実在した“神の一手”天才チェスプレイヤーを、トビー・マグワイアが好演!『完全なるチェックメイト』
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今週取り上げる最新映画は、米ソ冷戦下で代理戦争として世界が注目したチェス対決と、1世紀前のアルメニア人大虐殺をそれぞれ描くドラマ2作品。主人公の生き様を通じて知られざる歴史の裏側を照らし出す、名監督たちの手腕を堪能できる力作だ。
『完全なるチェックメイト』(公開中)は、トビー・マグワイア主演で天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの半生を描く伝記ドラマ。ニューヨークで幼少時代からチェスの才能を開花させたボビーは、15歳で史上最年少のグランドマスターに。何度も引退と復帰を繰り返したり、突飛な言動で周囲を振り回すボビーだったが、20代後半に国際大会で勝利を重ね、ソ連が誇る世界王者ボリス・スパスキーへの挑戦権を獲得。時は米ソ冷戦期の1972年、全24局の「世紀の対決」は、両国の威信をかけた代理戦争の様相を帯び、世界中にテレビ中継される。だがボビーは、極限のプレッシャー下で始まった第1局を凡ミスで落とし、第2局をボイコットして、2連敗と追い込まれる。