中国人は、やっぱりカネ!? 9999.99元の“札束”で彼女に拝金プロポーズ!
この“札束”を作るのに、2人がかりで2時間かかったという
今年の8月9日は旧暦の7月7日。この日は七夕ということで、中国ではバレンタインデーと並ぶ、恋人たちの記念日となっている。
各地で恋人たちがロマンチックな一夜を過ごしたり、意中の人に告白したり、プロポーズしたりといったことが行われていたわけだが、そこはさすがに即物的な人が多い中国。日本人からすると、かなり下品な求愛をする人もいるようだ。
湖北省では、男性が生花店に札束を持って訪れ、「これで花束を作ってくれ」とオーダーした。札束の合計金額は、9999.99元(約15万円)。それだけでもかなり高価な花束になるが、この男性のオーダーが普通ではなかった。「持ってきたお札を使って花束にしてほしい」というのだ。花束ならぬ、文字通りの“札束”だ。
お札はすべて新札で、100元札が99枚、10元札と1元札がそれぞれ9枚、それに、1元より下の貨幣である1角札と、さらにその下の1分札もそれぞれ9枚ずつあった。1分札(0.15円)など、今ではほとんど使われていないため、わざわざ隣の市へ探しに行ったという。
どうして9並びかというと、中国語で9は「ジウ」と読み、時間・年月が長いことを意味する「久」という漢字と同じ読み方であることから、「末永く」という縁起のいい数字となっているからだ。
女性のほうも負けてはいない。湖南省では、90后(1990年代生まれ)の金持ちの女性が、日本では新車で1,500万円はくだらないポルシェ・パナメーラの後部トランクに999本のバラの花を詰め、カルティエのダイヤのリングを手に登場。往来の人々が見守る中、付き合って4年になる彼氏にひざまずいて求婚した。ポルシェはレンタカーだったようだが、このレンタル代も含めて、バラやリングの代金など、全部で6万元(91万円)も使ったという。
ポルシェのトランクに詰められた999本の赤いバラ。普通は男性から女性に贈るものだが……
その一方で、やりすぎてフラレてしまったケースも。四川省では、大きな花束を持った男性が路上にひざまずいて「結婚してくれ」と彼女にプロポーズ。彼女は喜びの笑顔を浮かべたが、男性のその次の言葉がまずかった。
「ここに、家の権利書と結婚指輪と車のカギがある。もし結婚してくれるなら、家の権利書に君の名前も入れてあげる。結婚してほしい」
すると、彼女の表情がみるみる変わり、「それは私にとって侮辱よ! 私は自分で家を買えないわけじゃないわ!」と激怒、その場を去ってしまったのだ。
友達を引き連れて、街中でプロポーズも……
中国人の妻を持つ上海在住の日本人経営者が、苦笑しながら解説する。
「彼女が『私は家が欲しくて結婚するんじゃないわ』ではなく、『家なんて自分でも買えるわ』と言ったところがなんとも中国っぽいですが、金ではなびかないというより、自分が安く見られたことにプライドを傷つけられたのでしょう。実際のところは、家を持っていない男性のところに嫁ぐ女性なんて、中国では少ないですから」
いずれにしても、告白やプロポーズの際にお金のことを持ち出す中国の求愛事情、日本人にはなかなか理解しがたいところだ。
(取材・文=佐久間賢三)