入浴&キスシーンとガッキーの勝負下着! 視聴者しか恋心と結び付けない“不思議ドラマ”/『逃げ恥』第六話
15日放送の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)第6話が平均視聴率13.6%を獲得し、5週連続の視聴率上昇となりました。この数字は同局「火10枠ドラマ」にて最高記録なのだとか。それもそのはず。ついに、ついにやって来ましたよ、この時が。
前回、百合ちゃん(石田ゆり子)に新婚感を演出するために設定した“ハグの日”により、「友達以上、恋人未満くらいが、ぬるく楽しくちょうどいい」と平和な日常を過ごしていたみくり(新垣結衣)と平匡さん(星野源)。そんなある日。百合ちゃんに「2人の関係を心配していた時期に申し込んだ」と“新婚旅行(温泉旅館宿泊券)”をプレゼントされたのです。渋々受け取った2人は“社員旅行”とかこつけて出発しました。
部屋に着いたらダブルベッド(百合ちゃんの優しさ)だし、空調の故障により部屋を変更したら露天風呂付きの個室だし、みくりの元彼(大声のばかっぽいクレーマー)に遭遇するし。何より、出発前に平匡さんが日野さん(藤井隆)にプレゼントされた物を現地で開けてみると“マムシエキス・どくろターボ3本セット”だし。これを隠すために悪戦苦闘した結果、みくりの上に覆いかぶさりキスしちゃいそうになったり。結局みくりはこっそり見ちゃって、念のため持ってきたオニューの下着を着ちゃったり。……ていうか、みくり! オニューの下着を持ってきたってことは、「もしかしたらするかも」って、「してもいいかも」って思ってるってことじゃないですか! 視聴者だけが目撃したOKサイン!!
それでも夜になると、一度はベッドで並んで寝てみたものの、2人して眠れないんですよ。なので、勝負下着のみくりは背を向けて寝ている(フリしている)平匡さんに触れようと手を伸ばしたのです。
が、その瞬間に寝返りを打って失敗しちゃうんですけど。最終的には、平匡さんがアイマスク×耳栓を装着し、床に寝そべって朝を迎えました。みくりは下着を仕込んでいた自分に「私は何をやってるんだろう」と落ち込み、これまでの「結婚しましょう」「付き合いましょう」「ハグしましょう」といった提案は、平匡さんは優しいからすべて受け入れてくれるけど、「いつも私から。もう疲れた」と嘆きます。一方の平匡さんはというと、「安全装置のついた疑似体験は悪くない」とみくりとの関係が心地よくなってきたのです。見事に思いがすれ違う2人。
帰りの電車では“今、手を繋いだらどうなるか”という個々の妄想で2人の思いが交差します。みくりは、きっと驚かれるけど「新婚旅行感を醸し出すため」と言えば平匡さんは困った顔をしつつも仕方なく受け入れてくれると予想しつつ「でも、私が欲しいのは仕方なくじゃなくて……私は平匡さんに何を求めているんだろう」「今まで通りでいい。何もしない、何も求めない」と諦めの涙を流します。一方で「疲れたけど楽しかったな」と笑みを浮かべている平匡さん。すごいすれ違い!!
そして、「あと一駅、あと一駅。永遠に着かなければいいのに」という言葉が2人の頭の中でシンクロ再生され……駅に着くやいなや、平匡さんがみくりの手を握り、キスしたのです! それも、プロ童貞らしからぬ、上手な手繋ぎ&キス! 隠しきれない(ヤリティンと噂の)星野源感が溢れた瞬間でした。怒涛の甘酸っぱい展開に、各ネット掲示板では平匡さんブームが到来しています。あ、星野源ではなく、あくまで平匡さんなところが『逃げ恥』視聴者っぽくて好きですね。
今回は、百合ちゃんが仕事の愚痴をいつものバーでこぼしていた際の、マスターの台詞「人は見返りを求める、特に恋愛は」と、沼田さん(古田新太)の台詞「わりなんて考えてたら何もできないよ」が布石となっていました。さらに混線を予感させるのはニセ野内・風見さん(大谷亮平)の恋心が動き出しそうだから。百合ちゃんが旅行を漫喫している2人の写メをニセ野内に見せると大層ショックを受けたようで、ニセ野内は「この歳になってショックを受けたのかもわからない、僕は何を求めてるんでしょう」と何だかおセンチな様子。
来週は、そんなニセ野内とみくりに動きがありそうです。平匡さんの相談をしちゃうとか。さらに、みくりは平匡さんをハグしながら「私はいいですよ、平匡さんなら」なんて言っちゃってます。それにしても。2人の感情って、俗に言う“恋”とか“両思い”に見えるんですけど、そう思っているのは視聴者しかいないんですよね。このもどかしさが「イライラ」じゃなく「ほのぼの」に繋がるのは役者のおかげ? 演出が上手いから? つくづく不思議なドラマです。
(ドラマウォッチ:ナチョス)