「書籍」の記事一覧

出版業界の新たな希望「ネットで書籍の全文検索」が可能になれば、売上は伸びるのか?

 文化庁は、来年に施行される著作権法の改正により、著作権者の許諾なしに書籍の全文を電子データ化し、ネットで検索できるサービスを構築する方針を固めている。

 書籍の売り上げに配慮して、閲覧できる内容はキーワードの前後数行に限られるが、これは出版業界に大きな変化をもたらす可能性もある。

 この書籍の全文検索は、すでに2004年からGoogleが開始している。日本では0…

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【「ハイロー」考察本発売記念】”MUGEN”こそが夢だった――EXILE HIROという男が紡ぐ物語のゆくえ

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 きたる12月15日、小社より「想像以上のマネーとパワーと愛と夢で幸福になる、拳突き上げて声高らかに叫べHiGH&LOWへの愛と情熱、そしてHIROさんの本気(マジ)を本気で考察する本」(以下、「ハイロー考察本」)が刊行されます。

 本書では「HiGH&LOW」を紐解くための「LDH研究」も行っておりますが、サイゾーpremiumでは2013年あたりから、EXILEおよびLDH研究を(勝手に)進めており、

「メディア統制と”教祖”HIROの徹底教育――”黒いジャニーズ”EXILEのゴシップはなぜ出ないのか?」(13年11月15日公開)

「ジャニーズと張り合うEXILE一族の最終兵器! 三代目J Soul Brothersが”嵐”になる日」(14年12月25日公開)

「本当にATSUSHIは脱退してしまうのか? EXILEの影なるカリスマの孤独」(14年7月16日公開)

 その中で培われた研究・考察の成果もぎゅっと凝縮して詰め込みました。

 さて、ここでは「ハイロー考察本」に収録されている「HIRO大研究」記事の一部を先行公開。ヤンキーマンガや映画を長年見続けてきたライター・藤谷千明氏による「HIRO論」をお届けします。LDHの総裁にして、「HiGH&LOW」創造の父でもある”EXILE HIRO”が紡ぐ物語のゆくえやいかに……。

「ムゲンを永遠のものにする」――琥珀とHIROの願い

(文/藤谷千明)

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ハイローをより考察したくば『Bボーイサラリーマン』を読むべし。

「違う、捨てたんじゃねぇ。変わってくんだよ。みんな同じ時間で止まってる訳じゃねえ。変わっていくことと、仲間を失うことは全然違う」

『HiGH&LOW』のシーズン2で龍也が琥珀を諭すときに口にするセリフだ。『THE MOVIE』の回想シーンにも出てくるこのセリフは、『HiGH&LOW』の根底にあるテーマのひとつでもある。

 これまでにも繰り返し述べてきたが、『HiGH&LOW』はEXILE、ひいてはEXILE HIRO(本稿では尊敬と親しみを込めて「HIROさん」と呼ばせていただく)の経験や思想が色濃く出ている作品である。つまり、EXILEの歴史とは、喪失と変化の歴史なのだ。しかし「変わっていくことと、仲間を失うことは全然違う」というものの、HIROさん自身の歩みを振り返ると「喪失」をきっかけに「変化」していったというほうが正しいかもしれない。

 HIROさんの小説風自伝『Bボーイサラリーマン』(幻冬舎)によると、ZOO解散後、どん底を味わっていたHIROさんは91年のボビー・ブラウンの日本公演にバックダンサーとして参加。この公演が、どん底からの浮上のきっかけのひとつとなるのだが、その時にボビー・ブラウンから「Japanese Soul Brothers」と紹介されたことがHIROさんを強く勇気づけたのか、再起をかけて結成したユニットの名前を「J Soul Brothers」と命名する。99年のことだ。

 当初はHIRO・MATSU・USA・MAKIDAIの他に、SASAというボーカリストがいたのだが、作家活動に専念したいという理由でグループを脱退してしまう。その後紆余曲折を経て、当時から『ASAYAN』(テレビ東京系)で注目されていたATSUSHI、山口県のとあるオーディションで発見されたSHUNを誘い、ツインボーカルの6人編成になり「EXILE」と改名した。HIROさんは『Bボーイサラリーマン』内で改名の理由について、J Soul Brothersへの愛着は残しつつも「ここからが正念場だ。過去を白紙に戻し、生まれ変わったつもりでゼロからスタートしようと思った」と語っている。「喪失からの変化」はEXILE誕生からすでにはじまっていたのだ。

 EXILEは01年9月に「Your eyes only 〜曖昧なぼくの輪郭〜」でメジャーデビュー。ドラマの挿入歌として起用されたことから話題になり、スマッシュヒット。以後も順調にファンを増やしていく。02年に現在のLDHの前身となる「エグザイル・エンターテインメント」を設立。EXILEの初期メンバー6人が50万円ずつ出し合って有限会社の資本金300万を捻出したという話は語り草になっている。03年にはアルバム『EXILE ENTERTAINMENT』がミリオンヒット、紅白歌合戦にも出演。04年には初の武道館公演。05年には初のベストアルバム『PERFECT BEST』を発売し、これもミリオンセラーを達成。HIROさんが『Bボーイサラリーマン』を上梓したのもこの頃である。

 何もかもが順調にいっていたように見えたが、ここで転機が訪れる。06年に、清木場俊介としてのソロ活動に専念したいとSHUNが脱退を発表。そしてAKIRAの加入、新しいボーカルをオーディションで決定する「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION」の開催。そこで優勝したTAKAHIROの加入。「EXILE」に「第○章」が付くようになったのもこの時期だったように記憶している。変化を余儀なくされたEXILEの規模はこれを機にどんどん拡大していく。

 逆境に対してHIROさんは自著『ビビリ』(幻冬舎)では、「ぜってぇ、負けねえ」と語り、SHUNの脱退があったからこそメンバーがひとつになれたと語っている。ここで、SHUN脱退やメンバー変更について、HIROさんの言葉を引用したい。

「すべてのものには終わりがあるのだ。EXILEだって、もちろん永遠ではない。(中略)永遠に続くグループなんてない。いつかどこかで、必ずいろんなことが起きて、解散しなきゃならなくなる。それが運命なのだ。けれどこのまま、その運命とやらのなすがままに、ここまで積み上げてきたものを、すべて無にしてしまっていいのだろうか。EXILEはもう終わりなのか。運命をひっくり返して、永遠に輝き続ける方法はないのだろうか。(中略)永遠は無理かもしれないけれど、その永遠に挑戦することくらいはできるはずだと思った。」(『ビビリ』より)

 琥珀の思想である「ムゲンを永遠のものにする」の萌芽がすでにここで誕生している。

つづきは本書で!(Amazon予約受け付け中)

100人以上いた社員も半分に……あの“サブカルチャー系”出版社も、いよいよピンチ!

<p>「まったく企画を出しても編集部の反応がないと思ったら、そういうことだったのか……」</p>

<p> フリー編集者が肩を落としたのは、サブカルチャー系出版社がいよいよ危ないという話が聞こえてきたからだ。1980~90年代にはアダルト・サブカルチャー路線の雑誌などが若者から支持を得ていた同社だが、最近は出版不況で規模の縮小が伝わっていた。<br />
</p>

シャレにならない“出版不況”! ファッション筆頭に、雑誌ドン底の「理由」が多すぎて悲しい……

<p> ネット全盛のおかげで「出版不況、出版不況」とささやかれる昨今ではあるが、多くの人にはその実感がないかもしれない。「最近、雑誌読まないなあ」と思う程度ではないだろうか。確かに、いまだにコンビニには雑誌コーナーが設けられてはいるし、紙ベースの書籍に触れる機会も多いだろう。</p>

<p> ただ、やはり出版不況は現実に起こっている。とりわけ「雑誌」の落ち込みはシャレにならないレベルのようだ。2014年の雑誌売上は約8.9%減、雑誌全体は5%減で、全盛期である1996年の6割程度という惨状だ。</p>

<p> 雑誌の中でも、特に深い悲しみに包まれているのが「ファッション誌」。「egg」(大洋図書)や「BLENDA」(角川春樹事務所)などの“ギャル雑誌”が14年に次々と休刊・廃刊となり、それと同時に「渋谷ギャル文化」もほぼ終焉を迎えた。文化の衰退が雑誌の終焉ということで、これは当然の淘汰といえるだろう。だが、これだけではない。</p>

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