服を脱がされ… 隠された障害者施設の闇の一面!!
※イメージ画像:Thinkstockより
6月上旬、鳥取県の擁護学校で勤務していた看護師6名が、児童・生徒の保護者からのクレームや、学校側からのケア不足を主な原因として、5月末に一斉退職し、当事者のみならず、多くの人々に強い衝撃を与えた。しかし、そうした騒動が物議を醸す中、現場経験のある関係者からは、実に意外な話が相次いで巻き起こっている。
「職員の中には、性的なものを含めた虐待をする人も少なくないんです。私の場合は、それを注意したために、居づらくなって辞めたんですが…」
自らが過去に体験したことについて、そう語るのは、かつてある養護学校とそこに隣接する関連施設で勤務していたことがあるという元看護師のNさん(38)。彼女の話によれば、その元勤務先では看護師以外のスタッフによる虐待が横行し、目を覆うような光景が、日々繰り広げられていたのだという。
「つねる、叩くは当たり前。あとは、痕跡が残りにくいので、ベッドなどに顔を力ずくでしばらく押さえつけるみたいなこともありました。だけど、誰もそれを止めない。私たちがそれとなく注意しても、“あんたらは看護師だから口を出すな”みたいなことを言われて…」
Nさんの話によると、その施設では、就学年齢に達したばかりの6歳の児童から、中学3年生にあたる15歳の生徒まで通っていたそうだ。その誰もが、同様の虐待を日常的に受け続けていたという。
「小さい子供たちへは、暴力が多かったように思います。だけど、小学校高学年から中学生くらいの歳の子になってくると、たとえば女の子なら男性職員が胸を触ったり、意味もなく裸にしたりということもありましたし、男の子の場合は下着を脱がされて、陰部の写真を撮るような行為もあったようです」
もし仮に、Nさんの証言が事実であるとするならば、もちろん大問題だ。しかしなぜ、そうした事態を把握していながら、Nさんは自らが退職に追い込まれる寸前まで「それとなく注意」しかできなかったのか。
「いろいろと理由はありますが、一番大きいのは証拠が残りにくいからなんです。彼らにとって『部外者』と認識されている私たちの前では、そういうことは絶対にしないし、そのそぶりも見せない。私がこうした事実を知ったのも、子供たちから聞いたからなんです。だけど、それだけでは証拠にならないじゃないですか。最後の最後で、私も我慢できなくて彼らに注意しましたけど、ああいう施設で働く看護師たちは、私と同じような体験をしていると思います」
そうした悪夢のような光景が潜む施設を去り、専業主婦となってからすでに6年もの歳月が流れたというNさん。それでも、こうした事件に関する報道が流れるたびに、過去の忌まわしい体験が去来し、胸を痛めるという。
「私が辞めた後でも、あの子供たちが虐待を受けているのだろうと思うと、苦しくて、苦しくて…、頭が狂ってしまいそうになるんです。だけど、私には何もできない。その無力さに、今はただ、打ちのめされています」
抗う術を制限されていることで、何の罪もない子供たちが、日々、邪まな職員たちからの虐待に苛まれているという障害者福祉施設。これから先、その声なき悲鳴に耳が傾けられ、救いの手が差し伸べられる日は訪れるのだろうか。
(文=戸叶和男)