「05本」の記事一覧(12 / 16ページ)

元祖“出会い系”のいかがわしき世界……伝説のスケベマンガ『テレクラの秘密』

<p> みなさんは「テレクラ」って、知ってますか? いまやすっかり死語同然になってしまいましたが、1980年代から1990年代にかけて、テレフォンクラブ略して「テレクラ」というお店が繁華街にはたくさんありました。今聞いても、いかがわしくあやしい、なんともいえない響きがたまりません。</p>

<p>「テレクラ」は、いわゆる風俗の一業態。インターネットが普及するまで興隆していた出会い系システムです。基本的には狭い個室に電話とかティッシュが置いてあるだけで、男性がその個室でひたすら女性からかかってくる電話を待つというもの。電話で男女の会話が盛り上がり、交渉が成立すれば、電話を介したチョメチョメ(死語)やら、店外でのニャンニャン(これも死語)などに発展する可能性もあります。</p>

いったい何がイカンのか!? タイムリーな社会派ギャンブルマンガ 『野球賭博』

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野球賭博』(谷あく斗、村岡栄一/芳文社)

 いま、プロ野球選手の野球賭博問題が世間をにぎわせています。野球賭博といえば、有名なところでは1969年の黒い霧事件、そして2010年の大相撲野球賭博問題があります。特に2010年は多くの力士や親方が処分され、まさしく角界に激震が走った事件であり、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。そのわずか5年後に、再びプロ野球界で野球賭博問題が発覚するとは、この問題の根の深さを表しています。
 
 そんなスポーツ界を揺るがす野球賭博問題ですが、いったい何が問題なのか? 一般的には、あんまりなじみがないですよね。正直、僕もよく知りません。しかし、そんな疑問を解決するマンガが存在するのです。その名もズバリ『野球賭博』というマンガです。まさに、このタイミングで紹介するにふさわしい作品と呼べるのではないでしょうか。

 ちなみに、野球賭博の話が出てくるマンガは『ラストイニング』や『ラストニュース』『白竜』『名門!第三野球部』などがあります。しかし、いずれも、あくまで作品のほんの一部で取り上げているだけです。「野球賭博」そのものをフィーチャーしたマンガというのは、おそらく本作だけだと思われます。いかにもマンガにするニーズがなさそうですから、当然といえば当然ですが、とにかく大変異質な存在です。

 実際、単行本の表紙からして、すごく異質です。どこが異質かというと、真っ赤なのです! 表紙が真っ赤なだけならまだしも、表紙に描かれているオッサンのサングラスの中まで赤いという、尋常じゃないセンスです。まるで、内容がレッドゾーンであることを物語っているかのようです。

『野球賭博』は、実は野球をテーマにした劇画短編集なのですが、プロ野球や高校野球で1軍に上がれないまま落ちぶれていった日陰男たちの悲哀をテーマにしています。普通の野球選手がテーマのマンガではなく、「落ちぶれた野球選手」専門のマンガです。すごいコンセプトですよね。

 たとえば、第1話は、ドラフト5位でスターズ(明らかに巨人がモデル)に入団したもののフォーム改造で肘を壊し、結局1軍に上がることができずに解雇になった滝田という男の物語です。

 球団の無理な投球フォーム改造のせいで人生を狂わされたことを恨んでいる滝田は、なんとハンク・アーロンの755本塁打の記録にあと1本と迫ったスターズの剛選手(明らかに王貞治氏がモデル) を誘拐するという暴挙に出ます。そして身代金1億円を奪い取った挙げ句、剛選手を殺してしまおうという計画です。100%逆恨みですね。

 剛選手誘拐の一報を聞いた刑事たちは……

「畜生! なんてことしやがる。明日の中日戦には来々軒の上カツ丼がかかってるってぇのに!」

 なんと、剛選手が記録達成するかどうかでカツ丼を賭けていた模様。

 結局、最終的には逃走中に警察によって銃で撃たれて殺されてしまう滝田。世にも悲惨なお話です。この話をまとめると、次のようになります。

 プロ野球入団→球団による投球フォーム改造→肘を壊す→2軍でくすぶり続けた後、引退→テレビに出てるスター選手に嫉妬→その選手を誘拐→全国に指名手配→警察に銃で撃たれて死亡

 プロ野球選手として大成できなかった末路が銃殺という、なんという転落人生……。こんな感じで、日の当たらない野球選手たちの切ない話が盛りだくさんなわけですが、やはりメインとなるのは第2話の野球賭博ネタの話です。タイトルは「ハンディ師竜二」。

 主人公はタイトルの通り、ハンディ師の東竜二という男です。野球賭博にはハンディ師と呼ばれる、野球の試合に独自のハンディを設定して賭けを盛り上げるための仕掛け人が存在します。

 ハンディ師の竜二は、現在はヤクザですが、元プロ野球選手で関西一の凄腕のハンディ師と呼ばれています。

「竜二、明日のハンディは何点や」
「パイレーツに2.5点やな!(くわっ)」

 みたいな感じの会話でハンディが設定されます。たとえばジャイアンツVSタイガースの試合で、絶好調のタイガースが圧倒的大差で勝利すると思われる場合は、ハンディ師はタイガースに2.5のハンディを課します。その場合、実際の試合でタイガースが2点差で勝ったとしても、賭けの世界では負けとなります。

 ちなみに、0.5というのは、実際の試合が引き分けに終わった場合でも白黒をはっきりさせるために設定されています。こうやって、ハンディ師のさじ加減で、実際には大差がつきそうな試合でも緊迫感を煽ることができるのです。そのためハンディ師は、元プロ野球選手のような相当プロ野球に詳しい人物がやるのです。

 ……って、やたらルールを詳しく書いちゃってますが、よい子のみんなはくれぐれもやらないように!

 さて、そんな凄腕のハンディ師竜二ですが、客の挑発に乗って「八百長賭博」に手を出してしまいます。実際のプロ野球選手を脅迫するなどして、勝敗に関わるような八百長をさせてしまう行為です。

 目をつけたのはパイレーツのエース投手、尾形。実は、竜二とは甲子園時代のライバルでした。尾形投手は、なんと4日連続登板をするなど超人的な活躍をしていたのですが、実はドラッグの「スピード」をやってギンギンになって投げていたのでした。それに気づいた竜二は登板前にスピードを飲む瞬間をカメラで撮影し、それをネタに脅迫したのです。そもそも、試合中にドラッグやってるエースってのも、かなりありえない感じですが……。

 しかし、今でも野球を愛しており、高校時代ライバルだった尾形を苦しめたことに良心の呵責を覚えた竜二は、もう八百長はしないと誓うのです。ところが、八百長賭博がめちゃくちゃ儲かることを知った組長たちは、竜二にもっと尾形に八百長をやらせるように命令します。抵抗した竜二は組と仲間割れ……。

 腹をドスで刺されながらも球場に駆けつけ、試合中に苦悩している尾形の目の前でネガを焼き捨てる竜二。

「尾形、これであんたは自由の身や! もう何も恐れることはないで!」
「いいんだな、力いっぱい投げていいんだな、東」

 野球を愛するひとりの男として、最後の良心が働いたのです。しかしその後、組からの刺客に刺され、力尽きてしまう竜二。

「歓声や…大歓声や、わ、わしは帰って来たんや、この歓声の中に…」

 なぜか最後はちょっと泣ける話ふうになっていますけど、八百長賭博を始めたのは竜二本人ですので、どう考えても自業自得です。しかも、自分が歓声の中に帰って来たとか言ってるのも明らかに勘違いですし。

 というわけで野球賭博に関わったがために、悲惨な末路を迎えてしまったハンディ師竜二の話でした。繰り返しますが、こんな悲惨な末路が待っていますので、賭博にはくれぐれも手を出さないように! あなたの人生が登録抹消されても知りませんよ!

安保法案可決も「“負けた”とは思っていない」高橋源一郎が“教え子”SEALDsと8時間語り尽くす!

<p> 9月19日、集団的自衛権の限定的な行使を容認した安全保障関連法案、別名「戦争法案」が、怒号が飛び交う中で強行採決された。わたしも採決の数日前に国会前で行われたデモを訪れたが、ともかく人、人、人だらけ。あまりの混雑で前にも後ろにも進めない中、10~80代ぐらいの幅広い年代の人々がともに“声を上げる”姿を見て、驚いた。バックグラウンドも違う日本人が力を合わせて活動する、という行為に感動すらした。</p>

ジャンルを越境する表現の自由を体現するルポルタージュ 昼間たかし『コミックばかり読まないで』

『コミックばかり読まないで』昼間たかし(イースト・プレス) 「これのどこが亀頭なんですか!? ただのおっさんの頭じゃないですか!」  2007年頃だっただろうか、当時、某実話誌の編…

年間20~30種類の新商品を生み出すのは、たった4人!? 「チロルチョコ」の秘密に迫る 

<p> 『チロルチョコで働いています』(KADOKAWA)は、チロルチョコ株式会社の企画室に配属された新人女性社員を主人公に、お菓子メーカー企画職のリアルが描かれたコミックエッセイだ。<br />
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 帯には「チョコづくりのお仕事は甘くないっ!」とある。チロルチョコは、1粒20~30円の低価格なお菓子。薄利多売でやっていくため残業しまくり、ストレスで人間関係もギスギスして心身ともにズタボロ……そんなブラックな暴露話を想像したが、全然違って素敵でハッピーなお仕事だった。<br />
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山口組分裂を予告していた引退組長たち――話題の書『血別』に見る7年前のクーデター未遂の反省とは?

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『血別 山口組百年の孤独』(サイゾー)

『血別――山口組百年の孤独』(太田守正著/サイゾー刊)を手にしたのが8月中旬、7月からの暑さに身体がこたえる真夏だった。そして当の山口組の分裂を耳にしたのは同書を読み終え、興味を惹かれたページをめくり返している8月下旬だった。

 元山口組直参の侠客・太田守正氏が記していた六代目山口組の矛盾、すなわち本部による物販や人事問題などが噴出する形で、すでに離脱(処分)者たちは神戸山口組という新組織を結成したという。ただし、山一抗争の時のような流血の抗争となっていないのは、暴対法などの法整備がすすんだ甲斐もあってか、さいわいなことだ。

 六代目山口組の主流派・弘道会と反主流派となった山健組・宅見組の内部対立は、太田氏が批判した『鎮魂』(盛力健児著、宝島社刊)にもすでに明らかで、やはり派閥対立が解消しないまま、ここに立ち至ったのであろう。その意味では太田氏と盛力氏の本は分裂を予告し、導火線になったかのような印象である。

 いっぽう、ただちに抗争が起きなかった事実とあわせて、今回の分裂劇がほとんど事前に漏れなかったという驚くべき事実である。おそらく離脱者たちの計画のうちに分裂劇は行なわれ、大量処分を生んだ7年前のクーデター未遂の反省のうえに、用意周到に行われたからであろう。ヤクザも学習能力・反省能力があるというわけだ。

 その反省という意味では、盛力氏の先行書よりも、太田氏のほうが数等すぐれている。ヤクザの精神年齢は親分と呼ばれる人ほど無邪気で、たいがいにして悪ガキの気分を残したままだが、太田氏のそれは老成しない無邪気さを残したまま、だからこそ失敗や難事にも清新に向き合うところに共感が抱ける。盛力氏の自己を省みない態度、鼻につく自慢げな言説とは好対照だ。われわれ堅気の者が訊いてみたいのは、ヤクザの反省や経験に裏うちされた、年輪と風格のある言説なのである。

 それにしても今後、六代目山口組と神戸山口組が相互に存在を認め合うのか、認め合わないまでも抗争に至らなければ、暴力団抗争史に新たな一ページを刻印することになるかもしれない。いったん流血の抗争になれば、抗争を暴力団の組織的な業務とみなす判例があるので、いまや民法の使用者責任で組長が逮捕・訴追される。銀行口座や保険、ゴルフ場にも入れない、いわば身分差別の暴対法のもとで、新しいスタイルの組織運営がなされるのであれば、それはとても物悲しく、しかし本来の任侠的共同体の姿を宿しているのかもしれない。

 利益共同体ではない、相互扶助と親和的な共同体、そして擬似家族的な血の結束である。太田氏がいう「血別」とは、それでは彼の絶望だったのだろうか。いや、われわれは血の別れの向うにある、あたらしい共同体のあり方を知りたいのである。
(文=高輪茂/作家)

※太田守正氏のインタビューはこちら
http://www.cyzo.com/2015/08/post_23441.html

パクリ度ゼロ! デザイン業界激震の独創的すぎるファッションマンガ『こっとん鉄丸』

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『こっとん鉄丸』(あおきてつお/小学館)

 東京五輪のエンブレム騒動以来、いろいろと激震が走っているデザイン業界。“この素晴らしいアートも、実はパクリなんじゃないか”と疑心暗鬼になる、悲しい風潮になってきちゃっていますよね。

 とりわけファッション・アパレル業界では、そういうパクッたパクられたのトラブルは顕著のようで、どこぞのファストファッションブランドがシャネルをパクッただの、エルメスとそっくりだの、ボタンの数が違うだけだの、そっくりなようだけど素材が違うから別物だのと複雑怪奇な様相を呈しています。

 しかし、今回ご紹介する『こっとん鉄丸』では、まったくその心配がありません! どう考えても完全オリジナル、独創的すぎてドン引き! 誰もパクろうとする気すら起こらないレベルに達しているデザインが次から次へと飛び出してきます。パクッて当たり前の今の時代に強烈なメッセージを投げつけてくる、オリジナリティあふれるマンガなのです。

『こっとん鉄丸』は1987年から「週刊少年サンデー」(小学館)で連載された、少年誌としては珍しいファッションデザイナーマンガです。一見、少年マンガでファッションを語られてもあまりニーズがなさそうですが、バトルの要素を巧みに取り入れ、しっかり少年マンガとして成立させています。

 主人公の山田鉄丸は、世界一のファッションデザイナーを目指す少年。原宿を舞台に、いろんな有名ショップや悪徳デザイナーに難癖をつけてファッション勝負を挑みます。他人様のファッションに文句をつけて勝負を挑むぐらいですから、主人公の鉄丸は相当なファッションセンスを持っているに違いありません。いったいどんなおしゃれボーイが主人公なのか?

 鉄丸のファッションは、スウェットに横並びにプリントされた巨大な2つのチェック柄の胸ポケット。ズボンにも胸ポケットと同様のチェック柄の巨大膝パットがあてがわれ、ズボンの裾はしっかりとソックスの中にインしているという、独創的すぎる服装。こんなの、パリコレでも見たことありません。

 オシャレなのかダサいのか判断がつかない(というか、世間一般的な感覚だと超ダサい)謎ファッションに身を包んだ鉄丸が、原宿で大暴れ。道行く原宿の若者のファッションに、いきなりイチャもんをつけ始めます。

鉄丸「ははーん。これからナンパしに行くんだね?」
若者「そんなの、お前の知ったことかよ!」
鉄丸「ぷぷぷっ! 悪いけどそのまんまじゃ、誰も寄ってこないかもね」

 初対面なのに失敬すぎるセリフを放ちつつ、いきなり若者のコーディネートをし始める鉄丸。

鉄丸「ほいっ、できあがり!!」

…じゃじゃーん

鉄丸「ジーンズのすそは絶対ロールアップしたほうがいいよ!」
若者の友達「へーっ! なかなかいいじゃん。カッコよくなったぜ!」
若者「そ、そうか…」

 鉄丸のドヤ顔で繰り出されるファッションアドバイス。確かに、ファッションのトレンドは時代とともに変わるもの。今まさに2015年、一回りしてロールアップがカッコいい時代が来つつあります。でもそれを踏まえた上でも、やっぱり全体としては実に微妙な感じに仕上がっております。これはパクれない!

 さらに、このマンガはお役立ちファッションマンガ的な側面があり、鉄丸のファッションアドバイスコーナーがちょいちょい挟まれています。参考のために、いくつかご紹介しましょう。

・国旗のプリントが今年のトレンド
・麻のジャケットはツータックのチノパンと合わせるのがオシャレ
・素足にスニーカーを履くことを強く推奨
・いつもの服に「ワッペン」をつけるだけでオシャレ服に

 などなど、さらに解けにくい靴ひもの通し方、モテるネクタイの結び方、デニムの色の落とし方、靴を買ったらまず防水スプレーをしろ、いま持っている服のボタンを付け替えるだけで途端にオシャレに、等々の明日から使える実践的アドバイスてんこ盛り。実践的なのに、なぜか真似したくないオシャレアドバイスが満載です。

 ファッションバトルのハイライトはなんといっても、「ルフォーレ原宿」のショップ出店権をかけて有名ブランド「ヒューマンズ」とジャケット対決をするストーリー。それぞれのブランドのジャケット100着を先に完売したほうが勝ちという単純明快なルールとなっています。

 鉄丸と敵対する有名ブランドのパーソ……もといヒューマンズは、ソ連からの直送ルートで格安の麻を手に入れ、普通なら4万円は下らないジャケットを1万5,000円で売るという戦略です。そう、価格のリーズナブルさも勝負のポイントなのです。

 一方、鉄丸は麻のコストに頭を悩ませます。そこに妙案が!「コーヒーの麻袋を使えば、タダ同然じゃないか!」えー! 何言ってんの、コイツ?

 しかも、麻袋にプリントされたコーヒーのロゴをデザインとしてそのまま利用。

「このスタンプって世界各地のものでしょ? 見てるだけでも夢があるじゃない?」

 どう考えても間違った方向のポジティブさで、トントン拍子に話が進んでいきます。
そして、最後はボタンの選定です。コーヒーの麻袋にベストマッチなラフなボタンとは……?

「これだぁ、これだよ!」

なんと、コカ・コーラのフタをボタンにする鉄丸。いや、それはさすがにラフすぎでは? あまりにも貧乏くさ……

「遊び心満点ね!」

……ものすごいポジティブさで、ついに鉄丸の麻ジャケットが完成しました。コーヒー豆の麻袋のジャケットにコーラのフタのボタン。そして、着心地を重視して虫取り網の網を裏地に使うというナイス工夫! これでなんと1,000円という、GUもビックリの低価格を実現! ヒューマンズの1万5,000円に対し、1,000円。価格差が歴然すぎます。しかも、センスには定評のある鉄丸デザイン。ジャケット勝負は(デザインではなく)圧倒的価格差で、見事鉄丸が勝利したのでした。

 そのほかの対決も、鉄丸の先鋭的すぎるデザインにより負け知らず。さすが世界一のファッションデザイナーを目指すだけのことはあります。

 そんなわけで、ユニクロもギャップもしまむらもブッ飛ぶ、超ファッショナブルなマンガ『こっとん鉄丸』。みなさんもぜひ本書を読んで、モテるファッションのコツをマスターしてください。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくんhttp://ablackleaf.com/>)

子を殺すか自分が死ぬか――知られざる精神障害者家族の実態『「子供を殺してください」という親たち』

<p> 7月15日にTBSで放送された『水トク!「THE説得」』。精神障害者とその家族を特集したこの番組では、統合失調症や引きこもり、家庭内暴力など、精神的に問題を抱える人々が次々に登場した。</p>

<p> その多くが、20代から40代にかけての大人だ。彼らは、社会にうまく溶け込めず、家族とも長い間、関係を作れないままだ。</p>

<p> しかし、そこには我が子を想う親の「なんとかしなければならない」という言葉はなく、ただただ「子供と絶縁したい」と考える親たちが大勢映し出されていた。</p>

<p> この番組に登場するトキワ精神保健事務所の押川剛。精神障害者を抱えた家庭からの要請で、障害者本人と向かい合って説得し、病棟への移送を承諾させる、説得のスペシャリスト。そんな彼が記したのが『「子供を殺してください」という親たち』(新潮文庫)である。</p>

君は粘土のために死ねるか? 老後に備えて読んでおきたい「陶芸マンガ特集」

<p> サラリーマンが定年退職後にやりがちな趣味といえば、そば打ちと陶芸ですよね。どちらも、ある種の男のロマンを感じさせる職人的世界であり、サラリーマン時代に成し得なかったことにチャレンジしてみたいというその気持ちはわからないでもありません。</p>

<p> しかし、そばはともかく、陶芸なんて地味すぎて絶対マンガのテーマにならないだろうと思っていませんか? 実は、陶芸マンガって、結構あるんです。しかも、どいつもこいつも「粘土」に対する執念がハンパなくて、文字通り粘土に命を懸けている奴らばかりです。今回は老後に備えて読んでおきたい、熱い陶芸マンガを4作品集めてみました。</p>

「小鳥が来る街」でゴミ出しせな! 知られざる『大阪のオバちゃん』の生態とは

<p> 30代の人間にとって、大阪のおばちゃんのイメージは、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)で放送されていたコント「おかんとマー君」によって決定づけられている。せっかく彼女を家に連れ込んできたのに、「出て行け」と言っても部屋に居座ろうとするおかん、ダサいTシャツを買ってくるおかん、エロ本を見つけて「あー怖っ!」と叫ぶおかん、関東人にとってはコントのキャラの一つだが、関西の友人いわく「あんなおばちゃんばっかりやで」ということ……。関西の人々は、(さすがに過剰ではあるけど)「あるあるネタ」として受け取っていたようだ。</p>

<p> 大阪のおばちゃんは、関東人にとっては未知の存在だ。そんなおばちゃんたちの生態を記したのが『大阪のオバちゃんの逆襲』(言視舎)だ。筆者の源祥子は、地元大阪でコピーライターとして活躍後、シナリオライターに転身するために40歳を過ぎて大阪から東京へと転居してきた。そして、地元大阪を離れてまじまじと感じたのが、大阪のおばちゃんの特殊さ。本書では、親友への手紙という形式を使いながら、大阪のおばちゃん像を解き明かしていく。</p>

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