「それゆけ!勝手にしらべ隊」の記事一覧

ラブドールは“抜く”だけの道具じゃない! 都築響一が認めた「ラブドール写真家」の美学とは?

<p> 男性向けの疑似性交用等身大人形、いわゆるダッチワイフ。いまだにビニール製のチープな人形をイメージする人も多いが、最近はラブドールと呼ばれるマネキン以上に人間らしい、シリコン製の高級品も販売されている。</p>

<p> そんな高品質のラブドールをモデルにして写真集を自主制作しているのが、ラブドールオーナーのSAKITANという30代男性である。</p>

<p> まずは、サンプル画像を見ていただきたい。これが驚きのクオリティなのである。</p>

自由すぎるセブン-イレブンFC店、本部に怒られないの!?

<p> このところ、セブン-イレブンのフランチャイズ(FC)店の様子がおかしい。オリジナルのPOPや求人広告を作成、それをTwitter上にアップしてプロモーション活動を展開する店舗が増えているのだ。</p>

<p> たとえば、東京・武蔵小金井の某店舗では過去、五輪エンブレムをパロったおでんPOPや、エイプリルフールに入り口のセブン-イレブンマークの上に、「ローソン」を模したと思われる青いマークを手書きしたポスターを貼って“仮装”したり、節分には店員が自作のお面をかぶるなど、たびたびネット上を騒がしている。</p>

合言葉は「仏恥義理!」 木更津発・ヤンキーアイドルユニット「C-Style」って?

<p> 先日、「『喧嘩上等』『天上天下唯我独尊』はもう古い! 【卒ラン】近年の流行は“自作ポエム”!?」という記事で、近年の卒ラン事情についてご紹介した。</p>

<p> 取材先のプロス通販(岡山県玉野市)によるコメントも実に興味深いが、同社が通販モデルに起用しているというヤンキーアイドルユニット「C-Style」が気になって仕方がない。</p>

<p> ヤンキーブームは1980年代。しかし、そこから40年近くがたっている。なぜいまヤンキー、しかもアイドルなのか。都内でライブがあると聞き、さっそく駆けつけた。</p>

一泊380円!? 大阪・十三の激安ラブホ「ホテル サンパチ」に潜入!

<p> 大阪市淀川区十三。梅田から阪急電車で5分ほどの街である。飲食店やキャバレーなどが立ち並ぶ歓楽街で、駅の南側にはラブホテル街がある。</p>

<p> 僕はよく十三に飲みに行くことがあり、ぶらぶら歩いているうちに、気づけばそのラブホテル街に足を踏み入れていたりするのだが、中でもひときわ目立つのが「激安ホテル サンパチ」だ。</p>

<p> 看板には「世界初 212号室限定 ロングタイム ご宿泊380円」とある。「サンパチ」だから380円。その理屈は理解するとして、380円で宿泊できるというのは、あまりにも安すぎる(※料金は、すべて税別)。</p>

実は紙じゃなかった! 投票箱の中で自然に開く「投票用紙」、その原理とは?

<p> 7月10日は参議院選挙。今回から選挙権年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられたことが話題になっている。これによって有権者数は約240万人増え、全体では約1億660万人となる。</p>

<p> そこで心配になるのが、開票スピード。仮に投票率が50%としても、膨大な数の投票用紙が各地の投票箱に入れられることになる。</p>

<p> しかし、安心してほしい。現在の投票用紙は折りたたんだ状態から投票箱の中で自然に開くため、開票作業の効率化に大きく寄与している。さらに、候補者の名前を読み取る機器や枚数を数える計数機の進化も著しい。</p>

ドムドムハンバーガー全店制覇を目指す謎の集団「ドム連」とは?【後編】

<p> 看板を指さして、けんちんさんが言う。</p>

<p>「『ハンバーガードムドム』と、『ハンバーガー』が先に来る順序で表記されているのは珍しいんですよ。一時期、その表記を採用していたことがあるんです」</p>

<p>「このモーニングセットも貴重です。オープン時間が早い店舗でしか実施できないという事情もあって、全国で数店舗しかやっていないんです」</p>

ドムドムハンバーガー全店制覇を目指す謎の集団「ドム連」とは?【前編】

<p>「ドムドムハンバーガー」というファストフードチェーンの名を聞くと「ああ、あの象のマークのでしょ?あったあった! 懐かしい……」と、遠い目をする人が実に多い。</p>

<p> しかし、「ドムドムハンバーガー」は今もなお、日本各地に存在するのだ。</p>

<p> 確かに、全盛期である1980年代には全国に400以上もあった店舗が、2016年6月現在で69店舗と、その数を減少させている。だが、現在も営業中の店舗は、地域の方々に愛されながら、ほかのチェーンにはないどこかアットホームな雰囲気を大切にしつつ、いつでもわれわれにドアを開いて待っていてくれる。<br />
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遊廓や売春関連の書籍ばっかり復刊する「カストリ出版」ってなんだ?

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「全国260箇所の遊廓を収録した奇書『全国遊廓案内』!!」「今から60年前に刊行された色街ガイドブック、『全国女性街ガイド』を完全復刻!!」「800ページ超180ヶ所の大著 全国の花街・遊廓・私娼窟を紹介」……これらはみな「カストリ出版」という、現在進行形で活動中の出版社によって販売されている書籍の紹介文である。</p>

<p> 花街や遊廓というと遠い昔の話に感じたり、今もあるのかもしれないけど、表立った情報の極端に少ないタブーなテーマに思えたり、どちらにしても日常とは縁遠い世界であるような気がする。都市伝説に近い感覚。<br />
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「蛾は“愛らしい方”」蛾に心酔するアーティスト【蛾売りおじさん】って!?

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 筆者が働いている大阪・中津の「シカク」という書店で、あるイベントのチラシを目にした。表には暗い月夜に羽ばたく毒々しい「蛾」。裏を見ると「蛾売りおじさん個展」とあり、開催日や会場の案内が記されている。どうやら「蛾売りおじさん」という人物の個展案内らしい。そして、そこにはこんな一文が。

「蛾売りおじさんは、蛾の刺繍ブローチや絵画作品を制作しています。蛾の印象向上に努めて参ります」

「蛾の印象向上」に努めているというところにただならぬ迫力を感じて調べてみると、ご本人のTwitterアカウントが見つかった。そこには驚くほど精巧に蛾を模した作品の数々が画像付きで紹介されていて、目を引かれつつ、直視するのが怖いほどだった。おそらく大多数の人と同じく、私は蛾が苦手である……。

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 とはいえ、「蛾売りおじさん」とはいったいどんな人物なのか、気になって仕方がない。そこで、思い切って話を聞いてみることにした。ちなみに「おじさん」と名乗ってはいても、ご本人は20代後半の女性である!

――いつ頃から「蛾売りおじさん」として活動しているのですか?

蛾売りおじさん(以下、おじさん) 4年前のことです。友人にプレゼントするため、蛾ブローチを作ったのがきっかけでした。蛾と布の相性がとてもよく、自分で言うのもなんですが、とてもかわいらしいものができたんです! その友人の勧めもあって、当時通っていた大学の学祭で売ろうということになり、制作を始めました。

――なぜ「蛾売りおじさん」なのですか?

おじさん 数年前に、ヒゲにハマっていた時期がありまして……。『世界ヒゲ選手権』という大会で、世界各国の、ヒゲにとてつもなく深いこだわりを持った人たちの姿を見たのがきっかけでした。その影響で、イベント参加時に付けヒゲをしたいと思いまして、その理由付けとして、おじさんを名乗ることになったんです。

――なるほど、ヒゲありきの「おじさん」だったんですね。それにしても、「蛾ブローチ」の羽の模様はすごく精巧にできていますが、これはどのように作られているのでしょうか?

おじさん ひと針ひと針、手刺繍で制作しています。本物の蛾も、透明の翅を土台に鱗粉が一粒一粒乗っかって、、あの精巧で美しい模様を作っているんですが、鱗粉を糸に置き換えるようなイメージで制作しています。

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――そもそも、蛾に魅入られるきっかけって、なんだったんですか?

おじさん もともとは芋虫好きだったのですが、ある時、大きめの蛾に出会って、そのモフモフとした胴体、黒くてクリクリとした瞳、うさ耳のような櫛形触覚、高級絨毯のような美しい翅……! そのすべてに、一目惚れのごとくぞっこんに惚れ込んでしまいました。インターネットや図鑑などで調べていくと、ますます興味が湧き、明かりに集まる蛾を求めて、夜中のコンビニ巡りを始めました。住んでいたところが山に近いこともあり、写真で見てアイドルのように感じていた方たちにぞくぞくと出会うことができて、より一層のめり込んでいきました。

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――蛾を目当てに、夜のコンビニに来ている人がいるとは思いませんでした! 私は蛾が苦手なのですが、同じ意見の人が多いかと思います。そんな世の中をどう思われますか?

おじさん 蝶が苦手という人はあまりいないのに、蛾が苦手という人が多いことを不思議に思っています。おそらく、よく知らないことが一番の要因だと思います。「毒がありそう……」とか「鱗粉をまき散らす」など、ネガティブな印象をよく聞きます。でも、実際のところ毒を持っている方はほんの一握りで、ほとんどの方に毒はありません。また、蝶に比べて蛾に鱗粉が多いのは夜に活動するからで、夜は昼に比べて温度が低いため、熱を逃がさないようにしているのだと思います。寒い日に、毛皮のコートをまとうようなものではないでしょうか。予想外のほうに飛んでくるのを怖がる人もいるようですが、実際は飛ぶのがへたっぴな「どじっこさん」なんです。

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――蛾のことを「どじっこさん」と思って見たことがなかったので、新鮮です。蝶より蛾のほうがお好きなのですか?

おじさん 蝶も好きですが、蛾のほうに、より魅力を感じます。蛾は日本だけでも6,000種以上いるといわれるくらい、種類が豊富です。蝶は250種類ほどで、むしろ蛾の種類の中に蝶が入っているようなものです。種類が多いこともあって、身近で出会う可能性が高いのも魅力のひとつだと思っています。しかも、蛾は飛ぶのが苦手なためか、一度止まるとじーっとしていまして、観察したい放題なのもいいです。

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――どうしても、蛾をじっと観察するのに、まだ抵抗が……。「蛾売りおじさん」の作品を購入されるのは、蛾が大好きな人ばかりですか?

おじさん どちらもいらっしゃいます。蛾がお好きな人はこだわりどころをわかっていただける人が多いですし、実物は苦手でも、制作物としてなら平気だとおっしゃる人もいらっしゃいます。作品をきっかけに、本物の蛾に対しても愛着を感じてくださる人もいらっしゃって、そのような報告を聞くと大変うれしく感じます。

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――最近、イチ押しの蛾はいたりしますか?

おじさん 個展のDMにも起用しているのですが、「イボタガ」という方をとても特別に思っています。シックなブラウンを基調とした複雑で精巧な模様は大変美しく、初めてお会いした日を忘れることができません……。最近気になっている方は「フユシャク」の仲間です。冬は虫が少なくなるシーズンですが、蛾にはシーズンオフはありません。冬には冬の蛾がいるのです! ぽってりとしたおなかが大変愛らしい方なんです。これからシーズンなので、お会いできるとうれしいです。

――「蛾売りおじさん」としての目標や夢などは、ありますでしょうか?

おじさん 負のイメージを持たれがちな方たちですが、知ってみると、とても魅力的で素敵な方々です。少しでも、蛾の良さを知っていただけるきっかけを作れたならうれしいです。蛾の印象が向上するよう励んで参ります。たくさんの種類がいるので、一種類でも多くの方を作れたらいいなぁと思います。

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※中央の「猫蛾」は蛾売りおじさんの創作蛾

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 蛾売りおじさんは、蛾のことを「愛らしい方」と呼ぶ。「繊細に織られたマントに毛皮の首巻きや手袋をまとっている蛾のデザインは、まるで紳士淑女のようなのです。高貴な方々のように感じてしまい、なんだか呼び捨てできないんです」と語るところからも、その愛の強さがうかがえる。蛾売りおじさんの個展情報をTwitterの公式アカウントやブログでチェックして、蛾嫌いを克服しに行ってみませんか!
(文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

蛾売りおじさん – Twitter
https://twitter.com/higenogauri>

ガブログ
http://blog.goo.ne.jp/higenogauri>

お年寄りのライフスタイルをオシャレに紹介する、フリーペーパー「鶴と亀」がすごい

 とある書店で配布されていたフリーペーパーを、なんの気なく手に取って驚いた。ページをめくってもめくっても、お年寄りの写真ばかり。

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 いったいこれはなんなんだ!? 

 フリーペーパーの名は「鶴と亀」。2015年9月現在で、第4号までが発行されている。長野県飯山市を拠点にしたフリーペーパーで、写真のお年寄りたちも飯山市近辺の方々のようである。どの写真もみんなイキイキと写っている。庭仕事をしているところや銭湯に入っているところなど、生活感あふれる場面ばかりなのが面白い。

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 巻頭に記載された「地方にいるイケてるじいちゃん、イケてるばあちゃんをスタイリッシュに発信。」という言葉通り、あくまで誌面作りはおしゃれ。表紙をパッと見るに「ストリート系のZINEかな?」と思ってしまうようなデザインである。

 果たして、このような冊子を作っているのはどんな人なんだろうか? 取材を申し込んだところ、代表者の小林直博氏が電話インタビューに応じてくれた。

***

――「鶴と亀」は他に類のないテーマのフリーペーパーだと思うのですが、何名ぐらいで制作されているのでしょうか?

「僕と兄の2人で作っています。2人とも飯山から一度東京に出ていて、そこでいろいろなフリーペーパーに出会い、いつか何か作りたいと考えていました。飯山に戻ってきて、やるなら地方にしかできないこと、都会に負けないものをテーマにしたいなと。僕らは子どもの頃からすごい“おばあちゃん子”だったのもあって、こういうテーマになりました。遊び相手も、おばあちゃんでしたし。ちなみに、おばあちゃんは、今まで出た全号に登場しています。4号だと、整体院で寝てる写真ですね」

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――誌面のデザインなどがとにかくおしゃれな感じで、クオリティもすごく高いと思うんですが、出版関係のお仕事をされていたんでしょうか?

「いや、2人ともまったくの素人です。僕はカメラが趣味だったんで、写真は以前から日常的に撮っていたんですけど。2人とも今は別の仕事をしつつ、『鶴と亀』を作っています」

――ちなみに、お2人の年齢は?

「僕が24歳で、兄が27歳ですね。第1号を作ったときは、僕はまだ大学に行っていました」

――若い! 「鶴と亀」は、企画も面白いですよね。第3号ではお年寄りが服用している薬が見開きでドーンと載っていたり、第4号ではお年寄りのファッションを若い人が取り入れているコーナーがありました。

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「じいちゃんばあちゃんにとっては当たり前の日常なんだけど、よく考えたら面白いものを紹介できたらいいなと思っています」

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「ちなみに、あのラッパーがかぶっている帽子は『ひさ江ハット』っていうんです。うちのおばあちゃんが『ひさ江』という名前で、よく着てるカッパがあって、その柄がすごくいいからなんとかして自分も身に着けたいと思って、それで思いついた企画です。カッパの柄をスキャンして、布用のプリンターで転写して作った帽子です」

――手が込んでますね! 自然体のお年寄りの写真がたくさん載っていますが、取材対象はどのようにして探すんですか?

「中には知り合いの方もいるんですが、ほとんどは散歩していていいなと思ったら声をかける感じですね。最初は『今日は草刈りですか?』とか世間話から。でも、基本的にはみなさん嫌がりますね。恥ずかしがられます。僕らが取材している地域は観光客が特別来るような場所でもないので、みなさん取材慣れしていないというか。最初の頃は断られたらすぐあきらめてたんですけど、出来上がった本を見せたりすると、“こんな本になるならいいよ”という感じで撮らせてくれることもあります。最近では、断られても、もう少し押せば撮らせてもらえるなとか、わかるようになってきましたね」

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――撮影していて、印象的だったお年寄りはいますか?

「第1号に、ズボンのチャックを全開にしてるおじいちゃんの写真があるんですけど、その写真が面白いっていうことで『鶴と亀』の認知度がかなり上がったので、そのおじいちゃんは特に印象的でしたね。92~93歳で、そういうスタイルというか、普段からチャック全開らしいんです。写真も、すんなり撮らせてくれました」

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「あとは、第4号でも紹介しているんですが、肛門科に来たおじいちゃんが肛門のことを『糞切り包丁の調子が悪い』って言っていて、それは衝撃でしたね。お年寄りは、そういうパンチラインをたくさん持っているので面白いです」

――「糞切り包丁」! すごいフレーズですね。それにしても、これだけ質の高いフリーペーパーで、失礼ですが、採算は取れているんでしょうか?

「東京や地元の長野でフリーペーパーを作ってる人から『やるなら赤字覚悟だよ』って言われていたんで、最初から利益を出そうとかは思っていなかったですね。現在は、地元の企業さんが面白がって広告費を出してくれているおかげで赤字にはなっていなくて、トントンという感じです。黒字ではないですが、面白いことをやれて、すごくありがたいと思っています」

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――「鶴と亀」の今後の展開について、何か考えていることはありますか?

「まだまだ試してみたい企画があるので、自分たちの負担にならない程度に続けていきたいですね。今は1万部作っているんですが、おかげさまで設置場所も増えて、冊数が足りなくなっているような感じです。とりあえず、1年に2冊出すのを目標にしているので、そんなペースでやっていきたいです。ほかの地方のお年寄りを撮影して、飯山のお年寄りと比べてみたりしたいですね」

***

 小林さんによれば、飯山は四季が非常にはっきりしていて、夏は暑く、冬は豪雪が降るという「厳しい場所」だという。そんな土地柄だからこそ、タフでワイルドに自分のスタイルを貫くお年寄りが多いのかもしれない。そんなお年寄りの魅力をスタイリッシュに伝えてくれる「鶴と亀」を、今後も応援していきたい!
(文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

●「鶴と亀」
http://www.fp-tsurutokame.com/>

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