「20パンドラ映画館」の記事一覧(12 / 14ページ)
2015年1月29日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 土中のバクテリアたちが分解した養分を吸い上げた草花がやがて美しい花を咲かせるように、実録犯罪映画は現実社会に起きたおぞましい事件を養分にして観る者の心に刻み付くような美しい作品を生み出す。ガス・ヴァン・サント監督は1999年に起きた“コロンバイン高校銃乱射事件”を『エレファント』(03)として再現し、石井隆監督は1997年に起きた“東電OL殺人事件”をモチーフに『人が人を愛するどうしようもなさ』(07)を撮り上げた。実録犯罪映画とは人間の心の闇に咲いたトリカブトであり、彼岸花である。韓国映画『ハン・ゴンジュ </p>
「韓国で起きた女子中学生集団暴行事件の映画化! セカンドレイプが怖い『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』」の続きを読む
2015年1月23日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 前田敦子が“枕営業”を持ち掛けられるミュージシャンの卵を演じていることで注目されている『さよなら歌舞伎町』。ラブホから出てきた前田敦子の口から「好きでやったわけじゃないよ。マクラだからいいじゃん。デビューできるし……」なんてビッチな台詞が飛び出す。寺島しのぶを演技派へと覚醒させた『ヴァイブレータ』(03)など数多くの官能映画を手掛けてきたベテラン脚本家・荒井晴彦と廣木隆一監督がタッグを組んだ群像劇</p>
「これからボクの彼女(前田敦子)が枕営業します 男女の性欲と本音が交叉する『さよなら歌舞伎町』」の続きを読む
2015年1月15日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 「STAP細胞はあります」会見と並んで2014年のワイドショーを賑わした佐村河内ゴーストライター事件。クラシック音楽界で起きたこの騒ぎで、“現代のベートーベン”という肩書きはフェイクだったこと、多くのマスコミが感動秘話を盛り上げる片棒を担がされていたこと、18年間にわたってゴーストライターを請け負った新垣隆氏への報酬は700万円に過ぎなかったなど様々な事実が明るみになった。理化学研究所で起きたSTAP細胞事件と同様に、密</p>
「佐村河内事件にそっくり過ぎる『ビッグ・アイズ』ティム・バートンが描く創作現場の奇妙な人間関係」の続きを読む
2015年1月8日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> とても美しい図鑑をめくっているような気分になる。ドキュメンタリー映画『凍蝶圖鑑』は“いてちょう ずかん”と読む。凍蝶とは、草陰に隠れて越冬する蝶のこと。幻想的な美しさと生命のはかなさ、そしてたくましさを感じさせる言葉だ。ただし、『凍蝶圖鑑』は図書館に並んでいるような昆虫図鑑ではない。同性愛者、トランスジェンダー、ドラァグクイーン、</p>
「世にも美しい図鑑、ドキュメンタリー『凍蝶圖鑑』ここはセクシャルマイノリティーが集う夢の楽園」の続きを読む
2014年12月30日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 昭和は遠くになりにけり。日本映画界を代表するスター俳優・高倉健さんが11月10日に、菅原文太さんが11月28日に相次いで亡くなり、そんな言葉を思い浮かべた人も少なくなかっただろう。年末最後ということで12月23日にDVDが再リリースされた高倉健さん主演のハリウッド映画『ザ・ヤクザ』(74)を振り返</p>
「高倉健主演のワーナー作品『ザ・ヤクザ』がDVD化 健さんがハリウッド映画に与えた影響とは……?」の続きを読む
2014年12月25日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 桃太郎は桃から生まれ、ドラえもんはのび太の机の引き出しから現われ、メリーポピンズは空から舞い降りてきた。人気キャラクターはどこから登場するかがとても重要である。その点、『バッド・マイロ!』のマイロくんは人気キャラクターになりえる条件を楽々とクリアしている。黒目がちなつぶらな瞳に、ぬるッとした肌色のボディが印象的なマイロくんは、生温かい臭いと共に人間のケツの穴から這い出てくるのだ。しかも、このマイロくんはちっちゃい体ながら、宿主である人間が潜在意識で嫌っている人たちを次々と噛み殺してしまう凶暴キャラ。最近のゆるキャラブームに食傷気味の方にぴったりなゆるキャラならぬ、きつキャラなのだ。</p>
「アナルの国からやってきた『バッド・マイロ!』カルト映画を過激&ポップに換骨奪胎しちゃった!」の続きを読む
2014年12月18日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 熱い映画だ。体中のアドレナリンがざわめく、見る強壮剤と言っていい。見終わった瞬間に、劇場から走り出したくなる。11月から公開されているロードムービー『0.5ミリ』で“映画菩薩”と化した安藤サクラが、最新主演作『百円の恋』では“女阿修羅”へと変貌を遂げる。本作で安藤サクラ演じるヒロイン・一子が戦いを挑む相手は“人生に対する諦め”だ。たぷたぷしたお腹の贅肉にきっぱり別れを告げ、自分の前に立ち塞がる“どう</p>
「“伝説の俳優”松田優作の魂を受け継ぐ『百円の恋』デブニートが放つ、下流人生から起死回生の一撃!」の続きを読む
2014年12月11日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 暗い、陰鬱な映画ばかり撮っているデヴィッド・フィンチャー監督は、なぜこんなに人気があるのだろうか。洗練されたビジュアルとは別に、フィンチャー作品にはある共通項がある。それは人間や社会に対する不信感を、真正面から描いているということだ。誰も信じられないこの世界で、それでも『ファイト・クラブ』(99)のタイラー(ブラッド・ピット)や『ドラゴン・タトゥーの女』(11)のリスベット(ルーニー・マーラ)らは自分たち</p>
「自分が愛した女は一体何者だったのか? フィンチャー作品の主題が詰まった『ゴーン・ガール』」の続きを読む
2014年12月4日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 旧約聖書によると、人類最初の男(アダム)の肋骨から人類最初の女(イヴ)は作られたそうだ。旧約聖書の内容に従えば、人類の歴史はもともと何かが欠けている状態から始まっているらしい。男は今でも自分が失ったものを探すために、夜の街をうろうろほっつき歩きたがるのだろう。前作『嘆きのピエタ』(12)でカンヌ映画祭金獅子賞を受賞したキム・ギドク監督の最新作『メビウス』は、2人の男と</p>
「発見! SEX以外にも快感を味わう方法がある!? 歓びと痛みが永久ループするR18映画『メビウス』」の続きを読む
2014年11月28日 [06連載, 20パンドラ映画館, パンドラ映画館, 映画, 最新芸能ニュース]
<p> 時間とはとても感覚的なものであり、一定の速度で流れることがない。楽しい時間ほどあっという間に過ぎ去り、辛い時間ほど足元にまとわりつくようにゆっくりゆっくりと流れていく。第二次世界大戦末期、連合軍側の戦車部隊の兵士たちを主人公にした『フューリー』の場合は、鉛のようにずしりと重く冷ややかな時間がすべてを押し潰すかのように流れていく。たった1日の間に、少年のようにあどけなかった新</p>
「平常時とは、まるで異なる倫理観と時間の流れ──ブラピ主演映画『フューリー』の硬質なる魅力」の続きを読む