「本」の記事一覧(8 / 17ページ)

「もう、お前死ね……」貧困が招く悲しき老後生活『万引き老人』

<p> テレビの特番などでたびたび取り上げられる“万引きGメン”。スーパーや家電量販店でのさばる万引き犯を、ジッと監視し決定的な瞬間を待って捕まえる。現在も万引きGメンこと保安員として日夜窃盗犯の捕捉につとめる、伊東ゆうの著書『万引き老人』(双葉社)は、万引き犯となった高齢者、“万引き老人”の実態にせまったルポだ。<br />
 <br />
 特売品が売り切れていたことに腹を立て、万引きをした老女。保安員の手から逃れるため、車を急発進させた。思わず保安員をひいてしまうところだったが、「なんなんですか?」と言ってのける厚顔ぶりだ。最終的に警察に引き渡された老女は、翌日夫と思われる男性と店に謝罪に来た。</p>

偏差値78の売れっ子AV男優・森林原人 8,000人超とヤッてたどり着いた「セックスの本質」とは?

<p> 偏差値78の超進学校を卒業しながら、なぜかAVの道へと進み、今までに8,000人以上の女性とセックスをしてきた、売れっ子AV男優・森林原人(もりばやし・げんじん)。</p>

<p> 仕事でそれだけセックスをしていれば、さすがにプライベートでセックスする気なんてなくなるだろう……と思いきや、彼女やセフレともガンガンヤリまくっているという。彼女はともかく、セフレまで作るなんて、なんという性獣っぷり!<br />
 <br />
 そんな森林原人が、初の書き下ろしエッセイ『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』(講談社)を上梓した。</p>

<p> 心からセックスを愛し、セックスをしまくってもいる男の考える「セックス幸福論」とは、どんなものなのか!?</p>

デリヘル、出会い系、危険ドラッグ……グレービジネスの経済学『闇経済の怪物たち』

<p> 6月は、夏のボーナスが支給され、懐があたたまる時期。けれども、給料2カ月分なんていう額面は夢のまた夢。雀の涙ほどの支給額を見て「どこかにおいしい仕事はないだろうか……」とため息をつく人も少なくないだろう。</p>

<p> ヤクザを中心に裏社会を描いてきたノンフィクション作家・溝口敦の新著『闇経済の怪物たち グレービジネスでボロ儲けする人々』(光文社新書)は、適法すれすれで金を稼ぐグレービジネスの「勝者」たちに迫った著作だ。ホワイトでもなく、ブラックでもなく、「グレー」というすき間で金を得る人々の姿から、いったい何が見えてくるのだろうか? 本書の内容を見てみよう。<br />
</p>

「棚橋弘至にありがとうを言いたい」プロレスキャスター20年目の結論

<p> 今、「新たな黄金時代」と呼ばれるほどのブームを迎えているプロレス。棚橋弘至、オカダカズチカ、内藤哲也といったスター選手を擁する新日本プロレスだけでなく、飯伏幸太を輩出したDDTなどインディー団体も注目を集め、新たなファンを獲得している。</p>

<p> そんなブームの只中に上梓された新書『プロレスという生き方 平成のリングの主役たち』(中公新書ラクレ)は、さまざまなメディアで脚光を浴びるスター選手たち以外にも、女子プロレスラーの里村明衣子やさくらえみ、さらには全日本プロレス名誉レフェリーの和田京平など、不遇の時代からプロレスを愛し、支え続けてきた人々にもスポットライトを当て、発売3日で増刷が決まるほどの話題となった。<br />
</p>

アフリカを愛する“全裸の写真家”ヨシダナギのクレイジー紀行『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』

yoshidanagi.jpg
『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』(扶桑社)

 人気バラエティ番組『クレイジージャーニー』(TBS系)への出演で、一躍話題をかっさらった裸の美人フォトグラファー・ヨシダナギが、初の紀行本『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』(扶桑社)を発売した。当時、ブログに書いていた出来事などを加筆修正して完成させた1冊で、いやー、ぶっ飛んでいる!

 ヨシダ氏といえば、「相手と同じ格好になれば、ぜったい仲良くなれる」という確信のもと、ブラもパンツも脱ぎ捨て、少数民族と同じ格好で写真を撮る、独創的な撮影スタイルで有名。その行動の根底にあるのは、幼い頃からのアフリカへの強烈な憧れであり、愛。アフリカ人はカッコイイ、アフリカは魅力的だということが、本全体を通してひしひしと伝わってくる。

 本書に登場する国は、2009年から訪れた、エチオピア、マリ、ブルキナファソ、ジブチ、スーダン、ウガンダ、ガーナ、カメルーン、チャド、ナミビア、タンザニア。アフリカといえば、なんとなくどの国も一緒のような気がしてしまうが、この本を読めば、どれだけ国全体やそこに住む人々に、個性があるのかハッキリとわかる。

 たとえばジブチ。あまり聞きなれないが、アフリカ東部、エチオピアのお隣にあり、“世界一暑い国”といわれているそうだ。そんな暑い国で、ヨシダ氏は山盛りのアイスを食べていたのだが、量が多すぎて食べ切れなくなってしまった。すると、ガイドのフセインが「僕も要らない。ちょっと見ててね!」と、アイスを片手で持った。次の瞬間、すれ違いざまにひとりの少年が絶妙なタイミングでフセインからアイスを受け取って、何事もなかったかのようにおいしそうに食べているではないか! 知らない人からすれ違いざまに食べ物をもらうなんて、日本では信じられない話だが、これはジブリでは当たり前のことだという。

 一方、フランス語圏のマリでは、毎日、イライラ。ジャイアン気質で、下心のある下ネタ連発の現地ガイド・シセは、どれだけヨシダ氏が嫌がっても、<ナギはオレのことを好きに違いない>という、おめでたいプラス思考。終始、発言がうざい上、足場の悪い道では、転ぶと危ないからとカメラバッグを持ってくれたハズなのに、自分がつまずいて小銭をばらまき、お金に群がった子どもたちに、カメラバッグを思い切り投げつけるという信じられない行動に。さらに、マリ滞在中にヨシダ氏は、あからさまな差別にも遭い、「もうヤダァァァァ!!!なんで、そういうことするの!!ホンットにやめてようぉぉ…」と、顔面の穴という穴から水をたれ流し、泣きわめいたことも。

 このほか、スーダンで約140匹のゴキブリ部屋に軟禁事件、内戦状態のチャドで兵士に捕まり、ガイドが自分の存在をかばうどころか大泣きして命乞い、ナミビアでの乾燥ウンコ飛ばし、もちろん、初めて服を脱いだ時のエピソードや撮影秘話などもたっぷり書かれている。

 日本人の多くは、アフリカのことをよく知らない。そして、興味も持たない。けれど、ヨシダ氏の目を通して描かれたアフリカは、キラキラと輝いていて、超カッコ良くて、時にはつらい目にも遭うけれど、爆笑の出来事の連続。今まで興味がなかった人にも、この国なら行ってみたいかも! と思わせてくれる。
(文=上浦未来)

●ヨシダナギ
1986年生まれ。フォトグラファー。幼少期からアフリカ人への強烈な憧れを抱き、独学で写真を学ぶ。2009年より単身アフリカに渡り、彼らの写真を撮り始める。アフリカの裸族とともに裸になったことや、その奔放な生き方や写真が評価され、さまざまなメディアで紹介される。現在は“アフリカ人の美しさ”や”アフリカの面白さ”を伝えるべく、講演会やコラム寄稿などの活動を積極的に行っている。写真集に『SURI COLLECTION』(いろは出版)がある。

戦後・高度経済成長期に愛された珠玉のエロス!!『昭和の女優 官能・エロ映画の時代』が発売中

<p> 昭和の女優と聞いて、思い浮かぶのは誰だろうか。原節子や高峰秀子といった映画史に残る名作に出演した大女優たちだろうか。それとも若くして亡くなった夏目雅子、大原麗子といった美人女優だろうか。映画ジャーナリストの大高宏雄氏が書き下ろした『昭和の女優 官能・エロ映画の時代』(鹿砦社)はタイトルにあるとおり、“官能・エロ”という視点で昭和の女優たちを振り返った映画レビュー集だ。京マチ子主演の文芸作品『痴人の愛』(49年)から、東映エログロ路線が生み出した怪作『徳川セックス禁止令 色情大名』(72年)まで、大手映画会社が製作した戦後の官能・エロ映画45本を掲載。シネフィル的な回顧本とは異なるユニークな作品選びと記事内容になっている。<br />
</p>

全国216万人を喰い物にする“悪い奴ら”──貧困ビジネスと闘った900日『潜入 生活保護の闇現場』

<p> 生活保護法は、戦後、路上に溢れた孤児や大黒柱を失った家庭を救済するため、GHQ指導のもとに戦前の生活保護制度といえる救護法を廃止してスタートした国内最大のセーフティネットだが、実態がどういったものか知る人は少ないだろう。</p>

<p>『潜入 生活保護の闇現場』(ミリオン出版)は、生活保護受給者を喰い物にする悪しき「貧困ビジネス」と闘った著者・長田龍亮の900日のルポだ。長田は、ひょんなことから貧困ビジネスを展開していた「ユニティー出発(たびだち、以下ユニティー)」の施設で暮らすことになる。</p>

増加する“ストーカー殺人”加害者の心の深淵をのぞく『ストーカー加害者:私から、逃げてください』

<p> 先月、東京・小金井市で女子大生シンガーソングライターがファンを名乗る男に襲われる痛ましい事件が発生した。男は、SNSで女子大生に対して脅迫めいた発言を続けていたと報じられている。2010年代に入り、こうしたネットを介したストーカー事件が後を絶たない。そういった中で、無視され続けてきたストーカー加害者のパーソナリティを知る必要があるという声が上がるようになった。その声の主は、ストーカー殺人の被害者遺族だった。</p>

<p> 『ストーカー加害者 私から、逃げてください』(河出書房新社)は、著者でドキュメンタリー・ディレクターとして活躍する田淵俊彦が複数のストーカー加害者とされる人に行ったインタビューを元にしたルポだ。</p>

瀧本哲史が考える、最強の「マッチメイク」読書術!『読書は格闘技』

<p> 本屋に行けば「ブックガイド本」というジャンルの書籍が並び、雑誌「サイゾー」でも「本特集」は人気企画のひとつ。いったい、どんな本を読めばいいのかという指針を求めている人は少なくないようだ。しかし、ブックガイド本を購読するくらいならば、そこに紹介されている本から手に入れるほうが早いのではないだろうか? いったいなぜ人はまず「ブックガイド本」を選んでしまうのだろうか?</p>

<p>『武器としての決断思考』(星海社新書)、『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社)などで知られる瀧本哲史の新著『読書は格闘技』(集英社)は、「組織論」「グローバリゼーション」「教養小説」「児童文学」など、12のテーマごとに読むべき本を紹介するブックガイド本である。本書の中で、瀧本は「読書は格闘技」であり「書籍を読むとは、単に受動的に読むのではなく、著者の語っていることに対して、「本当にそうなのか」と疑い、反証する中で自分の考えを作っていくという知的プロセス」と持論を展開する。瀧本は、いったいどのような形で「格闘」を繰り広げているのだろうか? いくつかの例を見てみよう。</p>

うっとうしいけど、憎めない!? 時代に翻弄される中国人の姿を描く“倦中本”『激ヤバ国家 中国の正体!』

81jOcqnak1L.jpg
『激ヤバ国家 中国の正体! 』(宝島社)

 いまやお昼の情報番組から週刊誌まで、中国ネタは欠かすことのできないおなじみコンテンツとなっている。

 しかし、そこに登場する中国人たちの行動といえば、白昼の路上で突然裸になったり、横転したトラックの積み荷をわれ先にと奪い合ったりと、われわれ日本人からすれば“とっぴ”と言わざるを得ない。彼らは、日本人と顔形が似ているからこそ、われわれの常識にそぐわない行動をすると、余計に奇妙奇天烈に映る部分もあるだろう。

続きを読む

サブコンテンツ

このページの先頭へ