『ヤバい!-復讐・闇サイト-』嫉妬・妬み・羨望…心の闇を描くダークエロアニメ
子供の自殺報道のニュースが後を絶たない。日本全体の自殺者数は減っているらしいのだが、小中高校生で減少しているとは言えないそうだ。 少し前のデータになるが、警察庁の統計によると2016年における小中高校生の自殺者数は320人だったという。小学生12人、中学生93人、そして高校生が215人だ。自殺者の半分以上が男子生徒だという。 子供の自殺は、いじめや友人関係、学業といった学校に関わる要因の他に、家庭や、精神疾患など複数の要因からが引き金になって起きるそうだが、とりわけ我々が目にする報道の多くは“いじめ”ではないだろうか。 “いじめ”の場合、いじめ防止対策推進法にもとづいて、真相解明と再発防止のための調査が学校や教育委員会のもとで行われる。だが、調査結果は十分共有されず、いじめを苦にした自殺が後を絶たないのが現実だ。 さて、そんな“いじめ”をテーマにしたエロゲーがある。Waffleから2013年にリリースされた『ヤバい!-復讐・闇サイト-』だ。 大切な妹の自殺原因が同級生3人にあると突き止めた主人公の兄が、3人を廃病院に監禁して復讐するという内容だ。物語の鍵として“いじめ”が大いに関わってくる。非常に重いテーマであり、方向性としては鬱ゲーと言えるだろう。 そんな重苦しい『ヤバい!-復讐・闇サイト-』だが、エロアニメ版も存在する。 3人の美少女が見知らぬ廃病院で目を覚ますところから物語は始まる。そこに主人公・遼が現れ、彼女たちがなぜここに監禁されているかを告げる。ソリッドシチュエーションスリラーかのような展開だ。 遼は、大切な妹がなぜ死ななければならなかったのか、その真実を知りたいがために彼女たちを監禁・尋問し、その様子をネット中継し閲覧者に証人になってもらうと。 しかし彼女たちは真実を一切語ろうとしない。そこで仕方なく遼は、順番に美少女達をカメラの前で暴行、凌辱していく。少女たちが辱められるたびに、ネット民からは歓喜のコメントがあふれる。その様子は作品タイトルそのまま、かなり狂気じみてて“ヤバい”。 度重なる恥辱で、精神的に崩壊してきた少女たちは徐々に本当のことを語り出す。嫉妬・妬み・羨望・トラウマ・願望・夢・希望、これらが心の奥底で複雑に絡み合って起きた悲劇だったのだ。全ての真実を知った遼は、衝撃の決断をくだす。少女を監禁凌辱したことで犯罪者となったケジメを自らつける。 最初から最後まで、幸福は一切ない。鑑賞後は非常に後味が悪いだろう。 しかし単に鬱な物語というわけでもなく、貼られた伏線はしっかり回収するし、主人公の行動・発言も一切ブレないで突き進むので、物語として筋が通っていて分かりやすい。この手の凌辱ものはほとんどが暴行シーンで終わるなんてこともあるが、今作に関してはそういったことはなく、しっかり順序だって物事が進む。犯罪に手を染めてでも復讐を遂行する兄に、つい感情移入してしまいそうになる。 復讐を誓う遼が最後に下した決断とは何か。彼が犯罪者になろうとも実行した理由はなんだったのか。ぜひともその目で確認しよう。 (文=穴リスト猫) 【視聴はこちらから!】 ・『ヤバい!-復讐・闇サイト- いじめ速報、燃料投下!? ネット民に問う。妹殺しはこの牝豚3人の中に…… 編』 ・『ヤバい!-復讐・闇サイト- 全世界に拡散希望。死者からのリプライは牝豚野郎の削除要請!?編』