韓流スターやK-POPアイドルのファンにはお馴染みだった公会堂やホールが改装や建て替えに入り、ライブ会場が少なくなっている……そうお嘆きの韓流ファンに、昨年末、朗報が舞い込みました。この春、K-POP界隈ではお馴染みのイベンター=椎名真子氏が指揮をとるホールが東京・お台場に出現。K-POPアイドルグループ、MYNAMEのファンミーティングがこけら落としとあって、今後もK-POPアイドルのライブが多数、見れそうな予感たっぷりなのです。
噂の現場は、りんかい線・東京テレポート駅を出てすぐで、会場の名は「東京シーサイドフェスティバルホール」。そこにはテントが2棟設置され、ホールというよりは仮設テント風の作りです。で、この名前も何やら聞き覚えがありそうな、なさそうな……。記憶を辿ってみると思い出しました! 昨年10月1~10日にかけ、同じ場所で「東京シーサイドフェスティバル」なるフェスが行われ、8~10日にそのメインイベント「シーサイド・ジャズ・フェスティバル」が開催されていました。つまり、このホールはフェスの延長線上にあるのです。
ジャズ・フュージョン界の世界的な大物や、韓国が世界に誇るソプラノ歌手、 スミ・ジョーを招き、ホームページ上では ゲストとしてQちゃんこと高橋尚子の名も挙がり、意外な(というか必然性のない)キャスティングで話題を集めたこのイベント。結局、高橋氏の来場はなかったようですが、メインイベント前の日程でパク・シフ、ノ・ミヌといった韓流スターのイベントも開催され、“韓流”がひとつの軸になっていました。
振り回される現場…。スタッフからの告発
で、肝心のジャズ・フェスは8、9日が雨天の影響で中止になり、10日のみの開催に。初日は石井竜也の出演も予定されていたのですが、なぜか実現ならず、ファンには残念な結果に終わりました。
ただ、天候以上に残念なことも多数あったようです。K-POPガールズグループ・T-ARAファンのあいだでは伝説的な存在の椎名氏(昨年9月のグダグダなプレミアム・ファンミでMCを担当)がこのフェスの中核を担い、ジャズ・フェスのMCも兼任していたと知れば、勘のよい方ならおわかりいただけるでしょう。
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「そもそも、クラシック、ジャズには 屋外っていうイメージがありませんよね。実際、風の強いお台場は音が飛ぶから向いてないんです。しかも当日はめちゃ寒くて、ジャズファンである、お年を召したお客さんとは合わなかったみたい。だから全然人が集まりませんでした」
そう明かすのは、フェスにスタッフとして関わっていたAさん。同じくBさんも「急に決めたから、プロモもできる時間がなかったのでしょう」と話します。
傍目から見ても宣伝は行き渡っていなかったのですが、それは「労せずしてもチケットが売れる」と高を括っていたから……なんてことはなく、単純にすべてが土壇場で決まるので、スッタフは誰ひとりとして事前に動けなかったというのが真相。当然、集客はうまくいくはずもなく、実際に販売されたチケットは約1割だけだったとか。約9割の実券が関係者に向けて招待券として配られたのです。
どうやって収益を上げるつもり?
「実券を招待券として配ることには法的にも問題があります。さらに招待券として配られたチケットが転売されたのでしょう。中止になってから『知り合いから購入したチケットを払い戻したい』と問い合わせもありました。もちろん無料招待券の返金に応じられるわけはありませんよね」(Aさん)
タダ券として配られていたのが、人から人へと渡る間に有料で譲渡されていたのですから、関係者は皆、唖然とするばかり。それ以前に、9割を無料で招待したのですから、どうやって収益を上げるの、と思っちゃいます。だって収益がなければ、出演者へのギャラも制作関係者への支払いもできませんよね。
ところが、そんなのお構いなしというのが椎名氏のスタイルのよう。
「発注書や契約書があってもすべて無視。支払いには応じません。外注に仕事として依頼したことに関しても、『頼んだ覚えはない。タダでやってくれるって言ったじゃない』と突っぱねることのくり返し。話にならないです」(Bさん)
正当な報酬を請求しても、自分が都合と感じれば、「警察呼ぶわよ」とガン切れるというのですから、もう無茶苦茶です!
ノ・ミヌのLIVEが直前にドタキャンに!?
業者さんへの支払いはキレれば事足りるかもしれませんが、前払いが常識の韓流スターの場合はそうはいきません。パク・シフへの支払いは半分を前金で済ませたものの、残金を振り込んだのはライブが終わって1カ月以上経過してからだったそう。それ以上に興味深いのがノ・ミヌのケースです。
「当日、蓋を開けてみたら、椎名氏が現場に来てない。関係者が彼女に電話すると『ミヌに契約違反があったから、中止にしたのよ』って言うそうです。ギャラは事前に半分払っていて、残り半分をライブ前に支払うはずだったんですが、『もうそれも払わない』の一点張り。ミヌ側は『残金をもらわないかぎり、ステージには立たない』と主張するわ、お客さんは来てるわ、椎名氏とは連絡がとれなくなるわ……で大混乱。現場が騒然となるなか、最終的に仲介役の方が残金の支払いについての覚書にサインをし、なんとかミヌがステージに立ったのです」(Bさん)
ミヌ出演OKのゴーサインが出たのが開始10分前と言いますから、現場の緊迫ぶりがわかろうってもの。演者本人が現場にいながら、あわや中止、という前代未聞の事態も想定されたのです。そんなのも我関せずと現場に顔を出さなかった椎名氏は前金を捨ててまでも残金を払いたくなかったってこと? あまりの合理性の欠如にポカ~ンとなってしまいます。
さて“何ごとも土壇場”というのは椎名氏が関係するすべてのイベントに共通する傾向らしく、「プレミアム・ライブ」と銘打って集客し、グダグダ・ファンミという中身でファンを失望させた、例のT-ARA事件のときも同じだったようです。
彼女がイベントを開催できるカラクリ
「最初はタイトルにあったとおり、ライブを予定していましたし、T-ARA本人たちもライブのつもりだったと思います。ところが途中から椎名氏が急に『ファンミーティングにしたから』と不審なことを言い出し、そこから変わったのです」(Bさん)
ライブがファンミーティングに突如変わった具体的な理由はBさんにもわからないとのこと。さらに「当日も進行が素人すぎで、アーティストのケアができておらず、あまりの不手際にT-ARAも怒っていました」(Bさん)と、万事この調子。
チケットは売れない、アーティストはプンプン……ステージもグダグダなら、舞台裏もグダグダ。誰しもそんな人とはなかなか契約を交わしたくないようにも思えますが、それでもこうしたイベントを開催してこれたのにはひとつのトリックがあるといいます。
東京シーサイドフェスティバル実行委員会が存在した、赤坂のとあるビルの1フロアには、椎名氏が関係する法人が複数入っています。そしてそのいくつかの会社に大手新聞S社グループのSK広告社が出資し、株主になっています。
「制作会社やプロダクションは椎名氏の会社ではなく、このSK広告社と契約を交わすんです。大手新聞社S社の名前を冠した代理店ですからネームバリューがありますよね。それを利用しているわけです」(Aさん)
なるほど、世間的に知られた大手新聞社の名がつくことで、話がハヤくなるってこと? たとえば、フェスに参加した某韓流スター出演交渉の際も、椎名氏サイドはS社の名前を出して契約を持ち掛けています。ただ、その新聞社自体はまったく関与していないので、当然、フェスに関して動くはずはありません。
「いくつかの新聞にフェスの広告を出していますが、S社だけは除外しています。というのも、自分たちのやっている事業をS社には知られたくないってことなんです」(Aさん)
支払いしたくないがために、雨乞いする女
つまりS社の名前を出して話をもちかけ、将来的にもめることは自分でもわかっているので、S社に知られることなく事を進めようーーそんな姑息な考えに基づいているってこと。新聞に大々的に露出できると考えていたスターのマネージャーが「話が違う」と怒るのは容易に想像がつきますよね。
さて、いくらキレても、支払いは逃れられません。そこで椎名氏は、天候など不測の理由で、イベントが中止や延期を余儀なくされた場合に支払われる“興行中止保険”に目を付けたのだとか。
「イベントの制作会社が興行中止保険をかけていると知って、イベント前は『雨、雨、降れ、降れ』と雨乞いをしていました。『雨が降ってくれたら、うれしい~』としょっちゅう言ってましたしね」(Aさん)
とはいえ、保険金が入るのは制作会社であって、氏の元ではないと知り、がっかりし、マジで落ち込んでいたというのがここでのオチ。ここまでくると悲哀すら感じますし、何のためのイベントなのかと嘆きたくなります。Aさんも、雨乞いまでするイベント運営を「音楽及び芸術文化全体への冒涜」と憤りを隠しません。
大量のスピ系女子をジャズライブに無料招待
話を戻しましょう。冒頭で紹介した、東京シーサイドフェスティバルホールの母体は株式会社東京シーサイド文化事業団で、こちらも椎名氏が管轄しています。最初に「K-POPアイドルのライブが多数、見れそう」と書きましたが、プロダクションのみならずアーティスト本人も「椎名氏主導のイベントには出演したくない」とつぶやく現状では、一流アイドルのブッキングはむずかしく、現在のラインアップは2組のみ。ほかには K-POPアイドルも出演する韓流ミュージカルなどを予定しています。
「現在ブッキングされているアイドル2組も一流どころではありません。残念ながら、椎名氏のイベントに出演することは自ら二流であることを証明するようなものなのです」(韓流雑誌編集者)
K-POPアイドルがブッキングできないとなれば……? そう、答えは椎名氏が心酔する、とんでも系スピリチュアルを呼ぶしかありません。
昨年5月に武道館で開催予定だった「SUPER CONCERT×SUPER FAN SPECIAL LIVE!!」でも、椎名氏は「宇宙の法則を体現している」Happy氏や彼女に連なる自己啓発系の胡散臭い人たちをブッキングしていたのをお覚えでしょうか?
でも、イベントは頓挫し、その挽回という意味も兼ねてでしょう、今年1月8、9日には、このホールを会場にHappy氏仕切りで“シンデレラプロジェクト”なるスピリチュアルイベントが開催され、盛況を博しました。彼女は前述の赤坂のビルのフロアでプロジェクトの準備をしていたそうですから、椎名氏とHappy氏のべったり具合がわかります。
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Happy氏は集客で苦労したジャズ・フェスでも椎名氏に貢献していました。「Happyさんのブログを見た」と言えば、無料でHappyシートに座ることができ、結果的に客席の半分以上がHappyシートになっていたという始末。挙句の果てには、そうした方々が受付で「Happyさん来ていますか?」と声をかけてきたのですから、Happy氏目当てにジャズ公演に来ていたという本末転倒ぶりで、これもまた音楽への冒涜と呼べるでしょう。
スピ☓韓流で、本人だけが至福
スピリチュアルとK-POPがラインアップされる「東京シーサイドフェスティバルホール」は“K-POP meets 自己啓発”を目論みながら頓挫した「SUPER CONCERT×SUPER FAN SPECIAL LIVE!!」のリベンジにして拡大版とも言え、スピリチュアルとK-POPにハマっている椎名氏にとっては夢のような空間になっているのです。
椎名氏のK-POPビジネスは、支払いに困るほどですから、収益を生んでいるとは思えません。自分で企画したイベントの司会は自分で行い、K-POPアイドルとの2ショット写真をオフィシャル写真として配布する彼女は自己顕示欲の塊。そうした欲求を満たすため、と勘繰っても、最後はアイドル・サイドから総スカンを喰らっているので、これとて理由にはなりません。
実はこのビジネスは彼女の独断によるものにはあらず。彼女の公私に渡るパートナーと、前述したSK広告社の役員のひとり、この3人が三位一体となって進めているのです。それゆえ、彼女のエキセントリックなキャラだけが原因じゃない、ってのがポイント。一体何のためにやっているのか、真相は別の深い次元にありそうです。
(messy編集部)
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