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星野源の魅力は「どう考えてもニュータイプ」、童貞風ルックスと有能ぶりのギャップ

 10月から放送開始されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で一躍大ブレイクを果たした俳優・シンガーソングライターの星野源。今や日本中の女子が最も熱狂している芸能人の一人だが、その魅力がいまいち理解できない男性陣の声も目立つ。「全然イケメンじゃないのに」「モテる理由がわからん…」と頭を抱える男性たちに聞いて欲しいことがある。いやいや、薄い顔(塩顔)はモテるのだ。小さい目でもモテるのだ。背が高くなくても全体のバランスが良いから問題などないのだ。なにより、星野にはルックス以外にモテて然るべき理由がある。

 まず、星野の華々しい交際遍歴を振り返ってみる。最も有名なのが、もはや大御所と呼んでいいレベルのベテランでありながら若々しさを失わない恋愛楽曲の名手・aikoとの熱愛だろう。二人の交際が発覚したのは2011年で、aikoの自宅マンションに星野が訪れていたことが報じられ、仲睦まじく外出している姿も激写されていた。いつしか破局を迎えていたようで、昨年10月には女優・モデルの二階堂ふみとの熱愛が発覚。映画『地獄でなぜ悪い』の共演で知り合い、その後ウェブ動画での再共演がきっかけで交際を始めたようなのだが、13歳年下の人気女優をあっさり落としてしまうあたり、さすがのモテっぷりだ。そのほか、女優の夏帆との仲が噂されたこともあった。ちなみに二階堂ふみの元カレは新井浩文、その新井は現在は夏帆と“結婚秒読み”という、内輪でグールグルな関係性も面白い。

 ドラマ『逃げ恥』では童貞役だし、主演映画『箱入り息子の恋』でも童貞役だった星野源。いわゆる童貞顔をしている、あるいは童貞役にハマる空気感を醸しだしているということになるが、そのイメージと裏腹に明るく付き合いやすい実像が見えてくる。さらに、あらためてそのスペックを分析してみれば、モテるべくしてモテていることが分かる。

 一つ目が俳優としての存在感である。『逃げ恥』では基本的にコミカルながら、しんみり涙を誘うシーンの表情も巧い。契約妻であるみくり(新垣結衣)がベッドに残した匂いに包まれて挙動不審になったりする様は「童貞よりも童貞っぽい」と高い評価を得ていた。もともと劇団大人計画に所属し、20歳前後から舞台に立ち実力を磨いてきた。大人計画といえば喜劇であり、星野はコント番組での評判も上々だ。

 次に、シンガーソングライターとしての実力も折り紙つき。当初はインストゥルメンタルバンドで活動していたものの、2010年にソロデビューすると楽曲が次々にヒットして、2015年には『NHK紅白歌合戦』への出場も果たしている。草食系を連想させるキャラクターに合った優しい歌声で多くの女性ファンを獲得しているようだ。嵐など他アーティストへの楽曲提供もしており、NHKEテレの幼児向け番組『みぃつけた!』で今春に流れていた星野作曲・宮藤官九郎作詞の『グローイング アップップ』は全国のパパママを号泣させる掛け値なしの名曲だった。

 星野のファッションセンスも注目されているらしい。とあるサイトで行われた「彼氏に真似してほしいファッションの男性芸能人は?」というアンケートでは、無難系の向井理や奇抜系のオダギリジョーを抑えて1位に輝いたこともある。星野のファッションは派手すぎず地味すぎない“ほどほど感”が特徴だが、ポイントは常に清潔感に溢れているところ。ミュージシャンとしての才能に抜群の演技力、さらに清潔感ときたらモテない理由がない。また、コラムニストとして作家活動もしており、5冊の著書をリリースしている。「なんとなく頭が良さそう!」という印象まで与えてくるとは……。

 そんな星野の魅力を2006年にすでに見抜いていたのが、『SCOOP!』などで知られる映画監督の大根仁だ。大根はブログで「星野君の表現スタイルはどう考えてもニュータイプ」「バランスが良いとかそういうことではなく、音楽的才能と役者的才能が生まれつき同じ分量で備わっている」と、役者とミュージシャンの二刀流で活躍する実力を絶賛。さらにその上で、星野の魅力について「これは世代的なことが大きいのだけれど、変な自己主張やがっつきが無いこと。『俺、なんでもやれちゃうもんねえカッコ良いだろう』という邪気がまったくない」というように語っていた。

 一見目立たないが才能の塊、というのは男女問わず「私が見つけた!」と言いたくなるもの。結局のところ一番モテるのは、そんな“私だけの彼氏”ポジションの男性なのかもしれない。しかもそばにいてほしくなるような優しげなオーラと清潔感を備えている星野がブレイクしたのは必然だった。もちろん、あくまでも大衆が見ているのは彼の「イメージ」に過ぎないのだが。

(ボンゾ)

劣化騒動の嘘!「激太り」を揶揄される河村隆一、実は頬がこけるほど痩せている

 11月9日に行われたゴルフトーナメント『三井住友VISA太平洋マスターズ』に出場した橋本マナミが、一緒に参加した河村隆一(LUNA SEA/Tourbillonの名義ではRYUICHIだが、本稿では河村隆一表記で統一する)と共に撮った写真を自身のインスタグラムにアップした。そしてこれがネットで広まり、「河村太りすぎ!」「顔がパンパンじゃね」「これが河村隆一だと?」と嘲笑の的になってしまった。しかしちょっと調べればわかることだが、わずか一カ月前の時点での河村は引き締まった顔をしており、橋本の写真はある意味“逆奇跡の写真”といってもいいほどの酷い写り方をしているだけなのだ。

 一カ月前は日本最大・10万人規模のヴィジュアル系音楽フェス「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten」(以下、「VJS」)が3日間にわたって開催され、LUNA SEAはX JAPANに次ぐビッグネームとして2日間出演した。「WOWOW 音楽フェス」Twitterでは、修正なしのLUNA SEAメンバーが揃った生写真が掲載されているのだが、河村は太っているどころか、頬がこけているように見えるほど痩せている。また、橋本の写真よりも、WOWOWの写真の方がはっきりと顔が写っていることから、こちらが真の河村の姿と言えるのではないだろうか。ちなみにその時の映像を見てもやはり河村が太っているようには全く見えない。実際にライブに参加した人も「VJSの時、痩せててめっちゃ格好良かったよ?」「VJSはかなり近くで河村隆一を見て、相変わらず顔変わらんな~とか思ったんだけど……」と声をあげている。

 そもそも橋本の写真の河村はつばの大きい帽子を被っていることで、変に顔に影が落ちてしまっていることや、首元がかなり詰まった服を着ていることで、余計に顔が大きく見えてしまっているのではないだろうか。体も太いという指摘もあるが、河村は元々上半身がガッチリして厚みのある、所謂Tシャツが似合わない体つきであり(藤原紀香と片岡愛之助夫婦、米倉涼子などもコレだ)、肥満とは言えないだろう。

 90年代後半の、河村の最もメディア露出が多かったころは、病的に痩せていて頬骨が浮き出るほどであったため、そこから標準体型に戻るだけでも(46歳という年齢を考えると標準以下かも)、当時を知る人たちからすれば太く見えてしまうのだろうか。

 だが確かに2008年当たり以降から河村の体重が大きく変動しているのは事実。しかしそれは決して不摂生からくるものであるわけではなく、ソロ活動とバンド活動を両立しているから。河村はソロ活動でノーマイク・ノースピーカーのコンサートを開くほど、自身の歌に絶対の自信があるとともに、歌声に関してのこだわりも熱い。ファンの間では、バラード中心のソロライブではより伸びやかな声を発するために、あえて体系を太らせていると言われているのだ。事実、キレの良さや、ヴィジュアルが求められるLUNA SEAのライブでは、前のソロ活動の時にどれだけ太っていようと、すぐに体系を戻してくる。

 しかし嫌らしいことに、世間ではソロ活動時の太った時期ばかりにフォーカスして叩く。全盛期の河村の美しさを知っているだけに、それが崩れた、他人の不幸なさまがたまらなく嬉しいのだろう。河村に限らず、若い頃に美しかった芸能人は、ちょっとした“逆奇跡の写真”をすぐに拡散されては「劣化した」「誰だよこいつwww」「昔はキレイだったのにヒドイ」と笑いものにされる傾向がある。特に河村のようにナルシストな性格で、一部のモテない男から反感を買っていた芸能人は、ここぞとばかりに叩かれる傾向があるようだ。工藤静香、浜崎あゆみ、小泉今日子など若い頃に美しいけど生意気だった女性芸能人が、年相応に顔が変わっただけで「劣化www」と笑われていることからも、こういった傾向は女性にもあるようだ。

 何万枚もある芸能人の写真から“逆奇跡の写真”を探し出して、人の容姿を叩くのはあまりにも酷ではないだろうか? 写りによっていくらでも顔が変化するのは、スマホ時代の今なら誰でも知っているはず。動画の一コマをキャプチャして芸能人を笑いものにしても、面白くもなんでもないのではないだろうか。
(プラント)

17歳V系ボーカル、個人情報を晒しまくって自宅突撃される

皆さんこんにちは(^O^)
HEROというバンドでボーカルをしているJINだよ(^O^)
今月はライブツアーで忙しいせいか現実逃避、日記じゃなくて過去の危険な記憶です(^O^)

×月△日 実家突

最近はワンマンツアーで週に一度は長い時間歌う。
ちなみに今回のワンマンツアーは年末まで最低週に一度は長い時間歌う
しかも他のバンドと一緒に行われる
イベントライブもその間に入ってくる。

最初の方は
「よーし!今日も良いライブだった!このまま最後まで突っ走るぞー!」

と意気込む。

中盤戦は
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃだめだ逃げちゃダメだ
逃げちゃダメなの?誰が決めたの?」

になる。←今ココ

最終的には
「逃げるのは確定したとしてどう逃げきるか(白目」

になる。

中盤戦になると現実逃避のために過去の楽しかったことなどを思い出す。
そんな中で思い出さなくても良いしょうもない過去を思い出したので書こうと思う。

バンドだったりアイドルだったりタレントだったり、いわゆる人気商売でご飯を食べる人は、ファンからの愛で生きていける。
ファンが自分達や自分達の音楽を愛してくれるからライブに来てくれるし
自分達も愛して貰うために頑張って活動するしファンを愛すワケだ。

だが時々、
愛が重すぎてもはや憎しみじゃねソレ? 的な愛をぶつけてくるファンもいる。
俺は貰ったことは無いが、「手紙に髪の毛や爪が入っていた」なんて恐怖体験をしたバンドマンもいる。

そしてそれを踏まえて
俺たちが一番犯してはならないミスがある

それは

「住んでいる場所がバレる」

ことである。

俺はデビューが17歳の後半だった。
当時すでに売れているバンドに加入する形でのデビュー。
売れているバンドの人たちは皆25歳くらいの年齢で、17歳の俺の存在自体が異例でかなりちやほやされた。

その頃のビジュアル系はミステリアスでなんぼ。
私生活を見せないことが当たり前だった。

しかし俺氏。当時からの目立ちたがり精神を更にこじらせる。

当時のステージネーム、というか今もそうだが
「JIN」と表記しているにもかかわらず、
目立つためだけに

「本名は高橋尽って言います」
「17歳です」
「実家は川越で親は神父さんです」

等と、個人情報を自ら漏洩しまくる暴挙に乗り出す。アホである。

結果

インターネット等で実家を特定される。

自分でバラしといてなんだが、

「実家には来ないでね」

とブログで書く羽目に。

来たんだよ、ファンが……。

実家付近にファンが出没するのは、今から5年ほど前に一人暮らしを始めるまで続いた。

「今、尽くんちの近くのファミマなう^^」
的なファンメールはしょっちゅう。

まぁ自業自得だが母ちゃんには
「多分大丈夫だけどファンが俺を訪ねて来てもいないって言ってくれ」
と伝え、母ちゃんも
「分かった! 任せなさい!」
と言っていた。

だがある日、家のチャイムがなりいつも通り母ちゃんが応対する。
そして俺の部屋をノックした母ちゃんは

「じーん! ファンの子が来たよー!」

アホなのは親譲りだったことに気付く。

仕方ないから応対した。
2人組の女の子だ。
以下AとBとしよう。

A「……」
B「急に押し掛けてすいません(>_
俺「え? 何ソレ?(てか誰?)」
B「○○さん←(あるバンドマンの名前)からお聞きしてます!」
俺「え? そんなん言ってないよ?(てか人生でまだAと会話したことないよ)」
B「え? そうなんですか? Aのことが好きと聞いて訪ねてきたんですが。すごく良い子なんですよ!」

それにしてもこいつ良く喋るなと思いながらも大人の対応。

俺「いや。ごめんね。他のファンに悪いから大変申し訳ないんだけど帰ってもらっていい? ごめんね」

意外にもあっさり、2人は帰って行った。
後日○○さんに事情を話して見たところ全く心辺りがないとのこと。
あれは何だったんだろう。
ちょっとした恐怖体験である。

皆さんも
もし何かのきっかけで有名になっても実家の住所は死守して下さい。
Youtuberとかね。ツイキャス主とかね。みんなね、個人情報大事にね!!!!!

今日はここまで!

HEROのことが気になった方は
YouTube等で「HERO V系」とか検索してみて下さい(^O^)

「V系」を入れないとキムタク出てくるから「V系」と入れてな(^O^)

入浴&キスシーンとガッキーの勝負下着! 視聴者しか恋心と結び付けない“不思議ドラマ”/『逃げ恥』第六話

15日放送の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)第6話が平均視聴率13.6%を獲得し、5週連続の視聴率上昇となりました。この数字は同局「火10枠ドラマ」にて最高記録なのだとか。それもそのはず。ついに、ついにやって来ましたよ、この時が。

 前回、百合ちゃん(石田ゆり子)に新婚感を演出するために設定した“ハグの日”により、「友達以上、恋人未満くらいが、ぬるく楽しくちょうどいい」と平和な日常を過ごしていたみくり(新垣結衣)と平匡さん(星野源)。そんなある日。百合ちゃんに「2人の関係を心配していた時期に申し込んだ」と“新婚旅行(温泉旅館宿泊券)”をプレゼントされたのです。渋々受け取った2人は“社員旅行”とかこつけて出発しました。

 部屋に着いたらダブルベッド(百合ちゃんの優しさ)だし、空調の故障により部屋を変更したら露天風呂付きの個室だし、みくりの元彼(大声のばかっぽいクレーマー)に遭遇するし。何より、出発前に平匡さんが日野さん(藤井隆)にプレゼントされた物を現地で開けてみると“マムシエキス・どくろターボ3本セット”だし。これを隠すために悪戦苦闘した結果、みくりの上に覆いかぶさりキスしちゃいそうになったり。結局みくりはこっそり見ちゃって、念のため持ってきたオニューの下着を着ちゃったり。……ていうか、みくり! オニューの下着を持ってきたってことは、「もしかしたらするかも」って、「してもいいかも」って思ってるってことじゃないですか! 視聴者だけが目撃したOKサイン!!

 それでも夜になると、一度はベッドで並んで寝てみたものの、2人して眠れないんですよ。なので、勝負下着のみくりは背を向けて寝ている(フリしている)平匡さんに触れようと手を伸ばしたのです。

 が、その瞬間に寝返りを打って失敗しちゃうんですけど。最終的には、平匡さんがアイマスク×耳栓を装着し、床に寝そべって朝を迎えました。みくりは下着を仕込んでいた自分に「私は何をやってるんだろう」と落ち込み、これまでの「結婚しましょう」「付き合いましょう」「ハグしましょう」といった提案は、平匡さんは優しいからすべて受け入れてくれるけど、「いつも私から。もう疲れた」と嘆きます。一方の平匡さんはというと、「安全装置のついた疑似体験は悪くない」とみくりとの関係が心地よくなってきたのです。見事に思いがすれ違う2人。

 帰りの電車では“今、手を繋いだらどうなるか”という個々の妄想で2人の思いが交差します。みくりは、きっと驚かれるけど「新婚旅行感を醸し出すため」と言えば平匡さんは困った顔をしつつも仕方なく受け入れてくれると予想しつつ「でも、私が欲しいのは仕方なくじゃなくて……私は平匡さんに何を求めているんだろう」「今まで通りでいい。何もしない、何も求めない」と諦めの涙を流します。一方で「疲れたけど楽しかったな」と笑みを浮かべている平匡さん。すごいすれ違い!!

 そして、「あと一駅、あと一駅。永遠に着かなければいいのに」という言葉が2人の頭の中でシンクロ再生され……駅に着くやいなや、平匡さんがみくりの手を握り、キスしたのです! それも、プロ童貞らしからぬ、上手な手繋ぎ&キス! 隠しきれない(ヤリティンと噂の)星野源感が溢れた瞬間でした。怒涛の甘酸っぱい展開に、各ネット掲示板では平匡さんブームが到来しています。あ、星野源ではなく、あくまで平匡さんなところが『逃げ恥』視聴者っぽくて好きですね。

 今回は、百合ちゃんが仕事の愚痴をいつものバーでこぼしていた際の、マスターの台詞「人は見返りを求める、特に恋愛は」と、沼田さん(古田新太)の台詞「わりなんて考えてたら何もできないよ」が布石となっていました。さらに混線を予感させるのはニセ野内・風見さん(大谷亮平)の恋心が動き出しそうだから。百合ちゃんが旅行を漫喫している2人の写メをニセ野内に見せると大層ショックを受けたようで、ニセ野内は「この歳になってショックを受けたのかもわからない、僕は何を求めてるんでしょう」と何だかおセンチな様子。

 来週は、そんなニセ野内とみくりに動きがありそうです。平匡さんの相談をしちゃうとか。さらに、みくりは平匡さんをハグしながら「私はいいですよ、平匡さんなら」なんて言っちゃってます。それにしても。2人の感情って、俗に言う“恋”とか“両思い”に見えるんですけど、そう思っているのは視聴者しかいないんですよね。このもどかしさが「イライラ」じゃなく「ほのぼの」に繋がるのは役者のおかげ? 演出が上手いから? つくづく不思議なドラマです。

(ドラマウォッチ:ナチョス)

饒舌な子宮いわく、一番の美容法は「誰でもいいからセックスして、マジイキ」…雑すぎる“メソッド”を広める罪!

 この秋ますますアツい〈子宮系女子〉たちの新刊レビュー、後編をお届けします。

▼前篇:自立を謳いながら「女の幸せ=結婚」に縛られつづける子宮系女子の不自由

 〈子宮の声〉に耳をかたむけ魂の欲求と本当の自分を知り、性愛のタブーを超えることで愛される幸せ女子になるという子宮哲学(妄想?)。それを精力的に広めた第一人者といえば、子宮委員長はる氏です。子宮系女子のカリスマ尊師がこの秋出版した子宮本第3弾は、『美人は子宮でつくられる』(大和書房)。

 同書は毎度おなじみの〈子宮ポエム〉を美容ネタ寄りにまとめ、編集とライターの力でこぎれいなテイストで再構築したという印象です。子宮委員長が以前より拡散していた〈子宮メソッド〉に登場する〈カルマ粒〉などのスピ風味の造語は封印され、〈感情美容〉など、耳触りのいい言葉が多用されているのが特徴でしょう。しかし、どれだけオブラートに包もうとしても、中身はやはりゲスの極み女王。せっかくおきれいな言葉で書き出しても、着地点が〈ただの自己中〉。子宮の声に従って好き勝手にふるまうことが、女を美しく輝かせる! という従来の主張と変わっていません。

 第1作目『子宮委員長はるの子宮委員会』(KADOKAWA/中経出版)と異なる一番大きな点は、プロフィールに風俗嬢であった経緯が明記されていることでしょう。さすがにさんざんゲスっぷりをブログアピールしておいて、書籍になったとたんしれっと〈性愛アドバイザー〉という説明だけでは、やはり世の中が納得しなかったのでありましょうか。

元ソープ嬢アピを突然復活

 今回のプロフィールの一部だけでも濃厚さが伝わるかと思いますので、一部を抜粋して、次にご紹介しましょう。

性への好奇心から風俗の世界に興味を持ち、専門学校・会社員時代を通して風俗で働く。(中略)家族公認のもと、複数の愛人や風俗のお客様に支えられながら、性に関する活動を全国各地で開催。子宮の声にしたがって、父親不明の赤ちゃんを妊娠。達成感に包まれて風俗を引退後、子どもと血のつながらない男性と入籍し、出産。現在は1児の母であり、2人目の赤ちゃんを妊娠中。

 子宮委員長の饒舌な子宮に新たな命が宿ったことで、商売道具の〈子宮メソッド〉は次のステージへ発展しそうな気配が漂っておりますが、これは引き続きウオッチングすることにして、話を書籍に戻しましょう。

 さて、子宮系女子の考える美人の作り方とは? 「感じることで美しくなる『感情美容』のススメ」という項目では、〈厚塗りして老けて見えることに気づいていないタイプの人は、自分の感情に蓋をしている恐れがあります〉と解説。心理学でもおなじみの説明ですよね。

 くやしい!とか、みじめ!とかシンプルな感情を「味わいきる」ことをしないで無理やり自分を鼓舞して前に進もうとするのは感情を隠しているのと一緒。自然とお化粧も自身を隠すものとなり、厚塗りになる傾向があるそうです。と、出だしはそこそこ無難にまとめられているのですが、子宮委員長節の実例が出てくると、その浅さにズッコケ必須です。

 〈罪悪感を感じたときこそ、子宮の声を聞くチャンス〉という見出しに続く本文では、こんな活用法が紹介されています。

上司から残業を頼まれたけど、飲みの先約があったので断ってダッシュ→でもそこで翌日上司に謝罪するのはNG→その時間が心から楽しめないし、罪悪感が芽生えたということは、子宮から本音が飛び出してきたとき! 「残業やってる場合じゃない。だって飲みに行きたい~」そういう想いこそが、子宮の声。

なんだそうです。突然の残業を断って前もって予定していた飲み会へ行くこと自体はどうでもいいですが、それって「本音・本望・魂の欲求」ってレベルの話!? 単なる幼稚なワガママとどう違うのかを、しっかり解説していただきたい。せめて、もう一歩踏み込んだ心理分析や活用例をお願いします……。それで自分と向き合って、内面から輝く! と言われてもなあ。

雑すぎるセックス&オーガズム史上論

 さらに〈子宮の声が妊娠したがっていたから、風俗業なのに避妊せず妊娠〉という子宮に全くやさしくないプロフィール同様、相変わらずの乱暴な提案もご健在です。

「セックスは美人を作る極上のエステ」という項目では、ご自身がセックスすると美容効果を実感できるという理由から〈セックス=美活である〉と設定。子宮にとってセックスの相手は誰でもよく、〈どれだけ自分を気持ちよくさせるものを持っているか〉が重要課題とされています。人類の子宮が、ビッチ設定であったとは驚き。でも、そういう見方に変えることで、心が傷ついたがためにセックスから遠ざかっている人も、楽になるかも! という子宮委員長なりの優しさみたいです。

 子宮系女子の世界では、「セックスが嫌いです」「快楽に興味がありません」という子宮の声は、存在しないようです。巷には、ココロが傷ついた過去などの特別な理由がなく、なんとなくセックスに興味を持てない女子だっていると思うんですけど(ところが子宮系女子的にはそれは本当の気持ちよさや魂の欲求を知らないから! ってなるんでしょうね。堂々巡り)。前編でご紹介した子宮系女子みっち氏同様〈女は愛し愛されてなんぼ〉という不自由な価値観に縛られているのがよくわかります。

 ちなみに同書で最もゲス度が高かったのは、子宮委員長の風俗嬢時代のサービス内容でしょう。せっかくおきれいにまとめようとしている企画が、一気に台無し。子宮委員長らしさが失われていなくていいよねという見方もできますが。セックスで開運して幸せになる秘訣は、とことんオーガズムを感じること。子宮としては気持ちよくなることが最重要でイクこと以外はどうでもいいそうです。

 風俗嬢時代は自分がオーガズムを得られるオナニーのスタイルをセックスに持ち込み、イケるように男性にサポートしてもらうという「マジイキサービス」を実施していたと語ります。

またも雑な、風俗サービス史上論

 確かにセックスは相手まかせでなく、自分の気持ちよくなるコツを自分で把握しておくことは大切ですが、風俗で行われるのは「サービス」であることが大前提であり、プライベートなセックスとは基本的に別モノでしょう。風俗嬢時代のサービス内容を公開されても、なかなかお手本にしにくいものがあります。

子宮はいつでも自分の「快」を求めるもの。それに忠実に行動したら、自分もセックスでマジイキできるようになり、相手の男性もすごく気持ちよくイケるようになった。自分も周りもハッピーになったのです。

とありますが、それはすごく個人的な話で、伝授しまっせ! というレベルのお話ではないのでブログでやっていてほしいレベル。

〈子宮を特別なレディのように大切に扱う〉といいながら、セックスはエステやエクササイズくらいのカジュアルなものとしてとらえてOK。精神的に子宮を崇めても、やっていることが真逆ですので物理的に子宮の健康に悪いわ~。ラストでは、

もともと持っている、キラキラ輝くあなたらしい美しさを必ず取り戻すことができるのです。

とまとめられておりますが、キラキラというより、完全にギラギラ系魔女に変身するでしょう。子宮系女子たちの憧れを集める子宮委員長ですから、それでいいのだ! なんでしょうけど。新刊もやはり、一般女子には全く適用できない子宮活用術でありました。

子宮委員長の夫も処女作を出版

 実はとっくに子宮委員長の夫・岡田氏の著書も発売されている予定だったのですが、こちらは延期という憂き目を見た模様です。「まだ発売時期じゃない……!」な~んてお告げが妻の子宮から届いたのかと思っていたら、岡田氏のブログによると「ライター降板」との事情があったようです。作業が遅れていることを詫びながらも、「まったくこの原稿が書けない」とサジを投げた担当ライターからのメールがさらされておりました。

 仕事を途中で放棄すること自体は褒められた話ではありませんが、同業者として、心底同情してしまうかも。子宮系女子(とその周辺)たちのお説読んでいると、本当に本当に意味が分かりませんから。考え方や価値観が理解できないという次元ではなく、まずは日本語として解読難解。これを商業的な文章に再構築するのは、さぞかしご苦労でしょう。途中までとはいえ、心底お疲れ様でございました。※という原稿を書いているまさに今、Amazonより出荷されたようですので次回、追ってご報告いたします。

ほっこり系の子宮本も続々と出版

 伝統療法の世界でも、子宮系女子が存在していました。タイの伝統療法〈チネイザン〉と出会い、生殖器に特化したケア(ディープチネイザン)を学び、そこから〈おひさま子宮メソッド〉を考案したという子宮セラピスト井上清子氏です。

 今年6月に発行された『おひさま子宮のまほう』(ワニブックス)のサブタイトルは「カラダの中から免疫力を高め、女性の不調を癒す」です。〈免疫力〉という言葉が、まずはトンデモ系ビジネスの常套句。そろそろほかの言い方、出ないのかな。

 同書は子宮のあたたかなエネルギーに気づくと、生理痛、不妊、更年期、冷え症、肌あれ、イライラなどの不調から解放される。子宮は幸せがあふれ出てくる〈まほうの力〉を備えていると解説。出たよお、子宮万能説。ほっこりしつつも〈女性器を大切にすれば、ココロを体を大切にすることにつながる〉という思想はギラギラ系の子宮系女子たちと同様です。子宮が過去の出来事や感情を記憶しているという〈メモリー装置〉であるという解説は、子宮委員長でいうところの子宮にたまる〈カルマ粒〉でしょう。

 おひさま子宮体操は、膣トレと瞑想を合体させたような印象で、これまたどこにでもありそうなもの。「ジューシー子宮」「干し柿子宮」という造語を使っている点は印象的でしたが、内容が薄い分インパクトあるオリジナルの子宮用語で飾るのも子宮系女子の特徴かもしれません。

 スピ方面では、子宮は精子を取り込むのが最大のミッションであるから、チャンスが来たときによい物を取り込む「磁石のような引き寄せ力」を備えていると解説。これは生殖のチャンスだけでなく、健康・仕事・恋愛・結婚・夢でも発揮されるのだとか。それを言ったら体に必要な栄養を取りこむ胃袋はどうなるんでしょう。その証拠に! と言わんばかりに「おひさま子宮メソッドを取り入れた方からは「彼氏ができました」「結婚することになりました」「赤ちゃんをさずかりました」「長年の夢がかないました」という報告をもらった」とあります。パワーストーンの広告かよ!

 子宮を大事にする方法は、見て触ってマッサージして感謝の気持ちを届けること。これ、もう本当に聞き飽きたので、どなたか新たな子宮メソッドを開発してください。ちなみに、おひさま子宮においても、当然のように布ナプが推されます。同書巻末で紹介されている「満月の日に摘んだ枇杷の葉で染めたオーガニックコットンの布ナプキン」という白魔女めいた商品は、Lサイズ4800円(税抜)。お高い生理用ナプキンであります。

なぜ子宮本が出版されるのか?

 そのほか、当連載で過去にご紹介した子宮擬人化ワークがお得意な、黒川彩子氏の初著書『子宮がおしえてくれる人生を彩るヒミツ~ココロとカラダの対話レッスン』(ギャラクシーブックス)は今年の夏にお目見え。

 この子宮系女子は、その少し前に「子宮の学校」なる講座もスタートさせています。この手の講座報告を見ていると、参加者の顔がバッチリ掲載されているのがとても心配です。もちろん許可は得ているのでしょうが、後でヤバいものに載せられてしまった……! とお困りの方が出てきそうです。

 小林麻耶に接近したことで、今年一気に有名になった子宮系女子たち。広く浅く注目が集まると困ることでもあるのか、一部では高額セッションやイベントを中止するなどの動きがあるようです。そんな動きを見ても明らかに怪しく、しかも個々の主張は今回の書籍を見ても特別女性のためになるとは思えません。子宮系女子本を出す出版社って勇気あるよな‼ というのが、今回の一番大きな感想です。ダイソンの掃除機のごとく〈子宮の引き寄せ力〉とやらに、吸引されたのですね。きっと。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

NEWS手越キス事件の真相は「チューしよ?」 元AKBアイドルのAV女優・三上悠亜の高額ギャラは手越のおかげと言っても過言ではない

 11月10日深夜に放送された『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告』(テレビ東京系)に、SKE48出身のAV女優・三上悠亜が出演(アイドル時の名前は鬼頭桃菜)。グループでの序列や、スキャンダルでの干され具合、NEWS・手越祐也との出会い、AV女優転身の経緯、AVのギャラのことなどを暴露し、非常に興味深いものとなっていた。

 三上(当時は鬼頭)はSKEに入り、すぐに正規メンバーとして人気アイドルへの道をスタートしたが、ファンと道端で喋っていたのが目撃され(ファンと喋るのは禁止されている)、研究生へ降格となったという。その後、努力の甲斐あり再び正規メンバーに返り咲いたという話をした。続いて、お待ちかねの「週刊文春」(文藝春秋)にスクープされた手越とのキス話の真相へ。

 当時をまず振り返ると、会員制のバーで手越との濃厚なキス写真が公開された三上。未成年にも関わらず飲酒でべろべろになり、挙句には三上が手越を誘い「ホテルに行きたがっていた」なんて噂もされた。ホテルどうこうの話は、当時既に三上が自身の裏アカで否定していたのだが……。

 三上はまず手越と会った経緯を説明(番組では名前を伏せていた)。なんでも東京に仕事に行ったときに友達から「紹介したい人がいる」と誘われて、行った先のバーに手越がいたというのだ。キスについては泥酔状態だったためあまり覚えていないが、ゲームとかでのノリではなく、手越から「チューしよ?」と言われてOKして……との流れだったとか。

 その後三上はすっかりSKEから干され、嫌になって20歳の時にグループを卒業。しかし、華やかな芸能界に未練があり、事務所を探していたときに声をかけられたのがAVメーカー・MUTEKIだった。モデルや女優などの綺麗な世界には自分の居場所がないと感じていた三上は、「ここなら需要があるかも」と話を引き受けることにしたのだとか。

 元々裸になることもあまり抵抗がなかったという三上は、AV女優転身を「自分を干したやつらを見返すチャンス」と捉えていたらしい。またAV女優の難関とされる親への報告についてだが、守秘義務があったため作品が表に出るまでは言えなかったのだという。親と相談させない巧妙な手口に若干恐怖を感じるが、三上の母親はショックを受けるも今は応援、父親はそもそも大してショックを受けずといった感じで、円満に運んだそうだ。

 そして話は気になるギャラについてへ。ギャラは1本毎にもらえ、売り上げに関わらず初めから「いくらで」と提示されていたそうなのだが、これが「世田谷区の2LDKの中古マンション」を購入できるくらいのものだったとか。番組では明かされていないが、だいたいで見積もると3,000万円~5,000万円ほどだろうか。アイドル時代の月収は20~30万円ほどだったというからかなりの躍進だ。その後11本の作品で売上1位を獲得しており、毎月1本をリリースしているため今の貯金額は……。9月に放送された『マスカットナイト』(テレビ東京系)で、同じく人気AV女優の明日花キララが貯金額は約1億円と話していたが、元アイドルという付加価値により三上のギャラは明日花以上となっているのかもしれない。そもそも手越とのスキャンダルが三上の知名度を上げ、ギャラをアップさせたと考えられる面もあり、手越のチャラさが彼女を助けたと捉えられる面も。

 本当か嘘かわからないが、三上は元々ギャラのことも聞かずにAVの話を受けたという。そして当初は1本しか出ない予定だったAV女優を今も続けていることに関しても、「何かで一番になりたい」という夢と、ファンからの要望があるからだと語った。ちなみに三上のおすすめ作品は『女子校生アイドルと放課後にエッチしよっ』らしい。

(ボンゾ)

秋元康「横山はマグロっぽい」発言。セクハラと数々のメルヘンポエム、官能小説ばりの歌詞に閉口

 11月7日にオンエアされたラジオ番組『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)で、AKB48の総監督・横山由依が秋元康に「マグロっぽい」と言われたことを明かした。

 10月30日より、AKB48グループが出演するドラマ『キャバすか学園』(日本テレビ系)が始まったのだが、舞台はキャバクラということから、出演者にはそれぞれ源氏名がついている。その源氏名はキャバクラの店名が「水族館」ということから、海産物や寿司に関するものとなっていて、横山は“マグロ”なのだ。

 横山はこれに関してラジオで由来を喋った。「マグロちゃんでざわついてると思うんですけど」とファンの反応を気にしつつ、「秋元さんに由来を聞いたら『横山はマグロっぽいだろ?』みたいな感じで言われて、ちょっとよくわんないんですけど」と不満げ。キャスティングの段階で秋元をはじめとした、おじさん連中がニヤニヤしながら“マグロ”という名前案に盛り上がっていたのだろうか? 非常におぞましい光景だ。

 だが、こうしたセクハラは通常運転だろう。他方、秋元にはお気に入りメンバーへの思いが見え隠れするメルヘン発言も少なくない。教え子である元おニャン子クラブのメンバー・高井麻巳子との衝撃の結婚に始まり、最近も宮脇咲良や島崎遥香などとはプライベートで二人きりで食事に行く様子がよく話題になっている。その島崎はピース綾部に好意を寄せていると公言しているが、これについて秋元は島崎に「綾部とのLINE交換はダメだよ!」「綾部とLINE交換したら舌を切って死にます」とメンヘラっぷりを発揮しながら島崎にデレデレしていた。さらにファンから「松井珠理奈さんを一言であらわすと?」と質問されると、「運命」と恥ずかしげもなく答えてみせることも。これらは秋元ではなくメンバーが暴露した話が多いので、公表されていないだけで、裏では数えきれないほどのメルヘン発言がありそう。

 秋元と仲の良い幻冬舎の代表取締役社長・見城徹氏もNMB48の須藤凛々花にドはまりし、『須藤凜々花は「天使」なのです』『あの初々しさが堪りません。命の美しさを感じます。オリジナリティの塊です』といった発言をして、ドン引かれていたことも記憶に新しい。確かにこの二人は気が合いそうだ。

 セクハラといえば、歌詞に卑猥なフレーズを入れて未成年に歌わせていることもたびたび問題視される秋元運営。例えば『アイドルなんて呼ばないで』という曲。この歌詞には「そのうちエッチもしてみたい」とド直球なフレーズがはいっているのだが、これを今年13歳のメンバーが歌い、「セクハラだろ」「かわいそう」「親がみたらどう思うんだ」と炎上した。他にもシングル以外の曲では過激なフレーズが入っている秋元の歌詞。SKE48の楽曲『Innocence』では「キスをしながら いちじくの皮を剥くように 優しくして 魔法の指で」と官能小説ばりのフレーズがあるのだが、この歌詞についてSKE48・須田亜香里は「正直家族が観に来てる時にこの曲を歌うと“ごめんなさい”って思う」とコメントしており、抵抗があるようだ。

 歌詞問題ではセクハラ以外に女性蔑視もお馴染み。HKT48の『アインシュタインよりディアナアグロン』では「女の子は可愛くなきゃね 学生時代はおバカでいい」「何も知らなくてもメイク上手ならいい」「女の子は恋が仕事よ」、NMB48の『恋を急げ』では「定期的に恋をしないとね 劣化していくよ」「女の子の賞味期限あっという間に過ぎちゃう」と、提示される女性観のひどさには定評がある。そこにいる女子は頭空っぽの恋愛マシーンなのである。

 メンバーたちとはそれぞれ親密なようだが、全体の動向を把握しているのかいないのか、大きな問題となった欅坂46のナチス風コスプレには、報道されるまでは沈黙を貫き、報道後に「ニュースで知りました。ありえない衣装でした。事前報告がなかったので、チェックもできませんでした」と秒速で責任逃れ。さすがに呆れるしかない。

(ボンゾ)

処女卒業で爆発した「有名人と一戦交えたい欲」、簡単にヤれるサブカルおじさんたち!

 ヴィジュアル系、野球二軍選手、そしてお笑い芸人……全戦全敗の処女が、それまでの過酷な戦いから一転、秒殺で初勝利をもぎ取ったのは、バイト先である激安回転寿司屋の同僚のFラン大学生でした。

 天下一武道会で、それまで動きがにぶかったのは実は重いリストバンドなどをつけて戦っていたからで、外したとたんに「うっひょーー」と言いながら何メートルも上空に飛び跳ね、軽やかに対戦相手を倒した孫悟空(子供時代)のごとく、処女という名の重りを外した私は、雑魚でもボスの腰巾着でも(ボスはまだ分不相応)、対戦を挑み全戦全勝。

 ですが、やはり有名人との対戦を望んでいますから、雑魚と対戦しても手応えがなくつまらないもの。オラ、強えぇ奴と戦いたいんだよ!

 そんなとき出会ったのが、プロデューサーGでした。

 プロデューサーって、テレビの? いえいえ、どうやら違うらしいのです。とにかく肩書は“プロデューサー”。さらにまたの名を、“カルチャークリエイター”といい、事務所は原宿のど真ん中、いわば聖地にありました。

「◯◯の立ち上げに関わって、当時、◎◎たちに××を流行らせたのは俺。▼▼のヘアヌード写真集をプロデュースしたのも俺。今作っているのがコレ、△△。キミも関わらせてあげるよ」

 ちょっと何言ってんのかよくわからないのですが、キャップのナナメかぶりが妙に似合うオシャレっぽさと、みなぎる自信で、「もう! 今すぐ抱いて!」と自動的に言ってしまいそうな雰囲気を持ったオッサンでした。

 実際Gは、「この子もヤッた、この子もヤッたよ」と、原宿を我が物顔で歩いていそうなオシャレ顔の女の子の、一戦交えたあとっぽい写真を見せてくれました(それがまたオシャレな写真で、トイレットペーパーがむき出しになる、カバーなしホルダーがあるトイレで、上半身はスポブラ一丁、下半身はヘア丸出しで、便器にまたがりタバコをくわえて気だるげにこちらを見ている写真等)。

 芸能人でもないのに、ただの小デブのオッサンなのに、このヤラなきゃ損な雰囲気は一体なんなのでしょうか。

 そのときはわかりませんでしたが、のちに彼の名前を特定の界隈では頻繁に目にするようになったことで、「彼もまた一種の有名人なんだ」と理解するにいたったのです。

 へええ、コレ、食えるんだ! 高級グルメではないけど、コレが「美味しい」と言えたらなぜか「分かってるじゃん」ってツウたちから一目置かれるような、B級グルメなんだ! そうか、そうだったのか! ――そんな感覚です。

 そうとわかれば、彼らのようなB級グルメたちの出没スポットに行くのみです。が、これが難しいんですよ。ヴィジュアル系や芸人はライブ会場に行けば会えるし、野球二軍選手は二軍球場に行けば会える。ですが、彼らのような男たちは行動が読めない。今だったらSNSで自らどこで何食ったとか誰とよく遊ぶとか情報公開しているでしょうが、その当時はクチクミか地道に人脈を広げていくしかありません。カルチャークリエイター系ならばクラブに行けばいそう、と今ならわかりますが、当時はそんな事情もわかりませんでした。漠然と会おうとしても、会えない、まるで霧の中で実態のない影に手を伸ばしているような気分です(まあそもそも、彼らに実態がないからなんだけど)。

 では、どうすればよいのか?

 最初にヒントをくれたのは、大学の同級生Oでした。

「◯◯センセイの講演会が、すぐそこの大学であるから一緒に行かない? 一緒に出る人、はるちゃん好きだと思うから」

なんとO、とある精神科医のおっかけなのでした。せ、精神科医? そんなジャンルもアリなのか……と目からうろこだったものですが、確かにその精神科医はナイスミドルで本も何冊も出しているキレ者。Oがアイドル視するのも頷けます。そしてOの読み通り、同じく登壇していたとある学者は、私の好みドンピシャ! さっそくネットで彼らの情報を調べると(2ちゃんが普及し始めた頃)、やはりアイドル視されていることが判明。さらに、ほかにもイベント出演情報もありました。

「ろふとぷらすわん? どこだろう?」

 私が、ずぶりと、サブカル沼に片足を突っ込んだ瞬間でした。

 “サブカルの聖地”、ロフトプラスワン――。リリー・フランキーやみうらじゅんなど、サブカル男子界の最高峰たちを生み出した、いまでこそ全国的に認知されているイベントスペースですが、当時、無知な女子大生だった私にとっては、未知の世界でした。

 そしてイベント日、Oと私は、すえた臭い漂う新宿歌舞伎町を通り、雑居ビルの地下へと続く階段を降り、初めてのロフトプラスワンへ。登壇者たちが、ガンダムがどうたらとかクソ面白くも興味もない話をすると、洗っていない体操着臭を漂わせる男たちが「ドッ」と沸くという、世間知らずな女子大生にとっては地獄のような時間をやりすごすと、イベント終了後、Oは真っ先に精神科医の元へ駆け寄りました。おお、出待ちとかしなくてもイケちゃうんだ。

「えへへ、センセイにメールアドレス渡してきちゃった」

 はにかむOの笑顔の眩しいこと。なんでも、「卒論の相談をしたいから」と、もっともらしい口実をつけくわえ、連絡先を渡したようです。以降、何度かのメールのやりとりのあと、「会ってご飯食べたよ……///」という報告までは聞きました。

 一方の私はというと、学者の攻略なんてまだまだ分不相応でしたし、ロフトプラスワンの存在を知ったと同時に、その界隈の雑誌や有名人を学ぶことから始めました。

 わかったことは、とにかく攻略対象の男たちは幅広く多岐に渡るということ。当時はまだ、“サブカル文化人”なんて都合良く使える便利な言葉が広く知られていませんでしたから、食えるのか食えないのかの判別がつきません。

 岡田斗司夫やエヴァ関連論壇のオタク系、吉田豪氏や宇多丸氏などのBUBKA系、STUDIO VOICEやQJのようなオシャレ醸し出し系、そんなふうに分類していた気がします。で、そこからこまごまと派生するのが、ミニシアタ―で上映される監督系、とか、ゴールデン街のマスター系、とか、ハメ撮りカメラマン系、とか、SM雑誌の編集者系、とかで、食えるモノと分類していました。だって条件は、「特定の界隈で有名なこと」だけですから。ツウが知っていればもう、食っても大丈夫なものなんですから。

 そして一番大事なことを忘れてはなりません。処女時代、有名人とヤろうとして苦汁を舐めてきた敗因は、私がファンという立場だったことです。だから、雪の日に寮の前で待ったり、鳴らない電話を眺めたり、女同士の潰し合いに巻き込まれたり、悪意たっぷりの似顔絵を書かれたり、辛い目に遭ってきたんだもの……。そんな私ももう大人。ならばファンではなく、なかに入ってしまえばよいのでは? そうして私は、サブカルチャーの掃き溜め・AV制作会社に就職、のちにエロ本会社に転職したのです。

 まず、この界隈のほとんどの男性たちは、ほの暗い青春を過ごしてきていることがわかりました。イコール、おモテにならなかった、そういうことです。おモテにならなかったからこそ、情熱がクリエイトに向けられ、見事作品などに昇華。凡な私は才能という名の肉汁溢れるB級グルメたちに近づいては、愛想を良くするだけでご馳走にありつけたのです。

 そんな私を、学生時代の友人たちが“ゲテモノ喰い”と評したことが、“サブカル文化人”のヤリやすさを物語っているのではないでしょうか。

 ある高校同級生には、「なんか、はるちゃんにお似合いの空気だよね(笑)っつうか、はるちゃんって、サセコだよね(笑)」と言われたことがあります(実話)(ほんとに友達なのかな、そんなこと言われて……)。他人のことをモテないとかゲテモノとか言ってますが、まあそういうことなんですよ……。

 モテなかった男と、モテなかった女が、最終的に行き着きお互いの過去を昇華する場所、そこが、サブカル界隈だと、私は思うのです。

 一度は地元のど田舎のパン工場に就職したけど、東京への憧れが諦められず上京してきた過去を持つ知り合い男性は、将来の夢をこう語っていました。

「ロフトでイベントやれるようなサブカル文化人になって、女子にちやほやされたい」

 彼はいま、自らの肩書きを“拡張人”と名乗り、自身のSNSに「人間とはスクラップブックである。僕もあなたもそれぞれのリディムがありリリックを乗せる、それが人生なのだ。アウトプットからでしかインプットは生まれない。さあ、旅に出よう。人生を編集するために」とかなんとか、目がつるつる滑るようなことを書き込み、ロフトプラスワンでイベントをやったりしています。女子との出会いもあるようです。夢が叶ってよかったね!

 そうそう、今はSNSが主流ですから、もう写メつきDM送っちゃえばすぐ喰えるんじゃないでしょうか。有名人に夢破れた女性のみなさま! サブカル文化人、いかがですか! いつでも旬でございますよ!

アダルトグッズ専門店に教わる「女性用大人のおもちゃの基礎知識」

こんにちは、アダルトグッズ専門店・ワイルドワンの内山です。アダルトグッズ、セックストイズ、ラブグッズ、大人のおもちゃ……呼び方はさまざまですが、どんなものを指すのか――messy読者の皆様は、すでにご存知かと思います。私個人としては「大人のおもちゃ」という言葉の使い方が好きです。「おもちゃ」の認識は一般的に「子どもの遊具」。これが「大人の」とついた途端、淫靡な夜の雰囲気が広がりませんか? 「大人のおもちゃ」という言葉には、キラキラとした宝箱を覗くようなときめきを感じるんです。

ちなみに豆知識ですが、この「大人のおもちゃ」という素敵な名称を編み出したのは、国産の電動式バイブレーター「熊ん子」を発売した性具卸問屋の社長なんです。「熊ん子」とは昭和42年に発売された大ヒットバイブレーターです。「クマンコ」ってネーミングもセンスが光っていますよね。「クマンコクマンコ……」って何度も唱えたくなるリズム感があり、一度聞いたら忘れられません。

そんな遊び心溢れる「大人のおもちゃ」。今ではその種類も多く、それぞれ違った特性があります。しかし、ワイルドワンが運営するグッズ販売店舗やバイブバーには、いざ購入しようと思っても「好みの刺激はどれだろう」「何が何だかわからない」といった理由から、今まで試すのを断念してきた……という方がたくさんいらっしゃいます。そこで、当連載では、人気商品や注目おもちゃを、楽しいエピソードを交えながらご紹介していこうと思います。

4種の神器

今回はプロローグとして「大人のおもちゃってなーに?」というごくごく基礎的なお話から紐解かせていただきます。

まず、大人のおもちゃには男性用と女性用があります。性具ならではのカテゴライズの仕方ですね。さらに、女性用の中でも大きく4カテゴリーに分けられます。総称して「バイブ」と呼んでいたあのおもちゃが実は別のものだった! なんてことも。そんな一番浸透している「バイブ」からご説明していきましょう。

①バイブ

『シロバイブもっちり大福』
「電動式バイブレーター」略して「バイブ」と呼ばれている商品です。シニア世代なんかは「電動コケシ」と呼ぶ方もいます。形状、フォルムはさまざまですが、膣に挿入するための長い竿とクリトリスを刺激するための小さいバイブがついている二股タイプが一般的です。

竿の動き方は、振動したり、円を描くようにスイングしたり、上下にピストンしたりとバイブによってまったく違います。クリ用バイブを竿部分を膣に入れた状態でクリトリスへあてがい、バイブレーションさせます。これがいわゆる二点責めと言われる手法で、膣内、クリトリスの両方で感じることができます。また、クリ用バイブが付いていない“一本モノ”と呼ばれるものや細めのスティックタイプがあり、後者はバイブ初心者にオススメです。

②ローター

『ピンクローターTypeRビッグ』
「ピンクローター」という言葉を聞いたことがありませんか? その名の通り「ピンク色をしたローター」なんです。ローターとは、回転するモノや回転体を意味する言葉で「ピンクの回転体」と言ったところでしょうか。

とはいえ、いまやローターも種類が豊富な上に色もさまざまです。形状はコントローラーと本体がコードで繋がれているのが一般的ですが、コードレスタイプのものも多くあります。動きはローターが「振動する」だけ。とっても簡易的です。特にクリトリスへの刺激に適しているので、大人のおもちゃ自体をまったく使ったことのないビギナーにおススメ。とても軽くてコンパクトなので持ち運びに便利ですが、コードタイプは断線しやすいという欠点もあります。

③電動マッサージャー

『ピンクデンマバイブバーエディション2』
ここ10年ほどですっかり大人のおもちゃとして定着した感のある、通称「電マ」。もともとは肩こりなんかをほぐすマッサージ用家電製品だったものが、アダルトビデオの潮を吹かせるワンシーンで取り入れられるようになってから大きく注目され始めました。

今では性具の仲間入りを果たした電マですが、使い方は簡単でローターに似ています。先端のヘッド部分に大きなモーターがついていて、モーターが振動することで大きな刺激が得られます。振動は細かく揺れるローターとは真逆です。荒々しいほどに激しいため、即イキしたり、深いアクメを感じるというユーザーさんもいますが、ハードすぎて痛いと敬遠する方もいらっしゃり、好みの分かれるところです。ます。ローターの振動では物足りなくなった女性におススメします。またヘッド用アタッチメントもたくさん開発されているので、電マひとつあればアタッチメントの付け替えでバイブとしても使用ができるなど、今後も面白い発展を遂げそうなおもちゃです。

④ディルド

『みちのくディルド』
ズバリ、男性器をかたどったリアルな形状で、モーターなどの電子器具は一切ついていないものが一般的ですが、最近は中に振動させるモーターが仕込まれたタイプもあります。ディルドの歴史は古く、紀元前から存在していたなんて説があったり、江戸時代の春画にも描かれています。「張り型(はりかた・はりがた)」「こけし」と呼ばれることもしばしば。

多くがヌーディーな色みで亀頭、竿部分の再現度の高いものが多く、ものによってはタマ付きのディルドもあります。ディルドの下には吸盤があり、床や壁などお好みの場所へ接着させて膣、もしくはアヌスへ挿入させ、手や腰を使って動かします。亜流になりますが、ディルドを装着できるペニスバンドもあり、SMプレイやレズビアンカップルが好んで使います。バイブの電動が苦手な方や、男性器のリアリティにこだわる方におススメです。

次回からは、さらにディープに「大人のおもちゃ」を紹介していきます。そのためにも、今回の4つのカテゴリー分けを頭に叩き込んでおいてくださいね!

(文章/ワイルドワン広報担当・内山)

「messyを見た」でプレゼント!
当連載を読んで興味を持たれた方は、見て、触れて、動かすことが可能な渋谷のバイブバーへいらしてくださいね。スタッフも運営も全員女性なので安心です。こだわりの内装と350本以上のバイブ、国内外から集めた大人のおもちゃが展示されています。「messyを見た」と言っていただければ「スティックローター」をプレゼントいたします!

THE VIBE BAR WILD ONE(ザ・バイブバー・ワイルドワン)

住所:東京都渋谷区道玄坂2-7-4 3F
電話番号
03-5456-1100 (月~土 PM17:00~PM24:00)VIBEBAR
03-3477-0800 (月~金 AM9:00~PM17:00) VIBEBAR 事務局
メール:info@vibebar.jp
定休日:日曜・祝祭日
営業時間:17:00~24:00
※入店受付は閉店時間の45分前までとなります
最寄り駅:JR渋谷駅・ハチ公口より徒歩3分
京王井の頭線渋谷駅・西口より徒歩1分

読書会に理屈っぽい男は邪魔? 女性の連帯を強める読書会の歴史を探る

 今回のテーマは読書会です。皆さんは読書会に参加されたことはおありですか? 私は研究者なので本を読む会合にはよく行きますが、全く出たことがないという方もいらっしゃると思います。3月にmessyに掲載された福島淳による記事「エマ・ワトソンのフェミニスト・ブッククラブへようこそ! 広がりを見せるフェミニズムを語る熱い波」では、スターのエマ・ワトソンが読書サイト「Goodreads」でフェミニズム関係の本を推薦し、皆で意見交換するオンラインブッククラブが紹介されていました。今、英語圏ではこのように女性が女性向けに本をすすめたり、特定の本を皆で読んで議論したりする読書会が人気です。読書会と女性について、アメリカを中心に少し歴史を絡めながら紹介をしていきたいと思います。

◎女だけのクラブ

「男性は読書会なんてしないわ」

 上の文句はカレン・ジョイ・ファウラー『ジェイン・オースティンの読書会』で、登場人物のひとりバーナデットが言う台詞です(p. 10)。この小説は19世紀初めの英国の小説家、ジェイン・オースティンの全作品6編を読破する読書会の様子に、参加者の人生模様を絡めた物語です。2007年には映画化もされています。小説では、最初に読書会メンバーを女性だけにするかどうかでモメるところがあります。バーナデットの上の発言はずいぶん大げさで、読書会をやっている男性も実はたくさんいるのですが、北米では伝統的に読書会は女性が盛んにやるものという認識があるようです。

 バーナデットは読書会に男性を入れたくないと主張しており、以下のようにずいぶん手厳しい発言もします。

「男性が入ると、力関係がくずれてしまうわ。男性って、みんなで楽しく議論しないうえ、偉そうに一方的にしゃべるんですもの。自分の持ち時間なんか無視して、平気でいつまでもしゃべってるわ」(p. 10)

 この小説ではバーナデットの反対にもかかわらず、読書会には男性であるグリッグが参加することになり、メンバーであるジョスリンとの恋が始まるという展開になります。

 バーナデット同様、読書会その他のクラブ活動で、男性が決まった持ち時間を守らなかったり、偉そうな態度をとったりすることに不満を持っている女性は多いようです。アメリカ文学研究者の尾崎俊介はアメリカ人とペーパーバックを扱った著書『ホールデンの肖像』で、人気テレビタレントで長きにわたりお昼の女性向けトーク番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』のホストをつとめていたオプラ・ウィンフリーが自分のお気に入りの本を紹介するコーナー「オプラズ・ブッククラブ」を詳しく解説しています。尾崎はここで「こけおどしの教養をちらつかせ、小うるさい理屈をこねるような男性知識人がほとんど登場しないので(中略)心置きなく女性的な目線で自由に本のことを語り合える」(p. 237)ことがこのコーナーの人気の原因のひとつだと分析しています。もちろん理屈っぽい批評をする人は女性にもいますし(私ですね)、また理屈っぽい批評が嫌いな男性読者も山ほどいるはずです。しかしながら女性の前でやたら威張りたがる男性に対して経験から警戒心を持っている女性は多いので、女性だけで本を読みたいという人もいるのでしょう。

◎キャラクターと自分語り

 このようなくつろいだ環境で行われる議論は、文体分析などよりも、むしろある本が読者の人生とどう結びつくかについてのものになりやすいようです。尾崎は家庭内で抑圧されている女性たちが「本をダシにして自らを語る」(p. 246)ことが読書会の重要な要素だと述べていますし、社会学者エリザベス・ロングも女性読書会でキャラクター中心の読解が好まれることを指摘しています(p. 230)。いくつも例をあげることができますが、たとえばカナダで女性読書会と刑務所読書会を組織している女性たちを中心にブッククラブの様子を描いたノンフィクション『プリズン・ブック・クラブ』では、リーダーのキャロルが「主人公の立場に自分を置くことが出来、登場人物の行ないについて考えられる本」(p. 38)を選書しようとしています。『ジェイン・オースティンの読書会』でも、どの登場人物が自分に似ているかとか、どの登場人物同士に結婚してほしいかとか、小説に描かれた恋愛から得られる人生訓は何かとか、こういった議論で読書会が盛り上がります。

 実際にやってみましょう。私は『高慢と偏見』に出てくるミスター・ダーシーがどうも好みではないのですが、たぶん自分の性格が少しミスター・ダーシーに似ていて人前で愛想良くするのが嫌いなので同類嫌悪なのかもしれないと思います……というようなことを話すわけです。こうした自分の人生や性格に結びつけた意見交換を行うことで女性たちの間に連帯感が生まれ、悩みのシェアや助け合いにつながることもあります。母と娘で親子のイベントとして議論に参加したり、友人同士で絆を深めたりする機能もあるのです。

 面白いのは、英文学の読解ではこうしたキャラクター中心の批評(「性格批評」などと呼ばれます)は伝統的に女性が活躍していた分野で、一方で古くさい手法として軽視されていたフシがあったことです。これは既に私が去年、『ユリイカ』に書いた「みんなのシェイクスピア、シェイクスピアのみんな-キャラクターとファンダムの歴史」でも説明しているので興味がある方はこちらも読んで頂きたいのですが、とくにシェイクスピアなどの分析においては19世紀のメアリ・カウデン・クラークやアンナ・ジェイムソンなどの女性批評家が性格批評で大きな業績を残してきました。自分を優柔不断でロマンティックなハムレットにたとえた(!)ロマン派詩人サミュエル・テイラー・コールリッジのように、この分野で面白い評論を残した男性批評家もいるのですが、いくぶん「女性的」な分野と考えられがちなところがあったのです。20世紀以降、先端的な批評理論を用いた分析が重視されるようになり、性格批評は時代遅れと見なされ、女性によって担われてきたことも含めてお遊びのように扱われることもありました。

 性格批評は最近、上演研究やフェミニスト批評、大衆文化研究などの影響もあり、人気を取り戻しています。これを考えると、登場人物について語り合う女性たちの読書会は、19世紀以来の性格批評の伝統を思いの外よく保存しているように見えます。コールリッジは「私自身にも少々ハムレットのようなところがある」(v.1, p. 69、拙訳)と言いましたが、読書会を開く女性たちには少々ロマン主義の批評家のようなところがあると言っていいのかもしれません。

◎読書の伝統と市民の育成

 19世紀風の性格批評がアメリカの女性読書会でしぶとく生き残ってきたことは、こうした読書会の起源が19世紀にあることに関係しているのかもしれません。シェイクスピア研究者キャサリン・ウェスト・シェイルによると、19世紀末から20世紀はじめくらいにかけて、シェイクスピアを中心に読むクラブだけで500以上もの会がアメリカ全土で結成され、その多くで女性が主導的役割を果たしたとのことです(Scheil, p. 1)。学術研究に女性が触れられる機会は今よりずっと少なかったため、読書会は女性にとって貴重な教育機会でした。クラブによっては本を読むだけではなく、女性参政権とか結婚などについて政治的議論をするところもあったそうです(Scheil, p. 39)。

 19世紀末にはアフリカ系アメリカ人女性の読書会も活発に活動しており、本を読むだけではなく人種差別の中で教育を向上させたり、社会問題に取り組んだりしていました(Scheil, p. 116)。読書をして知識や分析能力を得ることは、市民として社会に向き合うことと結びついていたようです。そう考えると、エマ・ワトソンのフェミニスト・ブッククラブはインターネットの時代の産物とはいえ、楽しみながら社会を考えるという19世紀的な読書会の後継者であると言えるでしょう。

 皆さんも読書会を組織してみてはいかがでしょうか? インターネットが発達した今では、実際に一箇所に集まらなくても、同じ本さえ読んでいればオンラインで意見交換をすることもできます(私もやったことがあります)。オースティンの小説やシェイクスピアの戯曲に出てくるお気に入りの人物について話すのもいいですし、こうした作品の政治性や歴史的背景について調べてみるのも楽しいですよ。

◎参考資料リスト

アン・ウォームズリー『プリズン・ブック・クラブ-コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』向井和美訳、紀伊國屋書店、2016。
尾崎俊介『ホールデンの肖像-ペーパーバックからみるアメリカの読書文化』新宿書房、2014。
北村紗衣「みんなのシェイクスピア、シェイクスピアのみんな-キャラクターとファンダムの歴史」、『ユリイカ』2015年4月臨時創刊号:pp. 175-182。
カレン・ジョイ・ファウラー『ジェイン・オースティンの読書会』中野康司訳、ちくま文庫、2013。
エリザベス・ロング『ブッククラブ-アメリカ女性と読書』田口瑛子訳、日本図書館協会、2006。
Samuel Taylor Coleridge, Specimens of the Table Talk of the Late Samuel Taylor Coleridge, 2 vols, London, 1835.
Katherine West Scheil, She Hath Been Reading: Women and Shakespeare Clubs in America, Cornell University Press, 2012.

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