コロナショックで500円ヘルス&オンラインデリヘル&ラブドール…フーゾク業界の経営戦略最前線リポ
新型コロナウイルスの流行により、フーゾク業界は大きく変革している。 「接待を伴う飲食店」でのウイルス感染が確認された「夜の産業」では、換気の悪い室内で不特定多数を相手に、親密な会話やそれ以上の濃厚接触が行われる。特に風俗店では、サービス内容が過激なことから感染リスクが高い。実際にコロナの脅威が叫ばれ始めた2月以降に、フーゾク業界は他の産業に先駆けて閑古鳥が鳴き始めていた。 ※ ※ ※ 3月から4月にかけて、感染のリスクを恐れて客足が大きく減っていく。同時に出勤する女の子の数も減少し、4月7日に緊急事態宣言が出されると、営業を自粛する店が相次いだ。特にソープやヘルスといった店舗型の業種は軒並み休業。一方で店舗型の店ほど運営費がかからないデリヘルやホテヘルなどの出張型は多くの店が営業を続けていた。 各風俗店とも客足を取り戻すために、知恵を絞った。名古屋のヘルス『べっぴんコレクション』と雄琴のヘルス『べっぴんハイスクールDX』は、ワンコイン、つまり500円まで値下げした。通常ならそれぞれ1万3000円、1万4700円の50分コースが500円玉1枚で遊べると評判になった。 新宿の手コキヘルス『ビデオdeはんど 新宿店』は、コロナ対策として、希望の客には嬢がマスクを着けて入室し接客するサービスを実施。また、西船橋の人妻デリヘル『丸妻汁 西船橋店』では期間限定で2000円割引+マスク2枚プレゼントというイベントを開催した。まだまだマスクが買えない状況の中ではありがたいプレゼントであった。水戸のデリヘル『強制発射倶楽部 乱』では80分以上のコースでマスクを10枚プレゼント。HPにはマスク着用の女の子の写真が飾られていた。 緊急事態宣言が出された直後の4月11日、新宿にオンライン専用デリヘルがオープンした。店名は『輝きオンライン』。自宅に引きこもったままデリヘル遊びができるライブチャット専用のデリヘルシステムだ。 女の子と直でテレビ電話で会話しながら口説いたり脱がせたりできるのである。カード決済専門であり、料金は30分6000円~。最低60分以上からのご案内となる。フーゾクといえば「濃厚接触の極み」なのだが、これなら感染のリスクはない。風俗店が時代を映す鏡であることを実感させてくれる店である。 オンラインとともに、今、注目を集めているのが、ラブドールである。川崎・南町のソープ『クリスタルKG』は、「久美子」というラブドールをご案内。指名料5000円でクールビューティーの隠れドMのキャストと遊べる。20歳でEカップの美乳、受け身が好きでアソコが性感帯と、プロフィール欄は実際のキャストそのものだ。 5月25日には、東京・池袋にリアルラブドール専門のデリヘル『ウーバードール』がオープン。コロナで遊びを自粛している男性に感染リスクゼロをPRした。6時間3万円や12時間4万円の長時間コースも用意しているほか、オプションでコスプレ各種やオナホール、VRやウィッグ追加もあり、至れり尽くせりとなっている。通常40分1万3000円~だが、オープン記念として全コース3000円割引を実施。リアルドールと遊んでみたい方はぜひ一度試してみてほしい。 この他、新宿の老舗ヘルス『プチドール』では、10分1500円という激安価格でオナクラコースを実施。嬢と客がオナニーを見せ合うもので、非接触なので感染リスクが減らせるというもの。福島のデリヘル『club生奥様~福島店~』では、キスだけNGにしたり、客側がマスク着用のままプレイをできたりと、接触に不安がある場合の対策を提示していた。 21世紀に入って、歓楽街の浄化作戦、リーマンショック後の世界大不況、東日本大震災による節電や計画停電と、フーゾク業界はこれまであらゆる苦難を乗り越えてきた。その経営姿勢のしぶとさ、そつなさは他の業界に勝るとも劣らない。今回のコロナ禍も、知恵と工夫を駆使して必ずや乗り越えていくに違いない。 (文・生駒明)