もしも逸見政孝さんが生きていたら芸能界の構図はこう変わっていた!
今の10代や20代の中には知らない人も多いかもしれないが、かつて逸見政孝というアナウンサーがいた。
フジテレビのアナウンサーとして活躍し、その後はフリーに転身。数々のバラエティ番組の司会を務め、高視聴率を叩き出した伝説のアナウンサーである。
惜しくも93年に胃がんのために他界したが、亡くなって20年以上が経過してもなお、業界関係者の間で彼の名前が挙がることが多いという。その理由を聞いてみた。
「もし逸見さんが生きていたら、バラエティ番組の視聴率は現在のように落ち込んでいなかったはずですよ。彼はアナウンサーでありながら、お笑いに対しての理解がとても深かった。あらゆるバラエティタレントの芸風を洞察し、その人にどう接すれば面白さを引き出せるかを勉強していました。今どきのアナウンサーにはない人間性を持っていましたね」(テレビ局関係者)
伝説のアナウンサーと呼ばれるだけあって、その能力は、いまだに評価されているようだ。さらに、このような話も聞けた。
「ビートたけし、タモリ、明石家さんまら、お笑いBIG3の特番を仕切れるのは逸見さんだけでした。現在、活躍しているアナウンサーでは、とても無理でしょうね。女性アナはアイドル化し、男性アナはルールを説明するだけで精一杯。逸見のように“仕切る”“盛り上げる”力を持つアナウンサーがいません。逸見さんがいれば、そんな後輩へのアドバイスもできたでしょうから、後進も育ったかもしれませんね」(ベテラン放送作家)
逸見はお笑いBIG3の面々からも支持されていたようだ。
「お笑いBIG3の特番がなくなったのも逸見さんの死が大きいと言われています。80~90年代にBIG3をはじめ、芸人たちが縦横無尽にテレビ業界を暴れ回ることができたのは、逸見さんのような名司会者がいたから。その恩返しのために、逸見さんが担当していた『平成教育委員会』(フジテレビ系)の司会をたけしが引き継いで、今でも出演し続けているというのは有名な話です」(同)
日本のバラエティにおいてあまりにも大切な人材を失ってしまったのは確かなようだ。彼以上の逸材が登場する日が望まれる。
(文=吉沢ひかる)