「てれびのスキマ」の記事一覧(4 / 6ページ)

テレビドラマは、東日本大震災をどのように昇華してきたのか

<p>「娯楽に関わる多くの人が自分自身に問いかけました。ドラマや映画や歌がなくても人は十分生きていける。でも水や食べ物、電気や燃料がないと人は困る。生きられない。世の中がすっかり変わってしまった。3月10日まで、日々どんな気分で暮らしていたか、アキもまた思い出せず、自分がどうしたいのか、わからないでいました」</p>

<p> これはNHK朝ドラ『あまちゃん』の物語の終盤、東日本大震災に見舞われた後のモノローグである。アイドルとして娯楽を提供してきたアキ(能年玲奈)が、果たして自分はこのままアイドルをやっていていいのだろうか、自分に何ができるのか、苦悩する。東日本大震災は、こうした悩みを「娯楽に関わる人」すべてに抱かせた。そして、震災後に作られたドラマのほとんどは、直接的・間接的を問わず、多かれ少なかれ、「震災」の影響を受けている。</p>

こんなあからさまなヤツいる? 『ポンコツ&さまぁ~ず』の人間ドキュメント「狩野英孝の“あの日”」

<p>「なんだ、この画?」</p>

<p> スタジオでVTRを見ていたさまぁ~ずの大竹一樹は、そこに映っていた狩野英孝の“異変”に気付き、そう言った。</p>

<p>『ポンコツ&さまぁ〜ず』(テレビ東京系)の一幕である。狩野英孝とアンジャッシュ・児嶋一哉に女性ゲスト(今回は及川奈央)を加えた3人が、てんぷらなどで使われたサラダ油などをろ過して燃料とするエコカー「オイルン」で鹿児島を目指す旅企画である。</p>

<p> そこで狩野は、明らかにおかしかった。<br />
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オードリーがやらかした! 昼の情報番組『ヒルナンデス!』の向こう側

<p> オードリーが、やってしまった。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の終盤、スタジオでは視聴者プレゼント用に家具メーカーから提供された椅子が、オードリーの2人によって紹介されていた。その椅子は30年以上売れ続けているロングセラー商品で、おしゃれなデザインが人気。何より、630万回以上のテストをクリアした、耐久性に優れたアームチェアだという。</p>

<p> そこでオードリーは、果たして本当に壊れないか試してみることに。春日俊彰がその椅子に体重を預けるように飛び跳ね始めると、若林正恭も悪ノリ。全体重が椅子にかかるように春日の肩を押さえつけ、さらに負荷をかけた。春日が体を揺らすこと6~7回。「バキッ!」という大きな音とともに椅子が壊れ、春日が倒れ込んでしまったのだ。<br />
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かつての清純派女優が企てる、危うい完全犯罪――“最強の二人”『ナオミとカナコ』の生きる道

<p> 広末涼子と内田有紀。90年代に青春を過ごした者にとって、二人は“女神”だった。ともに90年代半ば、ショートカットの清純派女優としてアイドル的な人気を博した。だが、2000年代に入ると、それぞれの理由で一時的にテレビから姿を消す。そして同じ05年、示し合わせたかのように二人は女優復帰する。奇妙なほど符合する芸能生活。はたから見れば、彼女たちは“ライバル”のように見えた。事実、これまで二人の共演は実現していなかった。</p>

「聞き流す名人」40周年を迎えた『徹子の部屋』黒柳徹子の驚異的な純粋さ

<p> 今年2月2日をもって40周年を迎え、41年目に突入した『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では、2月11日に「祝40周年 最強夢トークスペシャル」と題して、ゴールデンタイムで特別番組が放送された。</p>

<p> この特番ではマツコ・デラックスを従え「徹子とマツコの部屋」として、大谷翔平や吉田沙保里・澤穂希、王貞治といったアスリートたちが出演したが、なんといっても1991年以来、25年ぶりとなる明石家さんまの登場が話題を呼んだ。</p>

ダメな奴らは、かわいらしい――NHK×松尾スズキ『ちかえもん』という虚実皮膜の痛快娯楽劇

<p>「どうも、近松門左衛門です。浄瑠璃作家として教科書に載っている、あの近松門左衛門です。大河ドラマでもナレーションさせてもらったことがある、あの近松です!」</p>

<p> そんなモノローグが挿入される時代劇が『ちかえもん』(NHK)だ。</p>

<p> NHKの時代劇? 堅そう。近松門左衛門? よく知らない。</p>

<p> そんな先入観で見ることをためらってしまうのは、心底もったいないドラマだ。</p>

「1人のバカが変えていく」『人生のパイセンTV』が壊す、窮屈で退屈でマンネリなテレビ

<p>「ついに若林さんが覚醒しました!」</p>

<p> オードリーの若林正恭が荒々しいラップを歌い終わると、ベッキーがそう叫んだ。会場には、割れんばかりの「若様」コールが鳴り響いた。</p>

<p> そこは「PAISEN FESTIVAL マジリスペクト 2016」と名付けられた“音楽フェス”の会場。『ヨルタモリ』(フジテレビ系)の後番組として、昨年10月からレギュラー放送を開始した『人生のパイセンTV』で行われたフェスである。番組の総合演出を務める「マイアミ・ケータ」こと萩原啓太の「夢だった」ということから、番組開始わずか3カ月で実現した。</p>

マツコロイドが真理を語る、NHK新春ドラマ『富士ファミリー』の肯定感

<p> お正月のスペシャルドラマの出演者に「マツコロイド」の名前があれば、普通は「あ、軽い感じのドラマかな」と思うだろう。マツコロイドとは『マツコとマツコ』(日本テレビ系)などに登場していたマツコ・デラックスそっくりのアンドロイド。ドラマの“出演者”としては、間違いなく“イロモノ”だろう。</p>

<p> だが、木皿泉・脚本のドラマなら、話は別だ。なぜなら、木皿はこれまでも、人ならざるものをモチーフにして、“人間”を描いてきた作家だからだ。</p>

テレビウォッチャー・てれびのスキマが選ぶ、2015年のテレビ事件簿【ドラマ編】

<p> 2015年のドラマを振り返る際、真っ先に挙げなければならないのは『下町ロケット』(TBS系)だろう。多くのドラマが視聴率1桁台と2桁台の境目でもがいている中、20%超えする回もあるなど、高視聴率を獲得。いわば、ひとり勝ち状態だった。</p>

<p> これには、さまざまな要因がある。中でも大きいのは、伊與田英徳プロデューサー&福澤克雄演出というチームの完成度が、いよいよ円熟されたということだろう。吉川晃司や立川談春、今田耕司といった、意外で新鮮味のあるキャスティングを勧善懲悪のわかりやすい物語と特徴的な演出で生かしている。<br />
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テレビウォッチャー・てれびのスキマが選ぶ、2015年のテレビ事件簿【バラエティ編】

<p> 2015年のバラエティ番組の顔といえば、やはりマツコ・デラックスだっただろうか。</p>

<p> これまでのレギュラーである『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)、『マツコの知らない世界』(TBS系)、『アウト×デラックス』『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)、『5時に夢中!』(TOKYO MX)に加えて今年、『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系)や『マツコとマツコ』→『マツコ会議』(日本テレビ系)も始まった。日曜日以外全曜日にレギュラー番組があるという、文字通り「テレビで見ない日はない」といえる活躍。しかも、そのほとんどはメイン。『夜の巷を徘徊する』や『マツコの知らない世界』『マツコ会議』ではタレントの出演者はほぼマツコひとりという、ひな壇にタレントを多数集める番組が多い中、極めて異質な番組を作っている。そんな2015年のバラエティ番組を、振り返ってみたい。</p>

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