政治家も顔負け!? 不正行為が横行する大学内選挙のお粗末さ
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昨年4月、韓国ソウルのある大学の学生会長選挙で、立候補者のひとりが「ドラえもん」を使ったチラシなどを作り、著作権侵害で問題になった。
人気キャラクターを利用しての選挙活動はライセンス所有者からの警告で幕を下ろしたが、韓国大学内での学生会長選挙と不正は切り離せない関係だ。最近でも、私立大学の不正行為が追及される事態となっている。
昨年11月24日、釜山(プサン)の私立大学で、翌年度の学生会長と副会長選挙が行われたが、最近になって新会長Aと副会長Bの不正行為が発覚。12月26日には、学内中央選挙管理委員会によって、当選の無効が決定された。
事態は、ある女子学生が選挙期間中にAの敵対候補からセクハラ行為を受けたと訴えたことに端を発する。ライバルの不祥事にA人気は一気に高まったのだが、当初から学内ではくだんの女子学生のバックにAがいるという疑惑を持たれていた。選挙管理委員が問題視したのは、A陣営が対立候補の醜聞を積極的にSNSに流布したという疑惑だ。そして、同委員会の調査の結果、今回の当選無効につながった。
渦中のAはこの決定を受けて、「陣営の人間がSNSへ書き込んだのはあくまでも個人的な動きであり、組織的な行動ではない」と強く反発している。
学内選挙での不正は、風説の流布だけにとどまらない。同時期に選挙が行われた大学では、学生証を使った電子投票を導入していたのだが、旅行中や休学中の学生たちの投票も発覚。不正な代理投票が行われていたことが明らかになり、物議を醸している。
また、別の大学でも「組織票の強要」「投票数が投票者数を超過」など、学内選挙は不祥事の温床と化していて、あきれるばかりだ。
しかし、すべての学生が学内選挙に熱を上げているわけではない。最近では、会長に立候補する学生が現れず、選挙自体が成立しないケースも多く、ソウル市立大学や延世大学など10校以上の大学で選挙が行われなかった。
学生のうちから横行する不正選挙を鑑みると、現在、韓国社会を揺るがす前代未聞の政治スキャンダルも、当然の結果なのかもしれない。