幸福そうな一家を崩壊に追い込む八坂の正体は? 家族への幻想を砕く浅野忠信主演作『淵に立つ』
<p> カンヌ映画祭「ある視点」部門 審査員賞を受賞した浅野忠信主演作『淵に立つ』を観て、古いSF映画を思い出した。子どもの頃にテレビ放映され、とても印象に残っていた作品だ。そのSF映画のタイトルは『禁断の惑星』(56)といい、今なおカルト的な人気が高い。『禁断の惑星』には人気キャラクターであるロボットのロビーの他に、“イドの怪物”という姿の見えないモンスターも登場する。太陽系外の惑星アルテアにやってきた宇宙船アンドロメダ号は、このイドの怪物によって次々と犠牲者を出すことになる。スクリーン上で不気味な存在感を放つ浅野忠信を見て、子どもの頃に脳裏に刻まれたイドの怪物の恐怖が甦った。<br /> </p>