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ニコラス・ケイジ主演映画『ペイ・ザ・ゴースト』公開決定 不気味な顔が浮かぶポスターも

【リアルサウンドより】

 ニコラス・ケイジが主演を務める映画『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』が、10月22日に公開されることが決定した。

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 本作は、『ブルックリン最終出口』『BODY/ボディ』のウーリー・エデル監督最新作。ハロウィンの夜、謎めいた一言を残して失踪した7歳の息子チャーリーの行方を探す父マイクの周辺で、次々に怪異な現象が起こっていく模様を描く。

 主人公マイク役のケイジをはじめ、『プリズン・ブレイク』のサラ・ウェイン・キャリーズ、『しあわせはどこにある』のヴェロニカ・フェレらが出演する。音楽は『死霊のはらわた』のジョゼフ・ロドゥカ、撮影は『セッション』のシャロン・メールがそれぞれ担当している。

 あわせて公開された日本版ポスターには、ハロウィンカーニバルで仮装をした人々とともに、ニコラス・ケイジ演じるマイクの姿が中央に配置されている。“償い続けろ、この怨念が消えるまで”のコピーの背景には、不気味な子どもらしき人物の顔が浮かび上がっている。

■公開情報
『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』
10月22日(土)渋谷シネパレスほか全国順次ロードショー
監督:ウーリー・エデル
原作:ティム・レボン「Pay The Ghost」
出演:ニコラス・ケイジ、サラ・ウェイン・キャリーズ、ヴェロニカ・フェレ
原題:Pay the Ghost/2015年/カナダ/英語/94分/カラー/シネスコ/字幕翻訳:加藤リツ子
提供:ギャガ、松竹
配給:ギャガ・プラス

「あえて言おう、アホかとw」アメリカでは『ポケモンGO』を使った出会い系サービスが大人気!?

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『Project Fixup』公式サイトより。

 22日に日本で配信が開始され、すでに一大旋風を巻き起こしている『ポケモンGO』。アメリカでは日本より一足早く配信され、配信開始からおよそ2週間ほどの間、アプリダウンロードランキングでは当然のように1位を記録中。そんな中、アメリカのマッチングサービス「PROJECT FIXUP」が、『ポケモンGO』ユーザーに向けた出会い系サービス『PokeDates』を展開したことが話題になっている。

『PokeDates』は、『ポケモンGO』を一緒にプレイできる相手を探し、デートのセッティングをしてくれるというサービス。システムとしては、まずユーザーが自身のプロフィールを登録し、『ポケモンGO』を一緒に楽しみたい相手についてのアンケートに回答する。その後、デートができるスケジュールを登録すると、『PokeDates』からユーザーの条件にマッチする相手やデートの日時、場所についての情報が届く。希望に合っていればデートを承認し、実際に指定された場所で待ち合わせてデートを楽しむという仕組みだ。

 初めてのデートの場合は無料となっており、2回目からは1回のデートセッティングに20ドル(約2,100円)の料金がかかる。

 こんなサービスの登場に、日本のネット上では「あえて言おう、アホかとw」「いやまぁ、正しい使い方だね(錯乱)」「ポコ○ンゲットだぜ!」と様々な意見が飛び交っている。中には「JS、JCとお友達になれる?」「うちの別荘はレアもんゲットできるよ、でOKだな」「この夏はポケセクで決まり!」と淡くゲスな期待を抱いている人も少なくない模様。

『ポケモンGO』関連の出会い系サービスとしては、他にも『PokeMatch』という無料で使えるアプリが海外で開発され、すでに配信されており、アプリ公開から4日間で1万人以上のマッチングを生み出していると話題になっているようだ。

『PokeMatch』の共同開発者であるレネ・ローゼン氏は、ポケモンを捕まえるために自身がデート相手を求めていたことから、友人二人とチームを組み『PokeMatch』の開発に着手。実際にローゼン氏はこのアプリによってデート相手を見つけたというから、マッチング成功率は中々のもののよう。共同開発者のピム・ デ・ヴィッテ氏はすでに結婚しているにもかかわらず同アプリを楽しんでいるというから、少々考え物かもしれないが……。

 なお、同アプリを利用するにはやはり自分の名前や年齢、その他の個人情報の登録が必要となっている。日本国内の情報セキュリティー対策のための政府機関である“内閣サイバーセキュリティーセンター”は、個人情報に関する注意喚起を促している。

“ポケモントレーナーのみんなへおねがい♪”というタイトルで公開されている注意事項には、「トレーナー登録するときは、本名とは違う、いかしたニックネームを付けましょう。ニックネームに本名がわかるものを使うと、あなたを追いかけようとする人が出てくるかも。SNSに写真を投稿するときは、家の近くのものはやめておきましょう。家が特定されます」といった内容が書かれている。しかし『PokeDates』や『PokeMatch』は、これに完全に背いたもの。犯罪に巻き込まれる可能性も大いにあるため、利用にはある程度の危機察知能力が必要そうだ。

 これからも人気が過熱していきそうな『ポケモンGO』。欧米では仲間たちと複数で楽しそうにやっている姿が多く見られるが、日本では1人か2人で地味にやっている人がほとんどで、そんなところにもお国柄が表れているように感じられるが、果たして日本でも『ポケモンGO』を利用したマッチングサービスが成功するだろうか? 成功したらしたで、「刑務所へGOになりそうだな」「お縄をゲットだぜ!」といった声もあるように、悪用しだす人も出てきそうで心配ではあるが……。

NHK『クロ現』も「AV女優出演強要問題」を特集…新聞・テレビのAV叩きの裏で警察と厚労省の怪しい動き

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『クローズアップ現代+』HPより

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

 本サイトでも定期的にお伝えしている「AV出演強要問題」。「グラビアモデル」や「モデル」として芸能プロダクションと契約したはずの女性にAV出演を強要し、女性側がそれを断れば「違約金を払え」「親に請求書を送る」などと脅し、出演を余儀なくさせる悪質な手口が現在業界内で横行していると社会問題化しているわけだが、この件が遂にNHKでも取り上げられることになった。25日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)では、「私はAV出演を強要された〜”普通の子”が狙われる〜」と題してこの問題を特集した。

 番組では、実際に被害に遭った女性のインタビューから前述したような強要の経緯を紹介したうえ、さらに、かつてAVプロダクションを経営していたという男も登場した。彼は、スカウトした女性が契約内容をよく理解しないで契約書にサインさせるために、「アダルトビデオ」ではなく「成人向け」といった分かりにくい文言に書き換えたり、考える間を与えないよう30分以内にサインさせることを目標にしていたなどの手口を語った。

 番組ではさらに、プロダクション側はそういった力に任せた強要以外にも、「洗脳」に近いやり方をすることもあると紹介。例えば、プロダクションが主催するクリスマスパーティーなどに出演を拒む女性を呼び、先輩の女優たちから説得をかけたり、「ひとり暮らしをした方がいい」と勧めて親や友人など相談できる人間関係をシャットアウトして孤立に追い込むなどのやり口が紹介された。

 この放送を受けて、ネットでは、このような意見が一般視聴者から投稿されていた。

〈AV制作連中が反社会的勢力みたいなのばかりなんだから当然かも〉〈日本は、人権侵害大国だな〉〈変態クソ野郎にニーズがあるんだろうけど、これはひどい〉

 確かに、『クローズアップ現代+』で伝えられたような出演強要は実際に行われていることであり、それにより大変な苦痛を受けた女優、元女優も相当数、存在している。当サイトでも折に触れてそのような事例を紹介しているし、今月も「週刊文春」(文藝春秋)が二号連続でAV女優・香西咲氏による出演強要の告発記事を載せていたが、これらは氷山の一角で、声をあげることができず苦しんでいる女性はまだまだたくさんいるだろう。それは間違いない。そして、この問題には一刻も早く業界全体で取り組み、改善を図るべきだ。

 しかし、だとしても、今回の『クローズアップ現代+』の報じ方は、少し一方的過ぎるのではないだろうか。

 周知のように、このAV強要問題については、強要を告発する証言の一方で、複数のAV女優たちから否定的な意見が寄せられていた。たとえば、人気AV女優の紗倉まなや天使もえ、元AV女優の蒼井そら、やはりAV女優出身で作家の川奈まり子らも一斉に「報告書は今のAV業界の現実とかけ離れている」「過去の話で、今はもう強制や騙しなんてほとんどない」と反発の声をあげた。

 しかし、今回の『クローズアップ現代+』では、こうした声は一切取り上げられず、被害者の声や、悪質なプロダクションの存在だけがひたすらクローズアップされることになった。

 もちろん、強要に否定的な女優のほとんどは、自ら進んでAVの世界に入った人気女優であり、業界の一番過酷な実態を知らない、という声もある。しかし、これだけ多くの声が寄せられている以上、VTRで悪質な業者による脅迫や洗脳の手口を紹介するだけでなく、やはりスタジオには強要に否定的なAV業界関係者も呼んで反論の機会を与える必要はあったのではないか。

 だが、スタジオにいたのは、NHKの記者と、今年3月に「日本:強要されるアダルトビデオ撮影 ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」を発表し、AV出演強要問題に火をつけた国際人権NGO団体ヒューマンライツ・ナウ事務局長で弁護士の伊藤和子氏、そして、セックスワーカーに関する問題に取り組み続けている一般社団法人ホワイトハンズ代表理事・坂爪真吾氏だけだった。

 坂爪氏は一応、AV業界に理解を示す立場をとっていたが、ほとんど発言の時間が与えられず、放送終了数秒前にこのような言葉を残すのが精一杯だった。

「いま契約書を統一してですね、出演時に基準をつくってですね、強要が起こらないようにしようという動きは起こっています」

 ここで坂爪氏が言おうとしていたのは、今月11日に、前述の川奈まり子氏が立ち上げた、プロダクションやメーカーも巻き込んだ出演者のための業界内部の団体「表現者ネットワーク(AVAN)」のこと。この団体では、業界で統一の契約書をつくり、騙して誓約書にサインさせるといった手口が使えないように働きかけていく予定だ。坂爪氏は、AV業界内部でもこういった動きで出演強要の問題を解決しようとしていると説明しようとしていたのだが、時間がまったくないなかでそのことを理解できた一般視聴者はおそらくほとんどいなかっただろう。

 放送終了後、坂爪氏はツイッターに、悔恨と反省を込めて以下のように綴っていた。

〈統一契約書の話はギリギリねじ込めましたが、AV業界がVTRに出てくるような極悪人だらけの世界ではない、ということは時間が無くて話せず。業界関係者の皆様、申し訳ございません。。。〉

 実際、スタジオでの討論は強要を告発、批判したVTRの内容を補強する意見がほとんどをしめ、伊藤弁護士の以下のような主張が一番説得力をもって語られた。

「これ、リベンジポルノよりもひどい人権侵害だと思うんですけど、規制する立法がないということで、なかなか取り締まり、刑事的な処罰というのも難しい状況なんですね。そういった面で私たちとしても、効果的な規制立法を新たにつくってほしいと訴えているところです」

 たしかに、AV出演強要は早急に解決すべき問題だが、刑事的な処罰、規制立法が必要というのは短絡的すぎないだろうか。前述のように、今、AV業界は自主的にこの問題を解決すべく動き始めている、にもかかわらず、当局の法的規制を求めるのは、権力に新たな利権を与えるだけではないのか。

 実際、このAV強要問題を、NHKはじめ新聞やテレビが取り上げ始めた裏には、警察や厚労省の存在があるのではないかともいわれている。

 前述の通り、「AV出演強要」をめぐる議論が現在のように盛り上がり始めたのは、6月2日に内閣府が「AV出演強要についての実態把握に努める」という答弁書を閣議決定。その9日後に大手AVプロダクションであるマークスジャパンの元社長ら3人が労働者派遣法違反容疑で逮捕されたのがきっかけだった。

 実はこの前後から、厚生労働省、警察がやたらマスコミにAV強要問題を取り組んでほしいという意向をPRしていたという。

「厚労省でもなんらかの規制が必要、対策を開始したいとのブリーフィングがあったようですし、警視庁の生活安全部の幹部は、AV出演強要を摘発していくと息巻いていました。その数日後に、マークスジャパンの摘発があったわけですが、警視庁はまだまだやると言っています。大手新聞やNHKまでこのAV出演強要問題を取り上げ始めたのは、その空気に敏感に反応しているからです」(全国紙社会部記者)

 しかも、この問題にやたら熱心な厚労省と警視庁の姿勢の裏には、これを機に新たなAV業界の監督団体をつくって、自分たちの利権にしたいという意図があるのではないか、といわれている。実際、過去には、警察がメーカー90社以上が加盟していた審査機関最大手の日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)をつくらせ、そこを警察OBの天下り団体、たとえば事務局長のポジションを天下りポストにしてきた実態もある。

 いずれにしても、これから先、マスコミ、政府、警察の三者が一体となったこの出演強要問題追及の動きはさらに激しくなるだろう。特に警視庁は複数のAV女優にアプローチして、出演強要を告発させるべく働きかけているというから、今後、次々とAVプロダクション関係者が逮捕されるという事態も起きるかもしれない。

 そして、こうした警視庁や厚労省の裏の動きを見ていると、その摘発の過程で冤罪が起きる可能性も決して否定できない。実際、マークジャパンの事件では、同社の系列事務所に所属しAV女優にとどまらずさまざまなジャンルで活躍を見せている初美沙希が、この事件が冤罪であることをツイッターでほのめかしている。

 だが、仮にこうした摘発が冤罪だったとしても、AV出演強要の問題は女性差別の問題も内包しているため、それを訴える声が世論に支持されることは難しい。結果的には、プロダクション側が泣き寝入りし、厚労省や警視庁の新たなAV業界利権化の動きだけが進んでいくことになりかねない。

 改めて言うが、AV出演強要は明らかな女性の人権侵害だ。きちんとした実効性のある対策を早急に進めるべきだろう。しかし、同時に、こうした問題を利用して自らの利権を拡大しようという権力の邪な動きについても、注意深くチェックしていく必要がある。
(田中 教)

『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』ファン・ジョンミンとチョンウのメッセージ&冒頭映像公開

【リアルサウンドより】

 7月30日に公開される映画『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』より、ファン・ジョンミンとチョンウのメッセージ映像と本編の冒頭映像が公開された。

 本作は、山岳史上最も壮絶な挑戦を行った、実在の登山家オム・ホンギルと仲間たちの軌跡を描いた山岳ドラマ。オム・ホンギル率いる“ヒューマン遠征隊”が、エベレストで死んだ仲間の亡骸を探すため、記録には残らない過酷な遠征に挑む模様を描く。『パイレーツ』のイ・ソクフン監督がメガホンを取り、『国際市場で逢いましょう』のファン・ジョンミン、『応答せよ1994』のチョンウ、『サスペクト 哀しき容疑者』のチョ・ソンハ、『王になった男』のキム・イングォン、『トガニ 幼き瞳の告発』のチョン・ユミらが出演する。

『ヒマラヤ』冒頭映像&グリーティング映像

 このたび公開されたのは、登山家オム・ホンギル役を演じたファン・ジョンミンと、後輩ムテク役を演じたチョンウによる、日本のファンに向けたメッセージ映像と、本編の冒頭映像が合わさったもの。2人が「ヒマラヤ ファイティン!」「カミングスーン」などメッセージを送る映像に続き、ホンギルが雪崩に襲われるシーンや、ホンギルとムテクの出会いのシーンなどが収められた本編映像が映し出される。

■公開情報
『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』
7月30日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
監督:イ・ソクフン
出演:ファン・ジョンミン、チョンウ、チョ・ソンハ、キム・イングォン、チョン・ユミ
配給:CJ Entertainment Japan
協力:大韓航空
後援:全国山の日協議会
2015年/韓国映画/124分/シネスコ/カラー/5.1chデジタル/日本語字幕:小寺由香
(c)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
公式サイト:himalayas-movie.jp

「障がい者を殺せば税金が浮く」植松容疑者の狂気は自民党政権の障がい者切り捨て、新自由主主義政策と地続きだ

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YouTube「ANNnewsCH」より

【本と雑誌のニュースサイトリテラより】

 神奈川県相模原市の障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」での 大量殺傷事件をめぐっては、容疑者の犯行予告を把握しながら事件を防げなかった警察の不手際ではないかという声のほか、措置入院を解除した指定医と自治体に判断ミスはなかったのか、そもそも植松聖容疑者に責任能力はあるのかなど、さまざまな指摘がなされている。

 だが、今回の事件では、特異なひとりの人物の狂気ということだけでは語れない問題がある。それは、植松容疑者に、障がい者をターゲットにすることの正当性を与えた思想だ。

 植松容疑者は通っていた理容室の店員に「(障がい者)ひとりにつき税金がこれだけ使われている」「何人殺せばいくら税金が浮く」というようなことを語っていたことがわかっている。

「身障者のせいで税金が」かかる−−−−。これは、実は小泉政権から始まり、安倍政権でエスカレートした新自由主義的身障者政策と完全にシンクロするものだ。

 そもそも以前は、サービスを利用した場合の費用負担は障がい者の支払い能力に応じた「応能負担」だった。ところが、2005年、小泉政権下で障害者自立支援法が成立すると、サービスにかかる費用の1割を当事者が負担する「応益負担」となった。そのため、障がいをもつ人やその家族は急激な負担増を強いられ、なかにはサービスを受けられなくなるケースもあり、障がい者の尊厳と生存権さえ奪うものだと大きな批判を受けた。

 その後、障害者自立支援法は民主党の野田政権で廃止が閣議決定されたものの、骨格はほぼ同じままに障害者総合支援法へと名称を変更。そして問題は今年5月、この障害者総合支援法を安倍政権がさらに「改悪」させたことだ。法改正では新サービスの提供の一方でグループホームに入所している軽度障がい者が追い出しの対象になる懸念や、批判の強かった65歳になった障がい者には半強制的に自己負担が発生する介護保険に移行させられる制度がそのままになるなど、給付の削減を押し進めるものとなった。

 他方、障がい者施設のほうは、こうした支援法のもとで競争原理や営利主義に走らざるを得ず、入所する障がい者に早期退所を迫るなど”間違った福祉”への傾向を強めた。同時に、補助金や支援金が削られるなどの減収によって厳しい施設運営を強いられ、現場のヘルパーの報酬も大幅に引き下げられた。そのため慢性的な人手不足に陥ったり、財政難で人員がギリギリといった施設は増加。しかも、安倍政権は昨年4月、介護報酬を9年ぶりに引き下げた。その結果、人手不足に拍車がかかり、介護事業所の倒産が相次いだ。職員はどんどんと過酷な労働環境へと追い込まれていったのだ。

 当然、職員の賃金はまったく上がらない。2014年には全国平均で介護職員の給料は常勤で21万9700円であり、全産業平均の32万9600円より11万円も低い。今回、事件が起きた「津久井やまゆり園」でも、ハローワークのパート募集情報によると、入所者の生活支援員の時給は夜勤でも905円。これは神奈川県の最低賃金と同じ金額だ。

 厳しい労働環境にくわえて、働いても働いても給与が上がらない現実──。知的障がい者施設では、職員や介護ヘルパーによる障がい者への虐待、暴行が相次いでいるが、こうしたストレスのはけ口になっている部分はあるだろう。

 人手不足による劣悪な労働と、労働にまったく見合わない給料。そうして生まれた過度なストレスが罪のない入所者にぶつけられる──。このような問題を防ぐためには、介護職の労働問題をすみやかに是正するべきだが、しかし、今回の植松容疑者には、もっと深いゆがみが見え隠れする。

 それは、植松容疑者の場合、自分の置かれた劣悪な労働環境を生み出した側の論理に憑依し、自分の狂気を正当化していったきらいがあるからだ。

 前述した「(障がい者)ひとりにつき税金がこれだけ使われている」「何人殺せばいくら税金が浮く」といった植松容疑者の発想は明らかに、この十数年にわたる政治家たちの発言から影響を受けたものだ。

 現に、石原慎太郎元東京都知事は、1999年に障がい者施設を訪れ、「ああいう人ってのは人格があるのかね」「絶対よくならない、自分が誰だか分からない、人間として生まれてきたけれどああいう障害で、ああいう状況になって……」「おそらく西洋人なんか切り捨てちゃうんじゃないかと思う」「ああいう問題って安楽死なんかにつながるんじゃないかという気がする」と、到底、都知事とは思えない暴言を吐いている。

 また、慎太郎の息子である石原伸晃・経済再生担当相は、12年9月に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)で社会保障費削減について問われた際、生活保護をネット上の蔑称である「ナマポ」という言葉で表現し、社会保障費の話の最中に”私なら延命治療などせずに尊厳死を選択する”という趣旨の発言を行った。さらに、麻生太郎元首相は今年6月、老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言している。

 これらの政治家たちは一様に、障がい者、生活保護受給者、高齢者といった社会福祉の当然の対象である弱者を差別的な視点から俎上に載せた上で、”生きる価値がない”と烙印を押しているに等しい。そして、彼らの共通点は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量る新自由主義を信奉していることだ。

 社会福祉は人の命にかかわる問題であり、本来はひとりひとりが生きやすい世の中をつくることが政府や行政には求められる。しかし、弱肉強食が基本となる新自由主義政策の前では、そうした社会保障にかかる費用も「個人の責任」にすり替えられる。事実、安倍首相が信奉し、新自由主義に基づく政治を断行したイギリスのサッチャー元首相は「福祉国家の縮小」を掲げて社会保障費を削減、経済格差を拡大させた。安倍首相が目指すのも同じかたちの社会だ。

 そして、市場原理優先の新自由主義の考え方は、障がい者をコストのかかる存在と見なす優生思想が深く結び付き、社会に広く共有されるようになってしまった。障がいをもった子はコストがかかるから産まないほうがいい──そう考える人が現在、圧倒的であるという事実は、新型出生前診断で”異常”が判明したときに約96パーセントの人が中絶を選択しているというデータが指し示しているだろう。

 自身も障がいをもっているという学者・野崎泰伸氏は、著書『「共倒れ」社会を超えて 生の無条件の肯定へ!』(筑摩書房)のなかで、〈より多くのコストをかけて育てなければいけない生は、資源を無駄遣いする劣った生であると捉えられている〉という現実を指摘し、命を選別したり、障がい者に生きる苦労を強いて〈かわいそうな存在〉にしてしまう社会の構造そのものに疑問を投げかける。さらに、その社会のあり方に踏み込むかたちで、〈現安倍政権は、異質な人間を排除し、同質な人間をのみ成員とする社会を作ろうとしているように思えてなりません〉と言及している。

〈この社会において私たちは、「生そのもの」を一般化・抽象化していく圧倒的な権力に巻きこまれています。しかも、その状況は、「どうせこの社会は、すぐには変わらない」「そんなことをしても仕方ない」と口にしてしまいたくなるほど、深刻なところまできています。福島第一原発が起きても原発がなくならないのは「仕方ない」、ヘイトスピーチがあるのは「仕方がない」、この社会の役に立たない人間に社会保障なんて必要ないし、死んでいったとしても「仕方がない」……。こうした風潮が、「生そのもの」を一般化・抽象化し、私たちに「犠牲」を強いたり、自ら率先して「犠牲」を受け入れるよう仕向けたりするのです〉(前掲書より)

 役に立たない人間は死んでも仕方がない。こうした弱者排除の思想によって得をする人間は、一部の支配層だけだ。だが、そうした「強者」の論理を、ほんとうはその社会システムのなかで「弱者」という同じ境遇に立たされている植松容疑者のような人間が、なぜか熱烈に支持をする。それは新自由主義者たちが社会保障をことさらに「特権」などという言葉を用いて、”もっと楽をし、得をして生きている人間がいる”と強調してきたからだろう。前述したように障がい者に対して、石原慎太郎などは生きる価値さえ認めようとはしていないのだ。

 今回の相模原市における事件は「狂気の犯行」と呼ぶべきものだが、障がい者を「金がかかる存在」として狂気の矛先を向けた事実は、けっして無視することはできない。この狂気は、新自由主義と排他主義のなれの果て。そう捉えることもできるからだ。

 そして、この国ではすでに、平然と弱者排除を口にする政治家たちが幅をきかせ、それにより「障がい者は金がかかる」という”狂気的な”価値観が広がっていることを、看過してはいけない。
(編集部)

ザ・ビートルズの公式ドキュメンタリー予告編公開 伝説のライブ映像も4Kリマスター版で上映へ

【リアルサウンドより】

 9月22日に公開される映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK – The Touring Years』の予告編が全世界で一斉公開され、あわせてザ・ビートルズの“シェイ・スタジアム”でのライブ映像が、4Kリマスター版で全世界同時上映されることが決定した。

 本作は、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』以来21年ぶりのアップル公式作品。ザ・ビートルズの多数のライブ映像と、著名人や関係者のインタビューとともに、彼らの曲の変遷と人気の理由に迫る。『ビューティフル・マインド』『ダ・ヴィンチ・コード』のロン・ハワード監督がメガホンを取った。

 このたび公開されたのは、全世界で一斉解禁となった予告編。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人が記者会見でおどける様子や、ザ・ビートルズの世界ツアーの様子が、「デイ・トリッパー」「ヘルプ!」などの楽曲に乗せて映し出される。当時モノクロだった映像もカラーで鮮明に蘇り、彼らが来日した際の映像も使用されている。映像の後半では、ポール・マッカートニーやリンゴ・スターらがインタビューに答えるシーンも含まれている。

 さらに、劇場限定で、本編映像に加え“シェイ・スタジアム”でのライブ映像の上映も決定した。予告編の冒頭にも登場する、1965年8月15日にニューヨークのシェイ・スタジアムで行われたコンサートは、56,000人以上の観衆を前に、野球場で行われた最初のロック・コンサート。14台の35mmカメラを使って撮影されたライブ映像が、アビー・ロード・スタジオでの4Kリマスター編集を経て蘇る。セットリストには、「ア・ハード・デイズ・ナイト」「ヘルプ!」「アイム・ダウン」など全11曲が含まれる。

■公開情報
『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK – The Touring Years』
9月22日(木・祝)より角川シネマ有楽町ほか全国公開
出演:ザ・ビートルズ
監督:ロン・ハワード
プロデューサー:ナイジェル・シンクレア、スコット・パスクッチ、ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード
エグゼクティブ・プロデューサー:ジェフ・ジョーンズ、ジョナサン・クライド、マイケル・ローゼンバーグ、ガイ・イースト、
ニコラス・フェラル、マーク・モンロー、ポール・クラウダー
配給:KADOKAWA
提供:KADOKAWA、テレビ東京、BSジャパン
協力:ユニバーサル ミュージック合同会社
2016年/イギリス/英語/カラー
(c)Apple Corps Limited.
公式サイト:thebeatles-eightdaysaweek.jp

綾野剛が映画界で強まる自主規制、検閲の内面化を批判!「ここまでできるのかと思った自分が弱体化している」

映画『日本で一番悪い奴ら』公式サイトより 【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  政権への忖度、ネトウヨの電凸などによるテレビの萎縮がクローズアップされているが、それは映画も同じ…

コメディドラマ『Ballers/ボウラーズ』Huluにて配信へ D・ジョンソンが元NFLスター選手役に

【リアルサウンドより】

 “ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン主演のTVドラマシリーズ『Ballers/ボウラーズ』が、7月30日よりオンライン動画配信サービスHuluにて日本独占配信されることが決定し、あわせて予告編が公開された。

 本作は、2015年よりアメリカの放送局HBOで放送されたコメディドラマ。現在はファイナンシャル・アドバイザーとして働く、元NFLスター選手スペンサーの第2の人生と、現役アメフト選手たちの豪快な日常を描く。

 『カリフォルニア・ダウン』のジョンソンが主人公スペンサーを演じるほか、共演には、デンゼル・ワシントンの息子であるジョン・デイビッド・ワシントン、『バトルフロント』のオマール・ミラー、『ウォーム・ボディーズ』のロブ・コードリーらが名を連ねる。また、『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のスティーブン・レビンソン、『テッド』シリーズのマーク・ウォールバーグが制作総指揮として参加している。

『Ballers/ボウラーズ』予告編

 あわせて公開された予告編では、試合中の怪我により引退を余儀なくされたアメフト選手スペンサーが、選手の人生マネージメントという第2の人生を送る模様が描かれる。

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■配信情報
『Ballers/ボウラーズ』
7月30日(土)配信スタート 以降、毎週土曜日1話ずつ配信予定(全10話)
製作総指揮:スティーブン・レビンソン、マーク・ウォールバーグ
出演:ドウェイン・ジョンソン、ジョン・デイビッド・ワシントン、オマール・ミラー、ドノバン・カーター、ロブ・コードリーほか
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「ポケモンGO」ブームで自民党が姑息な政治利用、マスコミは批判の意味を込めたシリアからのSOSメッセージを歪曲

『Pokémon GO』公式サイトより 【本と雑誌のニュースサイトリテラより】  いま、世界中で大ブームになっている任天堂のスマートフォンゲーム「ポケモンGO」。今月22日に日本国…

チェ・ミンシク×大杉漣共演『隻眼の虎』など4作品を上映 「WEC2016」開催決定

【リアルサウンドより】

 特集上映「ワールド・エクストリーム・シネマ2016」が、10月1日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催されることが決定した。

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 「ワールド・エクストリーム・シネマ」は、“世界中のガツン!とくる映画集めました。”をテーマに2014年と2015年に開催されてきた特集上映。3回目の開催となる今回は、韓国映画『隻眼の虎』、カナダ映画『ハイエナ・ロード』、フランス映画『ザ・クルー』、イタリア映画『ハングリー・ハーツ』の4本がラインナップ。

 『隻眼の虎』は、朝鮮最後の虎を巡る戦いを描いた史劇。『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクと大杉漣が共演し、『新しき世界』のパク・フンジョン監督がメガホンを取った。

 『ハイエナ・ロード』は、カナダ版アカデミー賞で3部門を受賞した戦争アクション。カナダを中心に活躍しているポール・グロスが監督・脚本・出演を務めるほか、キーファー・サザーランドの義弟ロッシフ・サザーランドが出演している。

 『ザ・クルー』は、『フランス特殊部隊 GIGN』のジュリアン・ルクレルク監督が手がけた、武装強盗団とギャングの戦いを描いたクライム・アクション。キャストには、『彼女たちの時間』のサミ・ブアジラ、『ぼくを探しに』のギョーム・グイ、『あの夏の子供たち』のアリス・ドゥ・ランクザンらが名を連ねている。

 第27回東京国際映画祭でも上映された『ハングリー・ハーツ』は、『素数たちの孤独』のサヴェリオ・コスタンツァ監督が手がけたサスペンス。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のアダム・ドライヴァー、と『眠れる美女』のアルバ・ロルヴァルケルは、本作で第71回ヴェネツィア国際映画祭主演男優書と女優賞をW受賞している。

 なお、「ワールド・エクストリーム・シネマ2016」で上映される4作品すべてを鑑賞した観客に、もれなく“限定海外ビジュアルチラシ”がプレゼントされる「ワールド・エクストリーム・チラシ キャンぺーン」の実施も決定している。

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『隻眼の虎』

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『ハイエナ・ロード』

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『ザ・クルー』

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『ハングリー・ハーツ』

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『隻眼の虎』海外版ポスター

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『ハイエナ・ロード』海外版ポスター

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『ザ・クルー』海外版ポスター

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『ハングリー・ハーツ』海外版ポスター

■公開情報
「ワールド・エクストリーム・シネマ2016」
10月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催

上映作品:
『隻眼の虎』
監督:パク・フンジョン
出演:チェ・ミンシク、大杉漣、チョン・マンシク、キム・サンホ
2015/韓国/カラー/139分(予定)/シネスコ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:대호(英題:TIGER)

『ハイエナ・ロード』
監督・脚本・出演:ポール・グロス
出演:ロッシフ・サザーランド、クリスティーン・ホーン、クラーク・ジョンソン
2015/カナダ/カラー/120分(予定)/シネスコ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:HYENA ROAD

『ザ・クルー』
監督・脚本:ジュリアン・ルクレルク
出演:サミ・ブアジラ、ギョーム・グイ、アリス・ドゥ・ランクザン
2015/フランス/カラー/81分(予定)/シネスコ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:BRAQUEURS(英題:THE CREW)

『ハングリー・ハーツ』
監督・脚本:サヴェリオ・コスタンツァ
出演:アダム・ドライヴァー、アルバ・ロルヴァルケル、ロバータ・マクス ウェル
2014/イタリア/カラー/109分(予定)/ビスタ/ドルビーSRD/デジタル上映/原題:HUNGRY HEARTS

配給:クロックワークス
公式サイト:http://world-extreme-cinema.com/

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