「12プレミア」の記事一覧(11 / 15ページ)

大ヒット『下町ロケット』で話題沸騰!元フジ女子アナ・高島彩が本格女優進出!?

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『高島彩 彩日記-Birth-』(KADOKAWA)

 最終回も22.3%と高視聴率を記録し、有終の美を飾ったTBSドラマ『下町ロケット』。内容もさることながら、視聴者の話題となったものが意外なキャスティング。特に終盤のキーマンとなった高島彩には注目が集まった。連続ドラマ初出演ということで本人は緊張の毎日だったとか。

「これまで単発のドラマにチョイ役で出演したことはありましたが、本格的な役付きは初めて。しかも池井戸作品のドラマということで、現場ではかなりナーバスになっていました。休憩中も独り言のようにセリフを反復し、スタッフが声をかけても気づかないこともあったようです。お世辞にも上手い演技とは言えませんでしたが、そこがかえって医療ジャーナリストという役にハマったようです。本人も、『機会があれば、また演技に挑戦してみたい』と満足気でした」(TBS関係者)

 また今回は『下町ロケット』の出版元である小学館の、週刊ポスト編集部でも撮影が行われた。ポストは何かと女子アナを取り上げることも多く、高島も“被害者”の1人。気合を入れて敵地に乗りこんだと思いきや、

「ポストに限らず週刊誌には良いことも悪いことも、相当書かれてきたのでドラマスタッフも気を遣っていましたが、『こんな雰囲気の中で記事を書いてるんですね』と妙に感心していました。編集部も全面的に協力していますし、これでしばらくポストに高島の変なスキャンダルが載ることもないのでは。高島がドラマ内で『週刊ポスト』を連呼しているのは演出的にもやりすぎで笑いました。『下町ロケット』効果か、早くも別のドラマのオファーも来ているようです」(前出)

 女優高島彩の姿がまた見られるかも!?

商品アピール後回しのau「三太郎シリーズ」は本当にいいCMなのか?

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『深呼吸-Shin・Kokyu-』(集英社)

 2015年のCM好感度ランキング1位を獲得したのは、松田翔太、有村架純、桐谷健太といった若手人気俳優が出演しているauの「三太郎シリーズ」。これまで8年連続で好感度1位を維持してきたソフトバンクの「白戸家」シリーズの牙城をついに崩した。

 しかし、広告業界には「これが本当にいいCMなのか?」といった異論の声も多いという。大手広告代理店社員が語る。

「このシリーズのように、昨今の大手企業のCMは、有名俳優たちの茶番劇を見せられるだけで、何の商品のどんなサービスをアピールしているのかまったく伝わらないものが増えています。堺雅人が鉄腕アトム役を演じるソフトバンクのCM、キムタクが織田信長を演じるドコモのCMも構造はauのCMとまったく同じ。人気の役者に『国民的キャラクター』を演じさせているだけのお手軽な企画ばかり。ソフトバンクに至っては『鉄腕アトム』『セーラームーン』『北斗の拳』『ゴルゴ13』といった名作への冒涜では?との声もあります」

 テレビ業界もマンネリ化とともに衰退していった感があるが、CM業界も同じ道をたどりそうな気配だ。

連ドラ11年ぶり出演もやっぱりショーケン暴走で新人俳優が降板!?

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春日太一著の『あかんやつら』にも詳しい東映京都撮影所。通称、太秦。

 俳優のショーケンこと萩原健一が、来年1月からスタートするNHK BSプレミアムの連続ドラマ『鴨川食堂』に出演することが発表されたのが今年9月。ショーケンにとっては、テレビドラマの出演自体が11年ぶり。NHKドラマだと、02年の大河ドラマ『利家とまつ』に出演して以来、実に14年ぶりとなった。

 そのほかのキャストには、連ドラ初主演となる忽那汐里ほか、岩下志麻や吉沢悠など、民放のドラマとは、一味違ったラインナップだと一部で話題になった。

 しかし、この発表を見るにつけ、芸能関係者の間からは「本当に大丈夫か?」と囁かれていた。というのも、ショーケンといえば、芸能界の問題児としても有名な人物。1970年代に爆発的な人気を誇り、その後も国内の映画賞で俳優賞を受賞する一方で、83年に大麻取締法違反で逮捕されたり、その後も交通事故を起こして業務上過失致傷罪や、恐喝未遂事件で逮捕されるなどしてきた。結果、彼をドラマや映画に起用しても、何かしら事件や事故が起こり、撮影スケジュールはめちゃくちゃに。また、それでなくても共演者と揉めごとを起こすなどし、彼との共演を拒否する芸能事務所もあるという。ある芸能記者は語る。

「彼を煙たがるタレントは多く、その逸話はいたるところから聞こえてきます。面白い話だと、ある時、石原プロの俳優たちが、京都にある東映の撮影所(通称:太秦)で休憩を取ろうとしたところ、テーブルがめちゃくちゃに荒らされていた。それを目にした渡哲也さんが『一体何ごとなんだ?』と、職員に聞くと、別の撮影で来ていたショーケンがやったと話した。渡さんはそれを聞いて『あいつを探せ!』とものすごい声で怒鳴り、近くにある喫煙所でタバコを吸っていたショーケンはそれを聞いて、撮影をほったらかして撮影所から逃げ出したそうです(笑)」

 と、このようなショーケン伝説【1】は数知れず、今では、ほとんど業界から干されている状態。単発の仕事ならともかく、長くスケジュールを押さえるドラマや映画の撮影に、彼を起用する制作者さえも「どうかしてる」と言われる始末だ。本人も、妻とシンガポールに居を構え、お声がかかった時にだけ帰国しているのだという。

 そして今回、そうした関係者の心配が、現実のものとなっているようだ。

「『鴨川食堂』は京都にある食堂が舞台。撮影も太秦でしています。当然、京都弁での会話が必須なのですが、関東出身のショーケンにはそのイントネーションが難しくて、うまくしゃべれないそう。それにショーケンが苛立っていて、なかなか撮影が進まず、関係者は手を焼いているようです。結果、制作サイドが押さえていた太秦のスケジュールがいっぱいになり、ロケは京都でやりながら、セットの撮影は、東京の撮影所での延長となっています」(芸能関係者)

 また、ほかの出演者にも相当当たり散らしている様子だ。内情を知るドラマ制作関係者の話。

「ヒロインを務める映画『海難1890』が公開中の忽那は、NHKですが初の連ドラ主演ということで、意気込んで撮影に臨んでいました。ところが、ショーケンから厳しい“演技指導”が相次ぎ、相当疲弊しているそうです。映画の舞台あいさつなどで忙しい時期ですが、撮影がずれ込んだため、東京と京都を行ったり来たりするはめになっているようです。

 また、忽那と同じ事務所のアイドルグループ、X21のメンバーも何人か出演が決まっていて、すでにショーケンとの顔合わせも済んでるそうですが、12月頭の時点でまだ撮影していないそう。1月からのドラマなのに……」

 ある意味、期待にたがわぬ活躍を見せているようだが、その“活躍”ぶりはさまざまなところに影響を及ぼしている。

「まず、撮影日程が延長になり、京都から東京へスタジオも移ったので、制作費が膨大にかさんでいます。製作会社が『もしかしたら、うちがかぶらされるんじゃ……』と戦々恐々としてますよ。

 それからもっとかわいそうなのが、第1話のメインゲストだったという某大手芸能プロの新人俳優です。撮影スケジュール延長の結果、自身の仕事の調整が合わずに出演を断念することになったそう。彼が撮影していた部分はほかの役者で撮り直しており、それもあってさらに撮影が難航しているようです。そうした結果、1月から開始のドラマなのに、いまだにウェブサイトが公開されていません。なにせ、配役が変わるかもしれないですからね」(前出の芸能関係者)

 タレントが不祥事を起こしたことでドラマが再撮になることは、まったく無いことではない。ただ今回の件は、タレント本人に落ち度はなく、さぞや、無念だろう。

「彼も、NHKドラマのチョイ役などで、結果を積み重ねているところだっただけに、相当無念でしょうね。通常、民放ならば他局同士で連携を取り合って、ある程度タレントさんのスケジュールに調整を効かせます。例えば、今クールのジャニーズタレントなら、どこの局は、どのユニットの誰を使う……みたいな情報をやり取りしますよね。その分、バーター出演など政治的なやり取りが行われたりするのですが、NHKは基本的に他局との政治を気にせずキャスティングをする。逆に、例えば大河に出るならその間は他局のドラマに出るな、という縛りをつけたりさえしますからね。

 ただ、そもそもショーケンは過去の人。うちではまずキャスティングの話題に上がりませんよ」(前出・ドラマ制作関係者)

 ともあれ、ショーケンを使えば、何か不測の事態が起こってしまうことは、想像に難くないはず。一体なぜそのような無茶なキャスティングをしたのだろうか?

「今回、制作陣にチーフ演出として元NHKの佐藤幹夫氏が入っています。また脚本は、同じくNHKで『坂の上の雲』の脚本監修などを手がけた池端俊策氏。一部では、彼がくすぶってる昔なじみのショーケンを復活させようとして、企画を立てたという話もありますが、実際は違うようです。

 彼らは、同局制作のドラマで実績のある人間ですが、さすがに最近はNHKを離れて、その影響力は低下している。このご時世、なかなか企画も通らなくなっているそう。そこで、昔から懇意にしているショーケンを起用し、話題性を狙うことで、なんとか企画を通したようです。実際、企画がきまった当初には、いけると周囲に漏らしていたそうです」(前出の芸能関係者)

 こうなってくると、もしかして悪いのはNHKのOBと、それを許した同局なのでは……? という気もしてくる。どちらにしても、内情がこうも荒れていては、作品にはあまり期待が持てない。彼らの裏で苦汁をなめされられた新人俳優や制作会社、スタッフたちの苦労がしのばれる、“傷だらけ”の作品になってしまいそうだ。

【1】ショーケン伝説
今回聞いた話の中で、もうひとつ面白いものがあったので紹介しよう。俳優の佐藤浩市がまだ若手の頃、東京の東映撮影所で主演ドラマの収録をしていた。そこへ、別のスタジオで収録をしていたショーケンが現れ、カメラが回っている時に「親父(三國連太郎)に似て、下手くそだなぁ!」と大声で叫んで帰ったそう。もちろん、撮り直しでスタッフに戦慄が走ったが、佐藤が冷静に「皆さん落ち着いて。撮り直しましょう!」と笑顔で言ったらしい。佐藤の大人っぷりと、ショーケンのダメっぷりが垣間見えるエピソードだ。こうした話は枚挙にいとまがない。

フジテレビに抗議の電話が殺到で……とんねるず・石橋貴明、西内まりやへの公開セクハラで冠番組終了!?

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『まりやまにあ』(集英社)

 10月15日に放送された『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で、とんねるずの石橋貴明が女優で歌手の西内まりやにセクハラ行為を連発したが、それが問題視され、番組の存続危機に陥っているという。

 番組の人気コーナー『食わず嫌い王』にゲスト出演した西内は、ハリウッド俳優のヒュー・ジャックマンと対戦。その際、隣に座っていた石橋が、緊張気味の西内に「(胸が)バクバクしている?」と胸を揉みしだくポーズを見せたのだ。

 また、西内がジムに通っているという話をすると、石橋は「どれどれ?」と再び彼女の胸元を触る素振り。石橋のセクハラ行為を見たヒューが、「スゴイな・・・・僕がそれをやったら問題だ」と苦言を呈すほどだった。

「西内は終始笑顔だったのものの、放送したフジテレビはもちろん、スポンサーにも視聴者からの抗議の電話が殺到。番組の打ち切りを検討せざるをえなくなりました。石橋の芸は『ハラスメント』なしでは成り立ちません。同様の事態がもう一度起きる可能性は高く、さすがにその時はスポンサーも批判を免れませんから」(広告代理店関係者)

 一方、相方の木梨憲武も先日放送された音楽特番「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)の舞台に見栄晴を呼び込むドッキリを仕掛けて話題を呼んだ。

「この時はわけもわからず立ち尽くす見栄晴を面白がる人もいました。しかし、それはたまたまで、昨年の同番組でもゲストとして招待されていたヤンキース・田中将大をステージに誘い込んだり、『笑っていいとも!グランドフィナーレ』(フジテレビ系)でもオスマン・サンコンらを乱入させた際に視聴者をシラけさせ、視聴者から批判を食らいました」(テレビ誌ライター)

「ハラスメント」と「連れ込み」しか芸がなくなったとんねるず。以前から打ち切りが囁かれていただけに、いよいよ本当にテレビから姿を消す日が来たのかもしれない。

大沢樹生、赤坂晃ら元・光GENJIのスキャンダルで考える、ジャニーズの賞味期限問題

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『昨夜未明、大沢樹生が死にました…』(カンゼン)

 今月8日発売の「婦人公論」(中央公論新社)での元妻・喜多嶋舞の反論告発を受け、再び注目を集める大沢樹生の実子騒動。ことの発端は2013年末に報道された「大沢と息子が親子関係である確率は0%」というニュース。さらに翌年には大沢が涙ながらに会見を開き、自身の口から「“実父の可能性ゼロ”という結果がDNA鑑定で出た」と告白した。

「それまで喜多嶋サイドは沈黙を貫いてきましたが、11月に東京家裁から『大沢と息子の親子関係は存在しない』という判決が下されて以降、加熱するバッシングに耐え切れなくなったのでしょう。今回の『婦人公論』の記事では反撃とばかりに、息子との親子関係の話だけでなく、大沢の借金についてまで告発している。これでさらに泥沼化していきそうですね」(芸能記者A)

 ときを同じくして、8日発売の「女性自身」(光文社)では、赤坂晃が”子持ちの人妻”と宮古島に移住し、不倫逃避行中だと報じている。赤坂といえば、07年に覚せい剤所持の疑いで現行犯逮捕され、同時に当時所属していたジャニーズ事務所からも解雇された。さらに09年にも覚せい剤で捕まっており、実刑判決を受けた。

「赤坂は出所後、バーを経営したりしていましたが、今年に入って芸能界に復帰する動きを見せました。しかし、やはりクスリで実刑判決を受けているタレントを率先して使いたがる人間はおらず、役者として復帰するのは絶望的。本人にもその自覚があったのか、今は宮古島で焼肉店をオープンし、そこに連れ添っているのが今回報道された女性です」(同)

 大沢樹生と赤坂晃、この2人の共通点は言わずもがなジャニーズ事務所のアイドルとして一世風靡した光GENJIの元メンバーであるということ。1987年“超新星からのメッセージ”のキャッチコピーを掲げて「STAR LIGHT」でデビューした光GENJIは、一気にスターダムへと駆け上がった。

「よく言われている話ですが、当時の光GENJIの人気は今の嵐やSMAPの比じゃなかった。今のジャニーズの礎を築いた功労者ともいえるでしょう」(当時を知る芸能記者B)

 光GENJIという先人がいたからこそ、現在のジャニーズタレントたちの華々しい活躍があると言っても過言ではない。しかし、今のジャニーズを支持する若者たちは、そんな光GENJIについて苦々しい思いを抱いているという。

「大沢樹生さんや赤坂晃さんのニュースを見るにつけ、正直なところ萎えてしまいますね(苦笑)。この人たちがアイドルだったなんて信じられない。今のキスマイを見て、将来泥沼の離婚騒動を起こすとか、クスリで逮捕されるとか、そんなの想像できないし。でも光GENJIにも当時は私と同じようなファンがいたわけで…そう考えると、悲しくなってきます」(Kis-My-Ft2の20代女性ファン)

 10代20代は特に、光GENJIの活躍をリアルタイムで見ていない世代だ。大沢樹生や赤坂晃がジャニーズのアイドルであったことを知らなかった人も多いだろう。SMAPや嵐以上の人気があったはずの彼らは、どうしてここまで落ちぶれるはめになったのか。

「当時は社会現象にまでなった光GENJIですが、デビューしてからの3~4年目くらいまでが人気と売り上げのピークで、それ以降は下降線をたどる一方でした。まあ、当時のスターの典型的な話ですが、彼らは時代の寵児として祭り上げられたすえに天狗になってしまった。メンバー全員とはいいませんが、一部のメンバーのスタッフや後輩への対応はひどかった。あたりかまわず怒鳴りつけたり、蹴り飛ばしたり。

 若い彼らをきちんと教育できる人間も周りにいなかったのでしょう。芸能界でチヤホヤされて、調子に乗ったはいいが、あっという間に売れなくなって解散し、その後はこれといった成果も残せず、『元・光GENJI』という肩書で細々と活動するしかなくなった。

 現在でも芸能活動を続けているメンバーたちですが、評判が聞こえてくるのは、ジャニーズ事務所に残り演劇に力を入れている佐藤アツヒロくらいなもので、他のメンバーの話はさっぱりです」(前述の芸能記者B)

 ただのスキャンダルとしてだけでなく、「アイドルの成れの果て」として好奇の目を向けられる元・光GENJIたちの姿には、なんだか切なくもなるが、何も彼らだけが特別なわけではない。盛者必衰の芸能界、輝かしい活躍を見せる現役アイドルたちも将来はどうなるか分からない。しかし、現在のアイドルたちにはある変化が見られるという。

「光GENJIから教訓を得て……いるかどうかは分かりませんが(笑)、現在のアイドルたちは謙虚で愛想もいい。周囲に対して横暴な態度をとるような子もほとんどいません。とにかくスタッフにも視聴者にも愛されて、息の長いタレントになるよう努めている。さらに、年をとっていわゆる”美少年”から脱皮しても仕事が続けられるように、歌や踊りだけでなく、芝居や司会業などの技術を早いうちから磨いています。

 光GENJIの活動期間は8年間と実はそんなに長くないのですが、SMAPで24年目、嵐でもう16年目ですから、”時代の寵児”ではなく、長く愛される”国民的アイドル”へと進化を遂げたと思います」(前述の芸能記者A)

 ”若い女の子たちの憧れ”だけであった男性アイドルたちは、時代を経て”老若男女の共感を得るマルチタレント”に変化したというわけか。ともあれ、若さと勢いで今を駆け抜けるジャニーズのアイドルたちには、果たしてどんな未来が待っているのか。長い目で見守る必要がありそうだ。

カウコン出演者決定もジャニーズ内の雰囲気は最悪!? KAT-TUN・田口脱退騒動の余波

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「ジャニーズカウントダウン2015-2016」オフィシャルサイトより

「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト」(11月24日放送)にて、グループ脱退と事務所退社を発表したKAT-TUNの田口淳之介だが、ファンのみならず業界内でもいまだその余波でザワついているとか。芸能記者の話。

「田口の脱退発表は一部の媒体のジャニーズ担当しか知らされておらず、女性誌やファッション誌など知らされていなかった媒体の担当者はあっけにとられたといいます。一部のアイドル誌では、すでに田口のインタビューを載せたものが発売されており、その中で田口は『KAT-TUNを辞めたいと思ったことはない』などと語っているのですが、今になって読むと白々しく思えてしまいますよね(苦笑)」

 唐突すぎる発表もさることながら、残されたメンバーが田口の脱退に納得できていない様子でいることや、田口自身から語られる脱退の理由があまりに不明瞭なため、結婚説や「田口は何者かに洗脳されているのでは?」というトンデモな疑惑まで飛び交っている。

 しかし、この発表よりも前からKAT-TUNの雰囲気はすでに悪かったという。今年5月に行われた東京ドーム公演での囲み取材に立ち会った関係者はこう語る。

「KAT-TUNにとっては3年ぶりの東京ドーム公演ということもあって、本人たちからも良いコメントが出るかと思ったのですが、まあ4人の雰囲気が暗い暗い(苦笑)。もともとKAT-TUNは他のジャニーズグループに比べて、喋りが達者なメンバーがいないので仕方がないのですが、全員がアラサーを迎えたいい大人なんですから、もう少し場を盛り上げるような素振りを見せてもいいのにと、記者たちも苦笑いでしたよ」

 圧倒的なカリスマ性を持っていた赤西仁や、ムードメーカーとしても機能していた田中聖が抜け、マスコミ対応も覚束ないグループになってしまったということか。さらに前述の芸能記者が続ける。

「ジャニーズの年に一度の大イベントでもあるカウントダウンコンサートの出演者も発表となり、そこにはKAT-TUNも名を連ねています。ですが気になるのは、『出演者は変更になる場合があります』という注意書きがわざわざされている点です。田口の出演があるのかないのかは、まだ微妙なところだといえるでしょう。

 それに今回のことで関係各所に迷惑をかけたのは紛れも無い事実。ジャニーズ全体の評判にも傷がつきましたから、同じくカウコンに出る近藤真彦や東山紀之などの大御所たちから苦言が出てもおかしくない。先輩たちの鶴の一声で出演が見送られることもあると思いますよ。案外厳しい上下関係を敷いてる事務所ですからね」

 今後は残されたメンバーが今回の騒動の尻ぬぐいをさせられるのか。結成10周年を前にして、受難の時を迎えることになりそうだ。

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和田アキ子、ももクロ、三代目JSB…ダサいからこその『紅白』、その悲喜こもごも

――女性向けメディアを中心に活躍するエッセイスト・高山真が、サイゾーの記事を斬る。男とは、女とは、そしてメディアとは? 超刺激的カルチャー論。

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サイゾー2015年12月号

  紅白歌合戦の出場者が発表されました。発表の少し前あたりから、サイゾーを含めさまざまなメディアでも「誰が紅白に出るのか」という話題が取り上げられました。まあ、日本国民のほとんどが手に汗握ってその発表を受け止める…という時代はとうの昔に過ぎ去りましたが、それでも発表当日は、出場する人、落選した人、それぞれに関する悲喜こもごもの報道がなされました。

 視聴者側からもっとも「?」を突きつけられた出場者といえば、和田アキ子ということになるでしょうか。かく言うあたくしも、もう何年も「和田アキ子を『紅白』で見るのはつらい」という状態が続いています。

和田アキ子の当落が話題になる最大の理由は、たぶん「もう何年もヒット曲がない」なのでしょう。その意見にうなずく部分は確かにあるものの、他の演歌歌手の大部分も同じ理由で「?」マークを出されるはずです。あたくしが「和田アキ子を見るのがつらい」と思っている最大の理由は、「ここまで下手になってしまった歌手は他にいないから」ということに尽きます。

 初めて和田アキ子の歌に悲しみを覚えたのは、調べてみたら2003年のことでした。真っ白な長ラン&ボンタン(死語)にしか見えないロングジャケット&ワイドパンツに身を包んだアッコが「古い日記」を歌ったのですが、リズムについていけないとか、音程がめちゃくちゃあやしいとか、そういった「?」をはるかに超えて「…………」という溜息を誘ったのは、「それはそれでよかったの」の部分の、「それはそれで」と「よかったの」の間に、ガッツリとブレスを入れていたことでした。それを入れたがために「よかったの」の歌い出しのタイミングまでもが台無しになるほどの、大きなブレス。昔ならばやすやすと一息でつなげ、なんならその後に続く「あの頃は」までをもノーブレスで歌えていたはずのアッコの、目を覆わんばかりの劣化。「ああ、もうこの人は単に『大きな声が出るだけ』の歌手になってしまった」と思ったものです。

毀誉褒貶はあるものの、「あの鐘を鳴らすのはあなた」のような壮大な曲から「コーラス・ガール」のようなしみじみした味わいを醸す曲までを歌えていたからこそ、評価もされてきたのではなかったのか。それを自分から捨ててしまったことに気づいてさえいないのはどういうことか。アッコがアップテンポの歌を歌い終わった後によくするドヤ顔を見ながら、怒りに近い残念感を覚えた、と言いますか。

和田アキ子の紅白出場がいったん途切れたのは、1978年と1979年の間だったそうです。78年に歌ったのが、『コーラス・ガール』。緊張のあまり歌い出しがボロボロになってしまったアッコの姿を記憶しています(とは言え、78年当時の和田アキ子の名誉のために言うと、その後のパフォーマンスはよかったのですが)。翌年に落選となったのは、その頃にはヒット曲がなくなってしまっていたこともあるでしょうが、あのパフォーマンスにも幾ばくかの理由があったのでは、とあたくしは推測しているのです。手に書いた歌詞、いわゆるアンチョコを見ながら歌った島倉千代子(故人ですが、好きな歌手のひとりなので敬称略)が翌年に容赦なく落選になったように。

「歌手として人前に出るレベルではない」ということを、本人が自覚できなければそれを進言できる古株のスタッフはいないものなのでしょうか。芸能人とは、もともと「恥ずかしげもないほど自分に酔う」ことができなくては務まらない、ある意味で異常な職業ですから、自分自身のありよう、自分自身の能力を客観的に見られない人がいるのも自然なことです。だからこそ、身近にいる誰かがその首に鈴をつける役を負わなくてはいけない。すでに「裸の王様」呼ばわりされて長い時間が経っているアッコではありますが、それをトーク仕事で見せるならともかく、歌の仕事では見せてほしくない。昔、アッコの歌に感動した身として痛切に思います。

 さて、そんな痛々しい思いばかりで『紅白』を見るのも悲しいものです。当然あたくしも自分なりにすでに観覧ポイントを定めています。もはや「演歌歌手」ではなくGACKTと同じカテゴリーに入れたうえで鑑賞している森進一の、「切っても血が出なさそう」と言うか、すでに生身の人間というよりは妙にリアルなフィギュアのようになっている肌の質感の、貴重な定点観測の場にしているとか。天童よしみの小さな瞳が、歌い終わりに必ずカッと見開いて、「どや、ウチの歌、聴いたか!? ウチが事実上のトリやで!」と言わんばかりの勝利感に酔いしれる様子とか。小林幸子は今年、ただスカート部分がデカいだけの水森かおりの衣装に一泡吹かせようともくろんでいるはずとか。

なんか演歌がらみのネタばかりになってしまいましたが、紅白は本来、なんと言うか、ダサいものです。その意味で、演歌歌手との相性のほうがはるかにいい。力が入りすぎているがゆえにトンチンカンな方向に暴走するのは、だいたいが演歌歌手なのですから。『ミュージックステーション』出演時と区別がつかないような衣装で出てくるのがカッコいいと思っている(ように見える)ポップス歌手はどうしても分が悪いわけです。だからと言うか、ももクロが落選したのは残念でなりません。「力が入りすぎている」ということをエンターテインメントに昇華できる、数少ないポップス畑のグループだったのに。

 あとは、若い歌手たちの「やらされてる感」満載の応援パフォーマンスにも注目せざるを得ません。かつて『紅白』では、アイドル全盛期の郷ひろみだろうが西城秀樹だろうが、情け容赦なくランニング(タンクトップではなく、ランニングとしか呼べないデザインです)とジャージに着替えさせられて、申し訳程度に敷いたマットの上で体操をさせられたもの。あるいは、全盛期の山口百恵だろうとレオタードに網タイツ姿にさせられラインダンスを躍らされたり、デビューしたばかりの松田聖子もフレンチカンカンで下着を見せる踊りをさせられていたものです。ダサいでしょ? でも、それこそが紅白の持ち味なのです。

現在では、NHK側と事務所側の力学が変わってしまったのか、そんな公開羞恥プレイのようなことは行われていません。が、その代わりに、演歌歌手が歌う後ろで、自分たちオンリーの仕事では絶対にしないようなカッコに身を包み、踊ったり楽器弾いたりするという新しいアミューズメントが加わっています。今年、三代目J Soul Brothersにはぜひ、ハッピに超ミニ丈の半股引姿で太鼓とか叩いてほしい。「セクシー」という意味ではなく、「いくら黒メインの洋服でカッコつけてても、実はいちばん血が騒ぐのは地元のお祭り」的な、北関東マイルドヤンキーのセンスと絶対に合うし、面白いから(褒めてます)。それが鳥羽一郎の『兄弟船』だったら完璧なのですが、鳥羽一郎は今回、不出場…。やっぱりここは天童よしみあたりにお祭りソングをチョイスしてもらい、三代目のために一肌脱いでいただかなくてはね…。

高山真(たかやままこと)
エッセイスト。著書に『愛は毒か 毒が愛か』(講談社)など。来年初旬に新刊発売予定。

『Numero TOKYO』プロデュースに大島由香里アナも撃沈! 女子アナカレンダーでも迷走を見せるフジテレビ

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『FUJI TELEVISION ANNOUNCERS CALENDAR 2016 Produced by Numero TOKYO』(扶桑社)

 女子アナウォッチャーのみならず、この時期になると気になってくるのが各局のカレンダー。今年もそれぞれ特色のある仕上がりとなっているが、目を惹くのはやはりフジテレビ。ちょっと変わった出来栄えに局内外から賛否両論の声があがっている。

「雑誌『Numero TOKYO』がプロデュースしたということで、モード色の強い仕上がりになっています。といっても成功しているとは言い難く、濃い目のメイクと帽子を多用したスタイリングがどうも馴染んでないと評判もイマイチ。特に椿原慶子や大島由香里はミスマッチで完全に浮いており、本人たちも不安に思ったのか『正直どう思います? 似合ってますか?』と周囲に聞きまわる始末。たかがカレンダーかもしれませんが、番組作り同様、視聴者のニーズを理解しておらず、迷走していると言わざるを得ません」(フジテレビ関係者)

 また注目を集めるのはそれぞれの女子アナの扱い方。カレンダーからは局内でのポジションも見てとれるという。

「やはり注目はカトパンの扱い。30歳を過ぎると後輩にメインの座を譲るのが慣例ですが、今回も表紙の真ん中に居座り睨みをきかせています。撮影時も本人はご機嫌だったとか。一時騒がれていたフリー騒動も沈静化しているだけに、『ぬるま湯に浸かってこのままフリーになる気がなくなったのでは』と噂になっています」(前出)

 カレンダーを眺めながら来年の動向を占うのも一興かもしれない。

嵐の司会でキスマイのカウコン出演ナシ!? 派閥に揺れるジャニーズ年末歌番組のゆくえ

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Johnny's netホームページより

 ジャニーズの人気グループが大集結する年越しライブイベント『ジャニーズカウントダウン2015-2016』が12月31日に、1年ぶりにフジテレビ系で生中継される。昨年はまさかの放送中止に嘆くファンが相次いだが、1年ぶりに復活するということでネットでは出演者予想で盛り上がっているようだ。

 98年からスタートした同番組は04年~10年まで視聴率10%以上を記録し、紅白と並ぶ大晦日の恒例番組となっていた。ジャニーズ総出演と銘打っているものの、出演グループには毎年変化があり、ファンたちは今年も様々な観点から出場するであろうグループを予想している。さらに、今回は番組の司会を嵐が務めることになり、SMAP擁する飯島派閥のファンたちからは不安の声が聞こえる。司会に嵐が就任したということは出演者も嵐擁するジュリー派閥で固めてくるのだろうか?

 現在飯島派閥と言われているのは、SMAP、山下智久、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、ABC-Z。ジュリー派閥に所属するのは嵐、V6、TOKIO、関ジャニ∞、NEWS、KAT-TUN、Hey!Say!JUMP、ジャニーズWESTと言われているのだが、嵐が司会を務めるとなるとやはりTOKIO、KAT-TUNの出演はほぼ確定と言っていいかもしれない。

 今年ブレイクを果たした若手筆頭株のHey!Say!JUMPに関しては、同日に京セラドームで単独ライブを行うため欠席の可能性は高いが…。

「Hey!Say!JUMPは今ジュリー派閥が一番に推しているグループといわれてますから、カウントダウンライブにも中継でねじ込まれると思いますよ。今年はジュリー派閥総出で豪華な公演になるんじゃないですかね」(テレビ局関係者)

 そこで、気になるのが飯島派閥の処遇である。SMAP、Sexy Zoneは今年も紅白出場確定とみられるが、飯島派閥で今一番推されているはずのKis-My-Ft2はファンからの期待の声もむなしくいまだ紅白出場の夢は叶っておらず、さらに昨年のカウントダウンコンサートには参加しなかったため、今年はどうなるのかファンの中にも不安が広がっているという。

「若手で推されているグループというとHey!Say!JUMP、ジャニーズWESTが思い浮かびますが、Hey!Say!JUMPよりデビューが遅れたキスマイもまだ若手扱いで人気も衰えていません。しかし、なぜかキスマイは紅白に出場することができず、カウントダウンコンサートへの出演もできなかった。飯島さんがテレビでの仕事を重要視しているため、テレビ中継のなかった昨年のカウコンには出演させなかったのでは、などとも噂されていますが、今年はテレビ中継が復活になりますから、その動向に注目が集まっています」(芸能記者)

 大晦日には紅白にカウントダウンコンサートと重大イベントが続き、どちらもジャニーズファンにとっては年に一度のお楽しみ。テレビ1つあれば彼らとともに年を越せると楽しみにしているファンは多いが、ジャニーズ事務所はどのような動きを見せるのだろうか…?

何度でもやり直せてしまうのは、長所か短所か? 音楽プロデューサーとエンジニアが語る科学的音楽の功と罪

――歌が下手でも、あとから修正――科学技術の進歩によって、音楽制作の現場に大きな変化が訪れた昨今。D.O.I.とDJ WATARAI、2人のプロフェッショナルがデジタル革命の功罪を説く。

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(写真/渡部幸和)

 科学にフォーカスした本特集、本稿では音楽制作現場における科学技術の進歩について見ていきたい。デジタル化をはじめとする技術革新は、どのような影響を与えたのか。その功罪を、レコーディング・エンジニアのD.O.I.氏と、プロデューサー/DJのWATARAI氏に聞いた。

音楽制作における極めて革新的な技術

――まず、お2人が活動を始めてから音楽制作環境の移り変わりを振り返り、技術的にエポックメイキングだった出来事はなんだったと思いますか?

D.O.I.(以下、D) コンピューターベースの制作環境が主流になったことですね。2000年を過ぎた頃からPro Tools【1】をはじめとするDAW【2】がどんどん現場に導入され、当時、数億円かかっていたようなシステムが10分の1以下のコストでセットアップできるようになりました。これは、現場におけるエポックメイキング中のエポックメイキングでしょうね。

 大きいスタジオではSSL【3】のようなラージコンソールを通してテープメディアにレコーディングしていたんですが、よく使われていたデジタルテープレコーダーに、ソニーのPCM-3348というものがあります。これは文字通り48トラック【4】の録音ができる機器なのですが、Pro Toolsのスペックが64トラック録音可能になった時期(98年)……つまりPCM-3348を上回るトラックで録音できるようになった頃から「これは従来のシステムに代わるものになる」という見方が強くなってきました。テープメディアと比較すると、圧倒的にかかるコストも低いし、どの曲のどの部分にもすぐアクセスすることが可能になったので、これには適わないですよね。

DJ WATARAI(以下、W) 僕にとってもPro Toolsの台頭は大きかったです。それまではハードウェアのシーケンサーやサンプラー、シンセサイザーなどを使ってトラック・メイキングをしてきたわけですが、そうするとレコーディングや、スタジオで行う最終調整においても、その機材一式をスタジオに持ち込まなければならなかった。一台一台がそれなりの重量感もあるので、それがかなりわずらわしかったのですが、Pro Toolsを使用するようになってからは、家で録音したオーディオデータをネット経由で送れるようになったので、非常に便利になりましたね。

D ヒップホップのプロデューサーでは、ワタさんが一番導入が早かったですね。僕は必要に迫られて使うようになりました。00年前後、Indopepsychicsというプロデューサー・チームで活動していたんですが、僕の役割としてエフェクターなどのツマミをリアルタイムに動かして録音することが多々あったんですね。一発勝負なので一生懸命駆使して、ミラクルが起こればOK! という感じで臨んでいたんですけど、あとになってメンバーから「やっぱりこういうふうにしたほうがよくない?」みたいな話が出てくるのが当たり前の時代だったんです。「あれは、ミラクル一発で録れたものだから再現することは不可能だよ」って伝えるしかできず……(笑)。

 そんなことで悩んでいた頃、「音量だけでなく、エフェクトのパラメーターもオートメーションで記録できる」という触れ込みで登場したのがPro Toolsだったわけです。

――“ミラクル一発”が記録できる。

D しかも、記録した後に微調整も可能なので、楽曲を作る上でもっとも効率性の高い機能が搭載されたと感じました。

 また、同時期にBUDDHA BRANDというグループのエンジニアリングもやっていたんですが、ヒップホップ・アーティスト特有の感性というか、従来の制作プロセスにとらわれず、思いついたアイデアをすぐに試したいという要望が多く、既存のシステムでは対応不可能だなと感じていまして。彼らの要望を満たせるのはPro Toolsしかなかった。彼らのアルバム『病める無限のブッダの世界~BEST OF THE BEST(金字塔)~』を作っていた時期なので……99年くらいですね。

――とはいえ、まだまだ制作のメイン機器のシステムとして使えるスペックではなかったですよね?

D そうですね。ノウハウが蓄積した機材からいきなり代わるはずもなく、あくまでサブ機としての使用が多かったです。今はそれが最高で768トラックまで録音できるので、雲泥の差になりましたね。

――Pro Toolsが一番最初にリリースされたのは91年のことですから、十数年でプロの現場に浸透していったわけですが、最初からスムーズに導入されていったわけではないですよね?

D 90年代までは「これは一過性のもので、主流にはならない」というのが大方の意見でした。音楽制作には、それまで何十年にわたって培ってきた技術やノウハウがあったので「デジタルに頼って大丈夫なのか?」という人が多かった。もっとも、これは人間の本質といえるもので、新しいものに対して肯定的な考えを持つ人は2割程度で、8割程度は否定的な考え方を持ってしまうそうです。

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