加藤紗里はなぜ名乗りでたのか? 売名行為の成功者がいない理由を検証!
――狩野英孝と川本真琴の交際報道に乗っかり、自らも「付き合っていた」と発表した加藤紗里。その姿は痛さと興味の間でさらに話題になっていたが、結局“売名”のレッテルが貼られ、今ではメディア露出も下火となった。一体彼女たちはどんなうまみがあって、こうした売名行為に身を委ねてしまうのか?
メディアに出るためならなんでもやる印象がある芹那。過去の失敗や言い寄られた男を告白した彼女の次なるエピソードが気になるところだ。
芸能界とは、何かに秀でた人間が集まる場所。どんなことで評価を得るかは人それぞれだが、生き残る人にはそれだけの理由がある。しかし例外的に、自らになんの能力がなくとも名が売れることがある。いわゆる売名と呼ばれるやり方だ。
広辞苑によれば、その定義は『自分の名前を世間に広めようとつとめること』とあるが、実際には悪い意味で使われることが多い。芸能界の場合、その方法が、無名な人が有名な人を利用する“他力本願”に限られるからだ。ではなぜ、こうした“売名行為”に走るのだろうか?
最近では、1月25日に歌手の川本真琴がツイッターで恋人の存在を明かしたことで始まった狩野英孝のニ股報道で、突如として有名になったタレント・加藤紗里の一件がもっとも記憶に新しいところだろう。25歳で特に実績がなかった彼女は、女性タレントとして売れるにはかなりギリギリの年齢だったはず。そこへ来て、狩野という芸人を利用して、恋愛関係を赤裸々に暴露し、結果そのネタだけで積極的にメディアに露出したのだから、売名と呼ばれても仕方がない。騒動後、『情報ライブミヤネ屋』(日本テレビ)、『白熱ライブ ビビット』、『サンデー・ジャポン』(共にTBS)、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)、『めちゃ×2イケてるッ!』、『ダウンタウンなう』、『全力!脱力タイムズ』(全てフジテレビ)などワイドショーからバラエティ番組まで触手を伸ばした。
実際に加藤紗里の売名疑惑は、早い段階で噂されていた。二股報道があってから彼女をすぐに起用したテレビ関係者は「彼女と出演前に打ち合わせた段階で、狩野への愛がまったく感じられなくて驚愕した」と語る。そうした様子はテレビの画面からお茶の間へと伝わり、彼女の一連の告白は「もともと狩野を利用するつもりで近づいたのでは?」と勘ぐらせるのには、十分だっただろう。それから破局宣言なども挟みつつ、売名の延命治療を続けてきたが、ある芸能記者は「過去に売名で成功した例はない」と語る。
確かに、これまで売名からそのまま売れ続けたタレントは例がない。弱肉強食の芸能界で生き抜くには、名前がいかに認知されるかこそが最重要。そこに明確な方法論などなく、生き残った者だけが正しい。そのため売名がキッカケでも、その後活躍できれば問題はないはずだ。しかし大抵の場合、すぐに姿を消してしまうのは、そもそも売名をする動機が“せざるを得なかった”からだろう。実力がなく、売名という最終手段を取ってしまっているのだから、急に表舞台に立たされて何もできないのも無理はない。
過去には書籍で肉体関係などを暴露する売名もあった。例えば当時、芸能界から干されていた石原真理が明石家さんまなど大物芸能人との恋愛遍歴を暴露した『ふぞろいな秘密』(双葉社)が話題を呼んだ。しかし、結局その後の露出につなげられていない。一瞬の興味を引いたとしても、彼女自身にそこから這い上がる実力がなければ意味がないのだ。
また「魔性の女」の異名も手に入れてしまった芹那のように、事あるごとに売れっ子芸人の名前を出して関係性をアピールし、細かく売名を重ねるケースにも同じことが言える。その場のトークは盛り上がるが、何度も使えるエピソードではなく、自身の面白さをアピールすることにはつながらない。売名だと感づかれ、関係者の不信感も溜まれば、使いにくいタレントとなってしまう。
ではなぜ無名タレントはそうまでして、成功例のない売名に夢を見るのか。名前さえ売れれば活躍できると自分の実力を本気で信じている者、もう最後だと覚悟を決めて大きな花火を打ち上げに行く者、その理由はさまざまだろう。確かにまったくチャンスがないのなら、やらないよりは価値があるのかもしれない。しかしどう考えても、売名後の実力や戦略がなくては無駄死にと言わざるをえない。
「その点、加藤紗里は、まだ成功しているほうかもしれません。最近はテレビもぶっちゃけ番組やワイドショーでの告白が当たっていて、出演が多くなっているのも要因でしょうね」(前出・芸能記者)
つまり、どうせ悪いイメージがつきまとうのなら、いっそのこと開き直って、自分の実力不足を認め、汚れ役に徹し、メディアの要望に柔軟に対応して小金を稼ぐだけ稼いだ方がいいという考え方もあるということだ。今回、加藤紗里は、その堂々とした態度で仕事を広げてきた。彼女がそれを狙ってやっているのだとしたら、今後「売名を認める」という延命法が残されているかもしれない。
また、売名といえば、圧倒的に女性の数が多いのも大きな特徴である。大物女優が利用されるケースなど聞いたことがない。それに比べて、男性芸能人は大物になっても脇が甘い。女性側に最初はその気がなかったとしても、隙を感じ取ってしまえば、売名という禁断の果実に思わず手を出してしまうこともあるだろう。
そう考えると、無名女性タレントが有名男性タレントに近づく行為を全て売名と一括りにしてしまうのは簡単だが、女性側の意識にも差がありそうだ。もしかしたらそんなつもりがなかったのに、レッテルを貼られてしまうケースもあるだろう。バナナマンの日村勇紀とフリーアナウンサーの神田愛花の熱愛も今は祝福ムードに包まれているが、もし破局となれば神田の売名だったと叩かれる可能性もある。それが本当の恋だったとしても、日村と神田の格差を考えると世間には響かない。ぶっちゃけ番組などでの告白ブームに乗じて、売名が増え続ければ、何が売名で何が売名でないのか、線引きも難しくなってくるかもしれない。
(文/オガワケンジ)