“下心”で恋に落ちる・紗倉まなだからこそ「セックスは恋愛/結婚の安心要素にはならないと思う」
10月17日に発売された『AERA』(朝日新聞出版)セックス特集号に、こんな考察が掲載されていました。
“今の二十代女子は、『早くいい男をゲットして結婚ができるように、セックスをその武器として好きになってこなしておかなければ大変なことになる』と思っているのではないか”
……ほんとかよ、って感じですし、セックスが好きな理由にこんな肉付けする人って、私の周りでは見たことも聞いたこともなくて、ちょっと不思議に思ったのです。セックスが好きな理由って、そんなに複雑なのでしょうか。
そこで、『私はどうしてセックスが好きなんだろう』なんて考えてみました。でも、嫌いな理由は見つけやすいけど、好きな理由を見つけるのって案外難しいんですよね。人を好きになって「どうして?」って聞かれるのと同じくらい、答えに悩んでしまうのです。気持ちいいから? 愛情を感じるから? 寂しさを身体で埋め合わせることで、自分自身を保つことができるから? ……うん、どれも当てはまる。でも、明確な何かのためにセックスに勤しんでいるわけでもないのだから、結果、やっぱり生まれ持ってそういう行為が好きなんだろうな、という一点に集約されてしまいました。
世間一般の方には、AVという仕事を選んでいる時点で「いわずもがなセックス好きでしょ!」と思われていることでしょう。確かに私は、男性との繊細な肌や唇の接触に安心感を覚えるし、刺激的な「お酒で酔っ払ってワンナイトラブ☆」みたいな破天荒な身体の重ね合わせ方も好きだし、そもそもセックスは息を吸うのと同じくらいに身体に馴染んでいることだから、仕事にもその自分の性質や気質を抵抗なく当てはめられるのだろうな、と思っています。
私の男友達は、実際にセックスするよりも、好きなタイミングでオナニーをするほうがいいっていう、今時の『セックスに対して意欲がない草食系男子(それでも男かよ! って一番悲しくなるやつ)』が多いし、私の一番の親友(23才女性)に限っては「自分で自分の裸を見るのすら嫌だから、お風呂も電気を消して入っているよ」と言うくらい、裸でいることに抵抗があるようで、やっぱり驚いたりします。『人に裸を見られるのが恥ずかしい』ではなく、『自分で見ることすら嫌』とは。体重が増えたり、身体に自信がない時に鏡を見たくないっていう気持ちは、私にも頻繁に芽生えることだから決して理解できないことではないけど、それが“セックス”という人類に共通する生物学的な行為であっても、必ずしも誰もが好きではない、という事実がそこにあるんだと気付かされます。同時に「つくづく天職だなぁ」とも思うんですけどね。
◎紗倉の嗅覚はエロい人にこそ騒ぐ
私が“セックス”と“好きになる人”の関係性の根強さに気付いたのは、最近のことです。過去を振り返ると不思議にも成立する「好きになる人の法則」があって、それが「絶対的にセックスが好きな人」。
その界隈のファンの方々には申し訳ないけど、私はジャニーズみたいな、顔立ちが整っている男性がとんでもなく苦手で……。それはなんていうか、女性に近しいような圧倒的な美しさをひしひしと感じると、男性としての魅力を感じづらいのです。自分の容姿を馬鹿にされそうで近寄りたくないという恐怖心もあって(とんだ被害妄想)ときめいたりしない……。イケメンで心も綺麗な人もいるだろうけど、私が出会ってきたイケメンたちは、みんなオラオラしてて恐かったし……(白目)。そうやって、異性の容姿に関してこだわらずに過ごしてきた二十三年間です。
じゃあどんな人がいいのか。優しくて、穏やかで、包容力のある人。もちろんそんな素敵な要素はほしいけど、それよりももっと重要な要素が「あ、この人、絶対セックスが好きだわ」。自分の嗅覚が騒ぐような、そんな人がいいんです。かなり昔に『男性は無意識のうちに女性のお尻を安産型かどうかを見抜いて好きになる』みたいな統計を見聞きにしたことがありますが、「うお~、この人エロいなぁ……」ってガン見してしまう下心って、女性にも同じようにあると思うんです。そして、そんな下心をもって、私は人を、異性を好きになります。
◎心がザワつく「加齢で性欲減退説」
話は変わりますが、『年齢によって性欲の強さが変わる』なんて説も雑誌によく取り上げられていますよね。実験データもあるようですが……そんなこともなくないですか? 性欲が強い人って何だかんだでずっと強いし、性欲がない人は年を重ねようが若かりし頃だろうが、さほどない。
そもそも、前述の通り、男性だからといってセックスが好きとも限らないし、それって「個々に持ち合わせているセックスしたくない理由」をカバーするための逃げ道のような気がしてならないのです。中には年齢とともに性欲減退した方もいると思うのですが、みんなでセックスしたくない理由、興奮しない理由を探した時に、「年齢のせいにしてしまえ!」ってこじつけているようにも感じるのです。責めているわけじゃないけど、セックスしたくない時にそれを切り札にして拒まれるくらいなら、潔く「今日は疲れた」とか「セックスがあんまり好きじゃない」とばっさり言ってくれる人のほうが、「なんだ、私が魅力的じゃないとかそういう理由じゃないのね。安心した」って、好感が持てますよね。
性欲の一致している2人がくっつくのが一番理想で平和的解決法だけど、途中でセックスレスになっちゃったり、刺激が欲しくなって外の海に泳ぎに行ったり(いわゆる浮気……)しちゃうわけで、セックスと恋愛、ましてやセックスと結婚なんて安心要素には繋がらないものなのかもしれませんね。
ちなみに、周りの人に「三十代になると、もっとエロくなるよ、セックスしたくなるよ」とよく言われます(これを言う人は大抵の場合が男性で、女性の口からはあまり聞かないんですけど……)。もしそれが本当で、これ以上好きになってしまったら……日常に支障をきたしてしまう(怖)。ガチンコタイガーウッズ♀だよ……(白目)。セックスを好きな理由を明確にできませんでしたが、嫌いな要素も見当たらないのにーー!!!(滝汗)