お笑い関係者に聞いた! かつての輝きを失った“期限切れバラエティ”3番組
ここ数年、人気長寿番組が次々と終了している。32年続いた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、22年続いた『さんまのからくりTV』(TBS系)、そして来年3月には、前身番組の『ライオンのいただきます』と合わせると31年続いた『ライオンのごきげんよう』(フジテレビ系)が打ち切りを報じられている。
どんなに高視聴率を叩き出していても、それをずっと維持していくのは難しい。いつしか視聴者から飽きられ、打ち切らざるを得ない状況になってしまう。そこで今回は、お笑い関係者を対象に、かつての輝きを失った“期限切れ人気バラエティ番組”を聞いた。
まず挙がったのが、1996年から始まり、今年で19年目に突入した長寿バラエティ『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)。視聴率1ケタ台を連発し、ネットユーザーからも「そろそろ打ち切りだろう」という声が噴出してやまないが、先日決定的な出来事があったようだ。
「過去に20~30%という高視聴率を取ってきた『めちゃイケ』の鉄板企画『抜き打ちテスト』でさえ、数字が伸びなくなった。10月3日放送の回の『抜き打ちテスト』は11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でした。2010年に加入した新メンバーが、5年たった今もまったく機能しておらず、ただ人数が増えただけという状態なのも気になります。番組に出演してなくても、テロップに名前が流れるだけでギャラが発生するので、経費削減が叫ばれる中、『めちゃイケ』はかなりの無駄遣いをしているわけです。局内でも期限切れがささやかれるのは当然ではないでしょうか」(お笑い関係者)
『めちゃイケ』といえば、総合演出の片岡飛鳥氏も有名だが、「彼が総指揮を取り、『めちゃイケ』班が担当した今年の『27時間テレビ』は平均視聴率10.4%で歴代ワースト3位。一度『めちゃイケ』を離れて戻ってきた片岡氏ですが、彼もまた“期限切れ”なのでは」(同)
次に挙がった番組は、2000年から始まった今年15年目の『いきなり!黄金伝説。』(テレビ朝日系)。「1ヶ月1万円節約生活」「無人島0円生活」など人気企画を抱えているものの、近年、節約情報番組などが増えたことにより、全盛期ほどの新鮮さはなくなっている。
「タレントが各地域の行列店に並び、人気商品を食べるという企画『行列のできる即日完売グルメ』も、どこかで見たことのあるグルメ情報番組のように見えます。局側がクレームを恐れてタレントに過酷な企画をさせづらくなったせいで、守りに入った企画が多くなってしまい、結果視聴者が離れているのでしょう」(バラエティ番組スタッフ)
そして、最後に挙げられたのが、07年から時間帯とタイトルを変更しながら続いているゲーム&クイズバラエティ『ペケポンプラス』(フジテレビ系)。くりぃむしちゅー、タカアンドトシ、柳原可奈子が出演する人気番組で、川柳の下句を推理するクイズ「ペケポン川柳シリーズ」、料理の金額を予想する「金額別ターンテーブル」などが好評を博した。
「ただ、さすがに『ペケポン川柳シリーズ』を8年続けては、視聴者も飽きてくる。リニューアルして新たな企画も出てきていますが、そこまで視聴率にはつながっていません。『Qさま!!』(テレビ朝日系)のような本格的なクイズ番組の影響で視聴者の目がこえたのか、バラエティ色の強いクイズ番組はもう『中途半端』とみなされているのかも」(テレビ局関係者)
では、人気バラエティ番組が、失速するきっかけというのはあるのだろうか?
「大人気企画が生まれたとしても、番組制作側がそれに頼りきりになってしまうと危険ですね。また、他局の高視聴率番組に似せた企画で、安定した数字を狙いにいくというのもよくありません。あとは、10年以上放送しているどの番組にもいえますが、視聴者の世代交代を見抜けないと厳しい。ひと世代前の10~20代の視聴者には面白さが伝わっていたとしても、今の10~20代には伝わらないということはあると思います」(同)
守りに入らず、番組独自のオリジナリティを出して新しい企画に挑戦し続けることが、人気を維持する秘訣のようだが、なかなか簡単にできることではないのも事実。これら3番組に今後、起死回生のヒット企画は生まれるのだろうか?