キムタク、草なぎ「どちらも絶好調!」ではいけないのか? SMAP対決を煽る風潮に疑問
SMAP解散騒動の件で「裏切り者」と呼ばれ、メンバーとの亀裂が度々噂された木村拓哉。メディアでは現在、木村主演ドラマと、草なぎ剛主演のドラマが放送されていることから、視聴率での対決を煽っている風潮がある。当事者はもとより、ファンにとっても、なんでもかんでも対決させ、真偽も定かでない不仲説を煽るメディアは不愉快なものだろう。
SMAP解散直後の1月より、早速主演ドラマがスタートした木村と草なぎ。木村は『A LIFE?愛しき人?』(以下、『A LIFE』)で、『半沢直樹』『下町ロケット』『99.9 -刑事専門弁護士-』など高視聴率ドラマの作り方を熟知しているTBSの「日曜劇場」枠、キャストに浅野忠信、竹内結子、及川光博、松山ケンイチなど実力派を揃えた盤石の布陣をそろえるなど、放送前から話題をさらっていた。
一方の草なぎは“爆死”続きのフジテレビで、藤木直人、水原希子、マギー、Sexy Zoneの菊池風磨らとともに『嘘の戦争』をスタート。ただし制作は関西テレビで、一昨年1~3月クールのフジ火曜22時枠で放送され好評を博した『銭の戦争』と同じスタッフが集結。『銭の戦争』は全話二桁視聴率をキープし、最終回は15.4%を記録していた。
さて、両番組の視聴率だが、『A LIFE』が初回から14.2%、14.7%、13.9%、12.3%と下がり気味に推移。『嘘の戦争』は11.8%、12.0%、11.3%、11.1%、11.5%とほぼ横ばいをキープ。視聴率だけ見れば『A LIFE』の方が高いのだが、制作費や期待値といった観点からみると「草なぎの圧勝」という見方もできる。
解散騒動で「裏切り者」という負のイメージがついてしまった元スーパースターの木村を、草なぎが追い落とすという物語を期待したいのか、『キムタクが草なぎに抜かれる日 「A LIFE」視聴率が下降線』、『草ナギ剛主演「嘘の戦争」第5話11.5% キムタク主演「A LIFE」を0.8ポイント差で猛追』といったニュース記事が作られ、記事のコメント欄には「草なぎくんのドラマの方が断然面白い!」「主演俳優の演技力の差だね、演技下手な木村と演技上手な草なぎでは歴然とした差がある」と並ぶ。この風潮は、対立を煽っていない単体のドラマ記事にも流れ、コメント欄に「草なぎのドラマに対してキムタク悲惨」「剛のドラマは絶好調というのにキムタクときたら」といった投稿が……。二桁視聴率を獲得できる番組が『サザエさん』くらいしかない今のフジテレビで検討する草なぎ、かたや高額予算を費やしても微妙な成績のキムタク、という対比をされてしまっているのだ。
だが、そもそも裏番組でもなければジャンルも何も被っていないドラマをここまで対立させて煽られるのはおかしい。多くのSMAPファンは辟易しているようだ。「去年からずっとグループ内対立を煽られ続けて、もうしんどいわ」「なんかこの風潮が一生続くような気がしてきた」……。
今期の民放新ドラマで安定して二桁視聴率を獲得しているのはこの2番組と『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)くらいだ。それゆえ、より対立を煽られているのかもしれない。しかしそれならば、<SMAP解散後も木村拓哉、草なぎ剛は絶好調!>と素直に褒めても良いのではないだろうか? 予算をかければ視聴率がとれるとは限らない昨今、木村は今期民放No.1の成績を記録しているし、爆死フジテレビで草なぎは獅子奮迅の活躍をしているのだから。木村も草なぎも、さすが国民的アイドルSMAPを25年続けたつわものだ。変に煽られ続けるのは木村も草なぎも気の毒でならない。
(ゼップ)