miwaが女に嫌われる女トップに立った理由…それは「警戒心」の発動ではないか
3月3日でデビュー7周年を迎えたシンガーソングライターのmiwa(26)。歌手としてだけでなく女優としても活動の幅を広げている彼女だが、4日には初のビジュアルブック『SPLASH☆RHYTHM』(ワニブックス)も発売。撮影をレスリー・キーが務め、衣装は伊賀大介のオリジナル、アートディレクションは森本千絵と、そうそうたるクリエイターを揃え気合の入った一冊だ。
その発売を記念してmiwaは5日にトークイベントを行い、イベント後の取材では女優業進出について「慣れないことに挑戦する不安や大変さはあるけれど、そこから学べることもあります。自分自身の枠を広げていければ」と話していた。
しかし女優として出演した作品の伸びは今ひとつ良くない。ヒロインを演じ映画初出演作となった『マエストロ!』(2015)は公開初週の観客動員数ランキング5位で興行収入は1.2億円、そしてつい先日公開された主演映画『君と100回目の恋』もまた初週5位、興収は約9560万円にとどまり、公開二週目の『キセキ−あの日のソビト−』をはるかに下回ってしまった。
手あわせ事件
『君と100回目の恋』では劇中バンド「The STROBOSCORP」としても精力的にPRし、ダブル主演で恋人役の坂口健太郎(25)と共に音楽番組にも出演したが、これが逆に大ブーイング。miwaを「あざとい!」と毛嫌いする層が一気にバッシングのようなコメントをネット上で展開することにもつながってしまった。具体的には、生放送音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にて、トーク中に突然「映画の中でも手を合わせるシーンがあるんですけど、(坂口は)手が本当におっきいんですよ」と坂口と手のひらを合わせたこと、歌唱中も坂口のソロパートで坂口の顔を上目遣いで見つめ続けたこと、最後のエンディングトークでもMCのタモリと話している坂口を隣からずっと見つめていたことなどがブーイングの火種だ。
森永「ベイク」のCMでの演技も「この女はヤバイ」と一部視聴者層から危険視されていたが、Mステで一気に着火、拡散し「女に嫌われる女」のトップに一躍おどりでた格好だ。ちなみにmiwaは昨年9月の「第23回 東京ガールズコレクション2016 AUTUMN/WINTER」で坂口が登壇したステージにシークレットゲストとして召喚された際も、Mステと同様に「手がおっきいの!」と興奮気味に坂口と手のひらを合わせていた。このときもまた、客席からは動揺の悲鳴が上がっていたという……。行動ひとつで同性を阿鼻叫喚させるmiwa、恐るべし。現在は消えたが、一時期はGoogle検索で「miwa」と入力すると、「miwa あざとい」がキーワードのトップになっていた。
しかしmiwaのようにアイドルに近い売り方をする歌手や女優なら、多少の「あざとさ」や「ぶりっ子」は通常営業。突き抜けた「ぶりっ子」はむしろ女子ウケするもので、InstagramなどSNS全盛の今はどれだけ可愛く盛れているかが同性支持を左右する。女子大生層から圧倒的な支持を集める元アイドル・ゆうこすなどはその良い例だ。美人だったりスタイルが良かったりメイク上手だったりモテる事実を隠さなかったり、そうした要素は少なくとも同性から嫌われる要因にはならず、下手に非モテアピールをするほうが「あざとい」と叩かれる。他の女性タレントとmiwaのどこに違いがあるのか。
罠にハメられそう
一言で言えば、miwaは同性に対して「警戒心」を抱かせるタイプなのである。「近くにいたら、自分が悪者にされそう」な要注意人物として認識されている、ということだ。もちろんmiwaは基本的に一般人の近くには来ないので無害ではあるのだが。
また、Twitterアカウント:OLちゃん(@kawaii_ol_)さんが2月に『君と100回目の恋』のメインビジュアルと共にツイートした文章、『miwaと坂口健太郎のこと好きでも嫌いでもないんだけど、どうしてもこの画像を「好きな男に私の悪口を吹き込んで横取りした女」と「女の言うことを真に受けて私を嫌いになった男」という設定で見てしまい、勝手に腹を立ててる』は多数の共感を集め拡散された。
自分が悪いことをした覚えはないのに、いつのまにか仲間内で悪者扱いされていた苦い経験。その黒幕が、誰からも好かれる明るく優しい女子だったというえげつない真実。そうした個人的な記憶がmiwaを見ることで呼び起こされ、miwaへの嫌悪感に繋がる……という構図が、あるのかもしれない。繰り返すようだが、miwaがそうしたえげつない行動をしたわけではないのだが。
そんな苦い記憶と共にmiwaバッシングが錯綜するも、彼女の所属する芸能プロダクションであるトライストーン・エンタテイメントの社長が「男女の仲」を噂されるほどmiwaに入れあげているため、当分はゴリ押し状態が続くだろうという見方もある。フジテレビが夏と冬に催す一大音楽イベント番組『FNS歌謡祭』にも欠かさず出演し、大御所歌手と組んで持ち歌でない楽曲を歌いこなすmiwaだが、共演した大物シンガーからの評判も軒並み上々で、年輩方から可愛がられていることが伺える。miwaによって心がザワついてしまう女性たちがどれだけいようとも、当面、彼女の活動は安泰だろう。
とはいえ現状の「かわいくて爽やかで明るい」シンガーかつ女優としてのウリは、30代を過ぎても変わらず通用するスタイルではない。そのまま継続するだけでは幼すぎるし、何より飽きられるのが自然だ。Aiko(41)や椎名林檎(38)、YUKI(45)など30代~40代でも一線で活躍を続ける女性シンガーもいるが、彼女たちのような独自の世界観および支持層をmiwaが確立しているとは言い難く、現状の路線では難しいだろう。同世代では西野カナ(27)が同性支持という側面で一歩も二歩もリードしている。そんな西野を意識したのか、昨年6月にmiwaがリリースしたシングル「Princess」は、まだ見ぬ運命の王子様に出会う日を夢見る女性を歌ったものだが、その歌詞は「まんま西野カナのパクり」と酷評された。miwaの持つ唯一無二の独自性、それこそがアンチの言う「あざとさ」に他ならないのだから、いずれはその側面を存分に強調したオリジナルな楽曲を期待したい。
(hin-nu)