YouTube、ゲーム、スタバ…あらゆるものに「依存症」をつくりだす仕掛けが
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
異物混入動画などを配信し、先日逮捕された19歳の少年。自分の動画が全国的に注目視されたことに何よりも興奮を覚え、日に日に増えていく再生回数を見届けては「俺は神以上の存在だ!」と叫びながら逃走を続けた。一度浴びた注目を維持し続けようとするためには手段を選ばず、「川崎のネカフェからです、捕まる前に10代で童貞喪失したいのでこれから堀之内にいってきます」などと異物混入以外にも頓珍漢な投稿を繰り返していた。『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』(ダイヤモンド社)
一方、身柄が確保される前のワイドショーでは、心理学者が「社会との関係が希薄な人物では」と毎度のヌルい分析を続けていた。自分たちとは関係のない変わった人がこんなことをやっている、といういつもの筋書きで、視聴者に「(自分たちとは違う)アブナイ人が事件を起こしている」と実感してもらう手法が毎度のごとく繰り返されたし、逮捕された途端に「こんなおとなしい子が…」(産経新聞)と、犯人の意外な一面を見せるのも毎度の流れだった。
注目を浴びることに快感を覚える少年、そして、視聴者の共感を浴びることに奮進するメディア、この2つはアプローチも目的も全く異なるけれど、デイミアン・トンプソン『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』(ダイヤモンド社)を読み、依存状態に陥らせるビジネスの実態を知ると、犯人もメディアもそのビジネスに絡めとられていたのではと疑いたくなる。