「社会」の記事一覧(18 / 65ページ)

集団リンチで鼓膜破裂も、報復を恐れて泣き寝入り……過激な“後輩イジメ”動画がSNS上に流出!

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イメージ画像(Thinkstockより)

 1月17日、韓国のSNSに、少年たちが後輩を集団暴行している動画が投稿された。少年たちはまだ中学生ということもあり、大きな波紋を呼んでいる。

 事件が起きたのは、昨年11月30日、巨済(コジェ)市の歌の練習場。A(15)ら4人は、「先輩の話を聞かない」として、1つ年下の後輩2人を呼び出した。

 Aらはノリノリな音楽を流しながら、おびえる後輩たちの顔に何度も強烈なビンタを食らわし、さらに無抵抗の2人を蹴ったり顔を踏みつけるなど、残酷な仕打ちを続けた。暴行を受けた2人のTシャツは泥だらけで、凄惨さがうかがえる。

 被害者の1人は全治2週間、もう1人は左鼓膜破裂などの重傷を負ったが、報復を恐れ、泣き寝入りしていたという。今回動画が流出したのは、加害者の1人が知人に動画を送ったことで、SNSを通じて広まったとされている。

 加害者の中学生4人は現在、警察の取り調べを受けているというが、この凄惨な後輩イジメに対して、韓国ネット民たちは「厳しく処罰してほしい。今年、自分の子どもが中学生になるから心配だ」「このクズはなんだよ? 未成年でも、まともな判断はできる。これが正々堂々とした行為なのか?」「加害生徒だけでなく、両親にも厳しい量刑を与えてほしい」などと怒り心頭だ。

 韓国社会において、先輩・後輩の関係は日本以上に厳しい。そのことが、今回のような事件が相次ぐ原因ともいえる。

 実際に韓国メディアを見ると、「教師に怒られた腹いせに、後輩を屋上に呼び出し」「『SNSでの返事が遅い』と暴行」「挨拶が適当な後輩に制裁」などなど、学校内における後輩への過激な暴行がしばしば取り上げられている。

 目上の者を立てる礼儀は必要不可欠だが、後輩が先輩の奴隷となるような事件が続いている昨今の状況は、大きな社会問題だと言わざるを得ない……。

ペットショップへの腹いせ!? 返品拒否された女が、飼い猫の皮を剥いで店頭に遺棄

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SNSに掲載された、ブリティッシュショートヘアの写真、この猫と一緒に写っているのが飼い主の女だ(出典:南寧電視台)

 香港メディア「東網」(1月16日付)によると、今月8日、雲南省麗江市内にあるペットショップの店頭に、全身の皮を剥がれ、変わり果てた姿になった猫が遺棄されているのが見つかった。犯人はこの店とトラブルになった20代の客の女とみられ、皮を剥がれたのは、同店で女が購入した猫だったというのだ。

 店長によると、今月3日、女が来店。人気品種のブリティッシュショートヘアを気に入り、「値段を安くしてほしい」と交渉してきた。店長はこの女の猫への深い愛情を感じ、値下げを了承したのだった。それから2日後、事態は急展する。猫を買った女が、再びペットショップにやってきたのだ。女は店長に駆け寄ると、「経済的な問題で育てられなくなった。猫を返すから返金してほしい」と言いだした。

 店長は女に、「ペットに健康上の問題が見つかった場合以外、返金には応じられない」と答えると、女はおとなしく帰ったという。しかし8日夕方、女が買ったと思われる猫が皮を剥がされ、ビニール袋に入れられた状態でペットショップのドア付近に捨てられているのが見つかったのだ。店長は、鼻や目の特徴から、あの女が買ったブリティッシュショートヘアだと気がつき、警察に通報した。

 残虐なペット殺害のニュースは大きく報じられ、ネット上ではすぐに人肉検索が行われた。猫を虐殺したと思われる飼い主の女の顔写真、SNSアカウント、住所、電話番号などがあっという間に見つかって、ネット上にさらされた 。

 当初はメディアからの取材にも応じなかった女だが、身元が割れて観念したのか、10日午後に突然、SNS上に謝罪の動画をアップ。その中で女は、「あの時、急にお金が必要になったから返金の相談に行ったのに、あの店長、全然相手にしてくれなかったの! バカにされてるような気がして、だんだん理性が保てなくなった。気がついたら、猫にヒドイことしちゃってたの。みんなの心を傷つけてごめんなさい」と、身勝手な謝罪を展開している。

 女がペットショップの店長に見せた愛猫家の顔は、一体何だったのだろうか?
(文=青山大樹)

嫉妬に狂った女が15歳少女を監禁&暴行! 剃髪し、全裸画像撮影で逃亡阻止まで

嫉妬に狂った女が15歳少女を監禁&暴行! 剃髪し、全裸画像撮影で逃亡阻止までの画像1
イメージ画像(Thinkstockより)

 中国広西チワン族自治区で92歳の老婆が数年間、息子夫婦によって豚小屋に監禁されていた事件が世間を騒がせている(参照記事)。この事件は韓国でも大きく報道されており、ネット上では「中国のレベルがこの程度なのは周知の事実。驚くようなことではない」「中国らしい」「中国はどこまでも嫌な国だ」などといったコメントが数多く書き込まれている。

そんな中、「我が国でも過去に同様の事件はあったし、他人事ではない」と、警鐘を鳴らす声が多かったのも印象深い。実際、1月に入って、凄惨な監禁報道が相次いでいる。

 1月4日、仁川(インチョン)では、自宅で娘と彼氏のセックス現場を目撃した母親Aが激怒。彼氏を監禁し、ハサミで髪の毛を切り落としたという。息子の帰りを心配した彼氏の母の通報によって、事件は発覚。Aは逮捕された。

 さらに15日には、光州(クァンジュ)高裁で、15歳の少女を監禁した疑いで22歳の女Bに懲役1年2カ月の実刑が言い渡されたのだが、その動機はとても信じがたい。事件が起きたのは昨年4月、Bは、少女が自分の彼氏と連絡を取っていたことに腹を立て、2日間にわたって少女を監禁、暴行を加えた。さらに、少女が逃げないよう髪の毛をすべて剃り落とし、全裸画像を携帯電話で撮影。「警察に通報すれば、画像を拡散する」と脅したのだ。

 女の監視の目が緩んだ隙に少女は逃走に成功したが、その悪質さに、ネット民の間からは「これで懲役1年ちょっと? 少女が逃げていなければ、生死にも関わったかもしれないのに……」「7つも下の子に嫉妬するとか、あり得ないだろ」などと、怒りの声が多く上がっている。

 中国のトンデモニュースを鼻で笑う韓国だが、実際はどっちもどっちのようだ。

無法地帯化するソウル地下鉄……駅員への暴行、不正乗車が止まらない!

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 高齢者が優先席に座っていた妊婦の腹を殴ったり、酔っ払った若者が座席に向かって放尿したりと、地下鉄内トラブルが絶えない韓国。それに加え、最近は駅構内でのトラブルも急増しているという。

「ソウルメトロ」によると、駅員の約半数は乗客から暴行を受けた経験があり、10人中9人は暴言に苦しんでいるという。乗客による駅員暴行件数は2014年に31件だったが、16年は100件以上に上る。これでは、勤務環境に不安を訴える駅員が増えるのも無理はない。

 ニュースメディア「YTN」が1月18日に公開した映像を見てみると、女性駅員が高齢者にビンタされるところや、泥酔した男性が駅員に罵詈雑言を浴びせるシーンが映っている。また、不正乗車を摘発され、「クソ野郎、俺の払った税金が、お前みたいな奴の給料になってんのか。消えうせろ!」と逆ギレする男性も。また、ある乗客は、駅員が「お忘れ物にご注意ください」と伝えたところを、ビンタで返していた。

 ここ数年、不正乗車も急増えている。65歳以上に支給されるシニアパスを家族で使い回したり、学割のパスを不正に使ったりするケースが最も多く、自動改札機の下から無理やり通る場合もあるそうだ。子どもの不正乗車も年々増え、昨年は全体の約15%を占めた。「子どもは運賃を払ったら損」という考えで、駅員とモメる親も数知れない。

 ソウルで最も不正乗車が多い駅は、2号線の「弘大(ホンデ)入口駅」。その次が若者や外国人の利用が多い4号線の「明洞(ミョンドン)駅」というが、不正乗車が摘発されても「運賃の30倍」もする罰金を素直に払う人はほとんどいないという。16年の不正乗車による被害額は、約10億ウォン(1億円)を超えるそうだ。

 それを受け、ソウルメトロは昨年末から子ども、学生、高齢者などを表示する自動改札機のLEDパターンを増やし、不正乗車対策を講じている。ちなみに、地下鉄同様、不正乗車が多い市内バスは、現金での支払い廃止を検討中。ICカードの利用が98%を占める現在、残り2%の現金支払いのほとんどが、故意に破られた紙幣や外国のコインといった不正乗車だからだ。

 いずれにしても、せめて安全を守ってくれる駅員にだけは、感謝の気持ちを忘れずにいてほしい。
(文=S-KOREA)

●参考記事
・往復ビンタに腹パンまで…韓国地下鉄で頻発する妊婦への“暴行”が看過できない
http://s-korea.jp/archives/9044?zo
・高齢化が著しく進む韓国で、地下鉄の“優先席トラブル”が増加中
http://s-korea.jp/archives/3679?zo

ダシがよく効いてる!? 中国伝統の「子どものオシッコ煮込み料理」に賛否両論

鉄鍋のフタの周りを赤土でふさいで蒸し煮にした豚足料理だが……  1月上旬の週末、中国・福建省泉州市で、グルメ祭りが行われた。数ある屋台の中で特に目を引いていたのが、豚足を煮込んだ料…

「10人中6人が正しく持てない」!? 箸文化1,000年の歴史が衰退の危機!

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イメージ画像(足成より)

 日・中・韓をはじめ、東アジアにまたがる箸文化だが、韓国ではその伝統文化が危機に瀕しているという。

 韓国箸協会のキム・ピルス会長が大学生の男女176人を対象にアンケート調査を行ったところ、約65%に当たる115人が「箸を正しく持てない」と答えたという。実に10人のうち6人が、箸を正しく使えていないということになる。

 なお、箸使いの実態調査を行ったのは、2004年に続き、今回で2度目だが、当時の結果もほぼ同じだったという。

 キム会長は「間違った持ち方を直さないと、1,000年間続いた箸文化が衰退してしまう」と警鐘を鳴らしている。

「箸文化は、日・中・韓3国を中心に発展したが、木の箸を使用している中国や日本とは異なり、韓国は唯一、鉄の箸を使用し、繊細な箸使いを守ってきた(中略)しかし、現在の学校では箸教育が体系的ではなく、関連する研究もほとんどない。箸文化は危機に直面している」(同)

 問題の深刻さを感じたキム会長は、1回目の調査からしばらくして、非営利団体である韓国箸協会を設立。同協会には常勤職員はいないが、会員約50人が学校や団体に出向き、箸教育に力を注いでいるという。また、人々が正しい箸使いを学べる“矯正箸”を開発したり、路上で市民に箸を無料で配るイベントも頻繁に行っている。

 キム会長は、「日本は箸を食べ物と人をつなぐ“神”としてたたえ、毎年、政府が力を入れて箸関連行事を開き、文化を大切に守っている(中略)韓国も箸への関心をより深め、優れた伝統文化を継承しようとする努力が必要だ」と自身の見解を示している。

 確かに韓国人の若者と食事をしていると、箸の持ち方はそれぞれで、あまり“正しい持ち方”を意識しているふうでもない。日本社会ではいまだに箸使いのマナーに敏感だが、韓国のそれは、すでに衰退が始まっているのだろうか?
(文=河鐘基)

まるで国全体が“スモークドチャイナ”……中国・大気汚染「最悪レベル」を更新中!

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北京の天安門広場も、スモッグで真っ白に。それでも、観光に出かける中国人たち

 日本にも大きな悪影響を与えている中国の大気汚染は、かねてから深刻な状況にあったが、このところ、以前にも増して危機的な状況だ。連日、中国各地でスモッグが発生し、交通網にも多大な影響を与えている。

 北京では今年に入ってからも濃いスモッグ状態が続き、中国当局は大気汚染の状況を知らせる4段階中2番目に深刻な「オレンジ警報」を出している。また、北京のアメリカ大使館が観測したPM2.5の数値は、1月1日に563を記録し、最悪レベルの「危険」(301~500)を上回る「指標超」となっている。

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これは月ではなく、スモッグの向こうにある太陽の写真(四川省成都市)

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ネットにアップされた、スモーク状態の高速列車

 そのため、空港では視界不良となり、欠航便が相次いだ。また高速道路も、同様の理由で閉鎖される地域が出ている。

 そんな中、中国各地を結ぶ高速列車は走行を続けているが、長距離を走ってきた車両が、まるでスモークされたかのように真っ茶色になっている写真がネットにアップされ、さすがの人民たちをも驚かせている。

「いい色に焼けているなあ」
「炭坑の中を走ってきたのか?」
「車両が、これだけ汚染物質を吸着しているということ。汚染除去の新兵器だ」

 全国各地で、このような深刻な大気汚染が進んでおり、まるで国全体が“スモークドチャイナ”とでもいうべき状況となっている。今後、日本に輸入されてくる中国産食品も、この大気汚染に“スモーク”されている可能性がある。もとから中国産食品には注意が必要だったが、これからは、さらなる注意が必要のようだ。
(文=佐久間賢三)

領土問題と慰安婦問題を強引に一体化!? どさくさに紛れて「竹島少女像」計画が始動!

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韓国の日本大使館前に設置されている慰安婦像

 2018年に開催される平昌冬季五輪の公式ホームページ上で竹島が「独島」と表記されて話題となる中、韓国では竹島に慰安婦像(少女像)を設置しようという動きが本格化している。

“竹島少女像”に関連して韓国政府は1月19日、「独島問題は領土権問題、慰安婦問題は人権問題が本質で、連携させてはならない」と事実上、反対の立場を表明。しかし、竹島少女像の設置を主動する民間団体「独島サラン(=愛)・国土サラン会」は翌日、「日本との間違った慰安婦合意をした植物状態の政府の立場と判断する」と一蹴し、計画を推し進めていく意向を示した。

 同会は16日より、京畿道道議会のロビーに募金箱を設置して7,000万ウォン(約700万円)を目標に募金活動を始めている。彼らは、2月から駐韓日本大使館前で抗議活動を展開し、慰安婦・独島セミナー(4月)、独島文化祝祭(7月)、「独島の日」イベント(10月25日)などを経て、ソウルの少女像が設置された日と同じ12月14日に、竹島少女像を設置する計画だ。

 日韓関係において、長きにわたって“障壁”となっている竹島問題と慰安婦問題をセットにしてしまおうという無茶苦茶な話だが、韓国ネット民の反応を見ると「あの政府が反対しているということは、“やって正解”ということ」「韓国は現在、無政府状態です」「東京都庁の前にも少女像を立てよう」「この際、対馬も取り戻そう」などと乗り気な意見が多い。中には、これを機に「日本とは断交してしまえ!!」と過激な書き込みをする者もいた。

 周知の通り、慰安婦問題は2015年末の日韓慰安婦合意で、すでに解決したはずだった。日本は履行事項である10億円をすでに捻出。生存する元慰安婦46人のうち、すでに31人がお金を受け取っている(1月18日時点)。しかし、韓国側は駐韓日本大使館前の少女像を撤去しないばかりか、釜山にも少女像を設置。さらに今回、竹島に設置しようというのだから話にならない。

 竹島問題も一向に前進していない。韓国の政治家が次々と同島へ上陸し、「検討本」として公開された新しい歴史教科書にも、竹島が韓国領であることの理屈を、こう解説している。

「日本を占領統治した連合国最高司令官は1946年1月覚書(SCAPIN)第677号を交わし、日本に対して敗戦直前まで支配した国外のすべての地域の政治、行政上の権力行使を停止させ、鬱陵島と独島、済州島が韓国の領土であることを確認した」

 個別の解決さえ難しい問題をミックスさせて、さらなる混乱を巻き起こしている韓国。かの国には、問題を解決する気はまったくなさそうだ。

「世界は我らのものだ!?」中国人観光客がタイのビーチを五星紅旗で埋め尽くす

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無数の中国国旗により、美しいビーチは一変

 このところ、各地での爆買いも失速気味と伝えられている中国人観光客だが、その傍若無人ぶりは、まだまだ衰えを知らないようだ。

 タイ・プーケットから北西に90km、アンダマン海に浮かぶシミラン諸島。世界のダイビングポイント10選に挙げられるほど美しいこの島のビーチ一面に、あろうことか無数の中国国旗が立てられるという事件が起きた。

「中国報」(1月13日付)などが伝えたところによると、おそろいの短パンとTシャツを身に着けた十数名の中国人が30本以上の国旗を砂浜に突き立て、記念撮影をしていたという。それも無作為に立てたのではなく、ご丁寧に星をかたどっていた。まるで「この島は中国人のものだ」といわんばかりである。これが学生の悪ふざけであれば、まだかわいげがあるが、一団は社員旅行だというのだからあきれてしまう。

「世界は我らのものだ!?」中国人観光客がタイのビーチを五星紅旗で埋め尽くすの画像2
星をかたどって旗を立て、実効支配をアピール!?

 中国といえば、「赤い舌」や「真珠の首飾り」といわれる海洋進出に精を出しているが、南の海で五星紅旗をはためかすことで、愛国心を示そうとでもいうわけか。

 中国のネット上では「他国の領土に国旗を立てることは、侵略しているようなものだ」「もうタイには行けない」などの批判がある一方、「世界は中国のものだ」と肯定する発言も見受けられた。

 しかし、これは対岸の火事ではないかもしれない。中国は沖縄の帰属をめぐっても、国際問題化しようとしている。また同地には、年間40万人近くの中国人観光客が訪れているのを考えると、同じようなことが起こらないとも限らない!?
(文=中山介石)

男女比「136:100」のいびつな地域も……中国農村部に根強く残る「女児なら中絶」の悪しき風習

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胎児への性別検査禁止を訴える政府機関のポスター

 中国では現在、年間1,000万件以上の人工中絶手術が行われているというが、これは正規の病院で施術したものしかカウントされていない。実際はヤミ医者を利用する女性も多く、その数はさらに多いと考えていいだろう。そんな中、中絶手術をめぐって気になるニュースが報じられた。

「環球網」(1月9日付)によると、近年、中国では法律で禁じられているはずの胎児の性別判定検査が行われており、その結果を受けて堕胎する妊婦が後を絶たないのだという。事の発端は、浙江省永嘉県で行われた国家衛生・計画生育委員会の調査により、この地域では、妊婦が妊娠4~9週目で堕胎するケースが多いという事実が判明したためだった。このデータに疑問を持った当局がさらに調査を進めたところ、妊娠たちは性別判定検査を行い、胎児の性別が女児の場合、堕胎していたことがわかったのだ。

同地域に住む堕胎経験者の女性は地元メディアの取材に対して、「中国国内では性別判定が禁止されているので、香港の機関に尿を送って検査してもらった。結果、自分のおなかの子どもは女児だったので、翌日、地元の病院で中絶手術をした」と証言。性別判定は、通常、妊婦の尿や少量の血液によって行うことができる。

 同地の妊婦たちは性別検査を取り仕切る仲介業者に4,000元(約6万円)支払い、仲介業者の用意した部屋で血液を採取。その後、血液サンプルは、仲介業者から香港の検査機関に送られるという。この検査機関では、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを鑑定し、性別を判断する。

 「環球網」は、今回と同様の事件は浙江省だけでなく、中国全土20以上の省と自治区でも確認され、胎児の性別を理由に堕胎した妊婦は、わかっているだけで5万人以上いると報じられている。こうした背景には、もちろん中国の内陸部や農村部にはびこる男尊女卑の文化が大きく関係している。中国事情に詳しい、北京駐在の大手紙特派員は言う。

「農村部では男尊女卑の文化が残る地域が多く、現在でも女児が生まれると、遺棄したり、売ったりする家庭が後を絶ちません。今回のような仲介業者も、需要があるから生まれたビジネスなのでしょう。中国の男女比率は現在、113:100で、社会問題になっていますが、その背景にはこういった事情があるのです。今回、報じられた永嘉県では、なんと男女比が136:100にまで広がり、極めていびつな状態になっています」

 ネット上では、格安で胎児の性別判定を請け負う業者の広告も氾濫している。ところが、このような業者のほとんどは、医師免許も持っていない。今回の業者も、当局の調べにより、医師でもない素人が妊婦の採血をしていたことが判明している。文明の発達した、この現代社会においても、生まれてくる場所と性別によって命の選別が行われているとは、なんとも嘆かわしい限りだ。
(文=青山大樹)

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