「エロゲー」の記事一覧(3 / 6ページ)

『ケダモノ(家族)たちの住む家で』むらかみてるあきが描く鬼畜NTR

 近年、最も話題を集めたアニメ映画といえば『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』だろう。興行収入は全世界で約517億円を超し、とんでもない記録を現在も次々と塗り替えている。  日本のアニメ界は人材が豊富であることは周知の事実だ。いまさら例を挙げるまでもないかもしれないが、スタジオジブリの宮崎駿監督や『君の名は。』の新海誠監督、その他押井守監督や庵野秀明監督など一般的にも知名度の高い監督は多い。ではエロアニメではどうだろうかというと、一般的な知名度は落ちるとはいえ、故・金澤勝眞監督や荒木英樹監督などが有名だ。  いま挙げた両名もそうなのだが、エロアニメ監督の場合、TVアニメで原画家や作画監督として活躍していたりすることも多い。しかし、ほぼエロアニメだけで活躍している監督も存在する。しかも、名前が作品の売りとなるカルト的人気な監督がいるのだ。それが、むらかみてるあき監督である。  むらかみてるあき監督の作風はかなりエッジが立っている。以下に特徴を挙げてみよう。 ・男のピストンが超高速 ・カメラワークが大胆 ・ブクブクとやたらに泡立った精飲描写 ・精神崩壊したに近い強烈なアヘ顔 ・人によっては鬱となるくらいに救われないヒロイン  カメラワークに関しては、エロシーン以外の日常パートでも大胆に駆使されるので、人によっては画面揺れで酔ってしまうかもしれない。これらを高いクオリティの作画で徹底的にやるのだから恐れ入る。  むらかみてるあき監督の作品は、癖があると判断されて避けるユーザーも少なからずいる。その一方で、彼を熱狂的に支持するファンは非常に多い。そんなむらかみてるあき監督の作品を今回は紹介しよう。  pin-pointのエロゲーを原作にしたNTRエロアニメ『ケダモノ(家族)たちの住む家で』シリーズだ。リリースはメディアバンクである。  以下があらすじだ。  両親のいない心春は火災で住む家を失ってしまった。恋人の新は、心春を実家に居候させることにした。しかし、新の判断は完全な誤りだった。  新のいない隙に父・源蔵は心春の唇を奪い、それを写真に撮って彼女を脅迫した。新に余計な心配をかけたくない心春は、源蔵の言われるがまま何度も犯されてしまう。  源蔵はことあるごとに心春を求め、それを彼女は受け入れていく。「…こんなことはいけないのに…」と思いながらも。  そこに兄・勝までが加わった。勝は源蔵との情事を新たに秘密にする代わりに心春をオナペット扱いし始めたのだ。心春はそれでも新のことが好きで、嫌いになることは絶対にないと信じていた。しかし源蔵と勝に犯され続けていくうちに彼女の精神は崩壊し、その気持ちが揺らいでいく。  ある日の夜中、新は兄に言われて部屋の壁の穴から覗くと、隣室で心春が狂喜乱舞で兄に犯されている姿を目撃する。絶望に打ちひしがれる新だが、そこにさらなる悲劇が襲う。  源蔵と勝が、心春は自分の女だと主張し合い険悪な雰囲気になってしまったのだ。その中を取り繕う形で心春が入り、ふたりの共有マ×コになることを自ら望む。しかし心春には新たという恋人がいる。そして彼女が下した決断は――。  当然、今作でもむらかみてるあき節が炸裂している。  カメラワークは目まぐるしく動き、ヒロイン・心春が壊れるんじゃないかと思えほど激しいセックスが畳みかけられ、完全に精神崩壊したアヘ顔をさらす。  最初から最後まで暗く重苦しい雰囲気で物語は進み、常に緊張感とNTRの背徳感に満ちた映像だ。  ただ、エロアニメの宿命として尺の都合上、心春が身体を許してしまう過程を深堀りすることはない。闇堕ちまではあっさりである。  NTRが苦手な方は鬱アニメとなりかねないのでご注意を。 (文=穴リスト猫) 【視聴はこちらをクリック!】 ■『ケダモノ(家族)たちの住む家で ~源蔵 編~大嫌いな最低家族と彼女との寝取られ同居生活』 ■『ケダモノ(家族)たちの住む家で ~勝 編~ 大嫌いな最低家族と彼女との寝取られ同居生活』

『ヤバい!-復讐・闇サイト-』嫉妬・妬み・羨望…心の闇を描くダークエロアニメ

 子供の自殺報道のニュースが後を絶たない。日本全体の自殺者数は減っているらしいのだが、小中高校生で減少しているとは言えないそうだ。  少し前のデータになるが、警察庁の統計によると2016年における小中高校生の自殺者数は320人だったという。小学生12人、中学生93人、そして高校生が215人だ。自殺者の半分以上が男子生徒だという。  子供の自殺は、いじめや友人関係、学業といった学校に関わる要因の他に、家庭や、精神疾患など複数の要因からが引き金になって起きるそうだが、とりわけ我々が目にする報道の多くは“いじめ”ではないだろうか。  “いじめ”の場合、いじめ防止対策推進法にもとづいて、真相解明と再発防止のための調査が学校や教育委員会のもとで行われる。だが、調査結果は十分共有されず、いじめを苦にした自殺が後を絶たないのが現実だ。  さて、そんな“いじめ”をテーマにしたエロゲーがある。Waffleから2013年にリリースされた『ヤバい!-復讐・闇サイト-』だ。  大切な妹の自殺原因が同級生3人にあると突き止めた主人公の兄が、3人を廃病院に監禁して復讐するという内容だ。物語の鍵として“いじめ”が大いに関わってくる。非常に重いテーマであり、方向性としては鬱ゲーと言えるだろう。  そんな重苦しい『ヤバい!-復讐・闇サイト-』だが、エロアニメ版も存在する。  3人の美少女が見知らぬ廃病院で目を覚ますところから物語は始まる。そこに主人公・遼が現れ、彼女たちがなぜここに監禁されているかを告げる。ソリッドシチュエーションスリラーかのような展開だ。  遼は、大切な妹がなぜ死ななければならなかったのか、その真実を知りたいがために彼女たちを監禁・尋問し、その様子をネット中継し閲覧者に証人になってもらうと。  しかし彼女たちは真実を一切語ろうとしない。そこで仕方なく遼は、順番に美少女達をカメラの前で暴行、凌辱していく。少女たちが辱められるたびに、ネット民からは歓喜のコメントがあふれる。その様子は作品タイトルそのまま、かなり狂気じみてて“ヤバい”。  度重なる恥辱で、精神的に崩壊してきた少女たちは徐々に本当のことを語り出す。嫉妬・妬み・羨望・トラウマ・願望・夢・希望、これらが心の奥底で複雑に絡み合って起きた悲劇だったのだ。全ての真実を知った遼は、衝撃の決断をくだす。少女を監禁凌辱したことで犯罪者となったケジメを自らつける。  最初から最後まで、幸福は一切ない。鑑賞後は非常に後味が悪いだろう。  しかし単に鬱な物語というわけでもなく、貼られた伏線はしっかり回収するし、主人公の行動・発言も一切ブレないで突き進むので、物語として筋が通っていて分かりやすい。この手の凌辱ものはほとんどが暴行シーンで終わるなんてこともあるが、今作に関してはそういったことはなく、しっかり順序だって物事が進む。犯罪に手を染めてでも復讐を遂行する兄に、つい感情移入してしまいそうになる。  復讐を誓う遼が最後に下した決断とは何か。彼が犯罪者になろうとも実行した理由はなんだったのか。ぜひともその目で確認しよう。 (文=穴リスト猫) 【視聴はこちらから!】 ・『ヤバい!-復讐・闇サイト- いじめ速報、燃料投下!? ネット民に問う。妹殺しはこの牝豚3人の中に…… 編』 ・『ヤバい!-復讐・闇サイト- 全世界に拡散希望。死者からのリプライは牝豚野郎の削除要請!?編』

『幻夢館』Tony原画で作画良し! 英国風メイドミステリーエロアニメ

 秋葉原を中心に人気のメイド喫茶に行ったことはあるだろうか。  そもそも秋葉原にメイドカフェが誕生したのは、「東京キャラクターショー1998」でカクテル・ソフトからリリースされて大ヒットしたエロゲー『Piaキャロットへよ

『Dream Note』人を操れるノートでチン世界の神となる

 昨年、『DEATH NOTE』の読切の特別編が月刊ジャンプSQに掲載され話題となった。2003年から2006年まで連載され、アニメ化、実写化と大きな社会現象を湧き起こした人気作だけに、いまだ根強い支持があることを裏付けた。  さて、そんな『DEATH NOTE』を彷彿とさせるエロゲーがある。アンダームーンよりリリースされた『操り孕ませDream Note』だ。  どこが彷彿させるかというと、『操り孕ませDream Note』にはタイトルそのままの「Dream Note」というノートが登場する。そのノートに女性の名前を書けば、その子を思い通りにできてしまうのだ。  『操り孕ませDream Note』はエロアニメ化もされていて『Dream Note』としてルネピクチャーズからリリースされている。以下があらすじだ。  DreamNote。それは、女を思い通りにする力を秘めた黒いノート。  主人公・雅也は好青年の家庭教師を演じながら、ノートの力を使い自らの欲望を実現させていく。その毒牙に真っ先にかけられたのは、雅也の教え子である優等生「高梨優美」だった。  彼女の意に反し処女を奪って、欲望の限り精子まみれにしていく。その過程で優美の妹・しおりにも目を付ける。彼女もノートの力で処女を奪うと、今度は彼女たちの母親である美沙子にまで手をかけていく。  彼女たちは雅也の淫らな欲望に飲み込まれ、愛液を噴き出す淫乱チンポ穴に仕立てられてしまう。純粋だった優美も、気の強い妹のしおりも、日々の調教に我を忘れ、母の美沙子は愛する夫を思いながらも腰を振り続ける。  主人公の命令に逆らえず調教され続ける3人の運命は…。  『Dream Note』は全二巻構成となっていて、前編が主人公とヒロインの1対1、後編が複数プレイがメインとなっている。今作には『DEATH NOTE』のような頭脳戦もスリリングな展開も一切ない。ただただ、主人公が欲望のままにヒロイン3人とエロ絡みするアニメである。  なぜ主人公が「Dream Note」を手に入れたのかの説明はない。ノートの力の説明もない。なんとなく主人公の独白で、ノートに女性の名前を書けばその子を思い通りにできてしまうことを理解させるだけだ。無駄を省いてエロに徹した潔い作品と捉えよう。  ただ前編の作画があまり安定しておらず、崩壊気味のシーンがちらほらと散見される。しかし後編になるとかなり安定したものとなる。前編の作画崩壊はエロアニメのお約束みたいなものだから、それはそれで味として楽しんでもらえれば良いだろう。実際、見るに堪えないレベルではない。女の子の意識を保ったままいたずら・凌辱するのが好みの方にはオススメの作品だ。 (文=穴リスト猫)   【視聴はこちらをクリック!】 ■『Dream Note 第一話』 ■『Dream Note 第二話 「堕落家族、乱交開始!」』

『最終痴漢電車』痴漢願望を持つ女子は実在する!?

 電車等における痴漢行為は、各都道府県の迷惑防止条例違反の痴漢事犯、または強制わいせつ事犯として認知・検挙される。具体的に痴漢とは「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であり、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れる」行為を指している。  最近の痴漢事犯における検挙数は、法務省が発表している平成27年度犯罪白書によると、平成18年が420件に対し、24年が318件、25年が303件、26年が283件で年々減少している。しかし、年間で約300件ということは、3日に2件のペースで誰かが痴漢で捕まっているということだ。これは決して少ないとは言い難い。もちろんこれらはあくまで検挙された数であり、潜在的な痴漢事犯の数はもっともっと多いのだろう。  何がそれほどまでに痴漢行為を誘発するのだろうか。  2010年に警察庁が発表した都内の痴漢摘発路線のランキングによると、1位が中央線、2位が埼京線、3位が山手線、僅差の4位で京王線だった。一般的にも中央線や埼京線は痴漢が多いとは知られていて、同時に激しく混む路線としても知られている。2014年に起き平塚市教育委員会の男性職員が起こした痴漢事犯がそれを象徴していて、「埼京線なら痴漢できると思った」と犯人が語ったほどだ。それだけ埼京線は痴漢に適してしまう路線、つまり混雑が激しい路線であることは間違いない。JRもそれは認識しており、「犯罪抑止効果に加え痴漢犯罪捜査に有効であるため」として車内に防犯カメラを導入した。  実際、中央線や埼京線の混雑具合は想像を絶する。国土交通省によると、それらの路線の乗車率は、ピーク時だと180%を超してしまうらしい。結局のところ、痴漢を誘発する最大の原因は異常な乗車率にあると言っていいだろう。  さてそんな痴漢行為をテーマにし、妄想を最大限まで膨らませ、痴漢には興味あるけど絶対にしない紳士のためのエロゲーがある。アトリエかぐやの『最終痴漢電車』だ。この作品は高いゲーム性と実用性から抜きゲーの傑作として、ブランドの看板タイトルになりシリーズ化した。エロアニメ化もされ、ミルキーズピクチャーズよりリリースされ、こちらもシリーズ化した。  以下があらすじである。  赤字続きの関急電鉄の車掌天野哲雄は、廃線のピンチを阻止する為あるアイデアを思いつく。それは哲雄の天才的な特技痴漢テクニックを駆使し、痴漢願望のある女の子を集め、リアルな風俗としての「痴漢電車」を走らせるというものだった。哲雄は会社には秘密で痴漢電車を走らせることを成功させ、路線は黒字へと転換していく。  このまま上手くいくように思えたが、関急電鉄の外部コンサルタントである羽山玲子や、フリージャーナリストの鳳優香に「痴漢電車」の存在を嗅ぎ付けられる。  ふたりは「痴漢電車」の存在は世間に公表しようと証拠集めを始めるが、哲雄はそれをなんとか阻止しようと奮闘する。  最終的には会社ぐるみで「痴漢電車」を隠蔽することになるが、それとほぼ同時期に廃線の危機が免れることになり、「痴漢電車」の企画も終了させることとになる。  本当の意味で「最終痴漢電車」を発進し、感慨にふけった哲雄の目に驚くべき光景が映った。痴漢電車内に哲雄を慕う幼なじみの西村沙奈が乗車していたのだ。  彼女は痴漢電車の存在を哲雄の同僚から知らされていたのだが、兄のように慕う哲雄が痴漢電車の企画になんて関わっているわけがないと信じていた。それを確かめるため自ら乗車していたのだ。  沙奈に痴漢に飢えた男たちの魔の手が忍び寄る。果たして哲雄は彼女を救うことができるのか――。  エロアニメ版『最終痴漢電車』は3巻構成だ。今作はその名からは意外なほど(?)ストーリーがしっかりと作り込まれていて、90分を1本のアニメ作品として観るのに十分耐えられる。  エロアニメ化されることで原作からのキャラの設定改変がいくつか存在する。大きい変化は鳳優香と羽山玲子だ。原作だと優香は婦人警官だし、玲子は社内の人間だ。しかし彼女たちの改変は、ストーリーに厚みを加えていることに成功している。  彼女たちは「痴漢電車」に対して反対であり世間に公表しようとするのだが、哲雄をはじめとした社内の人間に阻止され、また肉体的にも支配されて徐々に「痴漢電車」を容認していく立場になる。この「痴漢電車」という普通に考えたら突拍子もない企画に、明確な反対勢力を用意し、しかし徐々に態度が軟化しいく様がすばらしい。かつ肉便器に堕としていく征服感がたまらない。  その他のキャラクターはだいたい原作に沿って登場はするのだが、ほとんどが痴漢対象であり、物語には大きく絡まない。全体的には、幼なじみの西村沙奈が主人公・天野哲雄に憧れているというベースをもとに、哲雄が葛藤しつつも痴漢電車を会社のために推し進めるが、それを阻止する人間たちが現れ、路線は廃線となるのかならないのかに焦点が絞られ、哲雄と沙奈がどういう関係に着地するのかという流れである。  川原絵美をはじめとした数々のエロシーンは和姦に近い。実のところ、ヒロインたちのほとんどがレイプ願望を持った変態女ばかりだ。「最終痴漢電車」とはいうものの、後半になればばるほどプレイは乱交に近く、タイトルほど犯罪性を感じさせるものではない。誤解してはいけないことは、本作も原作も、痴漢を推奨したものでは決してない。  リリースが2002年でやや古い作品のせいか、作画や動きにチープが面もある。しかしそれが気にならなくなるほど作品として良い。原作ファンでなくとも、エロゲーマーならぜひとも観ておきたい作品だ。 (文=穴リスト猫) 【視聴はこちらをクリック!】 ■『最終痴漢電車 Rail-1』 ■『最終痴漢電車 Rail-2』 ■『最終痴漢電車 Rail-3』

『肢体を洗う』異色のエログロホラーエロアニメ! 原作よりグロ度200%増

 “死体洗い”のアルバイトがあるという話は聞いたことがあるだろうか。  大学の医学部で解剖実習用の死体(献体)をホルマリンのプールに漬けていて、その死体を洗ったり、浮いてくると棒で突いて沈めるというものだ。報酬がとんでも

『THE ガッツ!』エロゲーヒロイン最強の漢”タカさん” エロアニメ見参!

 エロゲーに限ったことではないが、ゲームというのはRPGやシューティングといったゲームそのもののジャンル以外に、「泣きゲー」「鬱ゲー」など、ユーザーの感性に頼ったジャンルが存在し、その中に「バカゲー」というものがある。

『俺は彼女を信じてる』 NTR好きは絶対観るべし! 高品質NTRエロアニメ

 今回はルネピクチャーズからリリースされている『俺は彼女を信じてる! 上巻「セカンドヴァージン」』を紹介しよう。原作はロープライスの抜きゲー『俺は彼女を信じてる! ~遠距離恋愛のススメ~』だ。  エロアニメ化にあたって設

『HEARTWORK Symphony of Destruction』手にした人間を狂わせる銃…ハードボイルドエロアニメ

 メタルファンが反応せざるを得ないタイトルのエロゲーを知っているだろうか。Activeの『HEARTWORK Symphony of Destruction』だ。  「HEARTWORK」はメロディックデスメタルの生みの親・CARCASSの名盤タイトルだし、「Symphony of Destruction」はスラッシュ四天王・MEGADETHの名盤『Countdown to Extinction』収録の大ヒットナンバーだ。これはシナリオライターの聖少女の影響だろう。聖少女はHR/HMファンを公言していた。  この作品はハードボイルドがゆえのエログロさや、エンディングによっては設定やキャラの性格が様変わりしてしまったり、マルチエンディングにしたがゆえのシナリオの短さなど、所々に気になる点が散見されたゲームであった。そのため、人によってかなり評価の異なった。  しかし、当時ではまだまだ珍しかった全キャラクターがフルボイスであり、ディスクレス起動などのシステム面は革新的でもあった。エロシーンも多く、鬱ゲー要素と抜きゲー要素を兼ね備えていた。筆者はかなりの良作と捉えている。  そんな『HEARTWORK Symphony of Destruction』だが、メディアバンクよりエロアニメ化し、3本リリースされている。とはいえ実際は2+1であり、最初の2本と1本は別ルートの物語となっている。ここでは最初の2本を中心に話を進める。まずは公式の紹介文だ。 “キャッチ”。それは持つ者を狂わせる魔性の銃。  危険なゲームの先に待ち受けるのは「生」か「死」か。  廃棄処分したはずの呪われた銃が、この世に存在していた。ある日、その銃を偶然に手に入れてしまう朝倉優。銃が入っていた鞄には大量の現金と、謎の人物による暗殺依頼のビデオ。元の鞄の持ち主は「ハンター」と呼ばれる殺し屋だった。  なんの変哲もない平凡な学生だった優の人生は、その日から一変してしまう――。  本作で重要な存在である銃・キャッチは、朝倉優ともう1人の主人公とも言われているほど重要な存在だ。銃は「コルト・オートマチック1911A1」。この銃を手にしたら精神が銃に支配され、平気で人を殺せるようになってしまう。これがなかなかにサディストで鬼畜だ。  薬漬けの女に乱暴し、ことが済んだら撃ち殺すなんてことは朝飯前。そのときの朝倉優の表情は、普段おだやかな彼とは似ても似つかない、狂気に満ちたものになる。  だが、常にサディストになっているわけではない。身の危険を感じたときや、銃の使用の必要性が感じられたときに豹変する。ずいぶんと都合のいい作りとなっているが、さらに身体能力も向上するというおまけつきだ。  物語の根幹は呪いの銃の謎と秘密を解くというより、その銃を持ってしまった人間の変わり様を掘り下げていく展開だ。『A KITE』にあったSFっぽさはない。本作品には謎解きやサスペンス要素を求めず、あくまで銃撃戦や暴力などのバイオレンス部分を楽しみ、最終的に主人公がどうなっていくのかを見届けるのが正しい楽しみ方だ。  血飛沫やグロの描写は良くできていて、作画崩壊などはない。少し古い作品なのでキャラデザには時代を感じるものの、大きな問題ではない。  ちなみに3巻目だが、先述通りこちらは別ルートなので、1~2巻で死んだはずのキャラが普通に生きていたりする。エロ目的だけでいうなら3巻がオススメだ。明らかにエロを中心にした展開となっている。銃も絡んでくるが、おまけ程度だ。  難解なものが多かった古き良きエロゲーや、ハードボイルドものが好きな方にはぜひオススメしたい作品である。ハンター・市原正樹が『マクロス7』の熱気バサラにそっくりなのもご愛嬌ということで。 (文=穴リスト猫) 【視聴はこちらから!】 ●HERATWORK Symphony of Destruction JUNCTION:01「焦燥」 ●HEARTWORK Symphony of Destruction JUNCTION:02「邂逅」 ●HEARTWORK Symphony of Destruction JUNCTION:03「禁忌」

『そらのいろ、みずのいろ』AVより売れたメガヒットエロアニメ

 1万本出荷したら大ヒットといわれるエロアニメの世界だが、累計4万本という大記録を打ち立てた作品がある。Cielがリリースしたエロゲー『そらのいろ、みずのいろ』を原作とした作品だ。  原作自体も人気イラストレーターのTony氏がキャラデザと原画を担当したことも手伝って、大ヒットを記録。しかしシナリオがやたら長かったり、システムの不具合やCGの使い回しが多かったりと、大ヒットに反して数々の悪評を生んだ作品でもあった。  エロアニメ版には思い切った改変が見られる。原作の悪評を生み出す要因の1つであるスワッピングや乱交要素が排除された。さらに原作で準主役であった男性キャラの存在を抹消した。そうすることで恋愛の主軸は主人公のみとなり、主人公とヒロインたちの純愛に集約させたのだ。  エロシーンのクオリティが高いのもヒットの要因だろう。更衣室のカーテンの影やプールサイドなど、他の生徒がいる中でのイチャラブは観ている者の背徳感が刺激される。シチュエーションに恥じらうヒロインの顔に、ひどく性的興奮を煽られてしまう。  発売当時あまりの人気に、一般的なOVAやAVを押しのけてランキングの上位に残り続けた伝説は今まなお語り継がれている。エロゲー原作のエロアニメ最高峰と評して良い。  ちなみに下巻のラストは完全オリジナルエンディングで、感慨深い終わり方をしている。ファンにとってはそれだけでも十分に観る価値のある作品だ。 (文=穴リスト猫) 【視聴はこちらから!】 ■『そらのいろ、みずのいろ 上巻「ダメ……聞こえちゃう」』 ■『そらのいろ、みずのいろ 下巻 「わたしも……してあげる」』

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