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『エヴァ』に迫るソフト売り上げを記録 第2期で大ブレークした『ラブライブ!』の快進撃が止まらない!

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 早いもので、2014年もそろそろ終わりが近づいてきました。さまざまな自然災害、事件が日本全体を揺るがした激動の一年でしたが、みなさんが大好きなアニメ業界にとってはどんな一年だったのでしょうか? 独断と偏見で、ざっくりと2014年のアニメ業界を振り返ってみましょう!

■キッズアニメの王者が世代交代か!?

 あっちで「ゲラゲラ」、こっちで「ポー」といった具合に、『妖怪ウォッチ』が席巻した今年のキッズアニメシーン。今年5月にバンダイが0~12歳の子どもを持つ親を対象に行った「子どもの好きなキャラクターランキング」によると、1位の『それいけ!アンパンマン』に次いで『妖怪ウォッチ』が2位にランクイン。

 一方、比較対象としてしばしば挙げられる『ポケットモンスター』は、なんと8位。この結果を見る限りは完全に、子どもに人気のゲームキャラの座はピカチュウからジバニャンへと世代交代した感があります。

 12月20日に公開された『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』の動員・興行収入も順調な滑り出しを見せており、このペースで行くと今夏公開された『ポケモン・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシー/ピカチュウ、これなんのカギ?』の興行収入成績を上回るのでは……といわれています。

 しかし、『ポケモン』は20周年を間近に控えた怪物コンテンツ。片や『妖怪ウォッチ』はまだ始まって数年の、新参コンテンツです。世代を超えて愛される『ポケモン』が定番の強さで人気を維持し続けるのか? それとも『妖怪ウォッチ』が、第2のポケモンとして完全にお株を奪ってしまうのか。今後も注目です。

■『ラブライブ!』、『エヴァ』に迫るソフト売り上げを記録!

 アイドルアニメが数多く制作された2014年のアニメシーンですが、その中でもとりわけ多くの支持を集めたのが『ラブライブ!』です。昨年1月より放送された第1期の続編となる第2期が、4月より放送スタート。通常、第2シーズンものは前作よりも人気が落ち着くことが多く、映像ソフトなどの売り上げも縮小しがちなのですが、『ラブライブ!』は第2期で人気が大ブレーク。Blu-ray第1巻は11万枚オーバーの超ヒットを記録! 2015年に開催予定のライブチケット先行抽選券が封入されるというブーストがあるとはいえ、この記録はちょっと尋常ではありません。ちなみに1巻以降も4~5万枚で売り上げは推移。第1期のほぼ倍の売り上げを維持していることから、どうやら単にチケット目的で第1巻のみが売れたわけではないみたいです。

 ちなみにこの枚数がどれだけすごいのかというと、テレビシリーズアニメのBD/DVD売り上げランキングで見てみると、2000年代以降に放送された『魔法少女まどか☆マギカ』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』『化物語』などの人気深夜アニメはすべて後方にぶっちぎり、残るは90年代に発売された『新世紀エヴァンゲリオン』数巻と『The World of GOLDEN EGGS』くらいという状態。CDも3枚がゴールデンディスク入りするという快挙を成し遂げた『ラブライブ!』は、来年劇場版の公開も控えており、今後この人気がどこまで伸びるのか非常に気になるところです!

■今年も生まれた! 大量のアニメ流行語

 昨年は「にゃんぱすー」「駆逐してやる」といった流行ワードが生まれたアニメ発の流行語ですが、今年も昨年に負けず劣らずのパンチラインが誕生。ファミリー層には「ゲラゲラポー」「もんげー」「妖怪のせい」など、『妖怪ウォッチ』一色な感じだと思うのですが、深夜アニメ大好きクラスタはこんな感じでしょうか?

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」
「さすがはお兄様です(さすおに)」
「(^q^)くおえうえーーーるえうおおwww」
「コネクティブヒナアアアアアアアア!!!!!」

 2014年秋スタートのアニメ『SHIROBAKO』で登場した「万策尽きた~」も、なかなか汎用性があっていいですよね。ちなみに、個人的には「かしこまっ!」がヒットでした。

■ロボットアニメは男のロマン! しかし、ロマンだけでは面白くならない……?

 近年、妙に増加傾向のあるロボットアニメですが、今年も例年以上に多くのタイトルが発表されました。しかし、それらがきちんとヒットしたかというと……どうなんでしょう。

 まずは、今年35周年を迎えたガンダムシリーズは、秋より『ガンダムビルドファイターズトライ』と『ガンダム Gのレコンギスタ』の2作品を同時展開。同時期に、別の局で複数タイトルが本放送されるなんて、ガンダム史上初の試みです。

 熱さと発想の自由度が魅力のガンプラバトルが展開する『ビルドファイターズトライ』、富野由悠季監督による独特の言語感覚とドライブ感が癖になる『Gレコ』とそれぞれ魅力あふれる作品なのですが、ネット上では日夜両作品のアンチによる言い合いが繰り広げられています。個人的には、どっちも面白い『ガンダム』作品なんだけどなあ。と思う一方、人類はまだまだニュータイプには程遠いなと再認識させられますね。また、フルCGの硬質なタッチがハードな世界観にマッチした『シドニアの騎士』なんかも、なかなか面白かったように思います。

 その一方、『キャプテン・アース』『M3-ソノ黒キ鋼-』『白銀の意思 アルジェヴォルン』『バディコンプレックス』『ノブナガ・ザ・フール』『風雲維新ダイ☆ショーグン』『健全ロボ ダイミダラー』なんかもありましたが……う~む……。「ミリタリー度を強めろ」と言われたり、「もっとエロネタを!」「もっと萌えを!」と言われたり、いろいろと大変かと思いますが、制作者の皆さんも頑張ってください!

■グラビア、結婚、スキャンダル!……そして訃報。激動の声優業界

 いまやアイドルに匹敵する人気を誇る声優。アニメに欠かせない裏方である一方、タレントとしての需要も日々高まっています。そんなわけで、今年も声優のメディア露出が大きな話題を呼びました。

 グラビア系声優として人気の内田真礼が青年誌に複数回登場! セクシーな水着グラビアを披露し、声優ファンを歓喜させました。無名時代からホテルなどでの個人撮影をしていた経歴のある彼女だけあって、水着の着こなしもセクシーな見せ方も心得たもの。今後も僕らを魅了してください!

 そして永遠の17歳声優・ほっちゃんこと堀江由衣が、12月22日発売の週刊誌「FLASH」(光文社)で制服グラビアを披露! 今年でデビュー17周年を迎えながらもいまだにみずみずしさを失わない彼女の姿に、「ホ、ホ、ホァアーーーーーー!」と叫んだファン多いはず!

 また、今年も多くの声優さんがご結婚されました。主な女性声優だと南里侑香、椎名へきる、仙台エリ、生天目仁美、本名陽子、MAKO、沢城みゆき、仁後真耶子、長谷川明子、儀武ゆう子、瀧本富士子、阿澄佳奈など。

 対する男性声優は、瀧本富士子と入籍した荻原秀樹くらいしか名前が挙がらない。ほかには、一般人が、とある男性声優の結婚式に参加したことをうかがわせるツイートを投下。ネットを騒がせるという事件が起きたが、本当に男性声優の結婚がたまたま少なかったのか。それともタレント的な事情で公表していないだけなのか。どちらにしろ、おめでたいかぎりです。

 そんなめでたいニュースが多くあった一方、訃報もまた少なくありませんでした。永井一郎、納谷六朗、家弓家正、中村秀利、仲村秀生など、人気キャラクターを多く演じた声優が続々と他界……。ご冥福をお祈りします。

 というわけで、ざっくりと2014年のアニメ業界を振り返ってみました。来年はどんなニュースがアニメ業界を盛り上げてくれるのでしょうか!? 楽しみですね!
(文=龍崎珠樹)

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