に立ち返るのです。

『マツコ&有吉の怒り新党』や『マツコの知らない世界』で、元マラソン選手にして現解説者の増田明美がフィーチャーされたり、いまだに柔道の解説といえば山口香、体操の解説といえば加納弥生(現・笹田弥生)の右に出る人間がいなかったり……。3人に共通するのは、圧倒的な滑舌のよさ。そして、「異常なほどの取材量に裏打ちされた解説」が「ネタ」としても優秀であることが認知されてきた増田明美はともかく、山口香や笹田弥生の解説は、「そのスポーツを第一線でやってきた人間だけが見える、技の精度や美しさ、選手たちの駆け引きやメンタルのありよう」が、そのスポーツをやったことがない人間にもわかるような言葉になっている。試合中にそれを見抜く眼力と、それを即座に言葉にする聡明さこそが、威厳につながるのです。多くの一般人に、「そりゃ、かなわないよ」と思わせる何か。それこそが、「顔」以上に同性を引きつけるものです。それも、かなりの長期間にわたって。ただし、身につけるのが実はもっとも難しい要素ではありますが。

 別に田中理恵に対して個人的なネガティブ感情など一切ありません(というか、そもそも好き嫌いを論じるほどの思い入れがないのです)が、体操の世界体操選手権の中継番組において、「笑顔を大切に」とか「選手一丸となって」とか「思い切ってやれたと思います」とか、本当にこのスポーツをやっていたのかという程度のコメントしかできないことを、まずは誰よりも本人が危機感をもってほしいと切に願っていたりします。

 安藤美姫にせよ古閑美保にせよ、私生活の切り売りをしながらも、しかし肝心のところはボカしにかかる往生際の悪さは、結局はソンをするだけ。「何もかもぶっちゃけるのが当たり前」「それで嫌われたところで、悪名は無名に勝る」の勢いで仕事をしている人間が佃煮にするくらいいる芸能界。彼らの露悪ぶりに一般人がどれだけ眉をひそめようが、それがバラエティの「基本」になってしまっているのが現状です(この「ねじれ」こそが大きな問題ではありますが)。現在、「肝心なところをボカしにかかる芸能人」といえば、まず誰もが思いつくのは矢口真里ですが、矢口はすでに「嫌われてナンボ」という点ではハラをくくっています。あそこまでの「ヨゴレ」になる覚悟を、矢口と同じ「種目」で勝負しようとしている安藤美姫や古閑美保は持てるのでしょうか。

 実力・成績でノシてきた女たちが、「注目」「人気」という極めてあやふやなもので勝負にかかる難しさは理解できます。そのあやふやな「注目」「人気」と対峙することに関しては、元一流スポーツ選手だって基本から始めなくてはいけない。スポーツ選手が「一日にして成らず」であるように、タレントも一日にして成らずなのです。

高山真(たかやままこと)
エッセイスト。著書に『愛は毒か 毒が愛か』(講談社)など。来年初旬に新刊発売予定。

流線形のカーデザインを先取り!? 奇抜なだけじゃない! ザハ・ハディドの実力

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――イラク生まれ・英国在住の女性建築家ザハ・ハディドによる新国立競技場の設計案は、周知の通り白紙になってしまった。彼女のデザインは奇抜といわれるが、本当のところ建築家としての実力はいかほどなのか?

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ザハがデザインした建築物たち。ヘイダル・アリエフ・センター(アゼルバイジャン・バクー/12年竣工/(c)Baris Aydemir) 香港理工大学ジョッキー・クラブ・イノべーション・タワー(中国・香港/13年竣工/(c)HeyItsWilliam) ヴィトラ社消防所(ドイツ・ヴェイルアムライン/93年/(c)Wojtek Gurak) ファエノ科学センター(ドイツ・ヴォルフスブルク/05年竣工/(c)Benni W.)

 新国立競技場の騒動を機に、日本でも広くその名が知られるようになったザハ・ハディド。そのデザインは「斬新」「奇抜」と評され、2013年に公開されたカタールの「アル・ワクラ・スタジアム」のコンセプト画像は「女性器のよう」と話題にもなった。数々の国際的なコンペで勝利するものの、長らくそのプランが実現することがなかったことから「アンビルド(建てられない)の女王」という不名誉な称号まである。

「そう呼ばれたのは、もう10年以上前の話です。04年に女性初のプリツカー賞(建築界で最も権威ある賞のひとつ)を受賞してからは、約300人のスタッフを抱え、今や世界でも屈指の実力ある事務所になっています。

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こんな五輪建築に誰がした? ザハ、JSC、森喜朗……新国立競技場問題の本当の戦犯

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――建設費が巨額に膨らんだことで大きな批判を浴びた揚げ句、7月に安倍首相が計画の白紙撤回を表明した新国立競技場。8月末に工事費の上限を1550億円とする新整備計画が決まったが、これほど話がこじれてしまったのは、結局のところ誰のせいなのか?複雑に絡み合う利権を紐解きながら、あるいは過去の五輪建築と比較しながら、問題の本質を探りたい。

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(絵/都築潤)

■安保法案の可決後に白紙!
【1】安倍晋三
設計に2年を費やしたザハ案を「五輪の主役は国民一人一人そしてアスリートの皆さん」など体のいい言葉でひっくり返した。「英断」と言われる一方、白紙にする前日に安保関連法案が衆院本会議で可決されたため、その批判と支持率低下を食い止めるための目くらましとも言われている。すでにザハや設計業者などに支払い済みの契約金約60億円は無駄金に。

■デザインコンクール審査委員長の言い訳
【2】安藤忠雄
7月16日の記者会見で「私たちが頼まれたのは、デザイン案の選定まで」「皆さん方と私も一緒なんですよ。2520億……私も聞きたい。もっと下がらないのかと」「一人の国民として、なんとかならんかなと思います」「2520億という話を聞いたとき、えーっと思いましたよ。だからこれは調整しないといけないでしょう」などと、他人事のような発言を繰り返し、責任逃れをした。

■JSCと政府を批判する東京都知事
【3】舛添要一
ツイッターで「新国立競技場は『国立』であり、その建設の責任者は、JSC・文科省・政府であって、東京都ではない」(7月12日)、「主張の整合性よりも内閣支持率が優先か?」(7月17日)、「文科省・JSC体制では駄目である。新たな機関をつくるべきだ。有識者会議も、政府決定を追認させるだけの隠れ蓑で、存在価値はない」(7月19日)と批判を繰り返している。

■契約金は受け取り済み!
【4】ザハ・ハディド
50年生まれ、イラク出身、イギリス在住の女性建築家。コンペに勝利した原案は、キールアーチが計画対象範囲を大きく超えてJRの線路や首都高の上にかかり、そのまま建設すれば3000億円かかるとされたが、JSCが縮小させて修正案を作り、1625億円に経費削減。しかし、それを再度試算したところ2520億円に膨らんだ。すでに契約金14億7000万円はザハ氏に支払い済み。

■ラグビーのコネを活かすJSC理事長
【5】河野一郎
東京医科歯科大学在学中はラグビー部に所属し活躍。88年ソウル五輪から96年アトランタ五輪まで、ラグビー日本選手団のチームドクターを務めた。そのコネクションで日本ラグビーフットボール協会や日本オリンピック委員会(JOC)、森に食い込む。JSC理事長の任期は9月末日まで(再任も可能)。一部報道によると、年間報酬は約1830万円だという。

■舛添都知事にディスられた文科相
【6】下村博文
13年から五輪担当相を兼任していたが、五輪の特別措置法により閣僚の定員枠が1人増え、15年6月から遠藤利明元文部科学副大臣に交代。その後、ザハ案の白紙撤回を受け、舛添都知事からツイッターで「最大責任者は文科省であり、担当役人の処分は免れない。組織の長にその処分ができないのなら、自らが辞任するしかない」(7月23日)と猛批判を浴びる。

■“ミニ森”と呼ばれる五輪担当相
【7】遠藤利明
中央大学在学時にラグビー部に所属。ラグビーを通じて森喜朗の子飼いとなり、“ミニ森”の異名を取る。「地味」「印象が薄い」と評されるが、森の威光で五輪担当相に就任。巨大利権をほしいままにするのではないかと言われる。7月18日、山形県にある地元事務所兼自民党選挙区支部に「日本の恥 安倍晋三」などと複数の落書きをされる事件が発生。

■責任転嫁する東京五輪組織委会長
【8】森喜朗
五輪開催決定時は、「招致できたのは石原慎太郎都知事(11年開催地立候補当時)を説得した自分の手柄」と言わんばかりだったが、新国立の白紙撤回で批判を浴びると「五輪をやりたいと手をあげたのは東京都」と責任転嫁。工事費については「国がたった2500億円も出せなかったのかね」と不満を漏らす。巷では新国立は「森喜朗古墳」と揶揄されている。

■ザハを発掘した建築家だが……
【9】磯崎新
ザハを見いだし、ザハ案を支持したものの、工事費削減のための修正案がJSCから提示されると、「当初のダイナミズムが失せた」「将来の東京は巨大な『粗大ゴミ』を抱え込むことになる」として批判に回る。競技とセレモニーを同一会場で行うことに無理があるとし、新国立は競技のみ、開会式は東京・二重橋前の広場で開催することを提案している。

■ザハ案を批判した大御所建築家
【10】槇文彦
13年8月、日本建築家協会の機関誌に論文を寄稿し、「周辺の歴史的景観を壊す」「建設コストを肥大化させる」などと、いち早くザハ案を批判。「東京新聞」(同年9月23日)のインタビューでも 「1300億円といわれているが、まともにやったらもっとかかるという声がある」 と指摘。同年11月には発起人となり、「新国立競技場に関する要望書」を下村文科相、猪瀬直樹都知事(当時)に提出した。

サイバーエージェントの強引な競合行為でネット広告抗争が勃発!?

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最近ではすっかり名社長と呼ばれる藤田晋社長。かつてのイケイケ感もすこしダウン?

 インターネット広告代理店事業やブログ運営など、IT関連事業を取り扱うサイバーエージェントが、7月23日に発表した第三四半期の決算で、売り上げや営業利益などが過去最高を記録し、話題となった。IT業界で長く飛ぶ鳥を落とす勢いの同社は昨年、マザーズから東証一部に指定替えをし、今年9月に最初の決算を迎える。これも予想を上回る好決算になる勢いだ。文字通り、ベンチャーから大企業への飛翔を遂げていた同社だが、その急拡大の裏で関連子会社がネイティブアドをノンクレジットで掲載【1】するなど、その強引な手法も指摘され、話題となっている。

 そんな中で、アドウェイズなどの大手インターネット広告会社と深刻な関係悪化に陥っているという。

「発端は、サイバーエージェントの子会社、CAリワードが昨年末にリリースした金融系のアフィリエイト広告を取り扱う『Linked Money』(リンクドマネー)というASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)サービスの立ち上げです。これが、サイバーエージェントと取り引きのあるアドウェイズなど大手ASP業者に『競合事業だ』と見なされ、サイバーエージェントからのアフィリエイト広告の案件を拒否するなど、関係が悪化しているようです。またサイバーエージェントが、今年に入り「即日人気キャッシング.com」など、あからさまなアフィリエイト媒体を開設したこともあり(詳細後述)、同業者はサイバーエージェントの広告事業での路線拡大を非常に警戒している」(ネット広告業界関係者)

 一般的なネット広告がインターネットサイトなどの媒体が広告主に、バナーを掲載する枠を販売するのに対して、アフィリエイト広告(成果報酬型広告)は、広告を見たネットユーザーが商品を購入するなどの取引をした成果に応じて広告料金が発生するもの。グーグルアドセンスなどが代表的である。宣伝効果が本当にあるのか微妙な従来型の広告とは違い、取引実績やバナー閲覧数などの数字で成果を換算し、それに応じて報酬を支払うシステムである。

 商流としては、広告主が広告代理店に発注し、代理店がASPに案件を発注する。そこでASPは媒体と広告掲載や報酬の支払いなどの調整などを行う、というのが一般的だ。アドウェイズなどのASP企業は、媒体(比較サイトやブログサービス、ニュースサイトなど)の運営者と、広告代理店の間をつなぐ役割を果たしている。これまでネット系の広告代理店であるサイバーエージェントは、ASPに案件を発注する立場にあり、広告主に対して運用状況を報告する関係上、ASPから媒体との取引条件や成果、特性について情報を受け取っていた。今回、問題視されたのは、サイバーエージェントがこれまでASPからもらい受けていた各媒体の情報を基にして、CAリワードがそれらの媒体に営業をかけた疑惑があることだ。

「もともと、CAリワード自体もASP企業でしたが、事業規模も小さく、サイバーエージェントグループ内での取引が多かった。ところが『リンクドマネー』は金融案件に特化しており、同じ案件を得意とするアドウェイズなどは看過できなかったのでしょう。またCAリワードが、サイバーエージェントが代理店業務の中でASPから報告を受けた各媒体との取引内容を知った上で、各ASP企業の取引先媒体に営業をかけているのではないかと、憶測が広がった。ASPと媒体との取り引きの詳細がわかってしまえば、当然、それより有利な取引条件を提案することができてしまう。特にアドウェイズは、CAリワードがアドウェイズと媒体の詳細な取引内容を知ったうえで、媒体に営業をかけていると確信したので、大規模な反発行動にでたのでしょう」(大手ASP会社社員)

 アドウェイズは今年3月頃から一部の案件を除いて、サイバーエージェントからの案件を受けない方針を固め、サイバーエージェント側もそれを黙認しているという。

「一時期、サイバーエージェントの広告部署の中で『なんでアドウェイズと取り引きできないんだ!』と騒然となったが、おそらく、既存の商流を維持するか、自社の拡大を優先するかを天秤にかけた結果、後者の道を選択したのだろう」(前出の関係者)

 関係悪化のもうひとつの理由として挙げられるのが、先述したサイバーエージェントによる媒体の運営である。同社のグループ会社は昨年頃から、「育毛剤フサフサ比較ラボ」や、「即日人気キャッシング.com」、前述の「即日融資安心カードローン.com」などのアフィリエイトのサイト(広告主の提案する商品やサービスを紹介し、取引の成果で報酬を得る媒体。アマゾンリンクなどが代表的)を開設しだした。

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サイバーエージェントの子会社が運営しているというアフィリエイトサイト。かなりあからさまなテイストが香ばしい。

「業界的には、カードローンの比較サイトなどの媒体でいえば、ネット広告大手のバリューコマースの子会社、ジェーピーツーワンの運営するものが長年、王者として君臨してきた。ところが今年1月にサイバーエージェントが、さまざまな媒体のノウハウを駆使して、強い集客力のあるこれらの媒体を開設し、実質的な業界2番手に躍り出てきた。広告代理店が自社のASPに加え、媒体まで運営するようになれば、ASP専業企業としては死活問題になりかねない。確実に、同業者の商圏を取りに来ている」(同)

 このように、ネット業界の寡占化を図っているともとれる同社の事業拡大の裏では、各企業からは反発の声が多数上がっており、その手法が強引であると言わざるを得ない。本件に対してサイバーエージェントではどう見ているのか? 同社の広報担当者に聞いた。

「リンクドマネーという金融に特化したASPサービスをリリースしたところ、アドウェイズから問い合わせがあったのは事実で、話し合いの結果、今年4月からアドウェイズのレポートは媒体名を非公表とすることとなりました。他のASPとの取引は順調に推移しています。

 CAリワードは以前からASP事業を行っており、なぜ今回だけ問題視されているのかは、当社としてはわかりかねます。CAリワードは別会社であり、情報は遮断されているので、サイバーエージェントが代理店事業を通じて入手した媒体に関する情報を基に、CAリワードが媒体へ営業をかけるようなことはなく、リンクドマネーのサービスになんらかの問題があるとは認識していません。4月以降、アドウェイズへの発注が減少しているのは事実ですが、関係が悪化しているような認識はありません」(サイバーエージェント広報)

 と、要はアドウェイズとの取引調整があったことは認めつつも、その他の面ではさほど問題にしていないことが伺える。

 一方で関係者によると、アドウェイズ側もサイバーエージェントのクライアント(広告主)に営業をかけ、同社を介さず別の代理店を立てるなど、“反撃”に出ているという。

 グループ全体で最高益を出したサイバーエージェント。しかしその裏には、仁義を欠いた強引な手法が見え隠れし、本件に限らず業界からの反発を招いている。もちろん各企業も指をくわえてただ黙っていることはない。

 水面下で繰り広げられる大手両社の“抗争”は今後、膨張するネット広告業界をより混沌とさせるだろう。

(村上力)

【1】ネイティブアドをノンクレジットで掲載
インターネットの記事全般において、広告主から報酬を受け取りながら、【PR】などのクレジットを入れず、中立を装った記事が問題となっている。これまでも、いわゆるステマブログや食べログの広告案件記事などが問題化されてきた。こうした事案が発端となり、2015年3月に一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)は、「ネイティブ広告に関する推奨規定」を制定している。4月には、サイバーエージェントの関連子会社が記事広告をノンクレジットで掲載していたことが、ブロガーのやまもといちろう氏に指摘され、問題となった。

【浅田 舞】「フィギュアで味わった挫折があるからこそ!」暗黒期を乗り越え心の底から笑えた本当の理由

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――安藤美姫や織田信成など、人気選手の登場で国民的スポーツとなったフィギュアスケート。その中でも一際メディアが熱い視線を送った選手といえば、浅田真央だ。そんな彼女を妹に持ち、同じく氷上で競う良きライバルという境遇を経て、現在は天真爛漫なキャラクターで芸能活動に勤しむ浅田舞。彼女が目指すゴールとは?

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(写真/永峰拓也)

 今や“浅田真央の姉”という説明は不要なほど、活躍の場を広げている浅田舞。7歳から始めたフィギュアスケートに一度区切りを付けた09年以降は、その知識を活かしたスポーツ番組への出演をはじめ、タレントとしての芸能活動も積極的に取り組んでいる。最近では、「週刊プレイボーイ」(集英社)の〈グラビアジャパン・アワード2015〉において、もっとも売れたデジタル写真集1位を獲得するなど、その活動は順風満帆だ。「フィギュアで味わった挫折があるからこそ、今のひとつひとつの仕事が楽しい」と語った彼女が選んだ第二の人生について聞いた。

──これまでにたくさんの取材を受けてきたと思いますが、妹・浅田真央さんと比較されることが多かったのでしょうか?

浅田 舞(以下、浅田) 「妹さんとは仲が良いんですか?」と聞かれることは多かったです。高校時代はそういう質問をされるのが本当に嫌で、自分ががんばっているのに、メディアは妹のことしか聞いてこない。たとえ一緒に試合に出ても、「真央ちゃんががんばってるから、お姉ちゃんもがんばらないと」とか、何度も言われてきました。「なぜ私のことではなく、妹のこと?」と思ったときもありましたが、あまりの多さに慣れました(笑)。でも今は、お互いが別の道でがんばっているときだと思っています。高校の頃と比べたら……今は何が起きても大丈夫ですから。それこそ当時は、今より体重が20キロ落ちたり、ある時は食べすぎて今より15キロ以上太ったり……もう、自分が自分じゃないみたいな感じでした。

──それが『しくじり先生』(テレビ朝日)などで話されていた夜遊びやクラブ通い。

浅田 はい、グレていた時代です。ただ、完全にグレることもできない中途半端な感じで、やっぱりフィギュアのこともあったので、大きく逸脱することはなかったです。両親にも心配をかけたし、母親からは「自分に子どもができて母親になったとき、どれだけ親が心配していたかわかる」って言われました(笑)。

──現役を離れて芸能界に入る前は、どのような状況だったのでしょうか?

浅田 フィギュアスケートは、もういいかなという気持ちでした。でも、今後何をしていいのかもわからない。学校で学ぶよりフィギュア優先だったので、世間一般的なことも何も知らない状態でした。現役から離れたのは20代前半だったので、周囲の友人はみんな就職しちゃっていて。

 今から3年くらい前ですかね、ずっと疎遠になっていた2つ年上で介護士をやっている女性と、偶然SNSで再会したんです。当時の私はひきこもりがちだったんですが、その女性はすごくアクティブな方で、いろいろな場所へ連れ出してくれました。そんな時に、東海テレビから「女性だけが走るフルマラソンに出場しないか?」というオファーをいただいたんです。私は絶対に無理だと思っていたんですが、その女性から「舞ちゃんに、もう一度がんばる気持ちを味わってもらいたい」と言われて、一緒に走ることにしました。結果、完走できて、それがきっかけで東海テレビのスポーツキャスターのお仕事をいただけて。さらに地元・名古屋でスポーツ関係の仕事も入るようになり、昨年末からはバラエティやグラビアのオファーもいただきました。

──そういった活動に関して、日本スケート連盟から発言規制などの圧力を受けることはないのでしょうか?

浅田 まったくありません。むしろ、グラビア撮影に関しては、「きれいに撮ってもらえるの?」と心配されたくらいで(笑)、何も知らない私がタレントさんみたいに活動し始めたので、騙されてしまうんじゃないかと心配してくれていたようですね。

──他スポーツになると、仕事によっては協会や連盟から圧力があるとも聞きます。

浅田 シンクロや水泳は厳しいと聞いたことはありますが、日本スケート連盟は自由ですね。連盟のスタッフは、過去のやさぐれていた私を知っているので、笑顔で芸能活動をしている姿を見て、「道が見つかってよかったね」と好意的な見方でした。

──芸能活動について、真央さんに何か言われたりしますか?

浅田 (真央は)テレビを見ないんですよね。朝4時には起床して、遅くとも21時には寝ている生活を送っているので。週に一度は2人でカフェに行って食事をしたり、買い物へ行ったりするんですが、その時に旅番組で行った場所や、テレビでお会いした方の話をしても、「そうなんだあ」と言うだけで、あまり興味がないみたい(笑)。

──現在は芸能活動がメインですが、第二の人生に目標は掲げている?

浅田 初めて経験する仕事ばかりで、目まぐるしく日々が過ぎています。現役から退いたあと、夢もなく焦っていた時期もありましたけど、今はありがたい状況です。なので、無理をして目標を掲げなくてもいいのかなって。実は、芸能界にもそこまで執着していないんです。将来的には、結婚をして子どもを生み、一軒家に住みたいという夢はありますけどね。それと、一度は生活圏から一切のフィギュア関連のものを処分したんですけど、最近は自分の中でフィギュア熱が再燃してるんです。子どもを対象にしたスケート教室を開いたり、アイスショウに出演して、真央と『アナと雪の女王』を踊ったり。あんなにフィギュアから離れたかったのに、人って変われるんだなって。今後も仕事は無理せず、フィギュアとも良い関係を築いていきたいです。

(文/石井紘人)

浅田 舞(あさだ・まい)
1988年、愛知県生まれ。フィギュアスケート選手として数々の功績を残し、09年からはスポーツキャスターやモデル、タレントとして活動。妹は、同じくフィギュアスケート選手で、今年現役続行を表明した浅田真央。http://mai-asada.jp

「専業主婦はハウスキーピングが完璧であるべき」ネットに渦巻く男のホンネ――アマゾンレビューで荒れる『花のズボラ飯』の真実

――サブカルを中心に社会問題までを幅広く分析するライター・稲田豊史が、映画、小説、マンガ、アニメなどフィクションをテキストに、超絶難解な乙女心を分析。

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『花のズボラ飯 1』

今回は、夫が単身赴任のため一人暮らしをしながら、てきと~レシピに舌鼓を打つ女性の生活を描いたマンガ『花のズボラ飯』をピックアップ!※本文中にはネタバレがあります。

 キング・オブ・深夜の飯テロでおなじみ、ドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京)待望の第5シーズンが、10月2日よりスタートする。松重豊演じる井之頭五郎が、さまざまな名店で「ひとり飯」を楽しむ人気シリーズだ。9月27日には原作コミックの第2巻が刊行。第1巻から実に18年ぶりの新刊ということで、こちらも大きな話題になっている。

 そんな『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之による“女子主人公版・孤独のグルメ”と言うべきコミック作品が、『花のズボラ飯』(原作:久住昌之、作画:水沢悦子)である。現在までに単行本は2巻まで刊行(連載継続中)。夫が単身赴任中の主婦・駒沢花(こまざわ・はな/30歳)が、その名の通り超手軽なズボラ飯を創作して食すという、1話読み切りものだ。2012年度の「このマンガがすごい!」では、栄えある「オンナ編」第1位に輝き、同年末時点で累計発行部数が60万部を超えたので、ご存知の方も多いだろう。

 本作に登場するメニューは、どれもシンプルだ。「鮭フレークとマヨネーズを載せたトースト」「卵かけご飯」「サッポロ一番塩らーめん」「コンビニおにぎりのお茶漬け」「豆腐と明太子の丼」「ミョウガキャベツ」などなど。「それ料理じゃねえだろ」的なものも多いが、“テキトーに作ったけど、まあまあウマそう”なリアリティの具合が実に絶妙である。

 また、小太りのヒロイン・花による体液(汗、よだれ、涙)まみれのバカ食い描写と生々しい至福の表情は、食欲の充足と性欲の充足が近似であることを分からせてくれる。「女子ひとり飯マンガ」の類作は数多いが、その中でも頭ひとつ抜けた異質感を放っているのが本作なのだ。

 しかし、2010年12月に刊行された第1巻には、賞賛の一方で酷評も多く寄せられた。酷評の多くは「このマンガがすごい!」1位獲得の評判を聞いて購入した読者のものと推察されるが、とにかく鼻息が粗い。女子ひとり飯マンガのどこに炎上要素が? とお思いだろうが、当時の酷評ポイントを男女別にざっと拾ってみよう。

【男女共通の酷評】
■花の部屋が汚くて不快
■花の食べ方が汚くて不快
■花の料理が手抜きすぎて不快

【主に男性読者の酷評】
■単身赴任の旦那がかわいそうで不快(部屋が汚いから/飯が手抜きだから/旦那の不在中に花が浪費しているから)
■花が女として下品すぎるので不快

【主に女性読者の酷評】
■子供のいない主婦がこんなにズボラだと思われるのが不快
■30歳にもなって旦那に甘える花のカマトトぶりが不快
■花は主婦のくせに節約の概念がなくて不快
■花が隣人やバイト先の人を見下しているのが不快

 絵柄や作風の好みは各人各様であるし、「話題になっているから買った」人が想像していた内容と違って腹を立てたケースもあるだろう。しかし、それにしても酷評者の怒りテンションが高すぎる。

 第1巻のAmazonレビューは本稿執筆時点で260以上寄せられているが、これがもう荒れまくりなのだ。「途中まで読んで捨てた」だの「あれは食べ物ではなく汚物」だの「高評価した奴はおかしい」だの、呪詛のように忌まわしい言葉を尽くし、作品をゴミ扱いするレビューが少なくない。

 花にぶつけられた苛立ちの本質とは何なのか。それは、「30歳の専業主婦とはこうあるべき」という脅迫的な押し付けだ。

 男性読者の不快感を言い換えるならこうだ。専業主婦はハウスキーピングが完璧であるべき。旦那には手の込んだ(見てくれのいい、Facebookで「いいね」を押されそうな)料理をふるまうべき。専業主婦は好きに服や靴を買ってはならない。家にひとりでいる時であっても、だらしない格好で部屋の中を歩くなんてもってのほか。常に身ぎれいに、常に美しく、常に上品であれ! まるで50年代アメリカのハウスワイフ1.0である。

 女性読者からの不快感も、こう言い換えられる。子供がいないならフルタイムで働け、働かないなら子どもを作れ。結婚してもパートナーに依存しすぎず自立的であるべき。旦那に養ってもらっているなら極限まで節約しろ。大人として地域住民との面倒なコミュニケーショは文句言わずやるべき……こちらは発言小町臭が実に香ばしい。

 もし本作の主人公が19歳の浪人生男子だったら、同じ絵柄、同じコンセプトであっても、ここまでは言われないだろう。部屋が汚いのも、食べ方が汚いのも、料理が手抜きなのも、きっと許容される。

 花は他人様に迷惑をかけているわけではない。自分の生活を、自分の責任でもって、めいっぱい満喫しているだけだ。部屋が汚いのも、食べ方が汚いのも、料理が手抜きなのも、隣人を小馬鹿にして仲良くしないのも、花の勝手である。夫との合意が取れているなら、週3バイトの身分で服を買おうが、靴を買おうが、豪華な肉を貪り食おうが、他人が口を出す筋合いはない。

 だいたい、彼女は単なるマンガのヒロインである。国民の税金で生活する公人でもなければ、子どもがテレビで見て影響を受ける類のタレントでもない。お金を出して買わなければ目に触れない女性マンガ誌と単行本に掲載されている、架空の人物だ。

 しかし、世間は(特にネット界隈は)それを許さない。「一般的な30歳の専業主婦像」という、自分たちが設定した「型」から外れる者は、彼女が無邪気に幸せそうであればあるほど(実際、花はものすごく幸せそうだ)、たとえフィクション上の存在であったとしても、徹底的にバッシングされる。

 それは、自らの出産シーンを幸せいっぱいにテレビ放映した芸能人に「配慮が足りない。不快に感じた。だから謝罪しろ」と主張する苦情や、イケメンと仲のいい女子に「あんたが視界に入るとアタシらスゲー気分悪いから、謝ってくんない?」と難癖をつける陰湿なイジメと、たいして変わらない。

「型」から外れた者は糾弾される。ダイバーシティ(多様性)推進だ、ジェンダーフリーの時代だ、などという進歩的なテーゼをぶったところで、歴史と伝統ある「女の子はピンクが似合う」派の大軍勢には、ちょっとやそっとじゃ太刀打ちできないのが2015年現在の日本だ。この国ではまだまだ、ピンクじゃない服を着ている女の子は訝しげに「なんで?」と詰問されてしまう(比喩的な意味で)。

 また、ゆるふわ女子は没個性だの、料理上手な女子をありがたがるなんて前時代的だの、「プロ彼女」は不気味だのという、ネットにありがちな進歩的言説も、現実の局面においては依然として机上の空論だ。2015年現在の日本で、実際に一番モテる「型」が依然として「ゆるふわ系で・料理がうまい・プロ彼女」なのは、2〜30代の男性なら誰でも知っている。口に出して言わないだけだ。

「なんだかんだ言って30歳の専業主婦はこうあるべき」と主張する保守本流伝統派。その彼らが許容する「型」から外れた花というヒロインは、「世間サマを不快にした」罪で告発された。男女それぞれから別々のジェンダー押し付け圧力を一身に受けた、いわば教室内のいじめられっ子――それが花なのだ。

 この状況から、特に男性諸氏は何を学べるだろうか?

 ひとつ興味深い事実がある。実は作画担当の水沢悦子氏は、某成人向けマンガ家男性と同一人物だ(という説がとてつもなく濃厚)。無論、原作の久住昌之氏も男性である。

 そして「男性が創造した“花”という名前の女性主人公」には覚えがある。本連載の第4回で言及した『おおかみこどもの雨と雪』(監督:細田守)だ。偶然だが、同作のヒロインも“花”という。

 ふたりの花は、まったく異なるパーソナリティの持ち主だ。一方はストイックな努力家で、一方は脳天気な専業主婦。にもかかわらず、ふたりとも同性から一定の不快感を示されたという共通点を持つ。

 この際、『おおかみこども』の花や『花ズボ』の花が、リアルな女性を正確に体現していたかどうかは、どうでもいい。男性諸氏がもっとも留意すべきなのは、「男性作者のジェンダー観(≒男女の社会的役割分担)が透けて見えるような行動を女性キャラがとると、女性は敏感に察知し、高確率で反感を抱きやすい」という法則である(『風立ちぬ』(2013)の結核ヒロインこと菜穂子も然りだが、それは別稿にて)。

 要するに、男が「女はこうあるべきだ」「妻の役割とはこうだ」などとドヤ顔で断言するのは、東アジア某国の市街地でそっち系のヘイトスピーチを行う以上に危険な行為であるということだ。妻が「私がどういう人間かを勝手に決めつけないで」と夫に口走るのは、古来よりよく知られる離婚フラグ(筆者調べ)のひとつと知るべし。

 おとなしそうな若手女子社員を指して「男と付き合ったことがなさそう」などと口にすれば、同僚の女性社員にバカ扱いされるのが関の山。かといって「ああ見えて経験豊富なのかも」と言えば言ったで、クズ野郎認定は免れない。女性は見たままが本質ではないが、見たままの逆が正しいとも限らない。であれば、口をつぐむに越したことはないのだ。大人の男なら。

 余談だが、本稿執筆中に『花のズボラ飯』のドラマ版公式サイトのアドレスを踏んだら、なぜか「セフレの作り方【出会い系でセックス三昧体験】」というページに飛んでしまった。色々あるのだろうが、これについても口をつぐみたい。自分、大人なので。

稲田豊史(いなだ・とよし)
編集者/ライター。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年にフリーランス。『セーラームーン世代の社会論』(単著)、『ヤンキー マンガガイドブック』(企画・編集)、『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(構成/原田曜平・著)、評論誌『PLANETS』『あまちゃんメモリーズ』(共同編集)。その他の編集担当書籍は、『団地 団 ~ベランダから見渡す映画論~』(大山顕、佐藤大、速水健朗・著)、『成熟という檻「魔法少女まどか☆マギカ」論』(山川賢一・ 著)、『全方位型お笑いマガジン「コメ旬」』など。「サイゾー」「アニメビジエンス」などで執筆中。映画、藤子・F・不二雄、90年代文化、女子論が得意。http://inadatoyoshi.com

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HIROは日本のジェイ・Z! 尾野真千子は結婚で関係者ヅラ!? エンタメ集団LDHの事業拡大化計画

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――EXILE、三代目J Soul Brothers、E-girlsなど、次々と人気アーティストを生み出し、日に日に芸能界での存在感が増しているHIRO主宰の芸能プロダクション「LDH」。その裏側を知る関係者たちが集い、ここ最近のLDH事情を語ってもらった。

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『ビビリ』(幻冬舎)

A:芸能事務所マネージャー
B:レコード会社スタッフ
C:音楽系出版社スタッフ

A 今年、Crystal KayがLDHに所属することになり、国内の“ブラックミュージック本格志向アーティスト”をLDHが抱え込み始めている、などという噂が出始めましたね。

B Crystal Kayが以前所属していた事務所は、彼女の名前だけでもっているような小さな事務所で、どうやら金銭面で揉めていたようです。LDH入りするまでは海外デビューをするとか色々言っていたんですが上手くいかず……、結局国内でひっそり制作活動をしていたという話も聞きました。

A とはいえ実力のあるシンガーだし、HIROさんはほっとけなかったんでしょうね。そういうところにもきちんと目を向けているLDHは目が高い。

C Crystal KayのLDH入りが決まると、エイベックスと契約しているラッパー、ANARCHYも所属するんじゃないかという噂が出ました。

B 10月から始まるLDH勢が総出演のドラマ『HiGH & LOW STORY OF S.W.O.R.D.』(日本テレビ系)にもかかわってますしね。

C 現在開催中の三代目J Soul Brothersのライブ中に告知映像が流れるアレですね。

B 派手な演出で、EXILEや三代目、劇団EXILEに所属するメンバーが大きなスクリーンに映し出されるんですが、ANARCHYのところだけ妙に客が静かになるんですよね(笑)。

C それは仕方ないんじゃないですかね、エグザイラーの皆様からしたら……知名度的にもまだまだですし。でも、本当にLDH入りが決まったら、ヤンキー的なルックスも含め、人気は出るでしょうね。

A ヤンキー的なルックスといえば、DOBERMAN INC(現・DOBERMAN INFINITY)も、HIROさんが“ルックスがLDHに釣り合い、実力も伴っているラッパー”ということで所属させたとか言われてましたよね。本格的なラッパーやシンガーを所属させることで“ダンスミュージック/ブラックミュージックのことならLDH”という看板を作りあげたいのでは?

C でも、いつの間にかDOBERMAN INCのメンバーは、その名のごとくLDHの飼い犬みたいになっちゃって、最近じゃINFINITYになってからの加入メンバーであるSWAYとKAZUKIしか話題になりませんが……。

B 変わり種では、大衆演劇界の“流し目王子”こと早乙女太一もLDHに所属になりましたよね。『HiGH & LOW STORY OF S.W.O.R.D.』にも出演するようですが、妻である西山茉希とのDV問題があっての起用だったとしたら……。

A それはまた違う意味の“ブラック”でしょ(笑)。

B そんなCrystal Kayの所属に引き続き、MISIAやJASMINE、JUJUなど、いわゆる“ブラック”ミュージック系シンガーにも目を向けているっていう噂もチラホラ……。

A それが現実のものとなったら、相当な弾数がそろうね。

C ちなみに今年3月に行われたPKCZ(※HIRO、DJ MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMAからなるプロデュース・ユニット)のイベントには、アメリカの人気ラッパー、エイサップ・ロッキーが出演したことが話題になりましたよね。数曲のみのライブだったようですが、ギャラは400万円近くだったとか。エイサップにオファーを出す際にはHIROさんのことを〈日本のジェイ・Z〉的存在だと説明して口説いたらしいです。ジェイ・Zの嫁はビヨンセで、HIROさんの嫁は上戸彩。確かに境遇は似ているとはいえ……まあ、そのほうが説明しやすかったのかもしれませんけど(笑)。

B 日本のジェイ・Zか……あながち間違いではないかもしれませんね。

A LDHにまつわる夫婦といえば、7月末に女優の尾野真千子がLDHの専務・森博貴さんと結婚を発表しました。尾野は、連続ドラマ『名前をなくした女神』や『最高の離婚』(共にフジテレビ系)でEXILEの黒木啓司と共演してLDHとのつながりができ、森さんと知り合ったとも言われています。

B もともと森さんは父親が勤務する建設会社に就職したんですが、25歳頃に転職をして、LDHの会社となるモデル・プロダクション、株式会社スリーポイントを設立した。LDHに所属している佐田真由美とは昔から仲が良かったみたいで、最初に所属したのは佐田。HIROさんとつながったのは、ZOOの弟分のグループのメンバーに森さんの親友がいたから、と過去にインタビューで話していました。森さんは面倒見がよくて、地位が上になっても話し方はやわらかく、聞き上手。誰もが羨むイケメンというわけmではないが、女性から非常に好かれるタイプの男性です。

C 結婚後、尾野さんは早速LDH絡みのいろいろなライブ会場で姉御肌っぷりを見せているらしいですよ。もはや関係者ヅラで楽屋を出入りしているとか。

A LDHの体育会系のノリは、実はアクティブな尾野さんにぴったりとも言われてますからね。LDH恒例のレモンサワーの乾杯の音頭を取る日も近いかもしれません(笑)。

C そんな結婚報道の1カ月前の6月には、松本利夫(元・MATSU)、USA、MAKIDAIの3人が年内でEXILEを卒業することが発表されました。これはファンの若返りを図ったもので、最古参メンバーは若手の育成やダンスレッスンに力を注ぐといわれています。MAKIDAIは俳優業に力を入れると言われていたけど……実際のところ本人は俳優業に興味はないようです。ネットを中心に“大根役者”などの誹謗中傷がたくさんあったから、とかではなく、純粋に興味がないと聞いています。評価もついてくれば本人もやる気になったんでしょうが、映画やドラマの脚本やタイミングに恵まれなかった結果でしょうね。

A USAはダンス面で後輩から絶大な信頼を得ていて、間もなく40歳を迎えますがダンスのキレに衰えはないし、優秀な振付師として期待されているようです。

B ただ、3人の卒業は意外と話題になりませんでしたよね。同時期にAKIRAの主演ドラマのゴリ押しと低視聴率が話題を持って行かれたからでしょう。

C マイナスの報道ではありますが、そこにもEXILEのメンバーを絡ませてくるのも、うまいですよね(笑)。

B AKIRA主演の『HEAT』(フジテレビ系)は、第6話の視聴率が2.8%まで落ち込み、ゴールデン帯の連続ドラマで今世紀最低視聴率を記録した『夫のカノジョ』(TBS系)の3.0%を下回りました。オリジナル・メンバーが一気に3人も卒業するのに、ネットではAKIRAのドラマについてのネガティブな記事ばかりが飛び交うという。

A 普通、あれだけネガティブな報道がされれば、「いったいどんな内容のドラマなんだろう?」って視聴率が飛躍的にアップすることもあるんだけど……。

B 最新の第7話は3.1%と、0.3%上昇しました(笑)。

C ネットでは「視聴率爆上げキター!wwwww」と話題になりましたが(笑)。

A でも、LDHにとって『HEAT』低視聴率のネガティブ報道より、それ以上のとばっちりは、7月にあった坂井俊浩(元ZOO・CAPの愛称で知られている)容疑者の逮捕だろうね。HIROさんはZOO時代から坂井容疑者と懇意にしていて、解散後はDREAMS COME TRUEのプロデュースで、LUV DELUXEなるユニットを組みメジャー・デビューもしている。

B 7月3日に放送された音楽特番『THE MUSIC DAY 音楽は太陽だ。』(日本テレビ系)でZOOを再結成し、「Choo Choo TRAIN」を披露したけど、HIROさんが出演しなかったことは、結果的に賢明な判断だったと言える。

C 実は、坂井容疑者の覚醒剤疑惑は数年前からささやかれていて、業界関係者も『やっぱりそうだったのか……』とうなずく人ばかりです。

B 実際に特番でも、生放送なのに司会者のトークをさえぎり、坂井容疑者が「一番前のめりなヤツらが何人かいないんで、また次回、こういう機会がもらえるんだったら、ぜひ一緒に踊ろうよ」と異様なテンションで捲し立てましたが、この“前のめりなヤツら”のひとりは、確実にHIROさんですからね。

C ネットのニュースでも坂井容疑者とHIROさんの間の蜜月関係が取り沙汰されましたが、テレビ局はその部分に関しては完全スルーでしたよね。ドラマや歌番組にLDH勢がたくさん出演しているので、ダメージは最小限に抑えておきたかったんでしょう。

A HIROさんをはじめ、元ZOOのメンバーにも坂井容疑者の薬物疑惑はよく知られた話だったようですよ。ZOOのボーカルのSATSUKIは、坂井容疑者の逮捕後、「馬鹿だろお前。呆れるわ」とツイートしていましたし。

B 坂井容疑者は人脈もあるし、なにより人がいい。LUV DELUXE解散後は、ドリカムのレーベル〈DCTgarden〉でプロデューサーとしても活躍していた。しかし、破天荒な性格が災いしてか、もしくは薬物使用を疑ったレーベル側が坂井容疑者を解雇したのではないかと、もっぱらの噂です。

A 聞いた話ですが、ZOOのメンバー同士はほぼ連絡を取っていなかったのに対し、HIROさんだけは坂井容疑者と連絡を取っていたらしい。いずれにしても、HIROさんの顔に泥を塗る結果を招いた坂井容疑者は業界に戻ってこられたとしても誰も手は差し伸べないでしょうね。

B いや、そこは二子玉盗撮報道の数時間前に田代まさしのインタビュー記事をアップしたサイゾーの出番でしょう(笑)。

A ウルトラCで、HIROさんがLDHで囲う可能性もあるかも。

C そんな時こそ、企業理念に「Love, Dream, Happiness」を掲げているLDHの本領発揮ですね。

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