「卒アル写真」でほんとうに未来はわかるのか? 大ヒットの心理学本を検証
【本と雑誌のニュースサイトリテラより】
『卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学』(森嶋マリ訳/文藝春秋)
アメリカの心理学者マシュー・ハーテンステインによる『卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学』(森嶋マリ訳/文藝春秋)は、本国のみならず日本でもかなりの売れ行きを示しているようだ。確かに、なんとも刺激的なタイトルではある。「卒業アルバム」といった小さな事柄で、その後の人生の全てがわかってしまうのか……?
どうせ日本人向けに付けられたキャッチだろうと思いきや、原題も同じ意味合いのもの。
『"THE TELL" The Little Clues That Reveal Big Truths about Who We Are』
下手な訳だが、「ささいな手がかりが示す、みんなの“正体”」という感じになるだろうか。少し長めの文章で断言する「新書っぽいタイトル付け」スタイルに、洋の東西は無いようだ。
ともあれ、肝心なのは内容だ。筆者は初めにこう述べている。
「本書のテーマは人が見せる一瞬の態度を観察して、物事をどのぐらい予測できるかということだ」