「パンドラ映画館」の記事一覧(13 / 15ページ)

金メダリストの肉体を札束で手に入れた男の狂気! 米スポーツ界の暗部『フォックスキャッチャー』

<p> 巨匠ウィリアム・ワイラー監督の後期の作品『コレクター』(65)は、コミュニケーション能力に難のある男が“理想の女性”を自宅に監禁して飼育するという歪んだ愛情を描いた異色サスペンスとして人気が高い。今年のアカデミー賞で監督賞ほか5部門にノミネートされているベネット・ミラー監督の『フォックスキャッチャー』は、『コレクター』とよく似ている。大きな違いは、コミュニケーション能力に難のある男が飼育しようとしたのは“理想の女性”ではなく“理想の</p>

現役アイドルに“顔射”を迫る鬼畜ドキュメント! アイドルvs.AV監督『劇場版BiSキャノンボール』

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 人気アイドルグループの解散ドキュメンタリーを怖いもの知らずのAV監督たちが撮り上げるとゆー、とんでもない無茶ぶりで話題を呼んでいる『劇場版BiSキャノンボール2014』。撮られるアイドルグループは2014年7月8日</p>

韓国で起きた女子中学生集団暴行事件の映画化! セカンドレイプが怖い『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』

<p> 土中のバクテリアたちが分解した養分を吸い上げた草花がやがて美しい花を咲かせるように、実録犯罪映画は現実社会に起きたおぞましい事件を養分にして観る者の心に刻み付くような美しい作品を生み出す。ガス・ヴァン・サント監督は1999年に起きた“コロンバイン高校銃乱射事件”を『エレファント』(03)として再現し、石井隆監督は1997年に起きた“東電OL殺人事件”をモチーフに『人が人を愛するどうしようもなさ』(07)を撮り上げた。実録犯罪映画とは人間の心の闇に咲いたトリカブトであり、彼岸花である。韓国映画『ハン・ゴンジュ </p>

これからボクの彼女(前田敦子)が枕営業します 男女の性欲と本音が交叉する『さよなら歌舞伎町』

<p> 前田敦子が“枕営業”を持ち掛けられるミュージシャンの卵を演じていることで注目されている『さよなら歌舞伎町』。ラブホから出てきた前田敦子の口から「好きでやったわけじゃないよ。マクラだからいいじゃん。デビューできるし……」なんてビッチな台詞が飛び出す。寺島しのぶを演技派へと覚醒させた『ヴァイブレータ』(03)など数多くの官能映画を手掛けてきたベテラン脚本家・荒井晴彦と廣木隆一監督がタッグを組んだ群像劇</p>

佐村河内事件にそっくり過ぎる『ビッグ・アイズ』ティム・バートンが描く創作現場の奇妙な人間関係

<p> 「STAP細胞はあります」会見と並んで2014年のワイドショーを賑わした佐村河内ゴーストライター事件。クラシック音楽界で起きたこの騒ぎで、“現代のベートーベン”という肩書きはフェイクだったこと、多くのマスコミが感動秘話を盛り上げる片棒を担がされていたこと、18年間にわたってゴーストライターを請け負った新垣隆氏への報酬は700万円に過ぎなかったなど様々な事実が明るみになった。理化学研究所で起きたSTAP細胞事件と同様に、密</p>

世にも美しい図鑑、ドキュメンタリー『凍蝶圖鑑』ここはセクシャルマイノリティーが集う夢の楽園

<p> とても美しい図鑑をめくっているような気分になる。ドキュメンタリー映画『凍蝶圖鑑』は“いてちょう ずかん”と読む。凍蝶とは、草陰に隠れて越冬する蝶のこと。幻想的な美しさと生命のはかなさ、そしてたくましさを感じさせる言葉だ。ただし、『凍蝶圖鑑』は図書館に並んでいるような昆虫図鑑ではない。同性愛者、トランスジェンダー、ドラァグクイーン、</p>

高倉健主演のワーナー作品『ザ・ヤクザ』がDVD化 健さんがハリウッド映画に与えた影響とは……?

<p> 昭和は遠くになりにけり。日本映画界を代表するスター俳優・高倉健さんが11月10日に、菅原文太さんが11月28日に相次いで亡くなり、そんな言葉を思い浮かべた人も少なくなかっただろう。年末最後ということで12月23日にDVDが再リリースされた高倉健さん主演のハリウッド映画『ザ・ヤクザ』(74)を振り返</p>

アナルの国からやってきた『バッド・マイロ!』カルト映画を過激&ポップに換骨奪胎しちゃった!

<p> 桃太郎は桃から生まれ、ドラえもんはのび太の机の引き出しから現われ、メリーポピンズは空から舞い降りてきた。人気キャラクターはどこから登場するかがとても重要である。その点、『バッド・マイロ!』のマイロくんは人気キャラクターになりえる条件を楽々とクリアしている。黒目がちなつぶらな瞳に、ぬるッとした肌色のボディが印象的なマイロくんは、生温かい臭いと共に人間のケツの穴から這い出てくるのだ。しかも、このマイロくんはちっちゃい体ながら、宿主である人間が潜在意識で嫌っている人たちを次々と噛み殺してしまう凶暴キャラ。最近のゆるキャラブームに食傷気味の方にぴったりなゆるキャラならぬ、きつキャラなのだ。</p>

“伝説の俳優”松田優作の魂を受け継ぐ『百円の恋』デブニートが放つ、下流人生から起死回生の一撃!

<p> 熱い映画だ。体中のアドレナリンがざわめく、見る強壮剤と言っていい。見終わった瞬間に、劇場から走り出したくなる。11月から公開されているロードムービー『0.5ミリ』で“映画菩薩”と化した安藤サクラが、最新主演作『百円の恋』では“女阿修羅”へと変貌を遂げる。本作で安藤サクラ演じるヒロイン・一子が戦いを挑む相手は“人生に対する諦め”だ。たぷたぷしたお腹の贅肉にきっぱり別れを告げ、自分の前に立ち塞がる“どう</p>

自分が愛した女は一体何者だったのか? フィンチャー作品の主題が詰まった『ゴーン・ガール』

<p> 暗い、陰鬱な映画ばかり撮っているデヴィッド・フィンチャー監督は、なぜこんなに人気があるのだろうか。洗練されたビジュアルとは別に、フィンチャー作品にはある共通項がある。それは人間や社会に対する不信感を、真正面から描いているということだ。誰も信じられないこの世界で、それでも『ファイト・クラブ』(99)のタイラー(ブラッド・ピット)や『ドラゴン・タトゥーの女』(11)のリスベット(ルーニー・マーラ)らは自分たち</p>

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