行定勲監督が“原作モノ”映像化の真価を見せる『真夜中の五分前』
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今回取り上げる最新映画は、コミックと小説、それぞれ人気の高い原作を見事に映像化した邦画2作品。原作との比較はもちろん、キャスティングの妙、脚色の技など見どころいっぱいの話題作だ(いずれも12月27日公開)。
『海月姫』は、「Kiss」(講談社)に不定期連載中の東村アキコの人気コミックを、『ホットロード』(2014年)の能年玲奈主演で実写映画化した娯楽作。クラゲを偏愛するオタク女子の月海(能年)はイラストレーターを志すも、部屋にこもってクラゲの絵ばかり描いている。彼女が住むボロアパート「天水館」には、鉄道や三国志など各自のオタク道を追求し、恋愛ともオシャレとも無縁の女子5人がゆるい共同生活を楽しんでいた。月海はある日ペットショップで華麗な美女に助けられるが、その正体は女装趣味のある蔵之介(菅田将暉)。蔵之介が天水館に出入りするようになり、月海の生活も少しずつ変化するが、そんな折、天水館が再開発による取り壊しの危機に直面する。