香取慎吾の「自殺しているかも」発言のバカさ加減
今年の冬ドラマが終了。のきなみ低調だったようだが、マスコミが注目するのはドラマの撮影終了後の「打ち上げ」である。役者たちの素の表情や人間模様が垣間見えることで注目度も決して低くない。
ただ今回、その打ち上げで到底許されるべきでない発言をした人物がいた。『家族ノカタチ』(TBS系)で主演したSMAPの香取慎吾である。
香取は主演として、同ドラマの打ち上げで挨拶をしたと「週刊女性」(主婦と生活社)は伝えている。「SMAPとしていろいろあった時期に、キャストやスタッフの方たちに気を遣っていただいて感謝しています」と、世間を騒がせた「SMAP解散騒動」の間に支えてくれた周囲に感謝。まあ本人としても辛かったのだろうし、ここまではまだ理解できる。
しかしその後、香取はこう付け加えたようだ。
「明日どうなるかわかりません。もしかしたら自殺しているかもしれないですね」
一瞬場の空気に緊張が走ったようだ。当然である。
解散騒動の時点で「香取慎吾の精神状態がやばい」などという情報やウワサはよく出回っていた。退社したSMAPの元マネジャーが誰より可愛がっていたのが香取ということもあり、本人としてもそのショックは大きかったのだろう。20年以上の関係を考えればそうなってもおかしくない。
しかし、である。わざわざ「自殺するかも」なんてセリフを打ち上げの場で宣言する必要はまったくないだろう。本人は冗談のつもりだったのだろうが、ブラックジョークにすらなっていない。
自殺は社会問題。仮に打ち上げだとしてもそんな言葉を使うべきではない。マスコミが自分の発言に注目していることなど、何十年も芸能界にいれば理解できることではないのか。そして、自分の発言の影響力に配慮すべきではないのだろうか。そのリスクをまったく考えていない。
そもそも「SMAP解散騒動」が例え大きな出来事だとしても、それが「自殺」や「死」を連想させる出来事では断じてない。本質をいうなら「アイドルグループがなくなるかも」という、ただそれだけのことである。香取の発言のネガティブさは尋常ではない。
香取の今回の発言ははっきりいって短絡的で思慮に欠ける。そんなに現状に不満があるならさっさとグループから離脱してしまうのも一興だろう。結局事務所に残る選択をした時点で、「挑戦」より「現状維持」を求めたという印象を多くの人が抱いているが、それも失敗だったのだろうか。