パーマ大佐「森のくまさん」騒動に見る、お笑い界・パロディ芸人たちの「筋の通し方」とは
『パーマ大佐 - 「森のくまさん」 ショートver. - YouTube』よりピン芸人のパーマ大佐のネタが騒動を引き起こしている。童謡「森のくまさん」の替え歌ネタを収録したCDが、曲の訳詞者から著作者人格権侵害であるとして300万円の慰謝料請求を受けたのだ。騒動発覚以降、パーマ大佐は同ネタを行っておらず、実質的に封印状態にある。
これを受け“元祖替え歌芸人”といえる嘉門達夫の発言が話題となった。嘉門は、替え歌を作るにあたり、トラブル防止のために権利者にきちっと許可を取っているという。
「パーマ大佐のネタは、既存の歌詞に、彼オリジナルのネタを付け足したもの。レコード会社は、訳詞者に許諾願いを出しましたが本人が拒絶。しかし、商品が発売されてしまったことが、訳詞者側が主張するトラブルの内容です。一方で、嘉門さんのネタは歌詞を全面的に変えるもので、パーマ大佐のネタとは異なるものです。そうであっても、きちっと権利者に許可を取る姿勢は、仕事に対する誠実さを感じさせますね」(放送作家)
パロディネタは、笑いには欠かせない要素だといえる。中でも、モノマネは代表格だろう。極端なデフォルメなどを含むため、本人の怒りを買わないためにも、モノマネ芸人はきちっと筋を通す人間が多い。
「松村邦洋さんは、モノマネ相手にきちっと毎年お歳暮を送ることで知られています。それにより、西田敏行さんや、津川雅彦さんは“笑って許してくれる”どころか“ネタのアドバイス”をくれる関係となっています。さらに、コロッケさんも、美川憲一さんに挨拶を欠かさず、今ではジョイントコンサートをする関係になっています」(同)
パロディネタを行うは、対象に対するリスペクトはもちろん、なにより常識的な手続きが求められるのだろう。その点でいえば、今回の件はパーマ大佐側に非があるといえるかもしれない。
(文=平田宏利)