やってきた最凶の夏──改装工事のせいで、コミケ会場が参加者を殺しにかかってる予感
特設サイト「コミックマーケット90のご案内」コスプレエリアマップより
今年も、最凶の暑い夏がやってくる。
ただでさえ暑い都心を、いっそう暑くしまくるイベント「コミックマーケット90」が8月12日から3日間の予定で開幕する。
毎年、どんなに注意しても熱中症に倒れる人が続出する夏コミだが、今回はさらに熱中症が増加する気配を見せており、関係者を戦々恐々とさせている。
今回、会場である東京ビックサイトでは、東京オリンピックを控え改装工事が行われているために、配置の変更があちこちで実施される。もっとも大きな変更は、企業ブースである。これまで西ホールの上の方にあると認識されてきた企業ブースだが、今回は東1・2ホールを使用。開催日も2日間のみで、2日目の終了後、3日目にはサークルが使用するために撤収と設営とが実施される地獄のようなスケジュールになっている。
そして、コスプレにはもっと大きな変更がある。従来使用していた西の屋外展示場が使用できなくなっているため、東ホールのトラックヤード部分をコスプレに開放。さらに、会場外であるビッグサイトの交差点をコスプレして通れるようにして導線を確保するとともに、隣接する東京臨海広域防災公園で実施されている有明防災フェアでもコスプレが可能になった。
有明防災フェアは、自衛隊や東京消防庁などの官公庁や自治体、教育研究機関などが協力して開催される防災をテーマにしたイベント。各種の防災に関する展示のほか、機材や車両の体験なども行われるイベントである。
ここでコスプレができるということになれば、従来の人混みの中での撮影とは違う、新しい楽しみが生まれるのはいうまでもない。
しかし、ここで大きな問題が。
それは、すべてが炎天下で行われるということ。
従来のコスプレ広場も、日陰はほとんどなかったわけだが、東京ビッグサイトから防災公園へのルート、あるいは公園内にはまったく照りつける太陽から逃れる場所はない。すなわち、コスプレイヤーも撮影者もひたすら陽の光の焼かれ続けることになるのだ。
トラックヤードや防災公園などが使用できることで、コスプレ広場が大幅に拡大し多くの人はテンションがあがるに違いない。しかし、それと共に我を忘れて熱中症で倒れる人々が続出する可能性も。
すでに幾度か参加したことのある人は身体で理解しているだろうが。コミケ会場は非人道的な空間である。救護室などが準備されているとはいえ、ホスピタリティは一切ないと考えたほうがよいだろう。
つまり、自分の身は自分で守るしかないのである。一度熱中症で倒れれば、買い損ねた同人誌。撮影し損ねたレイヤー……後悔は一生続くことになるだろう。
いよいよ改装工事のせいで殺しにかかってくるコミケ会場。今から万全の準備をして行こう。
(文=コミケ取材班)