「39珍級グルメハンター」の記事一覧(4 / 5ページ)

【怒濤の名古屋3連珍】その1 パンの耳か割り箸か!? どんぶり一面に浮かぶ『謎の物体』

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パッと見た目は、完全にパンの耳に見えてしまった。隣で大盛りを注文した女性の丼は、ほぼ表面張力の状態だった。

 ん!? ナニこれ? 割り箸にしちゃ短いけど……。あそっか、パンの耳!? でもなんでパンの耳がラーメン丼に?

 さて、今回から名古屋の珍級グルメを3連発で特集するが、今回はその1発目。ハテナだらけの謎の丼があるのは、名古屋市営地下鉄桜山駅から徒歩10分ほどのところにあるラーメン屋「好陽軒」だ。和モダンでシンプルな構えの店に入ると、

「いらっ~さいまぁ~せぇ~」

 と、歌うように迎えてくれた。

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一面をメンマで覆われた丼に箸をいれ、天地返しすると底から中太の麺があらわれた。

 その歌声の主は厨房で忙しそうに腕前を振るうご主人なのだが、きちっと七三に分けたヘアースタイルと、そのダンディーな顔つきは、最近流行のコワモテのラーメン屋の大将とはほど遠い、公務員か銀行マン、もしくは腹話術の人形みたい(失礼)に端正な顔つきだ。もっとラーメン屋っぽい言い方をすれば、“ラーメンの鬼”故・佐野実に、たっぷりの愛嬌をトッピングした柔和な大将なのだ。

 で、肝心の謎の丼だが、もちろんパンの耳でも短い割り箸でもなく、その丼を埋め尽くしていたものは、支那チク=メンマだった!

 実は以前、都内で有名な細切りメンマラーメンを食べたことがあるのだが、その際、メンマのコリコリした食感が、食後もずっとアゴに残り、それ以来、メンマが若干、トラウマになりつつあった。しかし、好陽軒のメンマは柔らかく煮込まれているにもかかわらず、適度な歯ごたえがある。口に放り込むとコリコリ、シャグシャグと心地いい音色が店中に響いているように聞こえてくるのだ。

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醤油味の澄んだスープの底には、叉焼も発見した。

 さらに、メンマを楽しませてくれるのが、スッキリとした醤油スープと中太の麺、そして、
「ありがとーございましたー、またどーぞー」
 と、帰る客も歌うように送り出す店主と店員さんのハーモニーだった。ひょっとしてこの店のウリは、メンマラーメンよりも店主のこの歌声のような挨拶なのかもしれない。
 たいへん、うもうございました。

桜山好陽軒メンマラーメン「竹」1100円
インパクト ☆☆
味     ☆☆☆
店     ☆☆☆

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メンマラーメンもうまいが、ニコやかな店主と店員の笑顔が何よりのトッピングだった。

(写真・文=よしよし)

グロかグルメか!? 春を告げる『ドス黒いラーメン』に、アレを浮かべて食らう!

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海苔にほうれん草のトッピングといえば家系だが、スープはまったく別もの。

 春ですなぁ。

 春っぽい珍級グルメはないものかとハンティングにやって来たのは、東京のお隣・日吉。そこで見つけたのがこのラーメンだった。

 見て見て、このどす黒いちぢれ麺。黒い醤油スープよりさらに黒くて、ちょっぴり不・気・味♪ 出オチ感たっぷりでしょ。

 HPによると、これは定番のイカスミではなく、竹炭パウダーを練り込んだ特製麺とある。ツルツルの食感とモチモチの歯ごたえが特徴的で、しかも、竹炭には食物繊維が豊富で、デトックス効果が期待できるとか……。

 たしかにツルツルシコシコで、魚介の香り漂う醤油スープもうまい! なおかつ、“デトックス”というプレミアム付きなら、罪悪感も少しはぬぐい去れるかなぁ。そう思って黒麺をすすり始めたとき気がついたのは、カウンターの上にあった小さな注意書きだった。

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ちなみに裏技①は、食べ終わる前に残ったスープにお酢を少々入れると未知の味になるらしい。

 なになに、『お好きなラーメンに綿菓子を浮かべて食べると美味しいらしい』だって?

 振り返ると店の出入り口には綿菓子機があり、食後のリーマン風もデザート代わりにセルフで綿アメを作って出て行くじゃないか。しかし、本当にラーメンに綿アメ乗せてうまいのか? まさにこのコーナーにピッタリのネタなのだった。

 さっそくザラメを綿菓子機に投入し、見よう見まねで割り箸にクモの巣みたいなのをクルクル巻き付けると、小振りの綿アメが完成。それを黒麺の醤油ラーメンに浮かべてみた。すると……。

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あんまり大きな綿アメを入れると甘くなりすぎるので要注意。

 アツアツのラーメンに乗せた綿アメは、見る見るうちにスープに溶けていき、1分ほどでアスファルトの端っこに残った残雪のような状態に。この消えてゆくさまがまるで、春を告げる雪解けのよう。意外なところで春を見つけた瞬間だった。

 その甘い綿アメが溶け込んだ魚介醤油スープは、甘味が増した分コクも増量。ただし、美味しくなったかどうかは本人次第ってところ。近くには大学があり、店内も学生多数。店の外観は未完成の建築現場みたいな感じだけど、ジャズの流れるコじゃれたラーメン屋でした。次は鶏塩そばに綿アメ浮かべてみよう。

 醤そば、うもうございました。

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麺場ハマトラ日吉店「醤そば」700円 綿アメ無料
インパクト ☆☆☆!!
味     ☆☆
店     ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

切り株入れちゃいました!?  丼にハマっちゃった巨大なチャーシュー麺

 「ある日、アリスが森の中でみつけたラーメン屋に入ると、丼の中に木の切り株が入ってておどろきました」

 なんて、おとぎ話の世界に出てきそうな、夢のようなラーメンを見つけた。それがこれだ!!

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大きなコルクで丼に栓をしたようにピッタリの大きさ。麺は完全に見えない。

 どうよ、パッと見、切り株が丼にハマっちゃってると思わなかった? 

 丼の大きさにピッタリな塊は、もちろん超巨大なチャーシューだ。なんか、建築現場でコンパネかベニヤ板を立てかけてるみたいな構図になってるが、ベニヤ板のその向こう側には、山盛りのもやしが鎮座していて、そこにもたれかかってるってわけ。
 
 これは、松戸にある「そい屋」の名物・びっくりチャーシュー味噌らー麺。記者が訪れた午後1時半頃でも数人の待ち客がいて、店内に案内されて入ったらほとんどの客がこれを食べていたほどの人気メニューだ。

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もやしにネギ、コーンにメンマ、そして特大チャーシューと、野菜マシでもマシマシでもない普通盛りでこんなに盛ってくれるありがたさ。

 このチャーシュー、もちろん面積だけじゃなくて厚みも1センチ以上あって、ステーキみたいなボリューム。さぞや歯ごたえあるんだろうなと思って、ハシで持ち上げようとしたら、端からホロホロと崩れるくらい柔らかく煮込まれている。そして、チャーシューを支える影の力のもやしにも味がついていてうまい。そのへんが人気のヒミツなんだろうね。

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 スープの味噌は濃いめでコクがあり、中太で弾力のある縮れ麺との相性もグッド。自称、庶民の舌と胃袋を持つ記者は、チャーシューを完食したところで残念ながら麺は半分程度で満腹。1,000円超でも満足感は大きかった。

 近くにある有名なつけ麺屋で2時間待つのもいいけど、肉喰いたけりゃここかな。

 巨大チャーシュー麺、うもうございました。

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店の表には大きな暖簾がかかり、道行く人の視線を集めていた。

(写真・文=よしよし)

らーめん そい屋「びっくりチャーシュー味噌らー麺」1090円
インパクト ☆☆☆!!
味     ☆☆
店     ☆☆

あの小泉純ちゃんも、きっと大好き! 横須賀庶民の味「ポテチパン」

 冬のパン祭もコレが最後! さーて、今回のパンは……なんと、ポテトチップスをを挟んだパンだ! って、前回と同じかよっ!!

 と思った皆様、実は前回のカルビーキッチンの「ポテトチップスサンド」より、はるか昔から販売されていて、横須賀市民にはこっちの方が全然馴染み深いのがコレなんです。

 その名も、ジャーン! 「ポテチパン」。

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ポテチパンは、品切れになることもある一番人気の商品。値段もうれしい130円。

 どう? フォルムも名前も可愛らしいでしょ?

 にしても、パンにポテトチップスを挟むという発想がなぜ生まれたのか? 

 それは、今をさかのぼること40年以上前、ご主人の知人の菓子問屋さんから「くだけたポテトチップスのカケラを、どうにかできないか?」と相談があり、それを利用して作ったのが「ポテチパン」だったという。

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中身はポテトチップスのりしお味に、キャベツ、ニンジン少々、マヨネーズとマスタードで味付けされている。(撮影場所・三笠公園近く)

 カルビーの「ポテトチップスサンド」のザクザク感とは違い、しっとりとしつつもサクッとしたポテチの食感と青のりの風味が、炭水化物のパンと絶妙にマッチした、まさに庶民の味。

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他にも「イカフライパン」や「ベーコンエッグパン」など、ありそうでなかったパンが売られている。

 同店にはその他にもこんなユニークなパンが販売されている。

 「ヒーハー」は肉屋で売られている三角形のポテト揚げとキュウリを挟み、チリソースで味付けしたもの。「イモジャン」はジャガイモじゃなくてサツマイモフライが挟まっていた。ポテチパン同様、イージーなネーミングだ。

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「ヒーハー」は、そのネーミングのごとくピリ辛。フライドポテトじゃなく、肉屋のポテト揚げってのがミソだ。

 今ではポテチパンは学校給食にも出されるようになり、横須賀ではポテチパンを知らない人はいないほど有名。珍級ではなくB級グルメとして庶民に愛されているようだ。

 ポテチパン、うもうございました。

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国道沿いに佇む中井パン店。日本で一番有名なあの純ちゃんちもご近所だけに、きっと食べたことがあるに違いない

中井パン店「ポテチパン」130円
インパクト ☆☆
味     ☆☆☆
店     ☆☆

ポテチ、えびせん……見た目は単純すぎるけど 魅了される『超絶食感バーガー』って!?

 さぁ~て、前回の「青い地球バーガー」に続いて、今回の珍級グルメもやっぱりバーガーですぅ。

 ロッテリアの「ラーメンバーガー」や「つけ麺バーガー」では、“炭水化物+炭水化物=超もっさり感”で、さんざん辛苦を舐めさせられた。大手飲食店チェーンの商品としては考えられないくらいの珍級っぷりだったけど、こっちはどうよ?  

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東名高速道路下り線海老名SAカルビーキッチン限定販売の「ポテトチップスバーガー」。ポテチをパンに挟むなんて……。

 これは東名高速下り線海老名SAのカルビーキッチンで販売されている「ポテトチップスサンド」だ。どう、そのまんまのネーミングでしょ? 

 波形のチップスとスライスチーズ、レタスに見えるのはコールスローで、それをゴマ付きバンズでサンドしてある。

 ネーミングがイージーならコンテンツもイージー。ロッテリアのラーメンバーガーだってもう少し研究してあるはずだ、フフン。

 しかし、その素人のナマイキな物言いは、ひとくち目の食感でみごとに吹き飛ばされた。

「バリッ! ザクッ!!」

 ウオォー! ファンタスティック!! この食感、サイコーじゃないか。

 からしマヨネーズのまろやかな甘辛味とチーズの香りとコクが、口の中でザックザク言ってる厚切りポテチを包み込み、コールスローの爽やかさがあと味を爽快にしてくれる。見た目はイージーなのに、めっちゃうまいじゃん!

 ……でも待てよ、これって自宅で作れるんじゃね?

 そのときはそう思った。が、現実はそれほどイージーではなかったのだ。

 本州以南の地域にお住まいの方はお近くのコンビニやスーパーに行けばわかると思うが、この波形をしたカルビーのりしおチップスは現在販売されていない。調べてみると北海道限定商品だと「ポテトチップスギザギザ®のりしお」という、同様のものがある。

 ハハーン、そうか、謎は解けた!

 その辺をカルビーのお客様相談室に電話して聞いてみた。すると、またしても新しい事実が判明したのだった。

 声の美しい女性「カルビーキッチンをご利用いただきましてありがとうございます。『ポテトチップスサンド』のポテトチップスは、サンド専用に作られておりまして、北海道限定の『ポテトチップスギザギザ®のりしお』とも別の商品となっております」

 残念なお知らせだが、あの本物のザクザク感は自宅では再現不能。カルビーキッチンでしか味わえないという事実が判明した。
パッと見、なんの変哲もない商品でも、メーカーさんは影でこっそりがんばっているんスね。

 「ポテトチップスバーガー」、うもうございました。ロッテリアとは違いました……。

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関東地域で販売されている「ポテトチップスのりしお」。残念ながら波形ではなく、厚みも薄く、サンドにしてもあのザクザク感は期待できそうもない。残念。

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こちらはエビとアボカドソース、トマトスライスが乗った「ポテトチップスサンド 海老アボカドソース¥390(税込み)」。プリップリのエビがたまらない。

カルビーキッチン ポテトチップスサンド¥270(税込み)
インパクト ☆☆
味     ☆☆☆!!
店     ☆

 と、思っていたらこんなバーガーが! エエッ!!

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カルビーとロッテリアのコラボレーション。かっぱえびせんバーガー単品380円(税込み)。1月28日から2月末までの期間限定発売。

地球を体感しながらかぶりつく『青い地球バーガー』って!?

 ♪ラ~ララ~、今年も我らが青い地球に新しい年が訪れました~。

 西暦2015年は、地球上の人類にとってどんな1年になるのでしょうか?

 できることなら珍級グルメの大ブームが巻き起こり、日本、いや、地球を丸かじりできるチャンスが訪れることを切に祈ります。

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インドの西側から東欧を経てベルギーの南側、イギリス、アラビア半島、地中海、ポルトガルまで描かれている。

 てことで、上の写真はペパーミントグリーンの海とグリーンのヨーロッパ大陸とアフリカ大陸が描かれていますが、もちろん地球儀ではないです。ちゃんとイタリアのシシリー島やアフリカの東に浮かぶマダガスカルまで描かれているのが嬉しいです。

 で、これはいったいなんなのかっていうと……、

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チキンカツのサックサクの食感を楽しもう。

 ジャーン! 

 これよコレ、実はチキンカツバーガーなんです。

 地球儀の部分はしっとり柔らかいバンズで、サンドされたでっかいチキンカツはボリューム満点!

 1年の願をかけて地球を丸かじりすると、両アゴから伝わってくるチキンカツのクリスピーな食感が最っ高です! 甘辛いソースとマヨネーズは、カツにもバンズにもピッタリ。こりゃ、今年の地球もめちゃうまい惑星になりそうです。

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バンズは中まで青かった(ガガーリン風に)。

 これがどこで食べられるのかっていうと、横浜のみなとみらい駅近くにある「Orbi Yokohama(オービィよこはま)」内にあるカフェ。地球を映像と音、空気で体感できる新しいシアターで、まさに地球を丸かじりできるってわけだ。

 地球をイメージしたブルーバーガーの料金は470円と、意外にお手頃。だけど、Orbi Yokohamaへの入場料が2,600円(高校生以上)が必要ってのがちょっと……。それに、ファミマで売ってたふなっしーまん(中華まん)と同じで、バンズが歯の裏にくっついてくるのがイマイチ。シアターの中で口をもごもごさせてる人がいたら、きっとブルーバーガー食べた直後に違いない。初デート以外で訪れるのを期待します(笑)。

 今年も読者のみなさんにとっておいしい1年でありますように。ブルーバーガー、うもうございました。

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みなとみらい Orbi Yokohama内カフェ 470円
インパクト ☆☆☆
味     ☆☆
店     ☆☆☆

海の宝石箱よりすごい! 自分へのご褒美がてんこ盛りのちらし寿司

 今年も残すところあと数日。一年間よく頑張った、と自分を褒めてあげたい人もたくさんいるだろう。そんな頑張った人へのご褒美グルメをみつけた。見てよ、このてんこ盛りになったご褒美の山を! 

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どうやって食べたらいいのか、崩壊寸前までてんこ盛りの特上ネタばかり。

 上から、ウニでしょ、イクラでしょ、カニに数の子、マグロにイカ、タコ、右の方にちょろっと頭をのぞかせてるのは白魚だ。そして山の中にはサーモン、ハマチ、コハダにシマアジと、10種類以上の獲れたてプリップリの刺身が埋もれている。着丼したとたん拍手喝采の特上ちらし寿司なのだ!

 どんなネタが入っているのか大将に聞いてみたら、

「そんなのいちいち気にしてたら、原価が気になって乗っけられなくなっちゃうからわかんねーよ!」

 だって(笑)。

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ネタはその日の仕入れによって違いあり。ちらしだけじゃなく、にぎりも特大だ。

 どおりで、ひとくち食べたら写真撮るのも忘れるほどのうまさに箸が止まらない。そんなわけで写真少なくてスミマセン。

 気っぷのいい大将なんで、普通はちらし寿司に使わないようなネタばかり。ウニやイクラは甘くて舌の上で融け出し、青森産のマグロは、箸で持ち上げたら思わず二度見するくらいでかかった!

 もー、盆と正月とクリスマスと誕生日が一緒に来たみたいなしあわせな元祖メガ盛りは、40年以上も続いているという。

 舌もお腹も大満足。たいへんうもうございました。

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ビールもいいけど、寒い夜はやっぱり辛口の熱燗がうまい。

新中野梅寿司 特上ちらし寿司 3300円
インパクト ☆☆☆!!
味     ☆☆☆!!
店     ☆☆☆

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店舗もリニューアルされ、内外ともモダンに生まれ変わった。

少年時代の夢が叶ったのに、 居心地いいような悪いようなカフェって!?

 小春日和の晩秋の午後、柔らかな木漏れ日の中でアイスティーと熱々のベーグルで一息。イヤなことはすべて忘れてリラックスできる、至福のひととき。でも、よく見ると写真左上に見えてるのって、民家の屋根じゃね? てことは、いったいここは……。

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 ここはそう、こんな感じの見晴らしのいいベランダみたいなカフェなのだ。眼下に見える屋根の位置からして、そうとう高い場所にあるのがわかるだろうか。

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フェンスや照明も手作り感たっぷりというか、モロ手作りなのが雰囲気を盛り上げる。

 肝心なのは、そのカフェがどこにあるのか。国道沿いにクルマを駐め、石段を上り、若干ガケ崩れ気味の細い路地を歩いた先に見つけたカフェがあったのは……、

 大きな木の上!!
 
 まるで少年の頃に読んだ『トムソーヤの冒険』に出てきたツリーハウスが、まんま現実になったカフェなのだ。も~ぅ、秘密基地っぽさに、男心はくすぐられっぱなしだ!

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屋根に乗っかった見えにくい黄色い看板がなければ、完全に秘密基地だ。

 しかし、店に入って狭い店内や店外を見渡してみると、そこは女子、じょし、ジョシ、女子だらけ! 男心をくすぐられる少年の夢だったはずのツリーハウスは、女子に占領されてしまっていたのだ。

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吹きさらしのカフェなので、荒天の日は休みというので来店時には要注意。

 店内、店外も含め定員20人程の店で、男性客は記者ひとりぼっちっち。入店時は奇跡的に一席空いていたが、常に満席状態だとか。木の下には空席待ちの客が待機していて、もちろんこっちも女性だらけ。

 上も下も女子だらけの空間に平気で長居できる男性がいるとしたら、空気が読めない強者か、よっぽど木の上での一杯に癒されたかのどちらかだろう。男性にとっては、居心地いいんだけど悪い、微妙なカフェだった。

 ほうれん草とベーコンのベーグル、うもうございました。

横浜市三ツ沢下町 なんじゃもんじゃカフェ
インパクト ☆☆☆!!
味     ☆☆
店     ☆☆☆!!

これはいったい、何!? 雪の季節到来を知らせるような、白くて辛くてふわふわで温かい……

 北国では初雪の季節を迎えた地方もあるようですが、東京はまだまだ“秋深し”という時期です。しかし、日に日に空気の冷たさが肌身に伝わる人恋しい季節になると、うまいんだかまずいんだかわからないギャンブル的な珍級よりは、確実に温かくておいし~いものが食べたくなる時期でもある。

 そんな癒し系グルメを求めてやって来たのは、恵比寿にある和食屋さん。そこの名物がこの丼の中に鎮座している。

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某サイトの口コミを見ると、ほぼ全員のお客さんがこれを食べている人気グルメ。

 黒い丼とは対照的に、まるで淡雪のように白くてふわふわしたこのグルメ。何なのかはたして予想がつくだろうか? 

 オムレツではなく、親子丼でもデザートでもないその正体は……

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生クリームは低脂肪を使用しているのか、柔らかくてなめらかな舌触り。若干ニガいのは炭酸ガスのせい?

 そう、白い淡雪の下に隠れていたのは温かいうどん。しかも、色や外見からはまったく予想できない“カレーうどん”なのだ!

 そしてこの目を引く淡雪の正体はというと、生クリームにすりつぶして裏ごししたジャガイモと出汁を混ぜたムースである。

「生クリームとうどんをよーく混ぜて食べてくださいね」
 
 店員にそう言われたが、ムースを少しだけ舐めてみると、ウン、たしかに生クリームだ。そして、言われたように天地返ししながらよーく混ぜて食べると、見た目の白さからは想像もできないカレー味のうどんに大きくうなずいてしまった。

 舌触りと歯ごたえ、のどごしもつるつるしこしこで、こりゃ参った。

 肩寄せて歩くこれからの季節、雪が降り積もったようなカレーうどん屋でデートなんてカップルも増えるんでしょうね。

 ひとりで食べても、うもうございました。

恵比寿「初代」カレーうどん950円
インパクト ☆☆
味     ☆☆☆
店     ☆☆☆

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こっちは「そばの刺身」。平べったいそばの切り身をわさび醤油でいただく。香りを味わうオトナのグルメだ。

突き刺さったソフトクリームと、食べられるグラタン皿のある喫茶店

 暮れなずむある初秋の夕刻、鴬谷の某所に変わったコーヒーフロートとグラタンを出す喫茶店があると聞いて、行って来た。まずは、そのメニューを見ていただきたい。

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「ソフトクリームがアイスコーヒーに逆さまに突き刺さってる! どうやったの、コレ!?」

 正直、このコーヒーフロートを最初に見た時、どうやって乗せたのかまったく理解できなかった。

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逆さまに突き刺したんじゃなくて、単純にコーンを逆さまに乗っけただけ。それでもけっこうインパクトがある……?

 しかし、とんがり帽子のコーンを取った瞬間、そのネタがわかった。

「なーるほど、そういうことか……(恥)」

 小学生でもわかりそうなネタにも驚く大人げないオトナ。そしてメインは手前にある1斤まるごとのトースト。なんじゃこりゃ?

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グラタンとクリームシチューの違いは、表面を焦がしてあるか否かだけ?

 中身をくり抜かれた1斤の食パンの中にたゆたゆと波打っているのは、小エビにタマネギ、マッシュルームがたっぷり入った熱々のグラタンなのだ。見るからに熱そう!

 まずは横に添えられたトーストでグラタンをすくって、ひとくち……。

「ゥアチッ! でもウメ~」

 濃厚でクリーミーでまろやかで、まさに秋の夕暮れにピッタリの和みの味でありました。

 しかし、ここでひとつ小さな疑惑が。これにそっくりの地元グルメが台湾の台南地方にあるけど、それのパクリじゃ? そう思って帰り際、マスターに聞いてみた。すると、

「以前、お客さんにグラタンが食べたいって言われたんだけど、グラタン皿がなくってね。こうやって出したのが始まりです。だからグラパンです(笑)」

 なるほど、ネーミングもいいね。カレーやビーフシチューでもウマいかも。

 ちなみに、残っていたコーンにグラタンを入れて食べてみたが、コーンはふやけるし熱くて持ってられない。予想のパリパリトローリの食感は、もろくも崩れ去ったのでした。

 グラパン、うもうございました。

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この直後、熱くて持ってられなくなった。コーンは冷たいもの専用で。

鴬谷 喫茶「デン」 グラパン850円 コーヒーフロート550円

インパクト ☆☆☆
味     ☆☆☆
店     ☆☆

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